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従来の研究手伝い主体から、実質的な授業(特に研究者育成コースでは、研究の展開ができるような幅広い領域の動向、実験技術指導が不可欠)へ転換すべき。単位認定が内容のチェックなしに形式的になっていないかどうか検証すべき。医学系教員の中には研究者育成と称して、研究の手伝いとの位置づけとの認識が強いのではないか。 |
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理工系の場合、学部では卒業論文が、修士課程では修士論文が義務づけられており、これらを作成する過程で、基礎的知識、基本的な実験技術、科学的な思考能力、自学自習の習慣、問題解決能力などを獲得しているが、医学・歯学系にはこれがないことが根本的問題。体系的なコースワークを設定する場合、科学的思考能力と問題解決能力をいかに涵養するかの一点に絞られるべきであり、その一つとして、Critical thinking program等を導入して、これらの能力を涵養する教育を実施すべき。 |
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体系的なカリキュラム編成を行い、複数教員による指導体制を構築し、整備すべきである。さらに、厳密な学年制の導入により学生の実力を正確に把握して、確実な教育を行うべきである。 |
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医療薬学における専門薬剤師の学位取得には,薬剤師としての体系的な知識の習得とのほか,医療現場での実務の経験を必要とする。実務経験については,指導体制の整っている病院薬剤部,薬局でのモデルカリキュラムの作成が必要。 |
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臨床系大学院では、関連学会が認定する認定医・専門医等の資格と密接に関連することから、カリキュラムを設定する場合、これら専門医等の資格に則ったものとすることも考慮すべき。このほか、患者を対象とした臨床研究(新しい診断・治療法の開発・評価、臨床疫学、症例報告など)も課すべき。 |
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基礎系大学院においては、現在の生命科学の基本的技術(遺伝子技術、RIの取扱い、細胞培養、統計処理など)をコースワークで修得させるべき。 |
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専門薬剤師(博士課程)の教育には,薬学部におけ大学院指導教員ほか,病院医師,薬剤師からなる専門チームを構成し,コースワークにおける教育責任を負う教員組織の体制が必要。 |
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現行博士課程での評価は,30単位以上を前期課程で習得すれば,博士論文の審査および試験に合格すること満たされるが,博士課程における体系的な教育課程のプログラムが明確でない。一般学位と専門職学位を,例えば,コースワークの課題設定で,その違いを明らかにする。 |
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創造性と論理性に富む研究者を育成するため、カリキュラムを構築し、コースワークを課している。コースワークと関連を持たせて、博士論文の作成過程を明示している。これは学位取得までの時間を短くする上でも、また修了後の生産性をあげるにも、役立っている。 |
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社会人学生に対する教育課程と研究指導体制を確立し、専門職を持つ社会人に対応した学びやすい環境を整えることが必要。 |
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各大学の課程を意識的に特化させ、目標を明確にしたコースワークの設計が有効。これによって大学間の不必要な序列化が生じないように相互間の流動性を担保し、また各種人材の価値と意義を尊重し合うような研究社会制度の確立と並行させることに、注意することが肝要。 |
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研究者養成の場合、自分で研究を企画する能力を身に付けさせることを重点に指導すべき。そのためには、基礎的な内容のコースワークを充実させることも必要だが、その上で、自分でしっかりしたストーリーのある研究をし、それを論述しきるディサテーションに取り組ませる必要がある。 |
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ディサテーションを書けるということは、他の分野とも交流でき、社会の人々を説得できるということである。日本の博士論文とされるものの多くがパブリシュの意味を誤解し、特に理系においては学会誌に載せなければならないと誤解している。学会誌に載る形のものにするために、自己の企画によるテーマで十分論述するということをせず、トピックスの集積に陥る危険を孕んでいる。また、共同研究の一部ということも多くなり、それが、学生が教員の研究の手伝い、労働力になるというようなことにつながっている。 |