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資料9

優秀で意欲のある留学生の確保方策等について

平成18年6月6日 16時〜18時
中央教育審議会大学分科会大学教育部会発表資料
広島大学副学長 二宮 皓

1  誰のための「優秀な留学生」か
 
1. 国家の発展に有為な人材(ODA型人材論)
 
(1) 多様なチャンネルが開発されてきた
 
1 大使館推薦、各国政府派遣(世銀・JBIC(ジェイビック)等の借款を含む)、JICA(ジャイカ)スキーム、ツウィニングプログラムなど
2 「優秀な留学生」はそれぞれのスキームにおける「人材」発掘機能に依存

(2) 帰国して国の発展に貢献することを前提(帰国後どの程度貢献したか)

(3) 私費(自費)留学生の受入れもODA型国際貢献なのか
 
1 立身出世を目指す個人投資であり、高等教育サービスの消費者でもある
2 自費留学生の「質」の制御は大学の審査・判断に依存している(国家による制御は難しい)

2. 「世界の知財の創出」に有為な人材(知的国際貢献)
 
(1) 国費・私費を問わない

(2) 大学院留学生(博士課程)志向

(3) 修了後自国に帰国するという前提は崩れる(欧米など世界で活躍する元日本留学生)

(4) 「優れた人材」を発掘・育成する(大学の人材育成機能がより重要である)(大学院教育の実質化・国際標準化・先端化など)

3. 日本の国際競争力強化に有為な人材
 
(1) 国費・私費を問わない

(2) 大学院レベルの人材発掘と育成

(3) 日本に貢献する有為な人材(帰国しないで日本に残る人材の確保)

 
1 日本企業等への人材供給(優秀な技術者・高度専門的職業人イコール修士志向)
2 日本の大学等の研究力に有為な人材の確保(優秀な研究者イコール博士志向)
3 日本人学生が少ない分野(博士)を担ってくれるような「優秀な留学生」が欲しい
4 日本人学生よりも「優秀な留学生」が欲しい

(4) 国の新たな施策が必要(大学だけに任せることはできない)
 
1 官民あげた「優秀な人材」の発掘を(科研費など研究資金などを海外から招聘するための奨学金やフェローシップにも使用可能にするような工夫)
2 育成すべき人材の重点化政策(分野や大学院プログラムなど)
3 人材育成プログラムの積極的な開発(たとえば国際学会等での活躍支援・研究費支援・日本の研究機関等への就職支援など)

2  意見
 
1. 「優秀な留学生」とは誰か(いわゆるアドミッション・ポリシー)…資料1
 
(1) 「意欲」「知力」「創造力」「真摯な態度」「積極性」(トップ5)
(2) 留学生の自己診断にみる日本留学生の「優秀さ」

2. 「優秀な留学生」発掘・確保にはどのようなチャンネルが有効か…資料2
 
(1) 国費と私費では大きな違いはない(若干分野で異なるが)
(2) 大使館推薦と大学推薦でも大きな違いはない(若干分野で異なるが)
(3) 協定校であるかどうかは大きな影響を及ぼしてはいない
(4) 来日時の年齢による違いはみられない
(5) 母国の大学での成績は優秀(上位集団に属する学生)
(6) 本国では優れた大学の卒業生である

3. 「優秀な留学生」はどこにいるのか(国別重点化)………資料3
 
(1) 「優秀な留学生」を輩出する国に重点化する政策はどうか
(国費(研究留学生)の戦略的募集・選考・配置)

4. 日本留学の魅力アップ戦略(量も質も政策)
 
(1) 世界の高等教育市場及び国際学生移動(留学生)市場の拡大に対応する多様な魅力ある大学教育プログラムの提供(世界の留学生市場の10パーセント〜15パーセントのシェアーを確保)(日本の大学のキャパシティー問題を解決)

(2) 世界の誰でもいつでもアクセスできる日本の高等教育市場の開放(バリアーフリー、ユニバーサル化)

(3) 日本の大学の積極的な情報公開(質保証とディプロマサプルメント型中身の情報公開)と知名度(ポピュラリティー)向上(日本留学の広告)

(4) 日本留学の「実益」(大学の効用)−日本の大学教育の国際標準化・高度化・高品質化などとキャリアーパスの開発努力(就職支援)
 
1 世界の労働市場での日本留学の価値を高める教育・支援策
2 ジャパニーズ・ドリーム実現の可能性を高める支援策(日本で就職を)
3 留学生(修了後も含めて)のための「起業」支援策

(5) 短期学生交流プログラムを大幅に拡大・拡充する(日本を世界に徹底して輸出する)(将来の学部留学生政策の中核になる)

(6) 世界の大学とのジョイントプログラム(大学院修士)を開拓・拡大する

(7) 適正な高等教育コストの負担を求める(大学のプライシングの研究と政策)
 
1 Full-fee payingという考え方は
2 大学の留学生からの授業料収入の国際戦略の観点からの自由な使用を

(8) 民間財団等の奨学金の国際公募と直接応募の道を開くようお願いする(政府が支援する)(多様性の確保と日本留学のブランド化)

(9) 安心・安全な日本留学

5. 国費留学生制度のブランド化など(愛称があればなおいい)
 
(1) 厳しい公正な選抜を経ること(高い競争率を維持)

(2) 修士課程研究留学生と博士課程研究留学生を別々のスキームで公募する
 
1 世界中の大学院で修士を取得した多くの学生のニーズに対応する新たな戦略
2 修士プログラムの自己完結型専門志向プログラム(MBAなど)の開発
3 従来の修士・博士連続型も残しならが(博士延長の審査の厳格化)
4 しかしその場合、一人の留学生に7年も10年も国費を投入するコストパフォーマンスはどうか

(3) ジョイントプログラムとジョイント・ダブル学位による日本短期

(4) 奨学金・プログラム開発維持費補助制度(国費)(国際的通用性の改善)

(5) 国費留学生の申請における「年齢制限」を撤廃(成人学生市場への積極的な対応)

(6) 出願方法などの弾力化(インターネットで直接応募可能、年2回募集、第三国滞在中応募可能など)(個人で自由に出願し、適正な審査・選考を受ける)

(7) 「優秀な留学生」を求める国別分野別重点化戦略も同時に展開する

(8) 「優秀な博士課程国費留学生」の破格の待遇(科学研究費補助金申請資格付与、修了後優秀であれば日本の大学等での優先的雇用(10年任期イコール国は大学に雇用特別促進補助金を支援)(その間に優れた研究者として母国や世界に活躍の場を求めることが出来る(日本も含めて))

以上



資料1
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