戻る


資料2−2
中央教育審議会大学分科会
制度部会(第10回)平成16年7月13日

評価基準と大学設置基準等との対比表(財団法人大学基準協会)

評価基準 大学設置基準等
(大学基準)  
1.理念・目的について  
 大学は、自ら掲げる理念・目的を具現化するために、教育研究活動に必要な組織・制度とその諸条件を整備し、その機能を十分に発揮するよう努めなければならない。
 大学の理念・目的は、それぞれの大学の活動の基礎である。従って大学は、本来あるべき大学を念頭に置いた上で、その大学の理念・目的に基づき学部・研究科等ごとにそれぞれ個性や特徴を具体化させ、その達成に向け総力を結集すると同時に、理念・目的に照らして充実向上のための検証を行う必要がある。
【学校教育法】
五十二条 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。
五十三条 大学には、学部を置くことを常例とする。ただし、当該大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適切である場合においては、学部以外の教育研究上の基本となる組織を置くことができる。
六十五条 大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。

【大学設置基準】
十九条
 教育課程の編成に当たっては、大学は、学部等の専攻に係る専門の学芸を教授するとともに、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するよう適切に配慮しなければならない。
(学士課程基準)
1.学士課程の使命および目的、教育目標
(1) 学士課程の使命および目的
 大学は、高度の教育機関および学術研究の中心機関として、「学問の自由」を基礎に、有為な人材を育成し学問の進歩と社会の発展に貢献するという使命を担っている。
 学部・学科および学士課程(以下、「学部等」と表記する)は、それぞれの専攻に係る専門の学芸を教授するとともに、幅広く深い教養および総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養することを目的としている。
(2) 学士課程の教育目標
 学部等は、こうした使命や目的を視座に据えて、当該大学の設立趣旨や理念・目的、さらにはそれぞれを構成する学問分野や専攻領域の特性に基づき、教育目標を明確に定めるとともに、その中でいかなる人材を育成しようとするのかを具体的に明示する必要がある。
 学部等は、こうした教育目標に則って、教育研究活動を行うに必要な組織・制度とその諸条件を整備するとともに、目標の達成に向けて、教育研究を行う必要がある。
 また、設定された教育目標は、大学案内や学生便覧等の公的刊行物、ホームページ等を通じ、教職員、学生を含む学内の構成員に浸透させると同時に、受験生を含む社会一般の人々に対しても明らかにする必要がある。
 学部等は、学術研究・文化の発展や社会的要請の変化等を視野に入れながら、自らの教育目標の適切性を不断に検証する必要がある。
(修士・博士課程基準)  
1.修士・博士課程の使命および目的、教育目標 【大学院設置基準】
三条 修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする。
四条 博士課程は、専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。
(1) 修士・博士課程の使命および目的
 大学院は、学術の理論および応用の深奥をきわめるとともに、それを教授研究し、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識および卓越した能力を培い、学術の創造と文化の進展に寄与することを目的としており、わが国が将来にわたって発展を続ける上で、きわめて重要な使命を担っている。
 大学院には常例として研究科・専攻が置かれるが、そこには、修士課程、博士課程および専門職学位課程のすべて又はそれらのいずれかが置かれる。修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又は高度の専門性を要する職業等に必要な能力を養うことを目的とし、博士課程は、専攻分野について、研究者として自立した研究活動を行うに必要な、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力、およびその基礎となる豊かな学識を養うことを目的としている。
(2) 修士・博士課程の教育目標
 大学院の研究科・専攻および課程(以下、「研究科等」と表記する)は、こうした使命や目的を視座に据えて、当該大学・大学院の設立趣旨や理念・目的、さらにはそれぞれを構成する学問分野や専攻領域の特性に基づき、学術研究の高度化や国際化、社会との連携、生涯学習への対応にも配慮しつつ、教育研究上の到達目標を明確に定めるとともに、その中でいかなる人材を育成しようとするのかを具体的に明示する必要がある。
 研究科等は、こうした教育目標に則って、教育研究活動を行うに必要な組織・制度とその諸条件を整備するとともに、目標の達成に向けて教育研究を行う必要がある。
 また、設定された教育目標は、大学案内や学生便覧等の公的刊行物、ホームページ等を通じ、教職員、学生を含む学内の構成員に浸透させると同時に、受験生を含む社会一般の人々に対しても明らかにする必要がある。
 研究科等は、学術研究・文化の発展や社会的要請の変化等を視野に入れながら、自らの教育目標の適切性を不断に検証することが必要である。
(判断基準)
(大学・学部)
(1)学問分野や専攻領域の特性に基づいて、教育目標および人材育成の目標を具体的に明示している。
(2)理念・目的・教育目標等を教職員、学生、受験生を含む社会一般の人々に対して公的な刊行物やホームページ等によって周知している。
(大学院)
(1)学問分野や専攻領域の特性に基づいて、教育目標および人材育成の目標を具体的に明示している。
(大学基準)  
2.教育研究組織について
 大学は、理念・目的を踏まえ、かつ必要十分な教育研究上の組織を設置し、これを適切に管理・運営する必要がある。そのため、適切な学部・研究科等の教育研究組織の設置、教職員数の確保、施設・設備の配備などに十分な措置を講じなければならない。
【大学設置基準】
三条 学部は、専攻により教育研究の必要に応じ組織されるものであつて、教育研究上適当な規模内容を有し、学科目又は講座の種類及び数、教員数その他が学部として適当な組織をもつと認められるものとする。
四条 学部には、専攻により学科を設ける。
 前項の学科は、それぞれの専攻分野を教育研究するに必要な組織を備えたものとする。

【大学院設置基準】
五条 研究科は、専門分野に応じて、教育研究上の目的から組織されるものであつて、専攻の種類及び数、教員数その他が大学院の基本となる組織として適当な規模内容を有すると認められるものとする。
七条 研究科を組織するに当たっては、学部、大学附置の研究所等と適切な連携を図る等の措置により、当該研究科の組織が、その目的にふさわしいものとなるよう配慮するものとする。
(学士課程基準)
2.教育組織
 学部等は、その教育目標を達成するために、適切な教育組織を構成する必要がある。加えて学部等は、教育目標に則ってどのような組織形態をとるのが望ましいのかを不断に検証する必要がある。
(修士・博士課程基準)
2.教育研究組織
 近年急速に多様化が進む社会状況の中で、研究科等にも多様で柔軟なあり方が求められている。どのような設置形態をとる場合でも、研究科等は、関連する学部や研究所等との関係に留意し、また、その目的を遂行し達成するにふさわしい教育研究を行えるような人的・物的環境を整える必要がある。とりわけ一定規模以上の学生を擁する専攻や独立大学院等においては、専任の教員や専用の施設・設備を設ける必要がある。
 加えて研究科等は、その教育目標を達成するためにはどのような組織形態をとるのが望ましいのかを不断に検証する必要がある。
(大学基準)  
3.教育内容・方法について
 大学は、その理念・目的を達成するために、適切な教育課程を体系的に編成し、それをもとに適切な方法で教育を行うことが肝要である。
【大学設置基準】
二十五条の二 大学は、当該大学の授業の内容及び方法の改善を図るための組織的な研修及び研究の実施に努めなければならない。
(1) 教育課程
 教育課程の編成にあたっては、いずれの専門分野にあっても、国際化や情報化の進展等に留意しつつ、それぞれの課程の目標を達成するためにふさわしい授業科目を適切に配置する必要がある。その際、学部・研究科等の教育目標、学問の体系性などを考慮するとともに、各授業科目を総合的な大学教育の一環として適切に組み合わせ、体系的かつ効果的に編成するよう配慮する必要がある。
(2) 教育方法
 大学は、その教育効果を十分に発揮するために、教育方法の改善に多面的な努力を払う必要がある。教員の教授法の改善と啓発のためにFD(ファカルティ・ディベロップメント)を実施し、教員の資質向上を図ることも重要である。
 学生の学修意欲を促進させるために、適切な履修指導を行うとともに、適切な計画に基づいて教育研究指導を行い、授業形態、授業方法にも工夫を凝らすなど、学修の活性化のための十分な措置を講ずることが必要である。
 履修単位の取得方法に関しては、各科目の特徴や内容、履修形態等を考慮し、期待する教育効果を見極めながら、単位制の趣旨に沿った措置をとることが望ましい。また、教育の質を保証するために、適正な成績評価を行う必要がある。
 大学は、教育効果をあげるために、以上のような様々な努力を積み重ねるとともに、教育効果の測定法の開発に努め、教員の授業内容、授業方法の改善と向上に向けた様々な措置を講ずる必要がある。
(3) 学位授与
 大学は、いずれの課程においても、適切な基準と方法によって、一定の成果を修めたと認定された学生に対して、学修の成果にふさわしい学位を授与する必要がある。また、修業年限内に学生が学位を取得できるよう、適切な指導体制と指導方法に配慮する必要がある。
(学位規則)
十三条 大学は、学位に関する事項を処理するため、論文審査の方法、試験及び学力の確認の方法等学位に関し必要な事項を定めて文部科学大臣に報告するものとする。
(学士課程基準)  
3.教育内容・方法等  
(1) 教育課程等  
1 教育課程の編成
 学部等は、その教育目標を達成するために、専門性に沿って、教育課程を適切かつ体系的に編成することが重要である。その際、学士課程の目的に留意して、それにふさわしい授業科目を配置し、教育を行う必要がある。加えて、国際化、情報化の進展等に留意して、実践的な語学能力、情報活用能力等の育成を図るという観点にも十分に配慮する必要がある。
 学部等における教育は、専門教育に関わる授業科目、教養教育に関わる授業科目、外国語に関わる授業科目、情報教育に関わる授業科目等を、その教育目標に従い、総合的な大学教育の一環として、量的バランスを含めて効果的に編成する必要がある。
 特に、社会の多様化・複雑化が進行する中で、現代の社会的・学問的課題に積極的に取り組む知性を育むという視点に立脚し、学部等では、教養教育を通じて、総合的な視野から物事を見ることのできる能力、自主的、総合的、批判的に物事を思考し、的確に判断できる能力等を育成するとともに、豊かな人間性を涵養し高い倫理観をもった人材を育成していくことが重要である。
【大学設置基準】
十九条 大学は、当該大学、学部及び学科又は課程等の教育上の目的を達成するために必要な授業科目を開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。
 教育課程の編成に当たっては、大学は、学部等の専攻に係る専門の学芸を教授するとともに、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するよう適切に配慮しなければならない。
二十条 教育課程は、各授業科目を必修科目、選択科目及び自由科目に分け、これを各年次に配当して編成するものとする。
2 授業科目の設定と単位
 学部等の教育課程は、授業科目を必修科目、選択科目および自由科目に分け、これを各年次に配当して編成する。その設定にあたっては、当該学部等の教育目標や、その教育課程の基礎をなす学問分野や専攻領域の体系性等を考慮するとともに、学生の主体的学修の機会の保障にも十分に留意することが重要である。
 学生の学修の活性化を図り、その教育上の成果を責任をもって認定していくためには、単位制のもつ本来の趣旨に十分留意する必要がある。同時に、具体的な単位計算にあたっては、各授業科目の特徴、内容、履修形態等を考慮し、その履修のために要する学生の学修負担等も見極める必要がある。
【大学設置基準】
二十一条
 前項の単位数を定めるに当たっては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準(省略)により単位数を計算するものとする。
3 単位互換および単位認定
 学部等においては、学士課程の目的と専門性の要請をよりよく充たし、教育の多様化・活性化を図るために、大学間の単位互換、当該大学内の他学部等における学修の単位認定、および大学以外の教育施設等における学修の単位認定を推進し、遠隔授業を含む多様な学修機会を提供するとともに、国内外の大学間のより一層の連携・交流を可能とすることが望ましい。これらの方法を講じる場合には、それぞれの教育目標との整合性、単位認定する授業科目の内容や水準等について十分な検討を加えるとともに、単位認定の方針並びにその要件と手続を明文化する等、教育上の適切な配慮を行う必要がある。
【大学設置基準】
二十八条 大学は、教育上有益と認めるときは、学生が大学の定めるところにより他の大学又は短期大学において履修した授業科目について修得した単位を、六十単位を超えない範囲で当該大学における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。
二十九条 大学は、教育上有益と認めるときは、学生が行う短期大学又は高等専門学校の専攻科における学修その他文部科学大臣が別に定める学修を、当該大学における授業科目の履修とみなし、大学の定めるところにより単位を与えることができる。
三十条 大学は、教育上有益と認めるときは、学生が当該大学に入学する前に大学又は短期大学において履修した授業科目について修得した単位(第三十一条の規定により修得した単位を含む。)を、当該大学に入学した後の当該大学における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。
 大学は、教育上有益と認めるときは、学生が当該大学に入学する前に行つた前条第一項に規定する学修を、当該大学における授業科目の履修とみなし、大学の定めるところにより単位を与えることができる。
 前二項により修得したものとみなし、又は与えることのできる単位数は、編入学、転学等の場合を除き、当該大学において修得した単位以外のものについては、第二十八条第一項及び第二項並びに前条第一項により当該大学において修得したものとみなす単位数と合わせて六十単位を超えないものとする。
【大学設置基準】
二十七条の二 大学は、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、学生が一年間又は一学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければならない。
4 導入教育
 入学者の多様化に伴って、一律の学修歴を求めることが困難になってきている状況に鑑み、学士課程教育への円滑な移行を図るために、必要に応じて導入教育を実施することが重要である。
 また、留学生に対し、必要に応じて日本語教育を実施することも重要である。
(2) 教育方法等
1 学生に対する履修指導等
 教育効果をあげるためには、学生の学修意欲を一層促進する適切な履修指導を行う必要がある。履修指導にあたっては、開設している授業科目の意義・内容を十分に理解させるために、入学時のオリエンテーション、公的刊行物もしくは電子媒体等を通じて、履修順序の明確化や履修コースモデルの提示等に努めるとともに、個々の学生に対して履修指導を行う教職員を配置すること等にも配慮する必要がある。
 また、学生の学修の活性化を図るために、シラバスを作成し、その中で各授業科目の学修目標、授業方法、授業計画に加え、毎回の授業に向けた準備の指示や成績評価基準等を明確にするとともに、これに基づいて教育指導を行う必要がある。なお、シラバスの内容は、毎年度刷新されるよう努める必要がある。
2 履修科目登録の上限設定および成績評価
 学生の主体的学修を促し、単位制度の実質化を図る観点から、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するために、1年間又は1学期に履修科目登録できる単位数の上限を定めることも重要である。なお、単位数の上限をどのように設定するか等の取扱いについては、それぞれの教育目標を考慮して大学が自主的に判断するべきである。
 あわせて、学生の卒業時における質の確保を図るため、教員は、厳格な成績評価の実施に努める必要がある。そのためには、学部等の状況に応じた成績評価の仕組みを整備する必要がある。
3 教育内容等の組織的な改善
 学部等における教育方法の充実を促進するためには、教員の教育能力の向上を不断に図ることが重要である。このことから、教員の授業内容、授業方法の改善と向上に向けて、学生による授業評価の導入と活用、研修会の開催等、ファカルティ・ディベロップメントに関わる各種の組織的な取り組みを促進する必要がある。
4 教育上の効果
 学部等が、その教育目標の達成を目指し教育活動を展開していくにあたっては、その活動を通じていかなる教育効果が発揮されているか不断に検証することが重要である。そのためには、教育効果を測定する上で有効な種々の方法を開発・活用する必要がある。
 また、学生の卒業後の進路状況等を調査・検討し、その結果を有効に活用することは、教育を改善させる上で重要である。
(3) 学位授与・課程修了の認定  
 学士の学位授与は、学士課程の重要な責務の一つである。学部等は、その教育目標に則って、学位授与・課程修了に関わる柔軟で多様な認定システムを確立するとともに、大学制度本来の趣旨に従いこれを適切に運用することが重要である。そのためには、学位授与の可否に関わる基準や審査手続き等を明文化するとともに、その適切性について不断に検証する必要がある。なお、学位授与にあたっては、適切な専攻分野の名称を付記する必要がある。
 また、標準修業年限未満で修了することを認めている場合においては、そうした措置の適切性に留意する必要がある。
(学位規則)
十条 大学及び独立行政法人大学評価・学位授与機構は、学位を授与するに当たっては、適切な専攻分野の名称を付記するものとする。
(修士・博士課程基準)  
3.教育内容・方法等 【大学院設置基準】
十一条 大学院の教育は、授業科目の授業及び学位論文の作成等に対する指導(以下「研究指導」という。)によって行うものとする。
十二条 大学院には、専攻に応じ、教育上必要な授業科目を開設するものとする。

【大学院設置基準】
十五条 大学院の各授業科目の単位、授業日数、授業期間、授業の方法及び単位の授与、他の大学院における授業科目の履修等、入学前の既修得単位等の認定、長期にわたる教育課程の履修並びに科目等履修生については、大学設置基準第二十一条から第二十三条まで、第二十五条、第二十七条、第二十八条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第三十条第一項及び第三項、第三十条の二並びに第三十一条の規定を準用する。(後略)
(1) 教育課程等
1 教育課程の編成
 研究科等は、その教育目標を達成するために、専門性に沿って、教育課程を適切かつ体系的に編成することが重要である。
 その際、修士課程においては「修士課程の目的」に留意し、また、博士課程においては「博士課程の目的」に留意して、それにふさわしい授業科目を配置し、教育研究指導を行う必要がある。加えて、学術研究の進歩や文化の多様化、科学技術の高度化等の動向にも十分に配慮する必要がある。また、高度専門職業人や研究者に必要な教養や倫理観の涵養にも十分に留意するとともに、実践力を涵養する授業科目を適切に配置することが望ましい。
 また、その教育課程の編成にあたっては、受け入れる学生が入学前に受けた教育内容に配慮する必要がある。とりわけ、独立大学院や連合大学院においては、学生の入学前の教育内容や教育水準を視野に入れて、適切な編成となるように配慮する必要がある。
2 授業科目の設定と単位
 大学院の教育は、学位論文の作成等に対する研究指導とともに、授業科目の授業によって行われる。授業科目の開設にあたっては、研究科等の教育目標や学問分野、専攻領域の体系性等を考慮することが重要である。
 学生の学修の活性化を図り、その教育研究上の成果を責任をもって認定していくためには、単位制のもつ本来の趣旨に十分留意する必要がある。同時に、具体的な単位計算にあたっては、各授業科目の特徴、内容、履修形態等を考慮し、その履修のために要する学生の学修負担等も見極める必要がある。
3 単位互換
 研究科等においては、課程の目的と専門性の要請をよりよく充たし、教育研究の多様化、活性化を図るために、大学院間の単位互換や当該大学院内の他の研究科等における学修の単位認定を推進し、遠隔授業を含む多様な学修機会を提供するとともに、国内外の大学院間のより一層の連携・交流を可能とすることが望ましい。
 これらの方法を講じる場合には、それぞれの教育目標との整合性、単位認定する授業科目の内容、水準等について十分な検討を加えるとともに、単位認定の方針並びにその要件と手続を明文化する等、教育研究上の適切な配慮を行う必要がある。
4 導入教育
 入学者の多様化に伴って、一律の学修歴を求めることが困難になってきている状況に鑑み、修士・博士課程の教育への円滑な移行を図るために、必要に応じて導入教育を実施することが重要である。
 また、留学生に対し、必要に応じて日本語教育を実施することも重要である。
(2) 教育方法等
1 学生に対する履修指導等
 教育効果をあげるためには、学生の学修意欲を一層促進する適切な履修指導を行う必要がある。履修指導にあたっては、開設している授業科目の意義・内容を充分に理解させるために、入学時のオリエンテーション、個々の学生に対して履修指導を行う教職員の配置、さらに、公的刊行物もしくは電子媒体等を通じて必要な情報を提供することも重要である。その際、学位授与に関する要件や基準等もあらかじめ学生に周知させる必要がある。
 また、学生の学修の活性化を図るために、シラバスを作成し、その中で各授業科目の学修目標、授業方法、授業計画に加え、毎回の授業に向けた準備の指示や成績評価基準等を明確にするとともに、これに基づいて教育研究上の指導を行うことが重要である。なお、シラバスの内容は、毎年度刷新されるよう努める必要がある。
2 教育・研究指導の方法等
 研究科等においては、学生に広く知識を修得させるとともに、学生が各自の専攻分野について主体的に思考し研究を進める能力を育成することが重要である。そのためには、研究科等の教育目標に沿った体系的カリキュラムによる授業を行うとともに、少人数教育や双方向的授業形式を基本とし、教育・研究指導を実質化するための環境を整えることが重要である。特に、論文指導等を伴う研究指導や実技指導を行うにあたっては、個別による指導が不可欠である。なお、学生の能力を多面的に発展させ、広い視野や豊かな学識を涵養するためには、複数指導制を採用することも有効であるが、その場合は指導上の責任を明確にするとともに、指導の一貫性を損なわないように配慮することが必要である。
 さらに、教育研究の内容によっては、他の研究科において必要な研究指導を受けることも有益である。その際、その措置が当該研究科等の理念・目的に適っているか、また、その内容がその課程レベルにふさわしいものとなっているかどうかを具体的に判断することも必要である。
3 教育内容等の組織的な改善
 研究科等における教育方法の充実を促進するためには、教員の教育研究に関わる指導能力の向上を不断に図ることが重要である。このことから、教員の授業内容、授業方法の改善と向上に向けて、学生による授業評価の導入と活用、研修会の開催等、ファカルティ・ディベロップメントに関わる各種の組織的な取り組みを促進する必要がある。
4 教育上の効果
 研究科等が、その教育目標の達成を目指し教育研究活動を展開していくにあたっては、その教育研究活動を通じていかなる教育効果が発揮されているかを不断に検証することが重要である。そのためには、教育効果を測定する上で有効な種々の方法を開発・活用する必要がある。
 また、学位の授与状況や学生の課程修了後の進路状況等を調査・検討し、その結果を有効に活用することは、教育研究を改善させる上で重要である。
(3) 学位授与・課程修了の認定
 修士および博士の学位授与は、大学院の重要な責務の一つである。修士・博士課程は、それぞれの課程の目的を基礎に、研究科等の固有の理念と目的に則って学位授与に関わる柔軟で多様なシステムを確立するとともに、大学院制度本来の趣旨に従いこれを適切に運用することが重要である。そのためには、学位授与の可否に関わる実体的な判断基準や審査手続き等を明文化するとともに、その適切性について不断に検証する必要がある。
 なお、学位授与にあたっては、適切な専攻分野の名称を付記する必要がある。
 また、標準修業年限未満で修了することを認めている課程においては、そうした措置の適切性に留意する必要がある。
(判断基準)
(大学・学部)
(1) 教育研究の内容等
(1)教育目標に従い、専門教育、教養教育、外国語、情報教育に関わる授業科目等のカリキュラムカリキュラムがバランスよく配置されている。
(2)教養教育を通じて、総合的な視野から物事を見ることのできる能力、自主的、総合的、批判的に物事を思考し、的確に判断できる能力等を育成するとともに、豊かな人間性を涵養し高い倫理観をもった人材を育成するよう配慮している。
(3)コンピュータ基礎・ゼミなど、学士課程教育への円滑な移行に必要な導入教育を行っている。
(2) 教育方法とその改善
(1)入学時の合宿オリエンテーションの実施やオフィスアワーの制度化などにより、履修指導を適切に行っている。
(2)1年間に履修登録できる単位数の上限を50単位未満で設定している。
(3)すべての授業について、統一した項目を用いて授業評価が実施されており、その結果が教員にフィードバックされるとともに、学生に公表されるなど、授業評価が制度として組織的に行われている。
(4)シラバスが同一書式で作成され、教員間で記述の内容や量に精粗がない。
(大学院)
(1) 教育・研究指導の内容等
1)土日コースの設置、土日開講、夜間開講など、大学院における社会人受け入れに対応するための特別な配慮がなされている。
2)修士・博士課程の教育への円滑な移行を図るために必要な導入教育を実施している。
(2) 教育・研究指導方法の改善
1)入学時のオリエンテーションの実施やオフィスアワーの制度化などにより、履修指導を適切に行っている。
2)論文作成過程での主査・副査からなる指導委員会の設置、研究中間発表会の実施、学位取得にあたって審査制度がある雑誌(英文誌を含む)への投稿指導など、必要に応じた適切な教育・研究指導を行っている。
3)学生による授業評価、研修会の開催等、ファカルティ・ディベロップメントに関わる各種の組織的な取り組みを行っている。
(4) 学位授与・課程修了の認定
1)学位授与基準や研究指導体制が明示されている。
(大学基準)  
4.学生の受け入れについて  
 大学は、その理念・目的を達成するために教育目標を定め、この目標を効果的に実現できるよう、受け入れ方針および学生収容定員を定める必要がある。
 大学は、入学者の選抜にあたり、その受け入れ方針を基礎としながらも、高等学校教育と大学教育との関連性、社会人や外国人留学生の受け入れ、アドミッションズ・オフィス入試、飛び級、編入学、転科・転部など、国際的規模での社会的要請に配慮し、適切な選抜制度を採用し、また運用するよう努める必要がある。
 大学は、学生収容定員と在籍学生数の比率を適切に維持するよう努めなければならない。また、教育効果を十分にあげるために、過度な学生増は避け、大学の規模に見合う学生数を収容することも重要である。
【大学設置基準】
二条の二 入学者の選抜は、公正かつ妥当な方法により、適当な体制を整えて行うものとする。
【大学設置基準】
十八条
 収容定員は、教員組織、校地、校舎等の施設、設備その他の教育上の諸条件を総合的に考慮して定めるものとする。
 大学は、教育にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適正に管理するものとする。
【大学院設置基準】
十条 収容定員は、教員組織及び施設設備その他の教育研究上の諸条件を総合的に考慮し、課程の区分に応じ専攻を単位として研究科ごとに定めるものとする。
 大学院は、教育研究にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適正に管理するものとする。
(学士課程基準)
4.学生の受入れ
(1) 学生の受け入れ方法
 学部等では、その教育目標を適切に反映させた学生の受け入れ方針を定め、その方針に基づいて適切な体制を整えた上で、適切かつ公正な受け入れを行う必要がある。
 受け入れの方法については、入学希望者が学士課程の教育を受けるに足る基礎学力を有しているか否かの確認を適切に行うことが基本となるが、入学希望者の意欲・適性等を多面的に評価することも重要である。社会人や留学生等様々な学生を入学させて教育研究を活性化させる観点から、受け入れ方法の多様化を図ることも重要である。ただしその場合でも、常に教育研究水準の向上に努める必要がある。
 また、学生の受け入れのあり方を恒常的かつ系統的に検証する体制を整備する必要がある。この他、公正性を確保するために、合格判定基準の公表や、合否理由の開示による説明責任の遂行等にも配慮する必要がある。
(2) 学生の受け入れ時期
 学部等は、その教育目標に応じて、学生の受け入れ時期を適切に決定する必要がある。また、わが国の大学やこれに対応する諸外国の教育機関との間を学生が円滑に移動できるように配慮することが重要である。
(3) 定員並びに在籍学生数の適正化
 学部等は、その種類・性格、教員組織、施設・設備等の諸条件を基礎に、学生収容定員を決定するとともに、これに基づいて適正な数の学生を受け入れ、教育目標に即した教育を実施し、教育上の効果を高める必要がある。
 また、推薦入学の募集人員については、それぞれの入学定員に占める割合を考慮し、適正に定める必要がある。
 とりわけ、恒常的に著しい欠員や定員超過が生じている学部等においては、その原因を把握するとともに、適正化に向けた速やかな対処が必要である。
(修士・博士課程基準)
4.学生の受入れ
(1) 学生の受け入れ方法
 研究科等では、その教育目標を適切に反映させた学生の受け入れ方針を定め、その方針に基づいて適切な体制を整えた上で、適切かつ公正な受け入れを行う必要がある。
 受け入れの方法については、入学希望者が修士課程又は博士課程の教育を受けるに足る学力・技能を有しているか否かの確認を適切に行うことが基本となるが、入学希望者の意欲・適性等を多面的に評価することも重要である。
 社会人や留学生等様々な学生を入学させることにより、また、学生の流動性を高めることにより、教育研究を活性化させる観点から、受け入れ方法の多様化を図ることも重要である。そのために、入学資格を弾力化する等の取り組みは有効であるが、多様な学生を受け入れる場合には、常に教育研究水準の向上に努める必要がある。
 また、学生の受け入れのあり方を恒常的かつ系統的に検証する体制を整備する必要がある。この他、公正性を確保するために、合格判定基準の公表や、合否理由の開示による責任体制の確立等にも配慮することが望まれる。
(2) 学生の受け入れ時期
 研究科等は、その教育目標に応じて、学生の受け入れ時期を適切に決定する必要がある。また、わが国の大学やこれに対応する諸外国の教育機関との間を学生が円滑に移動できるように配慮することが重要である。
(3) 定員並びに在籍学生数の適正化
 研究科等は、その種類・性格、教員組織、施設・設備等の諸条件を基礎に、学生収容定員を決定するとともに、これに基づいて適正な数の学生を受け入れ、教育目標に即した教育・研究指導を行い、教育研究上の効果を高める必要がある。
 とりわけ、恒常的に著しい欠員や定員超過が生じている研究科等においては、その原因を把握するとともに、適正化に向けた速やかな対処が必要である。
(判断基準)
(大学・学部)
(1)入試委員会等により入試問題の検討を行うなど、学生の受け入れのあり方を恒常的かつ系統的に検証する体制を整備している。
(2)合格判定基準の公表や、入試得点等の入学試験の成績や合否理由の本人開示など、説明責任の遂行に配慮されている。
(3)学部における収容定員に対する在籍学生数比率が1.00である。
(1.25以上を助言の対象、1.30以上を勧告対象とする。ただし、心理学や社会福祉学など実験・実習を伴う専門分野については1.20以上を助言の対象とし、医学・歯学分野においては1.00を越えると助言、1.05以上を勧告対象とする。)
(4)学部における過去5年の入学定員に対する入学者数比率の平均が1.00である。
(5)編入学定員に対する在籍学生数比率が1.00である。
(大学院)
(1)修士課程については、研究科ごとの収容定員に対する在籍学生数比率が1.00である。
(2)博士課程については、研究科ごとの収容定員に対する在籍学生数比率が国・公立の場合1.00、私立の場合0.70以上1.00以下である。
(大学基準)
【大学設置基準】
四十二条 大学は、学生の厚生補導を行うため、専任の職員を置く適当な組織を設けるものとする。
5.学生生活について
 大学は、幅広い教養と専門的知識を身につけた人材を育成するという責務を果たすことが求められる。また、大学における学生生活を通して豊かな人間性を涵養し、学生の資質・能力を十分に発揮させるために、適切な環境を整えるとともに、それぞれの学生の個性に応じた学生生活上の指導・助言を適切に行う必要がある。
 学生生活を安定させるための配慮として、大学独自の奨学基金を設置し、これを適切に運用する他、学外の奨学金の受給に関わる相談や取り扱い業務を充実させることが重要である。
 また、学生の学修環境を整えるための自習室(学生控室)、および健全な学生生活を送るための課外活動施設、体育施設、研修施設等の整備・充実を図り、かつ適切な指導や支援をすることが必要である。
 さらに大学は、学生の進路、心身の健康、保健衛生等に係る相談等に適切に対応するために、進路(就職)相談、カウンセリング等の指導相談体制を整備する必要がある。さらに、学生の住環境に配慮することも望まれる。また大学は、学生が快適で安全な学生生活を送れるように、学生の人権を保障し、ハラスメントがないよう十分に配慮する必要がある。これらのことは、留学生に対して、特に配慮することが重要である。
(学士課程基準)
5.学生生活 学部等は、その教育目標を達成するために、学生が学修に専念することができるように、学生生活に適切に配慮する必要がある。
学生の経済状態を安定させるための配慮として、大学独自の奨学基金を設置しこれを適切に運用する他、学外の奨学金の受給に関わる相談や取り扱い業務を充実させることが重要である。
 加えて、学部等は、日常生活、心身の健康や保健衛生に関わる相談等に適切に対処するために、カウンセリング制度や卒業後の進路選択指導等の体制を整備する必要がある。また、学部等は、学生が適切な教育を受けられるように、学生の人権に十分に配慮する必要がある。
 学生の心身の健康を保持・増進するために、福利厚生面においても体育施設や研修施設の整備・充実を図ることが重要である。
 また、集団生活を通じその人格と能力を磨くための学生の課外活動に対し、適切な指導や支援を行う必要がある。
(修士・博士課程基準)
5.学生生活
 研究科等は、その教育目標を達成するために、学生が学修に専念することができるように、学生生活に適切に配慮する必要がある。
 学生の経済状態を安定させるための配慮として、大学独自の奨学基金を設置しこれを適切に運用する他、学外の奨学金の受給に関わる相談や取り扱い業務を充実させることが重要である。
 研究科等は、ティーチング・アシスタント制度やリサーチ・アシスタント制度を採用する場合は、採用の基準、職務内容、報酬額等をあらかじめ明文化するとともに、その業務の遂行に伴い学生に過度の負担が生じないよう、十分に配慮することが重要である。
 加えて、研究科等は、日常生活、心身の健康や保健衛生に関わる相談等に適切に対処するために、カウンセリング制度や課程修了後の進路選択指導等の体制を整備する必要がある。また、研究科等は、学生が適切な教育研究を受けられるように、学生の人権に十分に配慮する必要がある。
(判断基準)
(大学・学部)
(1)授業料減免制度や大学独自の奨学金制度、家計急変者を対象とする学費減免や奨学金支給など、学生の経済状態を安定させるための配慮がされている。
(2)ハラスメント防止に関する規程が整備され、ハラスメント問題に対応する委員会・相談窓口を設置し、学生に対する広報を行っている。
(3)学生の就職指導やキャリアアップに組織的・体系的に取り組んでいる。
(大学院)
(1)大学独自の資金で奨学金制度やポスドク制度を導入するなど、学生の経済状態を安定させるための配慮がされている。
(2)ハラスメント防止に関する規程が整備され、ハラスメント問題に対応する委員会・相談窓口を設置し、学生に対する広報を行っている。
(大学基準)  
6.研究環境について
 大学教員は、学術研究の進展に寄与する任務を担うため、大学は、相当の研究費を支弁し、安全に配慮した適切な広さの研究室と研究用施設・設備、および十分な支援体制を整備しなければならない。また、教員の研究活動を活性化させ、その資質向上に必要な研修機会を確保するために、教員に対する適切な時間的配慮をする必要がある。
【大学設置基準】
三十六条
 研究室は、専任の教員に対しては必ず備えるものとする。
(学士課程基準)
6.教員の教育研究環境
 学部等においては、教員が質の高い教育研究活動を遂行できるように、人的・物的・時間的な環境を適切に整備する必要がある。
 学部等は個人研究費や研究旅費を用意し、研究室を含む研究用施設・設備を整備するとともに、ティーチング・アシスタントやリサーチ・アシスタント等の教育研究補助スタッフの充実を図ることが必要である。また、研究活動の活性化に資するために学外からの研究受託を推進する措置をとることも有益である。加えて、教員の研究活動に必要な研修機会を確保するとともに、授業や管理運営の負担が過重にならないような配慮も必要である。
(修士・博士課程基準)
6.教員の教育研究環境
 研究科等は、教員が質の高い教育研究活動を遂行できるように、人的・物的・時間的な環境を適切に整備する必要がある。
 研究科等は個人研究費や研究旅費を適切に用意し、研究室を含む研究用施設・設備を整備するとともに、ティーチング・アシスタントやリサーチ・アシスタント等の教育研究補助スタッフの充実を図ることが必要である。また、研究活動の活性化に資するために学外からの研究受託を推進する措置をとることも有益である。加えて、教員の研究活動に必要な研修機会を確保するとともに、授業や管理運営の負担が過重にならないような配慮も必要である。
 研究科等は、特に学部教育を兼担する教員においては、負担が過重にならないように配慮しなければならない。
(判断基準)
(大学院)
(1)国外での学会発表等への旅費補助やサバティカル・リーブ制度など、教員の研究活動に必要な研修機会が保障されている。
(大学基準)  
7.社会貢献について
 大学は、その知的資源をもって積極的に社会に貢献することが期待される。社会との交流を促進するシステムの構築に努め、情報を発信し、教育研究上の成果を社会に積極的に還元する必要がある。
 また大学は、教育研究の充実を図るために、学外の教育研究機関、企業・団体、および地域との連携・交流を促進する必要がある。さらに、大学が生み出す知識・技術等を社会に有効に還元する技術移転システムを構築することが期待される。
 さらに大学は、国際社会への貢献として、研究成果の国際学術誌等への速やかな公開、研究者・留学生との情報交換と交流、途上国への知識・技術の供与等に努めることが期待される。
【学校教育法】
六十九条 大学においては、公開講座の施設を設けることができる。
(学士課程基準)
7.社会貢献
 学部等は、その知的資源をもって積極的に社会に貢献することが期待される。社会に貢献できる人材養成に配慮した教育課程、教育方法を確立するとともに、公開講座の開設等、社会との交流を促進するシステムの構築に努め、情報を発信し、教育研究上の成果を社会に積極的に還元する必要がある。
(修士・博士課程基準)
7.社会貢献
 研究科等は、その知的資源をもって積極的に社会に貢献することが期待される。社会との交流を促進するシステムの構築に努め、情報を発信し、教育研究上の成果を社会に積極的に還元する必要がある。
 また研究科等は、教育研究の充実を図るために、学外の教育研究機関、企業・団体、および地域との連携・交流を促進する必要がある。さらに、研究科等が生み出す知識・技術等を社会に有効に還元する技術移転システムを構築することが期待される。
 さらに研究科等は、国際社会への貢献として、研究成果の国際学術誌等への速やかな公開、研究者・留学生との情報交換と交流、途上国への知識・技術の供与等に努めることが期待される。
(大学基準)
8.教員組織について
 大学は、学部・研究科等の教育課程、学生収容定員等に応じた教育研究上必要な規模の教員組織を設けるとともに、組織ごとに十分な教員を配置し、教育と研究の成果を十分に収めることに配慮する必要がある。
 また大学は、教員の募集、任免、昇任を適切に行うとともに、その地位の保障にも十分な配慮をする必要がある。教員の採用に際しては、広く国内外に人材を求め人事の活性化を図るとともに、明文化された基準と手続に従い、公正かつ適切な方法で採用を行わなければならない。その際、大学は高度の教育機関であるとともに、学術研究の中心機関でもある点を考慮し、人格、教育研究指導上の能力、教育業績、研究業績、学界および社会における活動実績等に留意して、候補者を選考する必要がある。また、男女共同参画社会の実現に向けて、教員の適正な男女比構成にも配慮することが重要である。
【大学設置基準】
七条 大学は、その教育研究上の目的を達成するため、学科目制、講座制又は大学の定めるところにより、必要な教員を置くものとする。
 大学は、教育研究水準の維持向上及び教育研究の活性化を図るため、教員の構成が特定の範囲の年齢に著しく偏ることのないよう配慮するものとする。
八条
 演習、実験、実習又は実技を伴う学科目には、なるべく助手を置くものとする。
十四条 教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
(各号略)
十五条 助教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
(各号略)
十六条 講師となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。
(各号略)
十七条 助手となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。
(各号略)
(学士課程基準)
8.教員組織等
 学部等では、その教育目標に応じて最も適切な教員組織を設け、これに必要かつ十分な教員を配置し、教育研究の成果を収めることに絶えず努力を傾注することが重要である。そのためには、以下のような配慮を払う必要がある。
(1) 教員組織
 学部等は、その教育目標を達成するために、教育課程の種類および規模に応じ、教育上必要な内容と規模の教員組織を設ける必要がある。教育課程を展開していく上で主要と見なされる科目には専任教員が適切に配置されるとともに、兼任教員については、適当な数の専任教員を備えた上で必要に応じて置くことが望ましい。
 また、学部等は、適切な教育研究体制を維持するとともに、その一層の充実を期するため、専任教員の年齢構成を適正に保つことも重要である。
 教育課程の編成・展開にあたっては、学生が有機的・体系的に学修できるように、各授業科目の担当教員間の連絡調整を密にするための措置をあらかじめ講じておく必要がある。
 実験・実習を伴う教育、外国語教育、情報処理関連教育等を効果的に実施するためには、その教育を補助する要員の適切な配置等、学生の学修活動を支援するための人的体制を確立することが必要である。
(2) 教員の資格と責務
 大学は、高度の教育機関であるとともに、学術研究の中心機関であることから、教員には、教育と研究という職責が課される。特に、学部等では、学生の学修を充実させ、教育の高度化、個性化を図る必要がある。教員の資格判定にあたっては、人格、国内外における教育業績、研究業績、関連分野における実務経験等に十分に留意する必要がある。
 また、学士課程を担当する教員は、所属する学部等の目的について十分な理解を有し、これを達成させるべく努力する必要がある他、教育研究に関わる管理活動を主体的に分担することも必要である。
(3) 教員の任免、昇任等と身分保障
 教員の任免、昇格等に際しては、本人の教育研究上の能力の実証を基礎に、明文化された基準と手続に従い、適正な方法で行う必要がある。
 教員には、教育研究活動を全うできるようにするために、その職責にふさわしい地位・身分が保障されると同時に、適切な待遇が与えられなければならない。これは任期制度を導入する場合においても同様である。
(4) 教員の教育研究活動の評価
 学部等においては、その教育課程の種類・内容等にふさわしい教育研究上の能力を有する教員を置くとともに教員の教育研究能力の向上を図るために、様々な評価法を開発しこれを活用の上、評価結果を公表する必要がある。評価にあたっては、各教員の教育研究上の実績、研究成果の発表状況、学会活動、国内外の共同研究や国際プロジェクトへの参加状況、学術賞の受賞状況、学外での社会的活動の実状等、多面にわたる考慮が期待される。
(修士・博士課程基準)  
8.教員組織等
 研究科等では、その教育目標に応じて最も適切な教員組織を設け、これに必要かつ十分な教員を配置し、教育と研究の成果を収めることに絶えず努力することが重要である。そのためには、以下のような配慮を払う必要がある。
【大学院設置基準】
八条 大学院には、研究科及び専攻の種類及び規模に応じ、教育研究上必要な教員を置くものとする。
九条 大学院には、前条第一項に規定する教員のうち次の各号に掲げる資格を有する教員を、専攻ごとに、文部科学大臣が別に定める数置くものとする。
 修士課程を担当する教員にあっては、次の一に該当し、かつ、その担当する専門分野に関し高度の教育研究上の指導能力があると認められる者
 博士の学位を有し、研究上の業績を有する者
 研究上の業績がイの者に準ずると認められる者
 芸術、体育等特定の専門分野について高度の技術・技能を有する者
 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者
 博士課程を担当する教員にあっては、次の一に該当し、かつ、その担当する専門分野に関し、極めて高度の教育研究上の指導能力があると認められる者
 博士の学位を有し、研究上の顕著な業績を有する者
 研究上の業績がイの者に準ずると認められる者
 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者
(1) 教員組織
 研究科等は、その教育目標を達成するために、種類および規模に応じ、教育研究上必要な内容と規模の教員組織を設けるとともに、そこに教員を適切に配置する必要がある。研究科等は、大学院専任教員や学部兼担教員を十分に配置した上で、教育研究上の必要に応じて兼任教員を適切に配置することが重要である。
 また、研究科等は、適切な教育研究体制を維持するとともに、その一層の充実を期するために、教員の年齢構成を適正に保つことも重要である。
(2) 教員の資格と責務
 大学は、高度の教育機関であるとともに、学術研究の中心機関であることから、教員には、教育と研究という職責が課される。特に、研究科等の教員は、各自の専門における高度で精深な教育と研究を行うとともに、大学院全体の教育研究水準の一層の向上を期するために、自らの教育研究能力を不断に高めていく必要がある。また、研究科等の教員には、各課程における教育研究の特性に応じて、高度の教育研究上の指導能力や顕著な研究業績、並びに専攻分野によっては高度の技術・技能、ないしは実務能力が要求される。教員の資格判定にあたっては、人格、国内外における教育業績、研究業績、関連分野における実務経験等に十分留意する必要がある。
 また、教員は、所属する研究科等の目的について十分な理解を有し、その達成のために努力する必要がある他、教育研究に関わる管理活動を主体的に分担することも必要である。
(3) 教員の任免、昇任等と身分保障
 教員の任免、昇任等に際しては、本人の教育研究上の能力の実証を基礎に、明文化された基準と手続に従い、公正かつ適正な方法で行う必要がある。
 教員には、教育研究活動を全うできるようにするために、その職責にふさわしい地位・身分が保障されると同時に、適切な待遇が与えられなければならない。これは任期制度を導入する場合においても同様である。
(4) 教員の教育研究活動の評価
 研究科等においては、その種類・内容等にふさわしい教育研究上の能力を有する教員を置くとともに、教員の教育研究能力の向上を図るために、様々な評価法を開発しこれを活用の上、評価結果を公表する必要がある。評価にあたっては、各教員の教育・研究指導上の実績、研究成果の発表状況、学会活動、国内外の共同研究や国際プロジェクトへの参加状況、学術賞の受賞状況、学外での社会的活動等の実状等、多面にわたる考慮が期待される。
(判断基準)
(大学・学部)
(1)文部科学省令大学設置基準で定める必要専任教員数を上回っている。
(2)教養教育担当教員を含め、各学部における専任教員1人当たりの学生数が、人文・社会系では60名以内、自然系、芸術学・体育学・家政学系では40名以内、医学・歯学については10名以内である。ただし、人文・社会系であっても、心理学や社会福祉学など実験・実習が重視される学部、あるいは卒業論文を必修として課している学部においては40名以内とする。
(3)専任教員の年齢構成のバランスが取れている。
(4)実験・実習を伴う教育、外国語教育、情報処理関連教育等を補助し、学生の学修活動を支援するための人的支援体制が確立されている。
(5)教員の任免、昇格の基準と手続が明文化されている。
(大学院)
(1)教員の任免、昇格の基準と手続が明文化されている。
(大学基準)  
9.事務組織について
 大学は、教育研究を円滑かつ効果的に行うために、適切な事務組織を設けなければならない。事務組織は、大学における教育研究の趣旨と目的に深い理解を有する職員によって構成されるとともに、教育研究組織と適切な連携協力関係を保持しつつ、積極的に企画・立案能力を発揮し、大学運営を総合的に行える環境を整備することが求められている。このためには、優秀な人材の確保と合理的な事務組織の構築が不可欠であり、適切な点検・評価と改善に向けての不断の努力が必要である。
 なお、事務職員の募集、任免、昇任に関しても、各大学の実情に即し、公正に処理することが必要である。
【大学設置基準】
四十一条 大学は、その事務を処理するため、専任の職員を置く適当な事務組織を設けるものとする。
【大学院設置基準】
三十一条 大学院を置く大学には、大学院の事務を処理するため、適当な事務組織を設けるものとする。
(学士課程基準)
9.事務組織
 学部等は、教育研究を円滑かつ効果的に行うために、適切な事務組織によって運営されなければならない。事務組織は、学部等における教育研究の趣旨と目的に深い理解を有する職員によって構成されるとともに、教育研究組織と適切な連携協力関係を保持しつつ、積極的に企画・立案能力を発揮し、大学運営を総合的に行うことが求められる。このためには、学内の意思決定・伝達システムの中での役割を明確にするとともに、優秀な人材の確保と合理的な事務組織の構築が不可欠であり、職員の研修制度の確立など適切な環境を整備する必要がある。また、学生等の便宜を図るため、国際交流、入試、就職等の業務を専門に掌る事務組織を設けることも重要である。
(修士・博士課程基準)
9.事務組織
 研究科等は、教育研究を円滑かつ効果的に行うために、適切な事務組織によって運営されなければならない。事務組織は、研究科等における教育研究の趣旨と目的に深い理解を有する職員によって構成されるとともに、教育研究組織と適切な連携協力関係を保持しつつ、積極的に企画・立案能力を発揮し、研究科等の運営を総合的に行うことが求められる。このためには、優秀な人材の確保と合理的な事務組織の構築が不可欠であり、職員の研修制度の確立など適切な環境を整備する必要がある。
(大学基準)  
10.施設・設備について
 大学は、教育研究組織の規模に応じた、必要にして十分な広さの校地・校舎を配備するとともに、適切な施設・設備等を整備し、それらの有効活用を図る必要がある。また、学術研究の進展および社会的要請の変化に適切に対応しうるよう、これらの更新・充実、および使用者の安全にも配慮する必要がある。
 さらに、実験・実習、外国語教育、情報処理教育等の授業の効果を高めるために、視聴覚機材、情報処理学習施設を含む各種施設・設備、機器等を整備するとともに、それらの教育を支援するための人的補助体制を確立することも重要である。
【大学設置基準】
三十四条 校地は、教育にふさわしい環境をもち、校舎の敷地には、学生が休息その他に利用するのに適当な空地を有するものとする。
三十六条 大学は、その組織及び規模に応じ、少なくとも次に掲げる施設を備えた校舎を有するものとする。ただし、特別の事情があるときは、この限りでない。
 学長室、会議室、事務室
 研究室、教室(講義室、演習室、実験・実習室等とする。)
 図書館、医務室、学生自習室、学生控室
 研究室は、専任の教員に対しては必ず備えるものとする。
 教室は、学科又は課程に応じ、必要な種類と数を備えるものとする。
 校舎には、第一項に掲げる施設のほか、なるべく情報処理及び語学の学習のための施設を備えるものとする。
 大学は、校舎のほか、原則として体育館を備えるとともに、なるべく体育館以外のスポーツ施設及び講堂並びに寄宿舎、課外活動施設その他の厚生補導に関する施設を備えるものとする。
 夜間において授業を行う学部(以下「夜間学部」という。)を置く大学又は昼夜開講制を実施する大学にあっては、研究室、教室、図書館その他の施設の利用について、教育研究に支障のないようにするものとする。
(学士課程基準)
10.施設・設備等
 学部等は、その理念と目的に沿った教育研究を遂行するために、開設している教育課程の種類、学生数・教員数等の組織規模等に応じて、必要かつ十分な広さの校地、校舎を整備するとともに、その教育課程を有効に展開し学生への教育指導上の効果が十分発揮される適切な数・面積の講義室、演習室、実験・実習室等を設ける必要がある。また、その教育効果が十分あげられるような機器・備品等を整備し学生の学修に供すると同時に、社会の様々な要請の変化に適切に対応するために絶えずその更新・充実を図り、その有効活用に留意する必要がある。
 加えて、近年における大学の教育研究環境を決定するコンピュータその他の各種情報機器の整備には十分に配慮する必要がある。その際、単に機械・設備等の整備に限らず、機器利用を補助するための人員を配置するとともに、学生や教職員がこれらを十分活用できるような措置が必要である。
 また、施設・設備および機器・備品を維持・管理するための十分な責任体制を確立するとともに、併せて衛生・安全を確保するためのシステムを整備することが必要である。
(修士・博士課程基準)  
10.施設・設備等
 研究科等は、その理念と目的に沿った教育研究を遂行するために、開設している教育課程の種類、学生数・教員数等の組織規模等に応じて、必要かつ十分な施設・設備、機器・備品等を整備するとともに、絶えずこれらの更新拡充とその有効な活用を図る必要がある。
 ただし、同一分野の学部を基礎にし、かつ入学定員が一定規模に満たない研究科等は、学部、大学附置研究所等の施設・設備を共用することも認められる。その場合でも、研究科等は、教育研究上、支障をきたさぬように十分に配慮することが望まれる。特に、修士・博士課程の学生は、学士課程に学ぶ学生と比較してより高度かつ主体的な学修・研究に取り組むことが想定されていることに十分配慮する必要がある。
 近年社会の様々な要請に応えて、サテライト式のキャンパスを設置したり、夜間開講の教育課程を用意する等、多様な教育形態の研究科等が設置されている。この場合には、そこで十分な教育研究が行えるように、研究科等は、施設・設備の充実に特に配慮する必要がある。
 これらに加えて、研究科等は近年における大学の教育研究環境を決定するコンピュータその他の、各種情報機器の整備にも十分に配慮する必要がある。その際、単に機械・設備等の整備に限らず、機器利用を補助するための人員を配置するとともに、学生や教職員がこれらを十分活用できるような措置が必要である。
 また、研究科等は施設・設備および機器・備品を維持・管理するための責任体制を確立するとともに、衛生・安全を確保するためのシステムを整備することも必要である。
【大学院設置基準】
十九条 大学院には、当該大学院の教育研究に必要な講義室、研究室、実験・実習室、演習室等を備えるものとする。
二十条 大学院には、研究科又は専攻の種類、教員数及び学生数に応じて必要な種類及び数の機械、器具及び標本を備えるものとする。
【大学院設置基準】
二十二条 大学院は、教育研究上支障を生じない場合には、学部、大学附置の研究所等の施設及び設備を共用することができる。
(判断基準)
(大学・学部)
(1)校地及び校舎面積が、大学設置基準を上回っている。
(2)施設のバリアフリー化に向けた取り組みがなされている。
(大学院)
(1)施設・設備及び機器・備品を維持・管理するための責任体制を確立し、衛生・安全を確保するためのシステムを整備している。
(大学基準)  
11.図書・電子媒体等について
 大学における教育研究を推進するためには、図書、学術雑誌、電子媒体等の学術情報の整備が極めて重要である。
 大学は、適切な規模の図書館を配備し、質・量ともに十分な水準の学術情報資料を系統的に集積し、その充実に配慮するとともに、その効果的な利用を促進するために必要な措置を講じなければならない。また、図書館ネットワーク等を利用した学術情報の広域的な活用促進のための方途を講ずることも必要である。また、社会への学術研究の情報提供のため、大学博物館、研究成果の展示室等の学術情報発信施設を整備することが望ましい。
【大学設置基準】
三十八条 大学は、学部の種類、規模等に応じ、図書、学術雑誌、視聴覚資料その他の教育研究上必要な資料を、図書館を中心に系統的に備えるものとする。
【大学院設置基準】
二十一条 大学院には、研究科及び専攻の種類に応じ、図書、学術雑誌、視聴覚資料その他の教育研究上必要な資料を系統的に整理して備えるものとする。
(学士課程基準)
11.図書館等
 学生の主体的学修の促進等を図るために、学生閲覧室の座席数を学生数に応じて適切に整備するとともに、必要かつ十分な図書等を体系的に整備しておく必要がある。また、効果的な図書館利用を可能とするための図書館利用のガイダンス、学内外の資料の閲覧・貸出業務、レファレンス等、図書館利用者に対する利用上の配慮を十分に行う必要がある。さらに、1年間の開館日数や、授業の終了時間を考慮した開館時間等についても配慮が必要である。
 また、学術研究の高度化、国際化、多様化に対応して、電子図書館の開設をも考慮することが望ましい。
(修士・博士課程基準)
11.図書館等
 研究科等は、その教育目標に応じて、必要な図書・電子的媒体等の資料を体系的、計画的に整備し、必要に応じてそれらの保管および利用のために固有の施設を設けることが望ましい。夜間開講の教育課程を設けている場合は、開館時間についての配慮が必要である。また、学術研究の高度化、国際化、多様化に対応して、データベースの構築に努めるとともに、電子図書館の開設をも考慮することが望ましい。
(大学基準)  
12.管理運営について
 大学は、その機能を円滑かつ十分に発揮し、理念・目的を実現するために、明文化された規定に従った管理運営を適切、公正に行う必要がある。
 管理運営に関する規定の整備とその運用にあたっては、理念・目的の実現、民主的かつ効果的な意思決定、学問の自由等に十分に配慮しなければならない。
 評議会、教授会等、管理運営に係る組織は、それぞれの役割を踏まえて適切に運用し、教育研究の推進に寄与するよう努める必要がある。
 学長、学部長等の任免は、各大学の理念・目的に配慮しつつ、規定に従って、公正かつ妥当な方法で行わなければならない。
【学校教育法】
五十八条 大学には学長、教授、助教授、助手及び事務職員を置かなければならない。
 大学には、前項のほか、副学長、学部長、講師、技術職員その他必要な職員を置くことができる。
 学長は、校務をつかさどり、所属職員を統督する。
 副学長は、学長の職務を助ける。
 学部長は、学部に関する校務をつかさどる。
6〜9(略)
五十九条 大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。
 教授会の組織には、助教授その他の職員を加えることができる。
(学士課程基準)
12.管理運営
 学部等は、その機能を円滑かつ充分に発揮し、理念・目的を実現するために、明文化された規定に従った管理運営を適切、公正に行う必要がある。
 管理運営に関する規定の整備とその運用にあたっては、理念・目的の実現、民主的かつ効果的な意思決定、学問の自由等に十分に配慮しなければならない。
 教授会は、他学部教授会や研究科委員会、全学的審議機関との連携のもと、教育研究の推進に寄与するよう努める必要がある。
 学部長等の任免は、各大学の理念・目的に配慮しつつ、規定に従って、公正かつ妥当な方法で行わなければならない。
(修士・博士課程基準)
12.管理運営
 研究科等は、その機能を円滑かつ充分に発揮し、理念・目的を実現するために、明文化された規定に従った管理運営を適切、公正に行う必要がある。
 管理運営に関する規定の整備とその運用にあたっては、理念・目的の実現、民主的かつ効果的な意思決定、学問の自由等に十分に配慮しなければならない。
 研究科委員会は、他の学部教授会、全学的審議機関との連携のもと、教育研究の推進に寄与するよう努める必要がある。
 研究科長等の任免は、各大学の理念・目的に配慮しつつ、規定に従って、公正かつ妥当な方法で行わなければならない。
(判断基準)
(大学院)
(1)管理運営が明文化された規定に従って適切、公正に行われている。
(大学基準)  
13.財務について
 大学は、教育研究を適切に遂行するために、明確な将来計画のもと、必要な経費を支弁する財源を確保し、これを公正かつ効率的に配分・運用する必要がある。また、わが国の有為な人材の養成と学術研究の進展に寄与するにとどまらず、世界の人材養成と学術研究を先導することができる教育研究水準を維持していくための基盤整備を図ることが求められている。そのため、大学の安定的な財源の確保には、特段の配慮が必要である。
 大学財政は、授業料収入への過度の依存を避け、授業料以外の財源の確保を図ることが教育研究水準の高度化にとって必要である。そのため、学外からの資金を受け入れるための組織・体制を整備し、その受け入れに積極的に取り組むことが重要である。
【学校教育法】
五条 学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定のある場合を除いては、その学校の経費を負担する。
(学士課程基準)
13.財務
 学部等は、教育研究を適切に遂行するために、明確な将来計画のもと、必要な経費を支弁する財源を確保し、これを適切に運用する必要がある。特に学部等は、科学研究費補助金等や寄附金など、学外からの資金を受け入れるための組織・体制を整備し、その受け入れに積極的に取り組むことが重要である。
(修士・博士課程基準)
13.財務
 研究科等は、教育研究を適切に遂行するために、明確な将来計画のもと、必要な経費を支弁する財源を確保しこれを適切に運用する必要がある。また、わが国の有為な人材の養成と学術研究の進展に寄与するにとどまらず、世界の人材養成と学術研究を先導することができる教育研究水準を維持していくための基盤整備を図ることが求められている。そのため、研究科等の安定的な財源の確保には、特段の配慮が必要である。
 特に研究科等は、科学研究費補助金等の受給や、社会への技術移転など、学外からの資金を受け入れるための組織・体制を整備し、その受け入れに積極的に取り組むことが重要である。
(大学基準)  
14.点検・評価について
 大学は、本来あるべき大学としてふさわしい適切な水準を維持するとともに、その大学の理念・目的の実現を図るために、大学の教学、経営等の諸活動を不断に点検し、評価する必要がある。
 自己点検・評価にあたっては、大学は、点検・評価体制を整備し、点検・評価の手続と方法を確立するとともに、適切な評価項目を設定した上で、自己点検・評価を実施する必要がある。
 また、点検・評価結果は、大学の絶えざる改善・向上に資する必要がある。そのため、改善・向上に向けたシステムを整備し、運用する必要がある。
 さらに、自己点検・評価を一層効果的なものとするために、大学は、その結果について定期的に第三者評価を受ける必要がある。
【学校教育法】
六十九条の三 大学は、その教育研究水準の向上に資するため、文部科学大臣の定めるところにより、当該大学の教育及び研究、組織及び運営並びに施設及び設備(次項において「教育研究等」という。)の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するものとする。
(学校教育法施行規則)
七十一条の二 大学は、学校教育法第六十九条の三第一項に規定する点検及び評価を行うに当たっては、同項の趣旨に即し適切な項目を設定するとともに、適当な体制を整えて行うものとする。

【大学設置基準】
二条 大学は、当該大学における教育研究活動等の状況について、刊行物への掲載その他広く周知を図ることができる方法によって、積極的に情報を提供するものとする。
(学士課程基準)
14.点検・評価等
(1) 自己点検・評価
 学部等は、教育研究を適切な水準に維持するとともに、その教育目標の達成に向けて改善・向上を図り多様で個性的な教育研究活動を展開していくために、自らの活動を不断に点検し評価する必要がある。
 自己点検・評価を行うにあたって、学部等は、その特色、組織および規模等に応じて、固有の組織体制を整備し、評価の手続・方法を確立するとともに、適切な評価項目を設定し、これを実施する必要がある。とりわけ、自己点検・評価の結果を将来の改善・向上に結び付けていくためのシステムを整備する必要がある。
 また、学部等は、こうした自己点検・評価の結果を広く社会に公表する責任がある。
(2) 第三者評価等
 自己点検・評価をより一層効果的に実施するために、学部等は、その結果について学外者による第三者評価を定期的に受ける必要がある。あわせて、学部等は、第三者評価の結果を、自らの改善・向上に結び付けていくためのシステムを整備する必要がある。
(修士・博士課程基準)
14.点検・評価等
(1) 自己点検・評価
 研究科等は、教育研究を適切な水準に維持するとともに、その教育目標の達成に向けて改善・向上を図り多様で個性的な教育研究活動を展開していくために、自らの活動を不断に点検し評価する必要がある。
 自己点検・評価を行うにあたって、研究科等は、その特色、組織および規模等に応じて、固有の組織体制を整備し、評価の手続き・方法等を確立するとともに、適切な評価項目を設定し、これを実施する必要がある。とりわけ、自己点検・評価の結果を将来の改善・向上に結び付けていくためのシステムを整備する必要がある。
 また、研究科等は、こうした自己点検・評価の結果を広く社会に公表する責任がある。
(2) 第三者評価等
 自己点検・評価をより一層効果的に実施するために、研究科等は、その結果について学外者による第三者評価を定期的に受ける必要がある。あわせて、研究科等は、第三者評価の結果を、自らの改善・向上に結び付けていくためのシステムを整備する必要がある。
(判断基準)
(大学・学部)(大学院)
(1)自己点検・評価の結果を広く社会に公表している。
(大学基準)  
15.情報公開・説明責任について
 大学は、関係法規を遵守するとともに、組織・運営と諸活動の状況について積極的に情報公開し、社会に対する説明責任を果たすことが必要である。また大学は、要請を受けて情報公開する場合の適切な規定と組織を整える必要がある。
 大学は透明性の高い運営を行うとともに、情報公開にあたっては、大学の理念・目的、教育研究の目標、教育研究組織、教育内容・方法、学生の受け入れ、学生生活、研究環境、社会貢献、教員組織、事務組織、施設・設備、図書・電子媒体、管理運営、財務等の組織・運営と諸活動等、およびそれらの点検・評価結果について、各項目ごとに適正な記述に基づく情報公開を行うことによって、社会がその大学の状況を正しく理解し得るよう、特段の配慮をしなければならない。
【大学設置基準】
二条 大学は、当該大学における教育研究活動等の状況について、刊行物への掲載その他広く周知を図ることができる方法によって、積極的に情報を提供するものとする。
(学士課程基準)
15.情報公開・説明責任
 学部等は、関係法規を遵守するとともに、組織・運営と諸活動の状況について積極的に情報公開し、社会に対する説明責任を果たすことが必要である。また大学は、要請を受けて情報公開する場合の適切な規定と組織を整える必要がある。
 学部等は透明性の高い運営を行うとともに、適正な情報公開を行うことによって、社会がその学部等の状況を正しく理解し得るよう、特段の配慮をしなければならない。
(修士・博士課程基準)
15.情報公開・説明責任
 研究科等は、関係法規を遵守するとともに、組織・運営と諸活動の状況について積極的に情報公開し、社会に対する説明責任を果たす必要がある。また研究科等は、要請を受けて情報公開する場合の適切な規定と組織を整える必要がある。
 研究科等は透明性の高い運営を行うとともに、適正な情報公開を行うことによって、社会がその研究科等の状況を正しく理解し得るよう、特段の配慮をしなければならない。


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ