2.教員に求められる資質能力

(下線部分は、第4回ワーキンググループにおいて出された意見等を踏まえて追加・修正した部分)

 教員の職務の本質は、学校における教育活動を通じて、児童生徒の人格形成に直接携わることである。このような職務の特殊性や重要性、専門性に鑑み、教職は、児童生徒や保護者のみならず、国民や社会全体の尊敬と信頼によって支えられる職業として理解されている。教員や教員を目指す者は、まず、このような教職の特性を自覚することが必要であり、また、その地位に安住せず、常に向上心を持って、日々の研鑽に努めることが求められる。

 教員に求められる具体的な資質能力については、平成9年の教育職員養成審議会第1次答申等において、いつの時代にも求められる資質能力として、教育者としての使命感、人間の成長・発達についての深い理解、幼児・児童・生徒に対する教育的愛情、教科等に関する専門的知識、広く豊かな教養、これらを基盤とした実践的指導力等が示されている。
また、今後特に求められる資質能力として、地球的視野に立って行動するための資質能力(地球、国家、人間等に関する適切な理解、豊かな人間性、国際社会で必要とされる基本的資質能力)、変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力(課題探求能力等に関わるもの、人間関係に関わるもの、社会の変化に適応するための知識及び技術)、教員の職務から必然的に求められる資質能力(幼児・児童・生徒や教育の在り方に関する適切な理解、教職に対する愛着、誇り、一体感、教科指導、生徒指導等のための知識、技能及び態度)が示されている。

近年の社会状況や学校教育を取り巻く状況の変化には著しいものがあるが、このような変化を考慮しても、答申で示された基本的な考え方は、今後とも尊重していくことが適当である。むしろ、変化の激しい時代だからこそ、養成・採用・研修の各段階を通じて、これらの資質能力を確実に身に付けさせるという視点をより重視して、今後の教員養成・免許制度の在り方について検討することが必要である。

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