基本的方向性2:未来への飛躍を実現する人材の養成

平成26年度の主な取組と今後の方向性

成果目標5(社会全体の変化や新たな価値を主導・創造する人材等の養成)

基本施策14 優れた才能や個性を伸ばす多様で高度な学習機会等の提供

14-1 優れた才能や個性を伸ばす仕組みの推進

○ 現在、高等学校に2年以上在学した者であり、大学の定める分野において特に優れた資質を有すると認める者は、当該大学への飛び入学が可能となっている。ただし、この場合、高校を卒業せずに大学へ入学することから、高校卒業資格が得られない。

○ 現行の飛び入学制度は平成9年度に導入。これまで導入した大学は7大学(うち1大学は26年度より募集停止)、延べ111人(平成26年)。

○ 高等専門学校教育の高度化及び深化に向けて、高等専門学校の全ての学生が修得すべき到達目標を設定したモデル・コアカリキュラムの導入に向けた取組を推進。

○ 急速な社会経済のグローバル化を踏まえ、国際的に活躍できる実践的技術者を育成するため、高等専門学校教育のグローバル化に向けた取組を実施。

○ 産業構造の変化や技術の高度化への対応が求められる中、各高等専門学校がそれぞれの地域性や特色、立地条件等に応じた多様な発展を目指し、自主的・自律的な改革を進めている。平成26年度は2校が地域や産業界のニーズに対応した学科再編を実施。

→ 教育再生実行会議における議論等を踏まえ、大学への飛び入学者が高等学校卒業者と同等の法的地位・社会的評価を得られるようにするための必要な制度改正等に取り組んでいく。
→ 高等専門学校固有の機能の充実強化に向け、産業構造の変化、技術の高度化、少子化の進行、社会・産業・地域ニーズ等を踏まえ、高等専門学校の教育研究の個性化、活性化、高度化を推進する施策を講じる。

*14-2 理数系人材の養成

○ スーパーサイエンスハイスクール(SSH)について、平成27年度は203校を指定し支援(平成26年度:204校)。

○ 平成27年度予算において、大学と教育委員会が連携した科学研究型の学習活動の推進、及び科学研究型の学習活動を指導できる教員の育成に係る取組を支援する「中高生の科学研究実践活動推進プログラム」の創設に係る予算を計上(1億円)。

○ 第1回科学の甲子園ジュニアや科学の甲子園、国際科学技術コンテスト、サイエンス・インカレの開催・支援により、理数好きの生徒等の裾野を拡大するとともに、切磋琢磨する場を提供。

○ 女子中高生の理系進路選択を支援するため、女性研究者等と女子中高生の交流の機会の提供や、実験教室、出前授業等の取組を行う大学を支援する、「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」を推進。平成26年度は9件を選定。

○ 今後の理工系人材の育成・確保のため「理工系人材育成戦略」を平成27年3月策定。

○ 「国際原子力人材育成イニシアティブ(公募事業)」として、大学、高専機構、民間企業等が実施する学生等を対象とした高度原子力教育や放射線取扱実習等の取組を通じて、原子力の基盤と安全を支えるために必要な幅広い原子力人材の育成を目指している。平成26年度予算において27件の取組を支援。

○ 「宇宙航空科学技術推進委託費(公募事業)」として、小中学生から大学院生まで、それぞれのレベルに応じた教材開発、実験機会の提供等を通じて、将来の宇宙航空に携わる人材の育成を目指している。平成26年度については2件の事業を選定。

→ 次代を担う科学技術人材の育成・確保のため、理数好きの生徒等を拡大するとともに、優れた素質を持つ生徒等を発掘し、その才能を伸ばすための支援策の充実に向けた検討を行う。
→ 「理工系人材育成戦略」を踏まえ、平成27年5月に設置された「理工系人材に関する産学官円卓会議」において、産学官それぞれに求められる役割や具体的な対応について検討を行い、教育機関と産業界との連携を強化することにより、戦略的な人材育成を行う。

14-3 スポーツ、文化芸術に秀でた人材の養成

(スポーツ)

○ 2020年東京オリンピック競技大会に焦点を充て、活躍が期待されるターゲットエイジを重点的・計画的に発掘・育成・強化できる指導体制の整備を実施。

(文化芸術について)

○ 将来の我が国の文化芸術振興を担う人材を育成するため、「新進芸術家海外研修制度」(平成26年度:83名)において、我が国の新進芸術家等が海外で実践的に研修する機会を提供しているほか、新進芸術家等が基礎や技術を磨くために必要な公演、展示やセミナー・ワークショップ等研修機会を提供する「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」(平成26年度:78事業)を実施。また、多彩な芸術文化活動を支える高度な専門性を有したアートマネジメント(文化芸術経営)人材の養成を推進するため、「大学を活用した文化芸術推進事業」(平成26年度:21事業)において、芸術系大学等による公演・展示等の企画開催を含めた実践的なカリキュラムの開発・実施を支援。

○ 劇場、音楽堂等の事業を行うために必要な専門的人材の養成等に支援する「劇場・音楽堂等活性化事業」を実施(採択件数:平成26年度165件)。 

○ 子供たちの感性や創造性を養い、将来の地域の文化芸術の担い手を育てるため実施する文化芸術の鑑賞・体験事業等、地方公共団体が企画する文化芸術の創造発信事業を支援する「地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ」事業を実施(採択件数:平成26年度115件)。

○ 子供たちの豊かな創造力・想像力や、思考力、コミュニケーション能力などを養うとともに、将来の芸術家や観客層の育成につなげるため、小学校・中学校等において、一流の文化芸術団体による巡回公演や、芸術家の派遣を行う「文化芸術による子供の育成事業」を実施している。(文化芸術団体による巡回公演:平成26年度1,797公演、学校への芸術家派遣:平成26年度2,783件)。 

→ 引き続き、2020年東京オリンピック競技大会において活躍が期待されるターゲットエイジの育成・強化を図るため、平成27年度においても、「競技力向上事業」の中で平成26年度と同様の取組を実施予定。
※「競技力向上事業」
うち2020ターゲットエイジの育成
(平成27年度予算額74億円の内数)

→ 引き続き、次代を担い、世界に通用する創造性豊かな芸術家等の育成を図ることや、地方公共団体が企画する人材養成に資する文化芸術の創造発信事業への支援、義務教育期間中の子供たちが文化芸術に触れる機会を拡充する。

基本施策15 大学院の機能強化等による卓越した教育研究拠点の形成、大学等の研究力強化の促進

15-1 独創的で優秀な研究者等の養成

○ 我が国の学術研究の将来を担う優秀な若手研究者に対して、研究奨励金を支給する特別研究員事業を実施。平成26年度の支援対象は、DC(博士課程後期の学生)4,660人、PD(博士の学位取得者等)1,166人。

○ 複数の大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究者等の流動性を高めつつ、安定的な雇用を確保しながらキャリアアップを図る仕組みを構築する大学等を支援。平成26年度から7件の取組を支援。

○ テニュアトラック制(公正に選抜された若手研究者が、安定的な職を得る前に、任期付きの雇用形態で自立した研究者として経験を積む仕組み)を実施する大学等を支援。平成26年度までに57機関に支援を実施。

○ 博士人材の多様なキャリアパスを切り拓くため、ポストドクターを対象に、企業等における長期インターンシップ(3か月以上)の機会の提供等を行う大学等を支援。平成26年度までに36大学に支援を実施。

○ 女性研究者の一層の活躍を促進するため、女性研究者の研究と出産・育児・介護等との両立や研究力の向上を図るための取組を行う大学等を支援。平成26年度までに96機関に支援を実施。

○「博士課程教育リーディングプログラム」を通じ、大学院において、優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムの構築・展開を30大学62プログラムに対し支援。

→ 「博士課程教育リーディングプログラム」の中間評価を行い、プログラムの構築状況、プログラムの定着や修了者のキャリアパスの確立に向けた見通しについて確認する。
→ 第4期科学技術基本計画や、博士課程(後期)の学生に対する経済的支援の実施状況も踏まえつつ、優れた学生が将来への見通しを持って大学院で学べるよう、経済的支援の更なる充実を図る。
→ 科学技術・学術審議会(人材委員会)において、若手研究者の育成・研究環境整備や、研究者全体の流動性を促す仕組みの構築、指導的立場における女性研究者の活躍促進等に向けた提言が行われた。今後、第5期科学技術基本計画策定に向け更なる議論が行われ、その方針に基づき施策が講じられることとなる。

15-2 大学等の研究力強化の促進

(世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI))

○ 大学等への集中的な支援により、システム改革の導入等の自主的な取組を促し、優れた研究環境と高い研究水準を誇る国際研究拠点の形成を目指す「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」を平成19年度より推進している(平成26年度は9拠点を支援)。
(頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業)

○ 「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」の実施を通じて、海外のトップクラスの研究機関と研究者の派遣・受入れを行う大学等研究機関を重点的に支援(平成26年度に支援を行った大学等研究機関数は80件(継続課題56件、平成26年度新規採択課題24件))。

(グローバルCOEプログラム)

○ 世界最高水準の研究基盤の下で世界をリードする創造的な人材育成を図 るため、国際的に優れた教育研究拠点の形成を支援する「グローバルCOEプログラム」として平成19年度から21年度にかけて41大学140拠点を採択した(平成25年度で終了)。

(共同利用・共同研究拠点)

○ 国公私立大学の共同利用・共同研究拠点について、文部科学大臣により4拠点を新規に認定(平成27年4月現在:国公私立49大学99拠点)。各拠点の取組については、国立大学法人運営費交付金、「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」により支援を実施。

○ 研究環境基盤部会において取りまとめた「共同利用・共同研究体制の強化に向けて(審議のまとめ)」等を踏まえ、拠点の期末評価要項や新規認定要項を策定。

(大規模学術フロンティア促進事業)

○ 国際的競争と協調による国内外の多数の研究者が参画する学術の大規模プロジェクトを、学術版「ロードマップ」で示された優先度に基づき、戦略的・計画的に推進する「大規模学術フロンティア促進事業」により、新規プロジェクト「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」を含む9プロジェクトを支援。

○ 国際的な頭脳循環のハブとなる研究拠点における学術の大規模プロジェクトについて、引き続き戦略的、計画的に推進するため、学術版「ロードマップ2014」を作成。

○ 年次計画に基づき、評価の実施時期に該当するプロジェクトの主要な研究テーマの進捗状況及び成果の評価等を実施。

(国立大学等における先端研究設備の整備)

○ 「地方の好循環拡大に向けた緊急経済対策」を踏まえ、地域社会経済の活性化のために、大学等の最先端研究設備の整備に必要な経費を平成26年度補正予算に計上。

(研究大学強化促進事業)

○ 世界水準の優れた研究活動を行う大学群を増強し、我が国全体の研究力強化の促進に資するため、平成25年度から「研究大学強化促進事業」を実施し、22の支援対象機関の研究力強化の取組を支援(支援期間10年間、支援規模2~4億円/年)。

(科学研究費助成事業)

○ 平成26年度は、科研費制度の充実・効率化を図るため、前年度とほぼ同額の助成額を確保するとともに、特別研究員(PD)に交付する「特別研究員奨励費」への間接経費の措置や「調整金」の改善等を実施。

(競争的資金制度)

○ 研究費の効果的・効率的な運用のため、文部科学省において、複数の競争的資金制度における研究費の合算による共用設備の購入を可能とするとともに競争的資金の費目間流用に関して、配分機関の承認なしで流用可能な範囲を直接経費総額の50%以下に統一。

○ 各府省の競争的資金制度においても、旅費・消耗品について、複数の制度における研究費の合算による使用を可能とした。

(世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI))

→ 平成27年度において引き続き9拠点の支援を行う。 
(頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業)
→ 平成27年度においては64件程度の大学等研究機関に支援を行うことで、引き続き海外の研究機関との国際研究ネットワークの戦略的な構築を図り、国際的な頭脳循環の促進に取り組む。
(グローバルCOEプログラム)
→ 「グローバルCOEプログラム」の事後評価を行い、各拠点における教育研究活動の持続的展開及びその水準の向上と更なる発展に資するとともに、その成果を踏まえ国際的に優れた博士課程の教育研究機能を発揮する環境を形成するための取組を推進する。 
(共同利用・共同研究拠点)
→ 国立大学の共同利用・共同研究拠点について、既存拠点の期末評価を実施するとともに、平成28年度からの新規認定を行う。公私立大学の共同利用・共同研究拠点について、平成27年度は12拠点について支援を行う。
(大規模学術フロンティア促進事業)
→ 平成27年度は、「新しいステージに向けた学術情報ネットワーク(SINET)整備」を「大規模学術フロンティア促進事業」に新たに位置づけるなど、10プロジェクトについて支援を行う。
(研究大学強化促進事業)
→ 平成27年度は、平成25年度に採択された22機関について引き続き支援を行う。

(科学研究費助成事業)

→ 平成27年度は研究者の自由な発想に基づく多様で質の高い学術研究を推進するとともに、分野融合的な研究の推進や、若手研究者を中心とした国際的なネットワークの形成など、卓越した知の創出力を強化するため、科研費の抜本改革に着手する。
(競争的資金制度)
→ 複数の競争的資金制度における研究費の合算による共用設備の購入について、合算使用の条件等を関係府省間で今後検討予定。

15-3 イノベーション創出に向けた産学官連携の推進

○ イノベーション創出に向け、大学等の研究成果を基にした産学の共同研究開発や、知的財産の活用などを推進。

○ 「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」では、18のCOI拠点において、将来社会のビジョンからバックキャストで研究開発課題を設定した上で、既存の概念を打破し、革新的な研究成果に基づく実用化を目指した産学連携によるアンダーワンルーフでの研究開発を集中的に実施。

→ ビジョンの実現へ向け平成27年度は、トライアルからCOI拠点に昇格した拠点も含め、プログラム全体のビジョン実現に向けた取組を加速させる(平成27年度予算額82億円(平成26年度予算額:83億円))。
→ 引き続き、知的財産の活用を促進していく。 

基本施策16 外国語教育、双方向の留学生交流・国際交流、大学等の国際化など、グローバル人材育成に向けた取組の強化

*16-1 英語をはじめとする外国語教育の強化

(初等中等教育段階)

○ 「外国語活動・外国語教育の教材整備等」事業において、平成23年度から全面実施された小学校「外国語活動」の円滑な実施のため、平成24年度から外国語活動用教材“Hi,friends”を作成・配布するとともに、教員の指導力向上のための英語教育活動事例集を配布。

○ 英語教育強化推進事業として、各都道府県に合計141校の拠点校を設け、新学習指導要領の着実な実施を促進するとともに、優れた取組への支援を実施。また、拠点校の生徒を中心に、生徒の英語によるコミュニケーション能力・論理的思考力の把握・分析を行った(平成24年度「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」に係る状況調査では、生徒の英語力の目標を達成した割合は中学校及び高等学校第3学年でいずれも約31%。求められる英語力の目標を達成した英語教員の割合は中学校教員で約28%、高等学校教員で約52%)。

○ 「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」を受け、平成24年7月にポータルサイト「えいごネット」(文部科学省の協力の下、財団法人英語教育協議会(ELEC)が運営)を開設し、英語教育に関する情報を提供。

○ 初等中等教育段階からのグローバル化に対応した教育環境づくりを進めるため、小学校における英語教育の拡充強化、中・高等学校における英語教育の高度化など、小中高等学校を通じた英語教育改革を計画的に進めるための「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を公表(平成25年12月)。

○ 「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を具体化するため、平成26年2月に有識者会議を設置し英語教育の在り方に関する検討を行い、

  1. 国が示す教育目標・内容の改善
  2. 学校における指導と評価の改善
  3. 高等学校・大学の英語力の評価及び入学者選抜の改善
  4. 教科書・教材の充実
  5. 学校における指導体制の充実

の五つの改革に関する提言「今後の英語教育の改善・充実方策について(報 告)」を平成26年9月に取りまとめ。

○ また、上記報告を受け、「聞く」「話す」「読む」「書く」の技能の評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用の在り方について検討・協議を行う、学校関係者、専門家、英語の資格・検定団体、経済団体等からなる「英語力評価及び入学者選抜における資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会」を平成26年12月に設置し、同年3月には、資格・検定試験の活用促進に係る行動指針が同協議会で決定された。

○ 我が国における国際バカロレア(IB)の普及・拡大のため、国際バカロレア機構との協力の下、平成26年度に引き続き、国際バカロレア・ディプロマプログラム(DP)の科目の一部を英語とともに日本語でも指導可能とする「日本語DP」の開発・導入を進めた。

○ また、平成25年度から国際バカロレアに対応するために必要な教員の確保に向けた取組(教員養成ワークショップの国内開催、外国人に対する特別免許状の円滑な授与等)、IBのカリキュラムと学習指導要領との対応関係に係る考え方の整理、国内の大学入試におけるIBの活用促進、IBに係る積極的な広報等を実施(現在、国内の国際バカロレア認定校等(DP校)は36校(認定校25校、候補校等11校))。

(高等教育段階)

○ 平成26年5月に入学者選抜においてTOEFL等の活用を推奨することなどを記載した平成27年度大学入学者選抜実施要項を各大学に通知するとともに、入試担当者等が集まる会議において入学者選抜におけるTOEFL等の活用について説明を実施。平成26年度大学入学者選抜において、273大学が活用。

○ 平成24年度より実施している「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」において、採択42大学に対して、学生のグローバル力を強化するための組織的な取組の一つとして、TOEFL等の外部検定試験の活用を含め、高等学校段階における外国語力・留学経験等の適切な評価を行う入試の導入を促進。

○ TOEFL等の入学者選抜等での活用など、国際化に取り組む大学をスーパーグローバル大学として重点支援(平成27年度予算額:77億円)。

(初等中等教育段階)
→ 生徒に求められる英語力や学習の状況を全国的に把握・分析し、その結果を指導の改善に活用するためには、全国の学校を対象とした無作為抽出による調査の実施が必要。この課題に対応するため、外部検定試験実施団体と連携し、生徒の英語力を把握分析・検証するための調査を昨年度に引き続き実施し、昨年の結果との経年比較を行うとともに、昨年度対象であった高校3年生に加え、今年度は新たな中学3年生も対象とした調査を実施する(平成27年予算額:約1.2億円)。
→ 平成26年9月に英語教育の在り方に関する有識者会議が取りまとめた報告を踏まえ、英語教育指導者の英語指導力を強化する必要があるため、外部専門機関と連携し、教員等の英語力・指導力を向上するための研修を実施する事業や、全国の教育委員会や大学で行われている英語教員の英語力・指導力の強化策を調査し、効果的なモデルプログラム開発を行う。また、小学校英語教育の教科化や中・高等学校の英語教育の目標や内容の高度化など、現行の教育課程の基準によらない先進的な取組の支援等を行う(平成27年予算額:約5.9億円)。

(高等教育段階)

→ 「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」について、本年度実施する平成26年度のフォローアップにおいて、語学力を向上させるための入学時から卒業時までの一体的な取組状況を把握するとともに、引き続き促進する。

*16-2 高校生・大学生等の留学生交流・国際交流の推進

○ 高校生の留学促進事業により、各都道府県に対して留学支援を実施(平成26年度:長期派遣273人、短期派遣1,109人、42都道府県)。

○ グローバル人材育成の基盤形成事業により、各都道府県が行う留学フェア等の開催に係る経費の補助を実施(平成26年度:留学フェア等開催回数38回(24都道県))。

○ 優秀な外国人留学生の戦略的な受入れを促進するため、平成25年12月に「世界の成長を取り込むための外国人留学生の受入れ戦略」を取りまとめ、外国人留学生受入れの重点地域等及び対応方針を設定。

○ 国内外の学生の交流促進や住環境の機能充実を図るため、平成26年7月に「留学生30万人計画実現に向けた留学生の住環境支援の在り方に関する検討会報告書」を取りまとめ。

○ 日本全体で若者の海外留学への機運を高めるため、官民協働海外留学推進戦略本部を立ち上げ、留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」を開始。イベントの開催等留学の魅力や方法を伝えるための取組を政府だけではなく、官民協働で実施。

○ 官と民が協力した海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」を創設し、第1期派遣留学生323名を選抜し、平成26年8月以降、派遣を順次開始。第2期派遣留学生についても256名を選抜し、平成27年4月以降順次派遣を開始。

→ 外国人留学生の受入れを促進するため、戦略的な受入れを行うとともに、「留学生30万人計画」の実現に向け、奨学金の充実、住環境等の生活支援、日本国内での就職支援等の受入れ環境の充実、留学コーディネーターの配置や現地で入学許可を出す仕組みづくり等による「攻め」の留学生施策を実施する。
→ 国費による日本人留学生の支援に加え、平成27年度から官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」高校生コースの支援を開始。303名を選抜し、平成27年6月以降、順次派遣を開始する。
→ 国費による日本人留学生の支援に加え、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」第3期派遣留学生(平成27年8月以降派遣開始)、地域に定着するグローバル人材(グローカル人材)の育成に資する「地域人材コース」の支援を開始し、若者の海外留学の機運を更に高める。

*16-3 高校・大学等の国際化のための取組への支援

(高校)

○ 高校段階からグローバル・リーダーを育成することをを目的とするスーパーグローバルハイスクールを整備・支援するため、平成26年度に56校を指定。

(大学等)

○ 平成24年度より実施している「経済社会を牽引するグローバル人材育成支援」採択42大学において、英語での授業の実施率、外国人教員数、海外で学位を取得した教員数に係る達成目標を設定。5年間で事業全体として5万8,192人の学生を派遣予定。

○ 平成23年度より実施している「大学の世界展開力強化事業」採択60プログラムにおいて、日本からの派遣学生数と海外からの受入れ学生数に係る達成目標を設定。8年間で事業全体として1万7,451人(派遣9,690人、受入7,761人)の学生を交流予定。

○ 平成26年度に新規採択を行った「スーパーグローバル大学創成支援」37件において、世界と競うトップレベルの大学を目指す力のある大学や国際化を牽引するグローバル大学を重点支援し、大学教育の国際標準への適合、研究力向上に繋がる教育力の最大化を実施。(平成27年度予算額:77億円)。

○ 中央教育審議会の議論を踏まえ、平成26年11月に外国大学とのジョイント・ディグリーを実施するための大学設置基準等を改正。

○ 平成25年10月に、文部科学省に設置した「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」が意見を取りまとめ、希望する学生がギャップイヤー・プログラムを経験できる環境を整備するという方向性が示された。これを受けた支援策として、長期学外学修プログラム実施等の大学教育改革に取り組む大学に対する支援(大学教育再生加速プログラム(平成27年度予算額:12億円)の内数))を計上。

〇 平成26年12月に中央教育審議会において「子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について(答申)」が取りまとめられ、我が国として留学生等を積極的に受け入れ、国際化を推進していく観点から、大学・大学院入学資格要件(12年又は16年の教育課程の修了)の拡大に係る制度改正の方針(大学入学資格:文部科学大臣が対象国を指定、大学院入学資格:認証評価を受けた3年以上の学士課程の学位を有している場合)が提言された。

(職業教育の質保証等)

○ 職業教育の質の保証や、国際通用性の確保のための学修成果を海外で証明できる仕組みの構築については、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(平成23年1月中央教育審議会答申)において、個々人が生涯にわたり学習して職業能力を向上させ、その成果が適正に評価され、社会指標となるような枠組みの構築が期待されるとされ、英国、オーストラリア、韓国等は、生涯学習推進等のため、必要な職業能力をレベル分けして可視化し、これと学校段階との対応関係を明らかにする「資格枠組み」(NQF)を構築。我が国においても、実情に合った学習・評価システム構築に向け、海外事例についての調査研究等を進めた。

(高校)

→ 平成27年度には、平成26年度指定校に加えて新規指定を行い、引き続きグローバル・リーダー育成に取り組む高校等を支援する(平成27年度予算額:11億円)。
(大学等)
→ 1.「経済社会を牽引するグローバル人材育成支援」、2.「大学の世界展開力強化事業」、3.「スーパーグローバル大学創成支援」それぞれの事業において、本年度実施する平成26年度のフォローアップにおいて、目標の達成状況を把握するとともに、目標の達成を促す。
(職業教育の質保証等)
→ 職業教育の質の保証や、国際通用性の確保のための学修成果を海外で 証明できる仕組みの構築については、その方策について更に検討が必要。

16-4 国際的な高等教育の質保証の体制や基盤の強化(基本施策9-5の再掲)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成27年11月 --