「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(答申(案)) 終わりに

 昭和46年の中央教育審議会答申「今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について」は,初等・中等教育の改革に関する基本構想の中で,次のように述べている。

 「我が国の近代的な学校教育は,百年の歴史をもち,先人の努力によって諸外国にもひけをとらない内容を具備してきたとみることもできる。しかし,その伝統の上に安住して将来への積極的な努力を怠るときは,学校教育は時代の進展の原動力となりえないばかりでなく,その重大な障害ともなるであろう。」

 現在,日本の学校教育は,教職員の献身的な努力により,国際的に見ても高い成果を上げ,それを維持しているが,社会や経済など子供たちを取り巻く環境の変化が子供たちの人間関係や行動様式に様々な影響を与える中,将来の予測が困難な複雑で変化の激しい社会や,グローバル化が進展する社会を生き抜いていくためには,従来以上に,個に応じた質の高い指導を行い,新しい時代に求められる資質・能力を子供たちに育むことが求められている。

 日本の教員は,資質能力の更なる向上が必要であることや,人事管理上の課題など,解決するべき様々な課題を抱えている。
 しかし,学校において,教員は,内外からの様々な要求がある中,最大限に努力して日々の教育活動に取り組んでおり,そのような質の高い指導を全国で実現していくためには,業務改善とあわせて,指導体制の充実が不可欠である。
 また,貧困を始め,様々な困難に直面している子供たちにとっては,子供時代は一度しかなく,必要なときに,必要な教育を受けることができる体制が求められている。

 国や地方の財政状況が厳しいことを踏まえ,限りある財源を有効に使うことは必要であるが,政府には,長期的な見通しを持って,必要な教育への投資を求めたい。
 本審議会としては,本答申(案)に基づき,必要な教育投資が確実に措置され,「チームとしての学校」が実現し,全国の学校現場で子供たちの教育が充実することを切に願うものである。

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成28年01月 --