2.「チームとしての学校」の在り方

 これからの学校が教育課程の改善等を実現し,複雑化・多様化した課題を解決していくためには,学校の組織としての在り方や,学校の組織文化に基づく業務の在り方などを見直し,「チームとしての学校」を作り上げていくことが大切である。
 そのため,現在,配置されている教員に加えて,多様な専門性を持つ職員の配置を進めるとともに,教員と多様な専門性を持つ職員が一つのチームとして,それぞれの専門性を生かして,連携,分担することができるよう,管理職のリーダーシップや校務の在り方,教職員の働き方の見直しを行うことが必要である。また,「チームとしての学校」が成果を上げるためには,必要な教職員の配置と,学校や教職員のマネジメント,組織文化等の改革に一体的に取り組まなければならない。

 「チームとしての学校」像
 校長のリーダーシップの下,カリキュラム,日々の教育活動,学校の資源が一体的にマネジメントされ,教職員や学校内の多様な人材が,それぞれの専門性を生かして能力を発揮し,子供たちに必要な資質・能力を確実に身に付けさせることができる学校

 今後,「チームとしての学校」を実現するためには,次の3つの視点に沿って検討を行い,学校のマネジメントモデルの転換を図っていくことが必要である。

  1. 専門性に基づくチーム体制の構築
     まず,教員が教育に関する専門性を共通の基盤として持ちつつ,それぞれ独自の得意分野を生かし,学校の中で,学習指導や生徒指導など様々な教育活動を「チームとして」担い,子供に必要な資質・能力を育むことができるよう指導体制を充実していくことが重要である。
     あわせて,心理や福祉等の専門スタッフを学校の教育活動の中に位置付け,教員との間での連携と分担の在り方を整備するなど専門スタッフが専門性や経験を発揮できる環境を充実していくことが必要である。
  2. 学校のマネジメント機能の強化
     教職員や専門スタッフ等の多職種で組織される学校がチームとして機能するよう,管理職の処遇の改善など,管理職に優れた人材を確保するための取組を国,教育委員会が一体となって推進するとともに,学校のマネジメントの在り方等について検討を行い,校長がリーダーシップを発揮できるような体制の整備や,学校内の分掌や委員会等の活動を調整して,学校の教育目標の下に学校全体を動かしていく機能の強化等を進める。
     また,主幹教諭の配置を促進し,その活用を進めるとともに,事務職員の資質・能力の向上や事務体制の整備等の方策を講じることにより,学校の事務機能を強化することが必要である。
  3. 教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備
     教職員や専門スタッフ等の多職種で組織される学校において,教職員一人一人が力を発揮し,更に伸ばしていけるよう,教育委員会や校長等は,「学び続ける教員像」の考え方も踏まえ,学校の組織文化も含めて,見直しを検討し,人材育成や業務改善等の取組を進める。
     また,教育委員会は,教職員が安心して教育活動に取り組むことができるよう,学校事故や訴訟への対応について,教職員を支援する体制を強化していくことが求められる。

〔「チームとしての学校」像(イメージ図) 作業部会事務局作成〕

〔「チームとしての学校」像(イメージ図) 作業部会事務局作成〕

(1)「チームとしての学校」を実現するための3つの視点

 「チームとしての学校」を実現するためには,次の3つの視点に沿って施策を講じていくことが重要である。なお,本答申(案)は,幼稚園,小学校,中学校,高等学校,特別支援学校等を対象としているが,学校種や,学校,児童生徒等の状況によって,学校のマネジメント体制や専門スタッフの配置など「チームとしての学校」の具体的な在り方は異なってくることから,それぞれの実態等を踏まえた検討を行うことが必要である。

1.専門性に基づくチーム体制の構築

チーム体制の構築

 我が国の学校の教員は,従来から,教育に関する専門性を共通の基盤として持ちつつ,それぞれ独自の得意分野を生かし,学校の中で,授業や生徒指導等の様々な教育活動の場面で「チームとして」連携・分担し,成果を上げてきた。
 一方,近年は,学校の多忙化等が指摘される中,教員が孤立化しているという指摘もある。今後,教員の資質・能力を上げるためには,それぞれの学校において,教員集団の資質・能力の向上に取り組むことが重要であり,まず,教員が「チームとして」教育活動に取り組むことが重要である。
 そのためにも,まず,教員が学校や子供たちの実態を踏まえ,学習指導や生徒指導等に取り組むことができるよう,指導体制の充実が必要である。加えて,心理や福祉等の専門スタッフについて,学校の職員として,職務内容等を明確化し,質の確保と配置の充実を進めるべきである。
 その際,多様な専門性や経験を有する専門スタッフ等が学校の教育活動に参画することとなることから,教員も専門スタッフも「チームとしての学校」の一員として,目的を共有し,取組の方向性をそろえることが今まで以上に求められる。
 その際,関係者間の情報共有が重要となるので,相互に十分なコミュニケーションを取ることができるようにする必要がある。ICT機器等も活用し,共有すればよいもの,相談することが必要なものなど,情報の重要性を勘案して,コミュニケーションの充実に取り組んでいくべきである。
 また,チーム体制を構築していくに当たっては,それぞれの職務内容,権限と責任を明確化することによって,チームを構成する個々人がそれぞれの立場・役割を認識し,当事者意識を持ち学校の課題への対応や業務の効率的・効果的な実施に取り組んでいくことが重要である。

学校における協働の文化

 また,「チームとしての学校」を支える文化を創り出していくことも重要である。多様な経験や専門性を持った人材を学校教育で生かしていくためには,教員が,子供たちの状況を総合的に把握して指導を行い,成果をあげている面にも配慮しながら,教員が担うべき業務や役割を見直し,多職種による協働の文化を学校に取り入れていくことが大切である。
 例えば,養護教諭や栄養教諭,スクールカウンセラー,看護師等などの数が少ない,少数職種が孤立しないよう,学校全体で意識改革を行い,専門性や立場の異なる人材をチームの一員として受け入れることがあげられる。
 さらに,学校教育に参画する専門スタッフにも,子供の教育を共に担っていくチームの一員であるという意識が求められるとともに,学校の仕組みや教員の文化等に関する理解が必要であり(※1),教育委員会等は,事前の研修等も含め,しっかりとした支援を行う必要がある。


  • ※1 例えば,スクールソーシャルワーカーについては,教育分野に関する基本的な知識に加え,社会福祉等の専門的な知識・技術を有するスクールソーシャルワーカーを養成するため,社団法人日本社会福祉士養成校協会と社団法人日本精神保健福祉士養成校協会が平成21年度から「スクール(学校)ソーシャルワーク教育課程認定事業」を実施している。

「チームとしての学校」の範囲

 「チームとしての学校」の範囲については,学校は,校長の監督の下,組織として責任ある教育を提供することが必要であることから,少なくとも校務分掌上,職務内容や権限等を明確に位置付けることができるなど,校長の指揮監督の下,責任を持って教育活動に関わる者とするべきである。
 その上で,学校と地域の連携・協働の在り方や今後の推進方策に関する答申(案)において,提言されているように,学校と地域はパートナーとして相互に連携・協働していくことが重要であることから,今後,コミュニティ・スクールや地域学校協働本部(これまでの学校支援地域本部等の体制を発展させた学校と地域がパートナーとして連携・協働する体制)等の仕組みによって,地域コーディネーター,地域住民等の参画により,学校支援活動,放課後の教育活動,安全・安心な居場所づくり等を通じて,社会総掛かりでの教育を実現していくことが必要である。

教職員や専門スタッフの人材の確保

 「チームとしての学校」の具体的な在り方は,学校種や学校の規模,学校が置かれている地域の状況等によって異なってくるものと考えられるが,「チームとしての学校」を実現するに当たっては,専門スタッフに係る人材を確保する必要がある。
 教員については,教員免許制度や研修制度によって質の確保を図るとともに,全国に一定水準の教職員が配置されるよう,学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法(人材確保法)に基づく優遇措置や義務教育費国庫負担制度,学級編成及び教職員定数の標準に関する制度が設けられている。
 専門スタッフの参画を進めるに当たっても,全国的に格差が生じることのないよう,計画的に配置を促進するとともに,専門スタッフが日常的・継続的に児童生徒と関わることができるよう,十分な体制と処遇の確保も必要である。
 また,都市部と中山間部では,必要とされる人材や地域人材の状況等も異なることから,保護者や地域の期待等も踏まえ,優先順位をつけて配置していくことが重要である。
 さらに,学校や地域の実態によっては,外国の言語や文化的な背景を理解できるような専門スタッフの養成や活用も求められている。

2.学校のマネジメント機能の強化

優秀な管理職の確保

 専門性に基づく「チームとしての学校」が機能するためには,校長のリーダーシップが重要であり,学校のマネジメント機能を今まで以上に強化していくことが求められる。そのためには,優秀な管理職の確保に向けて,主幹教諭の配置の促進や事務機能の強化など校長のマネジメント体制を支える仕組みを充実することが求められる。
 優秀な管理職を確保するため,中堅教職員の段階から,管理職として求められる資質・能力を継続的に伸ばしていくことができるような仕組みが必要であり,国,教育委員会は,管理職の養成,選考・登用,研修とそれぞれの段階を通じて一貫した施策を講じていくべきである。教育委員会と大学,教職大学院との連携も重要であり,今後,教員養成部会で検討されている教員育成協議会の仕組みや,任命権者が作成することとされている教員育成指標の活用についても検討を進めていく必要がある。
 一方で,管理職選考の倍率が低い地域や,副校長・教頭や主幹教諭の中で教諭への降任を希望する者が見られる地域などもあることから,管理職の実態を踏まえ,管理職の権限と責任に見合った処遇を行うとともに,管理職として学校経営を行うことのやりがいを実感させることができるような取組を充実させていくことが求められている。あわせて,教育委員会は,校長が権限を適切に行使し,その責任を果たすことができるよう,校長の学校経営を支援するべきである。

学校のマネジメント体制の強化

 学校の課題が複雑化・多様化したことに伴い,学校が管理しなければならない範囲も複雑化・多様化し,学校のマネジメントの難度が高くなっている。こうした面からも,校長が,副校長・教頭や主幹教諭,事務長等とともに組織的に学校経営を行うことができるような体制の整備を進めていくべきである。その際,マネジメントに求められる資質・能力を明確化すること等により,職員の育成を行うことも有効である。
 ミドルマネジメントの充実の観点からは,主幹教諭の配置を促進するとともに,主任等を担う中堅教員について,学校運営に関する意識付けを行い,マネジメントに関する能力を伸ばしていく機会を充実していくことが重要である。
 また,学校のマネジメントにおける総務・財務面の重要性が増していることから,管理職を総務・財務面で補佐する必要性が増大しており,事務職員の職務の在り方等を見直し,学校の事務機能を強化するべきである。
 さらに,学校は,学年単位,教科単位で動きがちであることから,カリキュラム・マネジメント等に学校全体で取り組むために,学年や教科等の単位を超えて,企画・立案を行い,実施する機能を強化する必要がある。

多様な職員で構成される組織において求められるマネジメント

 校長は,専門性や文化が異なる職員を束ねて成果を出していくために,学校の長として,子供や地域の実態等を踏まえ,学校の教育ビジョンを示し,教職員と意識や取組の方向性の共有を図ることが必要である。
 また,専門スタッフについても,業務に対する関わり方に応じて,業務の進め方や処理に要する時間が異なっていることなどから,そのような職の在り方や職業文化の違いに配慮したマネジメントが求められる。
 教職員や専門スタッフ等の多職種で組織される学校がチームとして機能するためには,校長がリーダーシップを発揮し,子供や地域の実態等を踏まえ,学校の教育ビジョンを示し,教職員と意識や取組の方向性の共有を図ることが必要である。
 また,校長が,自ら示す学校の教育ビジョンの下で,リーダーシップを発揮した学校運営を実現できるよう,学校の裁量拡大を進めていくことも重要である。

3.教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備

人材育成の充実

 教員については,平成24年の本審議会の答申「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」において,「教職生活を通じて,実践的指導力等を高めるとともに,社会の急速な進展の中で,知識・技能の絶えざる刷新が必要であることから,教員が探究力を持ち,学び続ける存在であることが不可欠」であるとし,「学び続ける教員像」が提言されている。
 本答申(案)で提言しているような教職員や専門スタッフ等の多職種で組織される「チームとしての学校」が効果的に機能し,教職員がそれぞれの力を発揮し,伸ばしていくことができるようにするためには,人材育成の充実や業務改善の取組を進めることが重要である。
 人材育成の充実に資する取組として,管理職は,面談等の機会を活用し,人事評価制度を活用していくことが大切である。
 その際,管理職が所属する教職員や専門スタッフの人材育成をしっかりと進めていくためには,特に大規模校において,管理職が十分な指導や監督ができる組織規模であるかどうかなどについても留意することが求められている。
 あわせて,教職員が意欲を持って,能力を発揮できるよう,優れた実践を行った教職員を顕彰する取組も進めていく必要がある。その際,チームとしての取組を評価することを検討する必要がある。

業務改善の推進

 学校の職員が自らの専門性を最大限発揮することができるようにするために,学校の業務改善に引き続き取り組んでいく必要がある。
 校務分掌や校内委員会の持ち方,業務の内容や進め方の見直し,教職員のメンタルヘルス対策等に取り組むことにより,教員が持てる力を発揮できるようにすることが重要である。
 その際,教員自らも,教育活動に加えて,校内運営や分掌業務に携わる点を自覚し,業務の内容や進め方等について,改善を進めることが重要である。

教育委員会等による支援

 加えて,教職員が安心して教育活動に取り組むことができるよう,学校事故や訴訟が提起された場合など,法令に基づく専門的な対応が必要な事項や子供の安全管理など専門知識に基づく対応が必要な事項に関し,教育委員会において学校や教職員を支援する体制の整備が重要である。

(2)「チームとしての学校」と家庭,地域,関係機関との関係

学校,家庭,地域の関係に関するこれまでの経緯

 「チームとしての学校」を実現するためには,学校と家庭,地域との関係を整理し(※2),学校が何をどこまで担うのか,検討することが必要である。
 平成8年の本審議会答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方」においては,学校週5日制の導入もにらみつつ,家庭や地域社会の教育力の低下が指摘される中,子供たちの健やかな成長のためには,家庭や地域での教育の充実を図り,社会の幅広い教育機能を活性化していくことが喫緊の課題であると提言している。
 この提言等を踏まえ,文部科学省では,関係省庁等とも連携して,家庭や地域における教育の充実に取り組み,学校地域支援本部・放課後子供教室,土曜授業・学習などの取り組みによって,子供に学校だけでは経験できないような機会が拡大するなど,一定の成果が上がってきている。
 また,その後,平成18年に改正された教育基本法では,保護者が「子の教育について第一義的責任を有する」と規定され,学校,家庭及び地域住民等の相互の連携協力の重要性が示されたところである。


  • ※2 学校と地域の連携・協働の経緯等については,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申(案))」第3章第2節参照。

学校と家庭,地域の関係の変容

 元来,学校は地域の中にあるものであり,地域の協力や支援のもと,教育活動を展開してきた。その上で,近年は家庭や地域の力を学校に取り入れていくため,学校評議員制度,学校運営協議会や学校支援地域本部等の仕組みや学校の情報公開の取組が進められてきたところであるが,高齢化や過疎化が進展する中,学校と家庭や地域との関係についても従来とは変化が見られる。
 学校が抱える課題が複雑化・困難化している状況の中,困難な課題を解決していくためには,学校がより一層地域に開かれ,地域住民や保護者等が学校運営に対する理解を深め,積極的に参画することで,子供の教育に対する責任を学校,家庭,地域と分担していくことが重要である。

学校と地域との連携・協働

 我が国の学校や教員は,欧米諸国の学校と比較すると,多くの役割を担うことを求められており,そのことによって,子供に対して総合的な指導が可能であるという利点がある反面,役割や業務を際限なく担うことにもつながりかねない側面がある。
 学校や教員の基本的な役割は,子供に必要な資質・能力を育むことであることから,学校と,家庭や地域との連携・協働によって,共に子供の成長を支えていく体制を作っていくことにより,学校や教員が,学校教育を通じて子供と向き合い,必要な資質・能力を子供に育むための教育活動に重点を置いて,取り組むことができるようにすることが重要である。このため,「チームとしての学校」としての体制を整備するとともに,学校と地域の連携・協働の在り方や今後の推進方策に関する答申(案)も踏まえ,コミュニティ・スクールや地域学校協働本部(仮称)等の仕組みによって,学校と地域が連携・協働して,学校を核とした地域づくりを推進し,社会総掛かりで教育を進めていくことが求められる。
 また,子供の安全を確保する観点からも組織的かつ継続的に子供の安全確保に取り組むなど,地域との連携・協働(※3)やボランティア等の地域人材との連携・協働(※4)は欠かすことのできないものであり,引き続き取組を進めていく必要がある。
 さらに,青少年団体やスポーツ団体,あるいは経済団体,福祉団体など地域で活動している団体は,各種の集団活動を通じて,子供たちに社会性,協調性や積極性を養うための活動等に取り組んでおり,教育委員会や学校は,これらの団体と連携・協働し,子供たちの様々な活動を充実していくことが重要である。


  • ※3 地域と組織的かつ継続的に連携・協働して子供の安全を確保する取組の例としては,安全に係る指標を設定し,その指標に基づいた安全推進の取組が継続的に実践されている学校を認証するセーフティプロモーションスクールの取組がある(大阪教育大学が平成27年3月から認証を開始)。
  • ※4 例えば,学校では,スクールガード等の学校安全ボランティアが通学時の見守り活動を行うなど,子供の安全確保に取り組んでいる。これらの取組を支援するため,文部科学省では,「地域ぐるみの学校安全体制整備の取組」事業において,防犯の専門家や警察官OB等をスクールガード・リーダーとして委嘱し,学校やスクールガードに対する警備のポイントの指導等を実施したり,スクールガード養成講習会等を開催している。

学校と家庭や地域との連携・協働,PTAの活動

 保護者が子供に対して行う家庭教育は,教育の出発点である。社会全体で子供の成長を支えるためには,学校や地域とともに,家庭との連携・協働により教育活動を充実していくことが重要である。
 学校が家庭や地域との連携・協働を進めるに当たっては,PTAの活動が重要となる。PTAは,子供たちの健全育成を目的に,保護者と学校の協力により,学校及び家庭における教育に関し理解を深める様々な事業を行っており,学校の身近な応援団としての役割を果たすことが期待されている。
 特に,全国的な傾向によれば,多くの地域で若手の教職員が増加していることもあり,PTA活動を通じて保護者の経験等をいかした様々な協力を得ながら,学校,家庭,地域の連携・協働により子供たちの生きる力を育む必要がある。

「チームとしての学校」と関係機関等との連携・協働

 従来から,学校は,生徒指導や子供たちの健康や安全,青少年の健全育成等の観点から警察,消防,保健所,児童相談所等の関係機関との連携に取り組んできたところであるが,「チームとしての学校」と関係機関との連携・協働について,組織的な取組を進めていく必要がある。
 学校と警察の連携については,学校警察連携協議会や非行防止教室等の開催,警察署OB人材の活用を通じ,警察署や少年サポートセンター等との間で日常から信頼感を培うことが重要である。また,学警連携協定等による都道府県警察本部等と教育委員会等の間の連携についても更に進めていく必要がある。
 また,学校と,福祉部局,児童相談所との連携についても,教員の研修に児童相談所の職員を招く等の取組を進めるなど,日常的に信頼感を醸成する機会を設けていくことが重要である。
 さらに,学校における法律問題への対処等のため,弁護士会等と連携し,学校における法律家の活用を進めることも考えられる。

(3)国立学校や私立学校における「チームとしての学校」

 我が国の公教育は,国立学校,公立学校,私立学校がバランスをとって発展してきたものであり,国立学校は,国立大学に附属して設置され,地域におけるモデル的な役割や中長期的な視点から先導的・実験的な取組を実施する役割を担っており,私立学校は,それぞれ建学の精神に基づき,特色ある教育活動を展開している。
 「チームとしての学校」を推進するに当たっては,国・私立学校の位置付けや校種の違いなどに配慮するとともに,各学校の取組に対する必要な支援を行うことが重要である。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成28年01月 --