理科ワーキンググループ(第4回)における主な意見

1.理科を通じて育成すべき資質・能力について

(1)理科を学ぶ本質的な意義や他教科との関連性について
なし

(2)幼稚園・小学校・中学校・高等学校を通じた理科において育成すべき資質・能力の系統性について
なし

(3)三つの柱に沿った育成すべき資質・能力の明確化について
○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))において、特に粒子の領域では中学校から見えないレベルの原子、分子レベルで事象を捉え、高等学校ではより包括的・高次的に捉えるとあるので、生命、地球に書かれているような階層性の記述の表現が工夫されてあると分かりやすいと思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の地球領域の見方の表現においては随分改善されたという印象を持っている。下線が付された「時間的・空間的な視点」で捉えるというのは、地学の科目の中で扱う特徴をよく表しているが、時間的視点及び空間的視点で捉えるのか、時間と空間の関わりといった視点で捉えるのかといったことになる。

○ 地学の場合は時間的・空間的な視点を関連させて捉えるというのがとても大事で、それなくしては正しい理解につながらないということが言えるかと思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の地球の領域に関してはかなりよくできているのではないかと思う。ただし、時間的・空間的な視点というように並列よりは、時間的な視点、空間的な視点を関連させて捉えるということがよりシステムとして捉える場合には重要と思っている。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の地球領域の中学校段階で、地球や宇宙に関する自然の事物・現象を「身のまわり(見える)レベル」から「地球(地球周辺)レベル」においてという記述だが、現行の中学校の学習の場合には太陽系までやっているので、「身のまわりのレベル」から「太陽系(太陽系周辺)レベル」とした方が適切である。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の地球領域の高校段階では、身のまわり(見える)レベルから宇宙レベルということでよいが、現行の地学基礎は、宇宙の誕生から地球までという逆の流れをたどっているので、現状の表現では身のまわりのレベルから宇宙ということになり、歴史を遡っていくことになる。現行の地学基礎は、宇宙の誕生から現在の地球までを一連の時間の流れの中で捉えるという表記に学習指導要領がなっているので、現行は流れが逆であるということを踏まえるで御議論する必要がある。

○ 現場の先生方から見たとき、どのように授業を組み立てていくかという点では資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))は重要な資料になると思う。特に小中高のつながりや、どのような視点で見るかという系統性でも重要であると考える。

○ 現場の先生には具体的にどのように授業を進めれば、学習指導要領に沿った授業になっているのかの判断が難しい。指導に関する資料を読んだときには、なるほど、そういうふうにやるのだなということは分かるのだけれども、実際自分の授業がどのように組み立てられていれば、それに合致しているのかと判断できるような示し方をしないと、分かりにくい。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の場合に、例えばエネルギーと粒子は、個人的にはエネルギーが物理的な内容、粒子は化学的な内容かなと思うが、そのようには書いていない。他方、生命、地球では、生命に関するとか、地球や宇宙に関するというように絞り込んでいると思う。これは、エネルギーに化学的な内容も入り込んでいるので非常に記述しにくいだろうとは思うが、現場の先生から見ると、何で生命、地球については具体的な領域を絞り込んでいながら、エネルギー、粒子のところは物理とか化学とかというのが入ってないのだろうと理解しにくかったりすることがあると思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))のエネルギーの場合で、見えるレベル、見えないレベルと言ったとき、現場の先生は、粒子のところにも、見えるレベル、見えないレベルが入ってきているのをどう区別するのだろうかという疑問になると思う。本来意図しているものが現場の先生方に誤解されないような記述の仕方をしないと趣旨が伝わらないのではないと思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の粒子領域では、物レベルから物質レベルへ移行していくに従って物質を巨視的な視点から微視的な視点にだんだん移していくというような段階があるように思う。小学校段階で物レベルとするならば、中学校でより微視的な視点で捉えていくというような文言に、高等学校については巨視的かつ微視的な視点で捉えていくと、行ったり来たりするようなイメージがよいのではないかと思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))について、理科の各領域の身に付けるものの見方の違いについて、明確に分かりやすく整理されていると感じるが、それぞれの領域の特徴を捉えるためには、対象をある視点から比較して捉える必要があると考えている。生命、地球についてはそれぞれ多様性、共通性、時間・空間的といった視点から捉えることが示されているが、エネルギー、粒子のところは視点という文言が示されていない。エネルギー、粒子の特徴的なものの見方というのを捉えるためには、例えば性質や働き、規則性といった視点があると、どのように捉えるかということがより明確になるのではないかと思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))は前回よりも理解しやすくなったので、示そうとする内容はかなり伝わってくると思う。先ほどお話があったが、エネルギーとしてくくられているところがいわゆる物理に相当するのだと思う。物理ではなくエネルギーであるので、そのようにこの表を見ればよく、ここで物理のことを全て表現しようとはしていないと思えば、これでよいと思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の表2の中学校のところに事象を主に可逆的なものと不可逆的なものに分節化するということが書かれている。例えば粒子のところで、ものの燃焼とかを扱うと、これは可逆的ではない。これは理科の第1分野と第2分野ということの区別に相当すると思うが、それをこの表現で分けてしまうと、かえって理解しづらくなってしまうのではないかと思うので、何かよい区分の仕方がないのかなと思う。エネルギー・粒子分野だと保存量が非常に重要な内容になってくるので、そこが特徴的かと思う。

○ 理科の各領域に対して、その領域特性の見方をこういう整理は必要だと思うが、全ての教科の授業を通して人間形成をするために、その教科特性を生かしながら、どこに子供の生き方というか、人間形成の視点を持っていくかと考えなければならないのではないかと思っている。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))で領域を分けているということは、領域を扱うことによって何らかの教育的価値が違うのだろうというのを大前提にしているわけであり、もし領域を分けて、同じものが子供たちに獲得されるならば、統合してもよいわけであるが、エネルギーとか、粒子とか、生命とか、地球というものに固有の一つの基本的価値があるので、基本的価値というのは、見方、考え方が違うだろうという大前提がある。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))で、領域のエネルギーは物理とは言ってない。化学の領域を粒子と言っているわけである。それは、物理の扱い方を通して、何らか子供たちの育つものが化学や生物、地学とは違うだろうということを前提としている。物理の一番大きな基本は、エネルギーという概念であり、更にエネルギーの概念の本質は何かと捉えるならば、例えば位置のエネルギーを考えていただくと分かるように、上と下の関係で、その間の量的ものが結び付いており、関係と量という概念で説明がつくのではないか。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))で、粒子というのは、究極的に保存則を使っていくと、いわゆる原子、分子になって、その原子、分子が、いろいろな物質の結びつき、あるいは要素を全部説明できるだろうということで、粒子としているわけである。この概念を構成していくとき、あるいはその領域を見る見方を構成していくときの非常に大きな基本的なものとして捉えたわけである。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))においては、先ほどから対象を何とか明らかにしてほしいとあったが、対象よりも、対象を通して子供が獲得するものの方に重点を置かなければならない。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の生命についても生物とは言っていない。平成元年までの学習指導要領は、生物とその環境という形で、生物を物としてある程度捉えているが、現行では生命として捉えているということはどういうことかというと、生き物全体として捉えるという形の主張をし、この生命という概念を構成概念として生んでいたわけである。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))地球というのは、イギリスの地球科学に関するプログラムでいうと、天体は全部物理に入っている。日本の場合は、自分の住んでいる地球を確認して、ものを見ようというものである。そういう見方を、地球で獲得してほしいという形で、エネルギーとか、粒子とか、生命とか、地球とかいう概念をそれぞれ配置したというわけで、これが一番大きな特色である。

○ 生命と地球は視点というのを入れて、捉え方の更に大きな視点を放り込んで説明していこうというのが一つの説明の仕方であるが、エネルギー、粒子については、量的、実体的というのが一つの視点だと捉えた方が、うまく説明ができると思う。根本原理で教育課程部会がはっきりさせたように、教科の本質とは何かというのを考えれば、領域の本質に基づいた授業の仕方を考える、つまり、量的、関係的にものを捉えると、例えば明かりを小学校3年生で電気の通り道、あるいは小学校4年生で直列と並列の場合の豆電球の明るさの違いという形で、これは明らかに量的な関係で、関係的に、かつ量的な関係で捉えられるというのが、量的、関係的という意味で、授業を組めるだろうというわけである。それが大きな一つの提案であるので、それをまず大前提で、委員は理解し、その上で足らないものをどんどん提案していただければと思う。

○ 理科としての共通性と、それぞれの領域の固有性、多様性の価値を考え、それらをうまく整合していくことが必要と思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の地球の領域で、例えば、高校になったら基本的に時間と空間を関わらせるのが前提で、小学校であれば、時には時間の軸で見て、時には空間的に見ることを主とする。中学校であれば、教材によっては時空を関わらせるといったように、それぞれの校種段階でどこがポイントなのか示すと分かりやすいと思う。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))の生命の柱の視点は、多様性と共通性ということであるが、共通性がおもしろいと感じるためには、多様性がたくさんあるということが分かっていることが前提となる。小学校ではどちらかというと多様性をしっかり理解させ、中学校あたりで共通性が出てきて、高校あたりは逆に共通性のことが中心になるというように学習指導要領が整理されていると、校種のすみ分けがすっきりするという気がする。

○ 資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))のエネルギー、粒子は、委員より視点を出さなくてもよいという発言があったが、エネルギーの方が量的、粒子の方が質的ということで意図的に分けているという前提が分からない。例えばエネルギーの方はエネルギーに関する事物・現象を主として量や関係についての規則性の視点で捉えるとか、粒子の方だったら、物質の事物・現象を主として性質や働き(反応)の視点で捉えるというように視点を示す形にしておいた方がよいと感じる。その上で、先ほど話があったように、小学校では主として巨視的に、中学校では微視的に、高校になると、巨視と微視が行ったり来たりするというようなすみ分けをするというのも一つの考えと思った。

○ 参考資料2-2(理科教科書に掲載されている観察・実験等の事象(問題)の違いによる問題解決のパターン(小林辰至委員提出資料))で、問題とする事象に因果関係がないものは観察で取り組んでいく。事象に因果関係がありそうで、しかも、測定できそうな問題で、条件が人為的にコントロールできそうだというようなものは図の右端の位置づけになる。これについては、実験に載せられる作業仮説が立てられる。これは物理とか、化学とかではなく、エネルギー領域という括りに関わる問題のときには自然の事物・現象を量的・関係的に捉えて解決していくことができるということである。

○ 参考資料2-2(理科教科書に掲載されている観察・実験等の事象(問題)の違いによる問題解決のパターン(小林辰至委員提出資料))の真ん中のフローで、定性的な実験というものがあり、これは生命の領域、あるいは粒子の領域で、かなり多くなっているのではないかと思う。このように、疑問、問い、解決の仕方、これを3点セットとして捉えることによって、エネルギー、粒子、生命、地球で掲げられている見方の育成につながるのではないのかと思う。

○ 参考資料2-1(資質・能力育成の観点からの観察と実験の切り分けの必要性 等(小林辰至委員提出資料))三枚目の図3で、自然に関わる事象を観察によって問題解決するか、あるいは実験によって問題解決するかの大きく分けたときに、例えば月の満ち欠けは、観測、観察して規則性を見いだすことができ、これは右のサイクルになる。そして、何が原因でそうなるのか、新たな疑問が生じ、その要因と満ち欠けの関係に問題が移れば、モデル実験で確かめることになり、問題解決の流れは、左のサイクルに入るわけである。このように捉えていくと、物化生地によるものの見方とは違うものの見方が、エネルギー、粒子、生命、地球というふうに分けることによって可能になり、これからの次の時代の子供たちに要求される問題解決のための、ものの見方の育成ができるようになるのではないかなと思う。

○ 資料6(小・中・高を通じて理科において育成すべき資質・能力(案))で、学びに向かう力という欄の中で、小学校は「失敗してもくじけずに挑戦する態度」、中学校では「粘り強く挑戦する態度」、高等学校の必履修科目の欄のところには「果敢に挑戦する態度」と書かれている。段階によって態度が高められていると思うが、高等学校の必履修科目の欄であるので、「果敢に挑戦する態度」ではなくて、「諦めずに挑戦する態度」の方が学びに向かう力としては大事ではないのかと思う。

○ 資料6(小・中・高を通じて理科において育成すべき資質・能力(案))の学びに向かう力、人間性等の欄の中にも、例えば、「他者と合意を形成しようとする態度」のような文言を入れていただくのも手ではないかと考える。さらに、先ほどあった、「果敢に挑戦する態度」というところも、独りではなく、「他者と協働して果敢にあきらめずに挑戦する態度」というような文言にすることによって、何か日本人の強みが生かせるのではないかと考える。

2.アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導等の改善充実の在り方について

○ 全ての授業、全ての単元が自然現象の中からの問題発見から始まるようなものになるとよい。結果として問題発見能力が付くのではなくて、毎時間毎時間、問題発見的なところから始まるようなことを目指すということになれば、今までと違うやり方というのがある程度進みやすいのではないかなと思う。

○ 資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)について、現行の学習指導要領の中で、小学校では問題解決の力として学年を追って比較する、関係付ける、条件に目を向ける、推論するということが示されている。それが小学校の先生方には結構根付いていて、理科がだんだん充実しているのではないかなと思っている。今回、それを問題解決の中に主にという形で位置付けていただいたということは見方によってはすごく理解しやすいのではないかと思う一方、そこだけしかやらなくてよいと見られると、非常に変な形になるので、問題解決の力の捉えをなぜここに位置付けたかというような説明が必要と思う。

○ 現行の学習指導要領では言葉と体験ということが一つのキーワードで、それを理科では、問題解決の過程の中に位置付けて取り組んでいる。次の学習指導要領ではアクティブ・ラーニングというキーワードがあるが、問題解決の過程の中に位置付けていくということが大事だろうと思っている。

○ アクティブ・ラーニングがこれまでと何が違うのかということが現場の先生に分かりやすいように伝わらなければ少し混乱を生じるのではないかと思う。アクティブ・ラーニングで大事なのは、独りではなくて、他者と協働して行う、問題解決、集団解決を行うということを強く意識するということが大事なのではないかと思っている。その点で、資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)の一番左に協働的な学びの例が示されているということはすごくよいと思う。例えば情報収集であったら他者からの多様な情報収集を行うとか、伝達であったら他者に伝達することによって知識や情報を更に構造化するとかいうような、もう少し詳しい説明があって、協働的な学びというところがもう少し強調されると、今までと違うということが浮き彫りになってくるかなと思った。

○ 資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)の最後のレポートをまとめたりする力が本当に最後のプロセスなのだろうかというのがある。総合評価でお互いに議論して、自分が発表したことに、例えば間違いがあったり、もっとよい考え方があることが分かったときに、きちんと自分の中に組み入れて、修正していくような力というのが非常に必要なのではないかなと思う。最後に結論を発表した後にいかに自分のことが正しいかということを納得させる、若しくはそこで修正していくという、そういう力を是非書き足していただければと思う。

○ 小学校から中学校、高校、大学と行くに従って知識が深まり、同じ現象でも違う解釈で、もっと深い議論ができるというところにつながっていくのだろうと思うので、結論を出すまでにグループでいろいろなディスッカョンをするというのが必要かもしれないと思うが、そこは独りでやってもよいところもあるのではないかなと思っている。

○ アクティブ・ラーニングに関しては、活動面、行動面、態度面だけではなくて、内容とリンクして取り上げないと、形だけがひとり歩きしてしまう。大学の研究者の一部は、もうアクティブ・ラーニングではなく、ディープ・アクティブ・ラーニングなのだと言っている。やはり内容と連動したアクティブ・ラーニングを考えていかないといけないと思う。アクティブ・ラーニングを総論だけで語り過ぎると、袋小路に陥ってしまうのではないかなと思う。

○ 新たに出てきたアクティブ・ラーニングのすばらしさというのは、すごく現場の教員たちは理解していると思う。ただ、資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)に出ている一連の過程を授業の中で取り組んでできるかというと、実際には非常に難しいものがあると思う。

○ 前回の学習指導要領の改訂でも、当然観察・実験がとても大事なので、それをやりましょう、探究の過程に則ってやりましょう、と出たが、最後に途中のプロセスの一部を扱ってもよいというのが入ったのがすごく現場の教員としてはありがたかった。全てを授業の中で、探究の過程に則ってやり切れるというのは、恐らく1年の中で何回あるかというのが特に高等学校の現場ではあるのではないかと思う。

○ アクティブ・ラーニングの手法を使いながら、こういう過程を使って、生徒たちに示していこうと思うならば、もっと教えるべき内容を整理することや中身をもっと考えていかないと、現場の教員としてはとても難しいと考えている。特に高校では課題そのものが、かなり難易度の高いものになってしまうので、課題を生み出す、それに対して情報収集する、それについてどんな実験ができるかと考えていくだけでも、ものすごい時間が掛かるので、例えば課題の設定まででよいとか、あるいは結論が出てきたところから処理するだけでもよいという、一文があるのはすごくありがたいことであり、アクティブ・ラーニングの手法を使って、まさに大改革が行われようとしているので、大賛成だが、そのためには教える中身の方も同じように変えていく必要があるのではないかなと思っている。

○ 資質・能力の育成のための学習過程では、特に子供の思考が活性化して、集中して問題に取り組む状況があることが重要だと考える。授業中に積極的に自分の考えを他者に伝えたり、また、他者の考えを聞いたり、一緒に学び合う。そういった場面があることが重要だと思う。そのための指導法の一つとしてアクティブ・ラーニングというのがあるのだと思うが、生徒が思考し発信する、そういった生徒中心の授業に改善することが重要だとこのワーキンググループで議論されていると思う。

○ 論理的な思考力やコミュニケーション能力というのは、主体的・協働的に学ぶ過程で身に付くものと様々な調査等で示されている。資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)で、課題発見の学習活動の流れの中で、最初の課題把握のところは何が分からないかということを明確に意識するといった過程でもあると思う。理科における資質・能力の例に書かれているような力を身に付ける様々な活動の中で、漫然とした個別の知識とか情報が主体的・協働的に学ぶ過程の中や他者との対話の中で問題が整理され、見えてくるのだと思う。更にそのような他者との対話によって新たな発見や学ぶ喜びというものが感じられて、また頑張ろうといった意欲もそこから生まれてくるのだと思う。様々な学びの過程を通すことによって、こういった資質・能力というのは高まると考えている。

○ 他者との協働というのが一つ重要ではないかと考えている。理科の場合は、小学校から高校まで数人のグループを作って、観察や実験を行うことがほとんどであると思うので、意見交換であるとか、議論や発表の場面で他者と協働する力のようなものを資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)の真ん中のところに入れていただくのがよいのではないかと思う。

○ 明確に他者との協働を意識した資質・能力の育成というのを理科の方で打ち出すということが、これまでとは違うという何かアピールになるのではないかと感じる。

○ 資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)の観察・実験の検証計画の立案というところであるが、例えば観察・実験の実施に向けて、計画に対して合意を形成する力というようなものを入れたらよいではないかと考える。なぜなら、普段、教員の研修をやっており、グループワークをよくやるわけだが、教員であるので、合意形成が非常に上手である。そういった場面を見ていると、合意を形成した上で、何か次のステップに進むというのが非常に重要ではないかと感じており、実験の内容であるとか、役割分担などで合意を形成した上で取り組むということを意識して扱うことで、将来必要となる資質・能力の育成につながるのではないかと考える。

○ アクティブ・ラーニングのアクティブというのは、子供の思考が深まったり、転換したり、変化したりして、重み付けになったり、新たなことを発見したり、新たなことを感じたりするのだろうが、そこがおもしろくなるような授業をしないとアクティブではないような気がする。つまり、問題解決のパターンを先生が決めたとおりにやっていけば、または実験をやっていたり、話し合いをやっていたりすればアクティブなのか。どう考えを自分で実感して、変容を感じたりしているかということをやることが重要だと感じる。

○ 資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)で、振り返りを入れている意味をもっと解釈した方がよいと思う。振り返りというのは、最初に自分が持った考えが、それが仮説であったりして、立てて、それが検証する中で自分の考えが変わっていくわけであり、結論が出たときに、最初と違ったり、重み付けて、確かに強くなったりするところにもう一回振り返って、比較して、自分の変容を捉える。自分の考え方の価値観を感じる。ともすると、最初に立てた仮説が違ったとか、正解したとかという言い方をする子供が小学校は多い。そういう価値観を持たせるのではなくて、最初は自分の実体験や既有経験や既有の学習の知識だったらこう思っていたけれども、今回の実験をやったり、友達とこうやって話し合ったり、深め合ったり、人のことを考えたりしたら、こういう新たな自分の考えに変わったのだ。そういう自分作りができているのだというのがアクティブな気がする。したがって、振り返ることの意味をもう少しこのプロセスの中に入れた方がよいのではないか。振り返って自分の考えをどうだったのかという。もうちょっと強く出した方がよいのではないかと思った。

○ 机上配付資料で、小学3年生では「差異点や共通点に気付き問題を見いだす力」と書いてあるが、実際には問題を見いだす体験をしているのであって、問題を見いだす力を付けたという実感は、児童にはほとんどないのではないかと思う。小学5年生では、条件制御の能力をつけるということで、「電磁石」とか「植物の発芽、成長、結実」とか、「振り子」の学習を行っているが、これらの単元では指導の工夫により子供たちが自ら問題を見いだすことができる。このとき、小学3年生で身に付けた「問題を見いだす力」というのを、これらの単元において活用するように設定する、すなわち、身に付けた力を発揮する場面を意図的につくるというのが、次の改訂ではすごく大事なのではないかと思っている。

○ 資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)で、一番上の課題把握、発見のところが本当に生徒が自分からできれば、今回の改訂の趣旨に沿った方向に行けるのではないかなと思う。そうすると、生徒が本当にできるようにどうしたらよいかというところが考えどころだと思うのだが、観察したことや既習の知識・技能を活用して、共通点や相違点に気付く力、これは生徒はできる。ただ、少なくとも高校で扱うことと高校生の力から見ると、二つ目と三つ目は、これをやってしまうと、結局受け身的に知識を勉強することになってしまうので、二つ目はここに入れずに、もっと下の方に下げなくてはならない。ある程度自分がそのテーマについて考えた後、調べに行かなかったら主体的な学習にならない。また、三つ目も難し過ぎる。知識や情報に基づいて課題を設定する力は高校生にはない。ここも観察したことや既習の知識・技能を活用して、その範囲で課題を設定するのだったら生徒自らができる。中身は今後いろいろ考え方があるだろうけど、この課題把握、発見を本当に生徒が主体的にできるようにするということが、ここで考えていかなくてはならないことだと思う。

○ 中学生の希望者を対象に、アクティブ・ラーニング的なものを月に数回、発展的な内容で行った。資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)に見られるような学習過程をすらすらと取り入れながら、グループでやっていくところもあれば、行ったり来たりしながら最終的にこのプロセスを経ていくようなところもあった。課題の達成度は行ったり来たりした方が高く、プロセスを一筆書きのように後戻りしないでやった方が低かった例があった。学校現場で年1回、2回とはいえ、やろうとしたときに、40人というクラスサイズで、1人の理科教員がやるというのは非常に厳しいなというのが実感である。クラスサイズを小さくする、あるいはチームティーチングをする、時間も掛けるといったことがないといけない。しかも年に何回もやらないと力は着実に身に付かせることはできないかなと感じている。

○ 参考資料3(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(筒井和幸委員提出資料))では、資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)にあるような、個別のそれぞれの過程で一つ一つの力ということで書き出すよりは、トータルとして、活動全体を通じて、このような力が付くというふうにまとめた方が、このプロセスの重要性がより分かりやすくなるのではないかと考えたところである。また、このプロセスを実際に授業で行うのに生徒に全て任せるわけではないので、必ず指導者がそこに関わって、生徒と一緒になってそれを進めていくときに、指導者の役割というものについては、どういう形があり得るか、どのタイミングでどのような関わりがあり得るかということも重ねて示してはどうかと思っている。

○ 資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)では、プロセスを議論するのではなくて、そのためにどんな能力を付けるかということが重要であり、資質・能力論というのはそこにあるのだと思う。

○ 資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)を議論する目的は一体何だったのか。アクティブ・ラーニングの目的は何だったのかである。つまり、アクティブ・ラーニングというのは基本的には子供にとって学びを豊かにする、より深い学びにする、それが人生の豊かさにつながるのだという大前提がある。そこに戻さないと、プロセスばかり言って、それを修正しても、どんなことをやってもやっぱり現行と変わらない。そこをもう一回みんなで再確認しながら、新しい、そのためにどんな能力を付けたらよいのだというふうな議論を是非していただきたいと思う。

○ 協働の学びが確かにアクティブ・ラーニングを支える一つの基盤だとは思うが、独りでやってもよいようなところは独りに任すべきと思っている。協働の幻想、グループ学習の幻想もあり、みんなでやっているから分かっているのだとつい考えてしまう。しかし、いざ子供達に問うてみると、意外と分かっていなかったりする。振り返りなどで、一人一人がもう一回自分の学習を考えてみる。そういうところにも配慮したアクティブ・ラーニングを今後検討していく必要があると思っている。

3.資質・能力の育成のために重視すべき理科の評価の在り方について

○ 資料4(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)【たたき台】)の振り返りの場面でも他者とのかかわりが重要で、自己評価だけでなく他者評価を受けることによって、振り返りが促進されると考える。その際に、相互評価を資質能力育成のための具体的な活動レベルで捉えることが必要になってくると感じる。評価と聞くと、教師が児童生徒に対して行う評価を想像しがちであるが、児童生徒が相互に評価し合う活動によって振り返りが促され、概念形成が進んだりメタ認知が向上したりするなど、児童生徒の資質能力を育むという視点で、フィードバックの手立てとして相互評価活動を捉えることが必要だと考える。

4.必要な支援(特別支援教育の観点から必要な支援等を含む)、条件整備等について

○ 「教科書どおりに行っても実験がうまくいかない」という学校現場の声がある。もちろん教科書に問題がある場合もあるが、実験をあまりしたことがない先生は、やろうとしてもできないということがある。例えると、この料理にはレシピがあって、おいしい料理ができると言われても、レシピどおりにやったつもりでもおいしくできない人がいる。観察・実験についても同様で、先生方にはそれ相当の技能が要求されるので、しっかりとした研修をしなければならず、そこを担保しないと、なかなか観察・実験が広まらない。

○ 研修の機会を確保するモデルケースとしては、新潟県の例がある。新潟県は縦に非常に長い県ので、昔からそれぞれの地区に小さな教育センターがあり、今は独立した教育センターをなかなか置けないので、学校が教育センターの代わりをしていることもある。そして、新潟県立教育センターで学んだ人たちがそれぞれの地区のセンターに異動して、実験の手法等、学んだことを地区の先生方に指導するということをやってきている。このような仕組みがあると、通勤している学校の割と近くに研修したり相談したりする場所ができるので、旅費もかからずに研修ができる。このような仕組みを作っていかないと、幾ら観察・実験と言っても、先生方が実施できなければ、子供たちが観察・実験の授業を受けることはできないので、外的条件も整えないと、机上の空論に終わるのではないかと思う。

5.現行学習指導要領における現状と課題について

○ 資料7(理科に関する資料)の高等学校の理科教育の現状と課題のマル1のところにあるように、現場の我々教員としては、今までやった理科総合A、Bではなくて、基礎科目が付されて2科目履修になったということで、非常に喜ばしく思っている教員の方が多いと思う。ただし、マル3のところで、生物基礎、地学基礎、それぞれ基礎の科目に対してはそれほどでもないが、選択の科目については、ボリュームがすごくある。どうしても高校というのは、進学のことに絶対絡んでくる。参考、発展となっているところが、その部分が上限なく教科書の中に入ることができ、センター試験等がそこの分野から出題されたものがある。そうなってくると現場の教員としては、やはり観察・実験どころではない、やはり参考のところまで全部網羅した授業をしなければいけないのだと思ってしまう。そういうことも考慮した上で教科書を作成していただきたい。そして、センター試験が、どのような方向になるのか分からないが、是非議論されているような、資質・能力が高校の現場でも引き続きつながっていって、本当に観察・実験をやって、探究活動をやって、能力が育つような、そういう授業ができるようなシステムを是非作っていただかないと、永遠に高校の現場の方ではもがき苦しんで、進路と教えたいものとの間のはざまに立ってしまうのではないかなという思いがある。

○ 小学校の課題として、問題解決の比較とか、関係付けとか、そういうことを意識した取組というのは、小学校の先生方は現行の学習指導要領になってすごくできているが、理科という教科は素朴な概念を科学的概念に上げていくという、レベルアップする、そこがうまくできていないなと感じる。しっかり実験・観察はやっているのだけれども、最終的な結論のところが初めと変わっていないなというような授業が往々にしてある。

○ 高知県は割合大きな学校では専科教員が入っていることが多くて、大規模校ばかりで、しかも小学5、6年生、高学年ばかり持った人は、採用になって30年ぐらいたつのに、理科は1回か2回しかやったことないとかいう人が現実にいる。そういう人がいるという、そういう現実も踏まえて、学習指導要領というのは考えて書いていかないといけないのではないかなと考えている。研修の在り方ということと、理科は専科と担任がどうするかという、そこのところを小学校は考えていかないといけないと思う。

○ 中学校の課題で、中学校の教員は、小学校の問題解決の力というのは余り理解してことがあり、先ほどあった実験・観察をレシピのようにするような授業というのが割と高知県ではある。
実は、中学校の学習指導要領解説の初めに小学校で培った能力を更に高めという文言が記載してあるのだが、そこに気付いている中学校の教員はあまりいなくて、本当に小学校と乖離した実験・観察というか、問題解決をやっているという現状があるので、小学校で培ったものを中学校で活用していく、中学校で培ったものを高校で活用していくというスパイラルなつながりというのがすごく大事になるのではないかと思っている。

○ 中学校の厳しい御指摘を受けたが、それでも以前に比べると中学校でも実験・観察をやるようになっており、先生方の意識は高まっていると思う。現行の中学1年生では時間数が週3時間のままで、歯止め規定がなくなったことにより内容が実質増えているという捉え方があり、中学1年生の学習内容を週3時間の授業で終わらせることに、四苦八苦しているのが現状である。その中で、問題解決的な学習展開を進めるのは至難の技と思われており、結果、生徒にとっては実験・観察が作業の時間となりかねない。現場の先生方にそういう具体的なにこのように進めればよいというようなモデルプラン的なものを学習指導要領と別枠で示していくことが必要であり、それにより先生自身が自己評価できるようなものというのが大事なのではないかなと思う。

○ 高校の先生と話をした中では、高校で問題解決的な授業を展開しようとしても、その後の大学の入試に役立たないというような指摘もされる。例えば若い先生が授業をこのように改善していこうとしたら、年配の先生からそんなことをやっても大学合格の実績がとれないと言われたようだ。高校の授業の改善をしていかないと小学校・中学校だけでは難しいと思う。

○ 私は広島大学附属福山中・高等学校長を4年やった。福山附属というのは、受験体制は絶対とっておらず、普通の授業である。その中で一番感じたのは教材解釈が違うのである。先生方の教材解釈が違うということは、いろいろなものを教えようとしない。その中で、一番のエッセンスは何かと捉えるので、それに基づいて教材を解釈して、それを高等学校から中学校におろしている。中学校がものすごく教材が豊かなので、フルーティーである。これが私は本当の学力に高めているのではないかと思ったところである。だから、教材のエッセンスは何かという捉え方で内容を整理する必要があるのではないかと思う。余り内容を減らすと、また3割削減とか何か言われることにもなり、注意しながら、本質に基づいた解釈をし直さなければならないと思う。

6.その他の論点について

○ 現行学習指導要領にも載っている系統表に資料3(理科の内容における主な見方の整理例(案))にある、例えば地球であると、地球や宇宙に関する自然の事物・現象を主として時間的・空間的な視点で捉えるというのも、この大きなねらいを是非表記してほしい。そうすると、内容と身に付けるべき資質・能力のねらいが明確に見えるということになる。

○ 今回、我々は資質・能力観から学習指導要領を考えていかないといけない。至るところに無理があり、とてもできないとか、昔とどう違うのだとかということについて今後も更に検討を続けなければならないと思う。更にそこでは、こういうふうなやり方があるというモデルを示さないといけない。モデルを示すと、それだけやればよいのかと捉える人も多く存在するという指摘もあったが、でも、それが新しい考え方なら、モデルを提示しても良いと考える。

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-- 登録:平成28年05月 --