基本的方向性4:絆づくりと活力あるコミュニティの形成

平成26年度の主な取組と今後の方向性

成果目標8(互助・共助による活力あるコミュニティの形成)

基本施策20 絆づくりと活力あるコミュニティの形成に向けた学習環境・協働体制の整備推進

20-1 社会全体で子どもたちの学びを支援する取組の推進

○ 社会全体で子供の学びを支えていくため、地域住民や多様な経験や技能を持つ人材・企業等、豊富な社会体験を持つ外部の人材等を活用し、「学校支援地域本部」、「放課後子供教室」、「土曜日の教育活動」などの学校・家庭・地域の連携による様々な教育支援活動を支援。

○ 地域住民等の参画により、学校の教育活動を支援する仕組みである「学校支援地域本部」の実施状況は平成26年度3,746本部(公立小中学校区あたりの実施率:30%)、地域住民等の参画により、放課後や週末等に、子供たちに学習や様々な体験・交流活動の機会を提供する「放課後子供教室」の実施状況は平成26年度1万1,991教室(公立小学校区当たりの実施率:51%)、地域の多様な経験や技能を持つ人材・企業等の協力を得て実施する「地域の豊かな社会資源を活用した土曜日の教育支援体制等構築事業」の実施状況は平成26年度で4,845校区。

→ 平成29年度までに全国の小・中学校区に「学校支援地域本部」や「放課後子供教室」、「土曜日の教育活動」など、地域住民の参画により子供の学びを支援するための体制を構築するため、本事業を一層推進していく。また、「小一の壁」を打破し、次代を担う人材育成のため、放課後児童クラブ(厚生労働省)と一体型の放課後子供教室の計画的な整備を進めるとともに、学習が遅れがちな中学生等を対象として大学生や教員OBなど地域住民の協力による学校支援地域本部を活用した学習支援を推進する。

*20-2 地域とともにある学校づくりの推進

○ 保護者や地域住民の参画を得ながら学校運営の改善を図るため、「地域とともにある学校づくり」を推進している。そのうち、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、平成26年4月1日時点で、1,919校(うち、小・中学校は1,805校)が指定され、前年度から349校増加した。

○ 平成26年6月に文部科学省内に「コミュニティ・スクールの推進等に関する調査研究協力者会議」を立ち上げ、平成27年3月に「コミュニティ・スクールを核とした地域とともにある学校づくりの一層の推進に向けて」(報告)を取りまとめ。

○ コミュニティ・スクールの導入が加速しつつある自治体に重点を置き、全国4会場でフォーラムを実施したり、地域とともにある学校づくりを推進するための実践研究等を実施したりするなど、コミュニティ・スクールの普及や取組の充実を図った。

○ 地域とともにある学校づくりの効果的な推進のため、校長がリーダーシップを発揮するための学校裁量権の拡大、教職員や学校運営協議会委員のマネジメント力向上、実効性ある学校評価に関する調査研究を行うとともに、その普及・啓発を実施。

→ 今後のコミュニティ・スクールの在り方やその総合的な推進方策等の検討に向けて、平成27年4月に中央教育審議会に「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について」諮問し、現在審議中。今後、審議の状況を踏まえ、コミュニティ・スクールの一層の拡大・充実を図る。
→ 地方創生にも資するよう、学校を核とした地域の魅力を創造する取組を支援するとともに、学校・地域の差し迫った社会的・地域的課題に対し、首長部局や関係機関等との協働体制の下で課題解決に取り組む新たな学校モデルを構築し、地域とともにある学校づくりを推進する。
→ 校長がリーダーシップを発揮するための学校裁量権の拡大、校長や教職員等のマネジメント力向上、実効性ある学校評価システムの構築に関する調査研究等を引き続き実施し、自律的・組織的な学校運営体制の構築を図る。 

20-3 学びの場を拠点にした地域コミュニティ形成の推進

○ 「公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム」において、地域の現代的・社会的課題の解決を通じた地域コミュニティ形成に資する公民館等の社会教育施設の取組を支援し、その成果の全国への波及を図り、学びの場を拠点とした地域コミュニティ形成の推進を図った(平成26年度採択数:95件)。

○ 余裕教室を活用する場合の財産処分手続を大幅に簡素化・弾力化し余裕教室の活用促進を図っており、平成26年8月には、活用事例を掲載したパンフレットも作成・配布。平成25年5月1日現在、余裕教室の99.3%が活用(余裕教室活用状況の実態調査。平成21年:99.1%)されている。

○ 学校施設と他の公共施設等との複合化を実施する場合の計画設計上及び管理運営上の留意点について、平成26年8月より有識者会議を設置し調査研究を実施。

○ 総合型地域スポーツクラブ(総合型クラブ)の育成に取り組んでおり、現在、総合型クラブは全国に約3,500か所(平成25年7月:3,493→平成26年7月:3,512)設置、総合型クラブ設置率(全市区町村数に占める総合型クラブ設置済み及び設置準備中の市区町村数)は約8割(平成25年7月:79.0%→平成26年7月:80.1%)となっている。また、「拠点クラブ」を通じて周辺の地域スポーツクラブや学校等にトップアスリート等の優秀な人材を派遣し、地域スポーツとトップスポーツの好循環の実現を図っており、平成26年度現在58の「拠点クラブ」がある。

○ 地域の文化拠点である劇場、音楽堂等が行う公演事業等に総合的に支援することで、劇場、音楽堂等の活性化と地域コミュニティの創造と再生を推進する「劇場・音楽堂等活性化事業」を実施(採択件数:平成26年度165件)。

→ 平成27年度から「地域力活性化コンファレンス」を開催し、「公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム」の取組成果や先進的取組等の事例等の研究を行い、得られた成果を全国へフィードバックし更なる普及・啓発を図る。
→ スポーツ基本計画(平成24年3月策定)に基づき、地域コミュニティの核となる総合型クラブを各市区町村に少なくとも一つは育成するため、地方公共団体、大学・企業等と連携し、市区町村の人口規模や高齢化、過疎化等各地域の実情に応じた、総合型クラブの望ましい在り方や支援策についての検討を行う。

20-4 地域における学び直しに向けた学習機能の強化

○ 平成25年度に、人材認証制度に関するニーズ調査を行って、認証機関が自らの認証制度について検証、改善を行うための自己評価シートを作成し、文部科学省のホームページに掲載して普及を図っている。

○ 大学における公開講座の実施状況等の調査を行ない、結果を公表しているほか、公開講座を担当する教職員等が参加する研修会等でも、調査結果について説明を行うなど、大学公開講座の充実に向けた取組を実施。

○ 放送大学では多様な年齢層・職層の人が学習している(学生数は平成26年度第2学期で8万9,510人)。また、地方公共団体や他大学等と連携した授業科目数の充実を図るとともに(放送授業科目数:343科目、面接授業科目数:3,045科目(平成26年度))、各都道府県に設置している学習センター等において、公開講演会を計519回(平成26年12月10日現在)実施。

→ 人材認証制度を含めた学習履歴の管理・活用の在り方について、中央教育審議会生涯学習分科会学習成果活用部会において検討を行う。
→ 今後も継続して大学公開講座の実施状況等の把握に努め、その結果を広く公表することで、更に大学公開講座の充実が図られるよう大学の取組を促す。 
→ 放送大学における地域貢献事例について、平成25年度に開設したウェブサイト上での公開や、平成26年度より放送大学エキスパートとして「地域貢献リーダー人材認証」を新設するとともに、平成26年度より大学院博士後期課程を設置し、地域社会・職場等の課題解決をリードする中核的な社会人研究者の育成を図っている(平成26年度博士全科生入学者12名)。

基本施策21 地域社会の中核となる高等教育機関(COC構想)の推進

21-1 COC構想を推進する高等教育機関への支援

○ 「地(知)の拠点整備事業」は、大学等が自治体と連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・社会貢献を進める大学等を支援することで、課題解決に資する様々な人材や情報・技術が集まる地域コミュニティの中核的存在としての大学の機能強化を図ることを目的としたもので、平成25及び26年度には77拠点を整備し、地域再生・活性化の核となる大学の形成の促進を図った。

○ 大学における公開講座の実施状況等の調査を行い、結果を公表しているほか、公開講座を担当する教職員等が参加する研修会等でも、調査結果について説明を行うなど、大学公開講座の充実に向けた取組を実施。

→ 平成25年度から自治体と連携して地域課題の解決に取り組む各大学の支援として実施してきた「地(知)の拠点整備事業(COC)」を発展的に見直し、平成27年度より新たに、複数の大学が、地域活性化を担う自治体のみならず、人材を受け入れる地域の企業、地域活性化を目的に活動するNPOや民間団体等と事業協働機関を形成し、それぞれが強みを活かして雇用創出や学卒者の地元定着率向上に取り組む事業を支援する「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」を実施している。
→ 今後も継続して大学公開講座の実施状況等の把握に努め、その結果を広く公表することで、更に大学公開講座の充実が図られるよう大学の取組を促す。

基本施策22 豊かなつながりの中での家庭教育支援の充実

22-1 コミュニティの協働による家庭教育支援の推進

○ 身近な地域において、全ての親が安心して家庭教育を行えるよう、家庭教育支援チームの組織化等による保護者への学習機会の提供や相談対応等の家庭教育を支援する自治体の取組を推進(平成26年度実施箇所数:3,344か所)。

○ 社会全体の動向や地域の課題等を踏まえた支援の取組手法の検討や関係府省との連携による研究協議を行い、地域住民、学校、行政、NPO、企業等の社会全体の協働による家庭教育支援の活性化を図った。

○ 課題を抱え孤立しがちな家庭への公民館等を拠点とした地域人材によるサポート体制の構築のため、実証的調査研究を実施(平成26年度実施箇所数:18か所)。

○ 家庭教育支援における訪問型アウトリーチ支援手法の実証研究を行い、問題を抱え孤立した家庭に対する新たな支援手法の開発を図った(平成26年度実施箇所数:5か所)。

○ 家庭教育支援チームによる支援を更に普及するため、家庭教育支援チームの登録制度の見直しやロゴマークの作成を実施。

→ 引き続き、家庭教育の担い手である親の学びを応援するため、保護者への学習機会の提供や相談対応等の家庭教育を支援する自治体の取組を推進するとともに、訪問型アウトリーチ支援など問題を抱え孤立した家庭に対する効果的な行政手法についての検討を行う。

22-2 子どもから大人までの生活習慣づくりの推進

○ 平成18年度から、子供の望ましい基本的な生活習慣の確立のため、全国協議会や民間団体と連携して「早寝早起き朝ごはん」国民運動を推進しており、啓発リーフレットを作成し、小学校1年生を対象に配布するとともに、子供の生活習慣づくりに関する活動のうち、特に優れていると認められる活動に対して、文部科学大臣表彰を実施。

○ 「中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会」を開催し、睡眠習慣をはじめとする生活習慣が子供の心身に与える影響などに関する科学的知見の整理と、その普及啓発の在り方について検討し、中高生や保護者などを対象とした普及啓発資料及び指導者用資料を作成。

○ 親子のコミュニケーションなどによって育まれる家族のきずなや、家庭でのルールづくり、子供たちの基本的な生活習慣づくり、家庭教育の大切さや命の大切さについて、親子で話し合ったり、一緒に取り組むことを社会全体で呼びかけていくため、これらをテーマとする三行詩を募集し、表彰を実施。

→ 平成26年度の検討委員会での議論を踏まえ、中高生を中心とした子供の生活習慣づくりの推進を図るとともに、引き続き、子供から大人までの生活習慣づくりについて、府省や地域、団体、企業等との連携を図りながら、全国的な普及啓発を推進する。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成27年11月 --