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国は、大学院が今日求められる機能に的確に対応するためにも、当面は、次のような各課程の大綱的位置づけに沿って、重点的に施策を進めていく必要。
(博士課程の目的・役割の具体例)
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産官学を通じたあらゆる研究・教育機関を担うために、深い知的学識をもつ創造性豊かな研究者/大学教員の養成を行う中核的機関な教育課程としての明確な役割を担うことが適当。 |
(修士課程の目的・役割の具体例)
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研究者養成の一段階、 高度専門職業人の養成、 我が国の知識基盤社会を支える人材の養成などの多様な社会のニーズに的確に対応し、各大学院においてその役割の基本的な方向性を明らかにして、それに即して学部段階で培われた教養教育を中心とした専門的素養をもとに、その専門性を一層向上させていく教育課程としての役割を担うことが適当。 |
(専門職学位課程の目的・役割の具体例)
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幅広い分野の学部の卒業者、社会人を対象として、大学院段階より特定の高度専門職業人の養成に特化して、社会の各分野において国際的に通用する高度で専門的な知識・能力が必要とされる人材の養成を行う中核的機関な教育課程としての明確な役割を担うことが適当。
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ただし、特定の高度専門職業人の養成に特化した課程であっても、専門基礎と実習・実技との関係等に配慮して、一貫した教育課程の編成が重要である専攻分野については、学部における教育課程に配慮するなど弾力的に対応することが適当。
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また、現状においては、各大学院のそれぞれの課程の目的・役割が不明確であり、国は、これが明確に示されるようにする方策を講ずる必要。(必要に応じ大学院設置基準に関係規定を置く等)
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その際、次のような点を踏まえることが必要。各大学院は、専攻等の分野毎に職業人等が当面している課題や、求められる職能、資格制度との関係や専攻等が果たすべき役割などを踏まえ、養成しようとする人材を念頭に各課程の目的・役割を明確化することが重要。
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また、これをもとに、学生に修得させるべき知識・能力の具体化を図り、これらを組織的に共有していくことが必要。
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このため、例えば、各大学院は、専攻を基本単位として、養成しようとする人材、或いは修得させようとする知識・技術の体系、専門的能力を、学則又は研究科規程等に規定するなどして明確にすることが必要。
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さらに、各大学院は、このような事項をホームページ、パンフレット等の適切な方法を用いて、わかり易い形で積極的に公表。
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これらの措置を通じて、各大学院は、社会の要請に的確に対応しているか確認していくよう努め、また、学生の大学院への進学の見極め、修了生のキャリアパスの形成、ひいては大学院の評価など大学院の質の向上に資する。
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また、これらの措置に連動して、教育内容・方法、修了要件等についても、併せて検討していく必要。 |