基本的方向性3:学びのセーフティネットの構築

平成26年度の主な取組と今後の方向性

成果目標6(意欲ある全ての者への学習機会の確保)

基本施策17 教育費負担の軽減に向けた経済的支援

*17-1 幼児教育に係る教育費負担軽減

○ 幼児教育に係る保護者負担の軽減については、幼稚園就園奨励費補助による支援を行っており、平成26年度については保育所と同様に、生活保護世帯の保護者負担を無償にするとともに第2子の保護者負担を半額にした上で所得制限を撤廃し、第3子以降についても所得制限を撤廃した。

○ 幼児教育無償化については、平成26年7月の「幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議」における今後の取組の基本方向を踏まえ、平成27年度予算については幼稚園就園奨励費補助において、市町村民税非課税世帯の保護者負担軽減を拡充するとともに市町村に対する補助を拡充し、市町村の超過負担を解消することにより、全ての園児に等しく支援が行われるよう環境整備を図るよう計上。

○ なお、子ども・子育て支援新制度における施設型給付については、平成25年4月に内閣府に設置された子ども・子育て会議において、具体的な水準について検討。

→ 幼児教育無償化については、今後、「環境整備」と「財源確保」を図りつつ、子ども・子育て支援新制度の施行状況も勘案しながら、関係府省と連携しつつ総合的に検討する。

17-2 義務教育に係る教育費負担軽減

○ 義務教育の無償制、教科書の無償配布に加えて、就学援助を通じ、経済的困難を抱える家庭に対する支援を継続的に実施(国は要保護児童生徒への支援の1/2を補助)。

【参考】

  • 義務教育段階の就学援助
    (要保護児童生徒への支援)
    ※平成26年度国庫補助予算額 約8億4,000万円(対前年度比約2,000万円増)
    ※平成24年度の要保護児童生徒数は15万2,947人、対前年度887人増加。
    同援助率は1.54%、対前年度0.03ポイント増加。
    (準要保護児童生徒への支援)
    ※平成24年度の準要保護児童生徒数は、139万9,076人、
    対前年度1万6,695人減少。同援助率は14.10%、対前年度0.03ポイント増加。

→ 各市町村が実情に応じて実施している就学援助制度については、「子供の貧困対策に関する大綱」が策定されたことを踏まえ、就学援助の実施状況等を定期的に調査し、公表するなど、就学援助の適切な運用等の取組を促し、各市町村における就学援助の活用・充実を図る。

*17-3 高等学校段階に係る教育費負担軽減

○ 平成25年に、低所得者支援の充実と公私間格差の是正の課題に対応するため、所得制限を設ける法改正を実施。平成26年4月より新制度を実施(平成27年度予算:3,830億円)。

  • 私立高校等の低・中所得者への就学支援金の加算を拡充。
  • 広く高等学校段階の学びを支援するため、新たに専修学校(一般課程)支給及び各種学校のうち国家資格養成課程を置くものを就学支援金の対象とした。
  • 予算措置により海外の在外教育施設の高等部等の生徒や高校中退者に対する学び直し支援として就学支援金相当の支援。

○ 低所得世帯の生徒への授業料以外の支援として「高校生等奨学給付金」 制度を創設(平成27年度予算:79億円)。

新制度が着実に実施されるよう努めるとともに、引き続き高等学校段階の教育費負担の軽減を図る。

17-4 大学・専門学校等に係る教育費負担軽減

○ 意欲と能力のある学生等が経済的理由により進学等を断念することなく安心して学べるよう、平成26年8月に取りまとめた「学生への経済的支援の在り方について」(報告書)を踏まえ、貸与人員の増員等、大学等奨学金事業の充実を図った。平成27年度予算においても、1.無利子奨学金の貸与人員の増員、2.貸与基準を満たす年収300万円以下の世帯の学生等全員への貸与の実現、3.より柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」の導入に向けた詳細な制度設計や、システム開発等の対応の加速など、大学等奨学金事業の充実を図った。

【参考】 独立行政法人日本学生支援機構大学等奨学金事業
<平成27年度予算額>

  • 貸与人員 
    無利子奨学金:46万人
    (対前年度比1.9万人増(うち新規増8,600人))
    ※このほか被災学生等分7,000人
    [有利子奨学金:87.7万人]
  • 事業費
    無利子奨学金:3,125億円
    (対前年度比125億円増)
    ※このほか被災学生等分48億円
    [有利子奨学金:7,966億円]

○ 意欲と能力のある学生等が経済的理由により修学を断念することなく安心して学べるよう、授業料減免等の充実を図っている。国立大学については授業料免除枠を拡大するとともに、学内ワークスタディへの支援を行うこととしている。公立大学では、全ての大学が授業料減免制度を設けており、平成25年度実績で約1.2万人に対して33.4億円の減免措置がなされている。私立大学については授業料減免等事業に加え、平成25年度より学内ワークスタディ事業、産業界との連携協力関係に基づく減免等奨学制度への支援を行う産学合同スカラーシップ事業を実施。国立高等専門学校において、学生の経済状況に関わらず修学の機会が得られるよう、授業料等の減免枠を拡大。

【参考】 平成27年度予算
<国立大学>
 免除対象人数:約0.3万人増 
 平成26年度:約5.4万人→平成27年度:約5.7万人
 学部・修士:約4.8万人→約5.1万人(約0.3万人増)
 博士:約0.6万人→約0.6万人、被災学生分:約600人
<私立大学>
 授業料減免等対象人数:約0.2万人増
 平成25年度:約3.7万人→平成26年度:約3.9万人 
 ※公立大学については、授業料収入の11.5%を授業料減免相当として地方交付税交付金の算定上措置している。

 ○ 専修学校生への経済的支援の施策立案等の参考とするため、専修学校生を対象とした学生生活に関する実態調査等を実施。

  • 専修学校生の学生生活等に関する調査研究(平成26年度予算額2,000万円(新規))

○ また、意欲と能力のある専門学校生が経済的理由により修学を断念することがないよう、専門学校生に対する経済的支援策について総合的な検討を進めるため、実証的な研究として経済的支援及びその効果検証等を行うための予算を平成27年度予算に計上。

  • 専門学校生への効果的な経済的支援の在り方に関する実証研究事業(平成27年度予算額3億円/支援対象人数:約0.2万人)

→ 意欲と能力のある学生等が経済的理由により修学を断念することなく安心して学べるよう、引き続き、学生等の経済的支援の在り方について検討し、大学等奨学金事業及び授業料減免等の充実を図る。

17-5 東日本大震災により被災した子ども・若者への就学支援

○ 東日本大震災で被災し、経済的に就学が困難な幼児児童生徒の就学機会を確保するため、平成23年度から平成26年度まで、平成23年度補正予算(第1次及び第3次)及び平成26年度予算において措置した「被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金」(約444億円、全額国庫負担)による基金事業として、各都道府県等において、幼稚園児への就園支援、小中学生に対する学用品費等の援助、高校生に対する奨学金支給、特別支援学校等に在籍する児童生徒への就学奨励、私立学校及び専修学校・各種学校の授業料減免等を実施しており、平成25年度においては約5万2,000人の幼児児童生徒への支援を実施。

○ 一方で、同基金が平成26年度末で終期を迎えること等を踏まえ行われた復興庁行政事業レビュー「公開プロセス」では取りまとめ結果において、必要性は高い事業とされたものの、基金方式の見直し等が求められた。

○ こうした状況に加え、東日本大震災からの復興や原子力発電所の事故による避難生活が長期化していることから、震災で被災した幼児児童生徒が安心して学ぶことができるよう、復興基本方針や自治体の要望等を踏まえ、従来の基金方式を見直し、全額国庫補助の単年度の交付金事業として「被災児童生徒就学支援等事業」に必要な経費(約80億円)を平成27年度予算に計上。

○ また、被災地において通学困難となった児童生徒の通学支援として、被災地からの要望等を踏まえ、スクールバス等の購入費への補助を実施。

【参考】平成26年度予算額 2,500万円

○ 被災した世帯の学生等が経済的理由により修学を断念することがないよう、貸与基準を満たす希望者全員に奨学金を貸与するとともに授業料減免等の充実を図った。

→ 東日本大震災により被災した幼児児童生徒への就学支援について、被災地からの要望等も踏まえて引き続き支援を行う。
→ 被災した世帯の学生等が経済的理由により修学を断念することがないよう、引き続き、貸与基準を満たす希望者全員に奨学金を貸与するとともに授業料減免等の充実を図る。 

基本施策18 学習や社会生活に困難を有する者への学習機会の提供など教育支援

*18-1 経済的、地理的条件が不利な子どもたちに対する支援

○ 平成26年度においては、少子化等に伴って教職員定数が減少する一方、いじめ・道徳教育への対応分等として703人の加配定数の改善を実施。

○ 交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、離島等に所在する公立学校(へき地学校等)の教育の振興を図るため、へき地教育振興法等に基づいて、スクールバス・ボートの購入や遠距離通学費への補助等の就学支援を実施。

【参考】

  • へき地児童生徒援助費等補助金
    平成26年度予算額 約13億1,000万円(対前年度比約3,000万円増)

○ 政府として取り組む具体的な施策を定める「子供の貧困対策に関する大綱」が平成26年8月に閣議決定(18-2後掲)。

→ 教育格差の解消に向け、家庭環境等の要因により学力定着等が困難な児童生徒への支援や、離島を含めたへき地の子供たち等に対する就学支援を引き続き行う。
→ 「子供の貧困対策に関する大綱」に基づき、子供の貧困対策に関する各施策を実施する(18-2後掲)。

*18-2 「貧困の連鎖」防止等に向けた多様な主体と連携した学習支援等

○ 平成25年度の全国の国・公・私立高等学校での中途退学者数は約6万人、在籍者に占める中途退学者の割合(中退率)は約1.7%となっており、依然として相当数に上っている。

○ 高校中退者に対する学校とハローワーク・地域若者サポートステーションとの連携体制の構築については、平成26年4月に、高校中退者情報を共有することや、地域若者サポートステーションが訪問支援等により支援を行うこと等について通知を発出する等により実施。

○ 学校・家庭・地域が連携して、全ての子供を対象に、学習支援をはじめとする教育支援活動として、平成26年度は「学校支援地域本部」を全国で3,746本部、「放課後子供教室」を全国で1万1,991教室で実施した。また、家庭教育支援については、課題を抱える家庭も対象として、家庭教育支援チーム等による相談対応や情報提供等を全国の3,344か所で実施。さらに、地域の公民館等においては、現代的・社会的課題の解決に当たる公民館等の社会教育施設の取組を支援する「公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム」を実施し、その中の「若者の自立・社会参画支援プログラム」において、公民館が地域若者サポートステーションと連携するなど、就業に課題を抱える若者等の支援を通じた実証研究を行い、その成果の全国への波及を図った(平成26年「若者の自立・社会参画プログラム」採択数:11件)。

○ 平成26年6月に取りまとめられた中央教育審議会高等学校教育部会審議まとめを踏まえ、定時制・通信制課程等における困難を抱える生徒等のための支援・相談の充実を図るため、学習指導や進路指導等を行う人材配置への支援を実施。
  いわゆる夜間中学については、平成26年度に全国8都府県31校に設置され、1,849人の生徒が在籍している。学習指導、生徒指導の改善充実に資するため、夜間中学の充実・改善等への取組を支援する実践研究事業を実施。 

○ 高等学校等を中途退学した者が、再び高等学校等で学び直す場合に、高等学校等就学支援金の支給期間を過ぎた後も、卒業までの間(最長2年)、就学支援金相当分の支援を実施。 

○ 政府として取り組む具体的な施策を定める「子供の貧困対策に関する大綱」が平成26年8月に閣議決定(18-1再掲)。

→ 学校とハローワーク・地域若者サポートステ―ション等の多様な主体との連携体制を強化し、貧困の連鎖の防止に向けた取組を強化する。
→ 学校支援地域本部を活用し、平成27年度より、家庭での学習習慣が十分に身に付いていない中学生等を対象として、新たに2,000中学校区で、大学生や教員OB等の協力を得た学習支援を行う。
→ 現在夜間中学は8都府県31校で設置されているが、未設置の道県も多くあるほか、必ずしもその存在が広く知られていないという状況があるため、平成27年度以降、既存の夜間学級における指導の改善充実に加え、夜間中学に関する広報の強化、全ての都道府県に夜間中学の設置を目指して未設置道県における新規設置の促進を図る。
→ 「子供の貧困対策に関する大綱」に基づき、「幼児期から高等教育段階まで切れ目ない教育費負担の軽減」と「学校をプラットフォームとした総合的な子供の貧困対策の推進」(※)に取り組む。

(※)学校をプラットフォームとした子供の貧困対策に係る主な施策(平成27年度予算)

  1. スクールソーシャルワーカーの配置拡充:6.5億円(2.5億円増)
    配置人数 2,247人(781人増)
    貧困対策のための重点加配(新規)600人
    ※平成31年度末までの目標:1万人(全中学校区(1万校区)に1人の配置)
  2. 家庭環境や地域間格差など教育格差の解消に向けた教員定数の措置:100人(新規)
  3. 学校支援地域本部を活用した学習支援(「地域未来塾」):2.0億円(新規)(2,000中学校区)
    ※平成31年度末までの目標:5,000中学校区(全中学校区(1万校区)の半数)
18-3 東日本大震災により被災した子どもたちに対する学習支援や心のケア

○ 東日本大震災により被災した児童生徒に対する心のケアや学習支援のため、被災県等の教育委員会からの申請を踏まえ、平成26年度においては、6県(岩手県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、新潟県)に対して計1,069名(義務教育諸学校:986名、高等学校:83名)の教職員定数の加配措置を実施。

○ 東日本大震災で被災し、経済的に就学が困難な幼児児童生徒の就学機会を確保するため、平成23年度から平成26年度まで、平成23年度補正予算(第1次及び第3次)において措置した「被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金」(約411億円、全額国庫負担)による基金事業として、各都道府県等において学用品費や通学費等の援助などを実施しており、平成25年度においては約5万2,000人の幼児児童生徒への支援を行ったところ。また、平成26年度においては、平成26年度中に基金不足が見込まれる自治体の要望等を踏まえ、所要の経費(約33億円)を措置し、引き続き被災幼児児童生徒の就学機会を確保。

○ 一方で、同基金が平成26年度末で終期を迎えること等を踏まえ行われた復興庁行政事業レビュー「公開プロセス」では、その取りまとめ結果において、必要性は高い事業とされたものの、基本方式の見直し等が求められた。

○ こうした状況に加え、東日本大震災からの復興や原子力発電所の事故による避難生活が長期化していることから、震災で被災した幼児児童生徒が安心して学ぶことができるよう、復興基本方針や自治体の要望等を踏まえ、従来の基金方式を見直し、全額国庫補助の単年度の交付金事業として「被災児童生徒等就学支援事業」に必要な経費(約80億円)を平成27年度予算に計上。

○ 東日本大震災で被災した幼児児童生徒等の心のケアを図るため、平成26年度予算において、スクールカウンセラー等を学校等に派遣するために必要な経費を措置(「緊急スクールカウンセラー等派遣事業」(約37億円、全額国庫負担、復興特別会計)。

○ 平成27年度予算において、引き続き、スクールカウンセラー等を学校等に派遣するために必要な経費を計上(「緊急スクールカウンセラー等派遣事業」)(約27億円、全額国庫負担、復興特別会計)。

→ 東日本大震災により被災した幼児児童生徒等に対する就学支援、学習支援や心のケアについて、被災地からの要望等を踏まえて引き続き支援を行う。

成果目標7(安全・安心な教育研究環境の確保)

基本施策19 教育研究環境の整備や安全に関する教育の充実など学校における児童生徒等の安全の確保

*19-1 安全・安心な学校施設

○ 公立学校については、耐震化のための国庫補助を行うとともに、耐震化が遅れている地方公共団体に対し職員が個別に訪問し助言する等の取組を行っている。平成27年度予算事業実施後の公立小中学校の耐震化については、学校の統合や震災の影響等、各地方公共団体の個別事情により耐震対策が遅れているものを除き、おおむね完了する見込み(約98%)。

○ また、非構造部材の耐震対策に対しても国庫補助を行うとともに、「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック(改訂版)」を作成、配布するなどの取組を行っている。特に致命的な事故の起こりやすい屋内運動場等の吊り天井の落下防止対策については、平成27年度までの速やかな対策完了を目指し、平成25年8月に天井撤去を中心とした対策の検討を要請する通知を発出するとともに、「学校施設における天井等落下防止対策のための手引」及び「屋内運動場等の天井等落下防止対策事例集」を作成・配布するなど対策の加速化に向けた取組を実施。

【参考】
対策が未実施の吊り天井を有する屋内運動場等の棟数  4,849棟
非構造部材の耐震対策実施率(屋内運動場の吊り天井等を除く)64.5%
(平成27年4月現在)

○ さらに、老朽化対策について、厳しい財政状況下、コストを抑えながら建て替えと同等の教育環境を確保できる「長寿命化改修」を推進するため、平成25年度に創設した「長寿命化改良事業」や地方公共団体の先導的な取組を支援する「学校施設老朽化対策先導事業」、長寿命化改修の具体的手法を示した手引(平成26年1月)について、地方公共団体職員を対象とした講習会の開催などを通じて、普及啓発を図った。また、地方公共団体による学校施設の長寿命化計画策定の具体的手法等をまとめた手引を作成。

○ 学校施設の津波対策や避難所となる学校施設の在り方について、有識者会議において検討を行い、報告書「災害に強い学校施設の在り方について~津波対策及び避難所としての防災機能の強化~」(平成26年3月)を取りまとめるとともに、「公立学校施設における津波対策状況調査」(平成26年10月公表)を実施し、施設面での対策状況等について全国的な概況を把握した。また、防災機能強化の取組に対し国庫補助を行っている。

○ 平成26年度から南海トラフ地震による津波対策として必要となる公立学校施設の高台への移転改築事業に係る国庫補助制度を創設。さらに、平成27年度からは、全国における津波対策のための改築事業への補助制度を拡充する予定。

○ 国立大学等については、「第3次国立大学法人等施設整備5か年計画」に基づき、耐震化を含む老朽改善整備等を推進しており、平成26年5月現在の耐震化率は94.2%に進捗した。(平成25年5月現在:91.5%)また、屋内運動場等の吊り天井の落下防止対策については、平成27年度までの速やかな完了を目指し、平成26年8月に天井撤去を中心とした対策の一層の推進を要請する通知を発出するなど対策の加速化に向けた取組を行っている。

○ 私立学校については、平成26年度の私立学校施設の耐震化率は、幼稚園~高等学校等で80.6%、大学等で85.2%となっており、国公立学校が平成27年度までに耐震化を完了させることを目標としていることを踏まえ、耐震化及び屋内運動場等の天井等落下防止対策の早期完了を目指し、補助と融資の両面で支援を推進。
 特に平成26年度補正予算及び平成27年度予算では、東日本大震災の教訓や今後発生が懸念されている南海トラフ地震及び首都直下地震等に備えるべく、耐震改築(建替え)及び耐震補強に対する補助制度により、耐震化を促進。

→ 引き続き、学校施設の耐震化について、屋内運動場等の天井等落下防止対策を含め、国公立学校は平成27年度まで、私立学校は国公立学校の状況を勘案しつつ早期の完了に向けて、必要な予算を確保するとともに、各地方公共団体等への働きかけを行うなどにより、取組を一層推進する。
→ また、津波対策としての避難経路の整備、避難所としての防災機能強化等についても、必要な予算を確保するとともに、各地方公共団体等への働きかけを行うなどにより、取組を一層推進する。
→ 厳しい財政状況の下で効果的・効率的に学校施設の老朽化対策を行う必要があるため、引き続き必要な予算の確保に努めるとともに、地方公共団体における学校施設の長寿命化計画策定のための支援や講習会の実施等を行うことにより、老朽化対策をより一層推進する。

19-2 学校安全の推進

○ 児童生徒等が「主体的に行動する態度」等を身に付けるための新たな防災教育の手法の開発・普及等を支援する「実践的防災教育総合支援事業」を実施。

○ 学校安全教室の講師となる教職員等に対する講習会や教職員等に対する心肺蘇生法実技講習会を実施。また、独立行政法人教員研修センターにおいて、各都道府県で指導的な役割を果たしている指導主事等を対象に、学校事故対応を中心とした学校安全に関する研修会を実施。

○ スクールガード・リーダーを活用した学校安全ボランティアの育成やボランティアによる見守り活動など、地域ぐるみで学校安全の体制整備を実施。

○ 地域における推進体制の構築を促すなど、通学路の交通安全の確保についての通知を発出し、取組を促進。
  また、通学路安全対策アドバイザーを派遣し、専門的な見地からの必要な指導・助言の下、通学路の合同点検や安全対策の検討を行う「通学路安全推進事業」を実施するなど、通学路の交通安全確保のための取組を推進。

○ 中央教育審議会の下に学校安全部会を設置し、安全教育の指導時間の確保等、今後の学校安全の基本的な施策の在り方を中心に専門的に調査審議。

○ 「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議を設置し、学校事故再発防止に向けて、今後留意すべき点について取りまとめるため、これまで発生した学校管理下での事件・事故災害における学校及び学校の設置者の対応について実態調査を行い、分析を実施。

→ 安全教育の充実に関する成果について、周知・徹底を図る。
→ 学習指導要領改訂に当たり、安全教育の系統的な内容を確保するた めに、教育課程全体の中で検討を行う。
→ 安全教育に関する教職員の研修等の充実により、資質の向上を図る。
→ 学校、教育委員会や道路管理者、警察、保護者などの関係が協力し、継続的に通学路の合同点検や交通安全対策を実施するよう、関係省庁と連携し支援する。 

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成27年11月 --