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4 | 学校運営組織の見直し 学校運営は、校長を中心としてすべての教職員がその職務と責任を十分に自覚し、一致協力して行われることが必要である。生きる力をはぐくむ教育の推進や心の教育の充実が大きな課題となる中で、学校は、個性や特色ある教育活動を展開するとともに、今まで以上に家庭や地域社会と連携協力し、地域に開かれた学校運営を推進することが求められている。 このため、学校運営が校長の教育方針の下に円滑かつ機動的に行われ、その透明性を確保し、保護者や地域住民に対して学校運営に係る責任の所在を明らかにするとともに、家庭や地域社会との連携を強化する観点から、校務分掌、各種の会議、委員会など校内組織及びその運営の在り方について見直しを図ることが必要である。 校務分掌については、各学校において、(i)教職員一人一人の専門性を生かして、その能力を最大限発揮させること、(ii)学校が地域の信頼を確保し、特色ある教育活動を展開するために、明確な教育方針の下に組織的、一体的な教育活動を展開すること、(iii)今日の学校が抱える様々な課題に対して地域や子どもの状況に応じて柔軟に対応すること、さらに、(iv)学校の裁量権限の拡大に対応して、学校の管理運営の一層の適正を確保することなどの観点から、学級担任、教科担任をはじめとして様々な校務を分担する組織体制を整備し、効果的かつ効率的な学校運営を行う必要がある。 主任制は、このような趣旨から導入されたものであるが、その導入に際して、従来、各地域、各学校ごとに置かれ機能してきた様々な主任等を一律に法令上の制度として導入したことなどもあって、教職員団体等の強い反対運動があり、その後も主任手当の拠出運動などを伴って主任制に反対する運動が長い間継続されてきたことなどから、多くの学校で定着するまでにかなりの時間を要した。 主任制は、現在では概ね定着し、多くの学校において本来の役割を果たしているが、(i)依然として一部の地域においては適切な運用が行われず、主任制が形骸化している例もみられる、(ii)「学校教育法施行規則」に規定する主任の種類やその設置の在り方が一律のものとなっており、高等学校における総合学科の導入や中等教育学校の創設、中・高等学校の選択履修の幅の拡大など学校教育の個性化・多様化の進展や、いじめや不登校の深刻化、子どもの数の減少に伴う学校の小規模化など学校教育をめぐる状況の変化に十分対応することができなくなってきている、などの問題点が指摘されている。 このような問題点や指摘を踏まえ、主任制については、地域に開かれた特色ある学校づくりの推進など教育上の課題に対応し、校長の学校運営を支えることができるよう、法令上の位置付けを含めて、その在り方を見直す必要がある。 職員会議については、校長を中心に教職員が一致協力して学校の教育活動を展開するため、学校運営に関する校長の方針や様々な教育課題への対応方策についての共通理解を深めるとともに、子どもの状況等について担当する学年・学級・教科を超えて情報交換を行うなど、教職員間の意思疎通を図る上で、重要な意義を有するものであり、学校には職員会議が置かれるのが通例となっている。 しかしながら、学校運営における職員会議の位置付け及び運営の在り方等については、法令上の根拠が明確でなく、学校管理規則における位置付けも都道府県、市町村によって異なるほか、次のような指摘がなされている。すなわち、(i)その運営等をめぐる校長と教職員の間の意見や考え方の相違から、職員会議の本来の機能が発揮されてない場合もあること、(ii)職員会議があたかも学校の意思決定権を有するような運営がなされ、校長がその職責を十分に果たせない場合もあること、(iii)校長のリーダーシップが乏しい、職員会議が形式化して学校全体で他の学年や学級、教科などに係る問題を話し合うような雰囲気が乏しい、あるいは、運営が非効率であるなどの運営上の問題点が指摘されている。このため、職員会議の法令上の位置付けも含めて、その意義・役割を明確にし、その運営の適正化を図る必要がある。 また、学校には、校長、教頭、教務主任など各校務分掌の代表等から構成される企画委員会や運営委員会などが置かれているが、学校によってはそれらが活用されていないなどの運営上の問題点が指摘されている。 以上のような観点から、これに関連する制度等について以下のように見直し、改善を図る必要がある。 なお、教職員全体の処遇の改善を図る観点から、主任等の処遇の在り方についても検討する必要がある。 |
(主任制の在り方)
(職員会議の在り方)
(企画委員会等の活用)
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