3.日本における社会人学生受け入れの状況

1.非正規学生(パートタイム的に学ぶ者)関係

科目等履修生の状況

 当該大学の学生以外の者(非正規学生)に、その履修成果に応じて単位を与えることができる「科目等履修生制度」をおく大学数及び学生数は年々増加している。

科目等履修生制度をおく大学

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科目等履修生の数

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 (注)放送大学は除く

一般学生と科目等履修生の比較(国立大学)

◇ 法令の定めによるもの
○ 各大学の定めによるもの

    一般学生   科目等履修生
身分 正規学生 非正規学生
入学資格 学部:高等学校を卒業した者等 同左のほか、希望する授業科目の履修に十分な学力があると認められた者
大学院:大学を卒業した者等
入学時期 学年又は学期の始め 同左
修業年限 学部:原則4年(医・歯・獣医学6年)    
修士課程:標準2年
博士課程:標準5年
在学期間 例1:在学年限8年+休学4年=12年 1学期、6ヶ月、1年等
例2:在学期間6年+休学3年=9年
単位取得 学部:124単位以上 例1:制限なし
修士課程:30単位以上+必要な研究指導 例2:年間1~12科目、6単位~24単位
博士課程:30単位以上+必要な研究指導 例3:1学期3~5科目、4単位~12単位
学位取得 可能 不可能
(※ただし、短期大学、高等専門学校卒業者等が大学で科目等履修生として必要な単位を修得し、大学評価・学位授与機構に申請して審査に合格した場合は、学士の学位が授与される。)
入学金 277,000円 27,700円
授業料 年額(478,800円) 単位当たり(13,300円)
検定料 17,000円 9,800円
定員 収容定員 正規の課程の学生の教育研究に支障の生じない範囲内

 (注)科目等履修生は、在学期間はじめに入学金を納入する。在学期間終了後引き続き履修する者については、再入学とみなさず、入学金の納入を求めない大学もあるが、これらの判断は各大学に委ねられている。

公開講座の開設状況

 公開講座を開設する大学は年々増加している。

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 平成11年度:

  • 開設講座数 16,099講座(国立 1,382 公立 1,850 私立 12,867)
  • 受講者数 728,086人(国立 59,493 公立 58,904 私立 609,689)

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 平成11年度:

  • 開設講座数 4,158講座(国立 43 公立 149 私立 3,966)
  • 受講者数 200,829人(国立 1,280 公立 17,399 私立 182,150)

 公開講座:大学の正規の教育課程そのものではなく、別途大学のサービス活動として、地域等から要望のある特定の事項について一定時間の講義等を行うもの。

駅前等でのサテライト講座の設置状況

1.サテライト教室等(公開講座)の設置(正規授業との併用を含む。)
  国立 公立 私立
設置大学数 10 2 26 38

 (平成12年4月現在)

サテライト公開講座の取組例
  • 金沢大学
    一般の人又は学生向けに「サテライト・プラザ」において「地域に生かすこれからの大学」
    「公民館活動と金沢大学」、「北陸の方言」等の講座が開かれている。
  • 日本福祉大学
    一般の人又は学生向けに「日本福祉大学サテライトキャンパス名古屋」において「コミュニケーション手話」、「ボランティア通訳養成」、「シニア英会話」等の講座が開かれている。
2.サテライト教室等(正規授業)の設置(公開講座との併用を含む。)
  国立 公立 私立
設置大学数 6 0 18 24
受講者数 5,698 0 7,871 13,569

 (平成11年度実績)

2.正規学生(フルタイムで学ぶ者)関係

社会人の受入れ状況

 社会人特別選抜を実施する大学等は増加している。

大学院

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学部

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短期大学

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専ら夜間に教育を行う大学の状況

 夜間大学院の数は増えているが、夜間学部の数は減っている。

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13年度

 研究科数 23(国立10、公立1、私立12) 
専攻数 28(国立14、公立1、私立13)

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昼夜開講制の状況

 昼夜開講制は、大学院、学部ともに増加している。

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 昼夜開講制:時間的制約の多い社会人等の便宜に配慮して、同一学部の中に「昼間主コース」、「夜間主コース」を設け、昼間及び夜間の双方の時間帯において授業を行う制度。

通信教育の現状

 大学院や学部では学生数が増加しているが、短期大学では大幅に減少している。

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  学校数 専攻数
平成11年 4 6
平成12年 6 8

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  学校数 学部数
平成8年 16 28
平成12年 20 31

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  学校数 学科数
平成11年 10 15
平成12年 10 16

 (注)その他には、専攻科在籍者、特修生(大学入学資格を有しない者又は大学卒業資格の取得を希望しない者で、教科目又は特定の学科の全学科目を履修する者)、聴講生・科目等履修生が含まれるが、ほとんどが聴講生・科目等履修生である。

編入学の状況

 短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)からの大学への編入学者は、年々増加している。

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 編入学:短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)を卒業し、大学の途中年次に入学する制度。

単位互換の状況

 単位互換制度を設けている大学は年々増加している。

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設置者が異なる単位互換協定締結の例

  • 国立と公立間
    北海道教育大学教育学部 ⇔ 釧路公立大学経済学部
    九州工業大学工学部、情報工学部 ⇔ 九州歯科大学歯学部
  • 国立と私立間
    北海道大学経済学研究科 ⇔ 北海学園大学法学研究科
    東北大学理学部 ⇔ 信州大学理学
    新潟大学医学研究科 ⇔ 福岡大学医学研究科
    愛媛大学全学部 ⇔ 松山大学全学部
  • 国立と公立と私立間
    熊本大学法学部 ⇔ 熊本県立大学総合管理学部 ⇔ 熊本学園大学経済学部、商学部

他大学での履修を認められた学生数

(平成11年度)

  対国立大学 対公立大学 対私立大学 対国外大学 対放送大学
国立 297 141 105 451 173 1.167
公立 111 86 338 16 164 715
私立 183 435 4.621 2.931 3.735 11.905
591 662 5.064 3.398 4.072 13.787

単位互換協定の組織の事例

  • 「大学コンソーシアム京都」
    京都地域42大学・短期大学が参加して、平成10年3月に財団法人「大学コンソーシアム京都」を設立。同団体において、課外講座、ファカルティ・ディベロップメント事業、インターンシップ事業などを行っている他、構成大学間において全国最大の単位互換包括協定を結んでいる。なお、平成13年5月には同包括協定参加大学等と早稲田大学との間で単位互換協定を締結している。

4月以外の時期の入学者の受入れ状況

 大学院については留学生が多く、学部については社会人が多くなっている。

大学院

(平成11年度)

  帰国子女 社会人 留学生 その他 合計
国立42大学 13 262 477 96 848
公立3大学 0 0 1 9 10
私立29大学 4 98 120 47 269
合計74大学 17 360 598 152 1,127

学部

(平成11年度)

  帰国子女 社会人 留学生 その他 合計
国立4大学 36 0 1 1 38
公立1大学 0 4 1 0 5
私立35大学 155 12,409 299 13,264 26,127
合計40大学 191 12,413 301 13,265 26,170

 (注)9月及び10月に入学するものがほとんどである。
 「学部」の私立には放送大学学園分を含む。

セメスター制の採用状況

 セメスター制を採用している大学は年々増加しており、平成12年度現在、479大学(約71%)においてセメスター制が採用されている。

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 セメスター制:1学年複数学期制の授業形態。日本でよく見られる通年制(ひとつの授業を1年間を通して実施)における前期・後期の区分とは異なり、ひとつの授業を学期(セメスター)ごとに完結させる制度。

3学期制をとる大学の例

 秋田大学医学部、千葉大学薬学部、長岡技術科学大学工学部、釧路公立大学経済学部鹿屋体育大学体育学部、兵庫教育大学学校教育学部、文教大学国際学部・情報学部東京基督教大学神学部

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