1 |
|
推進地域の概要
(1) |
推進地域の名称、特色
長野市: |
人口約36万人。都市部周辺地域を中心に世帯数も増加中。市町村合併の動きもある。長野県北部に位置する県庁所在地。 |
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(2) |
推進地域内の公立学校数及び児童生徒数
指定校: |
裾花中学校(学級22生徒757人) 裾花小学校(学級23 児童728人) |
協力校: |
山王小学校(学級13 児童230人) 安茂里小学校(学級14 児童369人)
松ヶ丘小学校(学級17 児童411人 |
(参考)長野県小・中学校数 |
|
小学校403校 中学校196校 計599校(内分校6校) |
児童生徒数 |
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小学校129,380人 中学校66,301人 計195,681人 |
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2 |
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調査研究運営会議
(1) |
構成
氏名 |
所属・職名 |
備考 |
今田里佳 |
信州大学教育学部・助教授 |
座長 |
日詰恵里子 |
県立こども病院リハビリテーション科・主任 |
作業療法士 |
立岩睦秀 |
長野市教育委員会・教育長 |
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雪入忠司 |
長野市教育センター相談室・主任指導主事 |
|
小林健孜 |
長野市立裾花中学校・校長 |
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北村敏幸 |
長野市立裾花小学校・校長 |
|
植木行雄 |
長野県総合教育センター自律教育部・部長 |
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山田悦祐 |
県教育委員会義務教育課・主幹指導主事 |
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市川文夫 |
県教育委員会教学指導課・主任指導主事 |
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(2) |
開催回数・検討内容
 |
第1回 6月4日(水曜日)
・ |
特別支援教育推進体制モデル事業について |
・ |
長野県の指導体制と調査研究運営会議の日程について |
・ |
指導体制とその評価について |
・ |
特別支援教育コーディネーター養成研修について |
|
 |
第2回 8月20日(水曜日)
・ |
特別支援教育コーディネーター養成研修について |
・ |
校内支援体制の在り方について(校内委員会、コーディネーター) |
・ |
モデル事業の評価について |
・ |
巡回相談について |
|
 |
第3回 9月26日(金曜日)
・ |
長野市におけるコーディネーター養成研修計画について |
・ |
コーディネーターの任務について |
|
 |
第4回 2月23日(月曜日)
・ |
モデル事業の今年度の取り組みの概略について |
・ |
専門家チーム会議の取り組みと成果及び課題について |
・ |
研究指定校での取り組みと成果及び課題について |
・ |
来年度の方向について |
|
|
(3) |
校内委員会及び専門家チームとの連携の状況
○実態把握及び判断のための手続き
専門家チーム会議と校内委員会が連携し、以下の手続きに基づき、判断を行った。
(校内委員会)
1 |
スクリーニングチェックの実施 |
2 |
対象となる児童の検討 |
3 |
巡回相談員による教育相談 |
4 |
保護者面接及び心理検査の実施 |
5 |
専門家チーム会議に判断を求める必要があるか否かの検討 |
|
(専門家チーム会議)
1 |
情報の整理と分析(観察・聞き取り・心理検査等から) |
2 |
専門的意見書: |
判断及び判断の根拠、特記事項、望ましい教育的対応 医学的支援の必要性 |
|
3 |
巡回相談員による専門的意見書の説明
・必要に応じて、心理検査等に基づく具体的な指導方法を付記する。 |
|
(校内委員会)
1 |
個別の指導計画の作成 |
2 |
指導体制の検討 |
3 |
個別の指導計画に基づく実践と見直し |
4 |
専門家チーム会議への報告 |
|
|
(4) |
成果と課題
 |
LD・ADHD児等に対する支援体制のモデルができた。 |
 |
コーディネーター養成研修のモデルプランを作成することができた。 |
 |
校内委員会及びコーディネーターの役割を明らかにすることができた。 |
 |
1年次研究発表会を通して、支援体制の在り方に関する実践を多くの方に周知することができた。 |
 |
16年度の指定校の拡大及び事業の拡大に基づいてモデル事業をどのように推進していくか(課題)。 |
 |
コーディネーター養成研修を具体的にどう実施していくか(課題)。
・ |
モデル事業の今年度の取り組みの概略について |
・ |
専門家チーム会議の取り組みと成果及び課題について |
・ |
16年度:長野市の小中学校、県下の小学校、盲・ろう・養護学校(419校) |
・ |
17年度:県下の中学校(196校) |
|
|
|
3 |
|
校内委員会
(1) |
校内委員会の設置に関する対応
・ |
校内委員会については、「新たに新しい委員会をつくる。校内就学指導委員会などの既存の委員会に新たな機能をもたせる。既存の委員会を整理統合して校内委員会をつくる」等の例を示し、校内で一番機能しやすい形での設置をお願いした。 |
|
(2) |
推進地域内の取組の概要
 |
校内委員会の設置
・ |
新年度に入ってからの設置であったので、新規の委員会として立ち上げた学校がほとんどであった。 |
|
 |
校内委員会の構成
・ |
学校長、教頭、教務主任(全体総括)、研究主任(研究推進)、自律(特別支援)
教育コーディネーター、自律(特殊)学級担任、養護教諭、該当児童学年職員等 |
|
 |
役割
・ |
LD、ADHD、高機能自閉症等に対する校内の理解推進を図る。 |
・ |
巡回相談員の活用を図る。 |
・ |
専門家チーム会議への相談、資料提供を行う。 |
・ |
個別の指導計画作成の支援をする。 |
|
 |
運営
・ |
校内委員会では、専門家チームや巡回相談員の助言を参考にしながら、対象となる子の支援の方針を話し合い、それぞれの子について支援グループを発足させた。支援グループのリーダーには、自律(特殊)教育の経験者を指名し、学級担任を含む学年職員、専科の教員などで構成した。自律教育コーディネーターは、アドバイザーとして支援グループをサポートした。 |
・ |
支援グループは、校内委員会の方針を受け、個別の指導計画の作成・実施・評価を行い、校内委員会へ報告した。 |
・ |
校内委員会及び自律教育コーディネーターの活動内容については、特別支援だより」を自律教育コーディネーターが発行し、全職員の共通理解が図れるようにした。 |
・ |
また、連絡カードを作成し、担任以外が支援した内容や子どもの様子を書き留めて担任に渡し、指導計画や評価に生かした。 |
(課題)
・ |
対象児童の特別な教育ニーズに合わせて支援していくだけでなく、その子を含めた学級全体の児童生徒への支援(よりよい学級経営)も同時に行っていく必要がある。来年度は、個別支援と学級経営の相補的な支援の方向を見出したい。 |
・ |
学校全体で、組織として機能する支援体制をつくるために、校内にある人、時間、場所がより効果的に機能する支援体制の在り方を更に研究したい。また、自律(特殊)学級の在り方についても明らかにする必要がある。 |
・ |
特別な支援を必要とする児童生徒の理解を深めたり、保護者との連携を図ったりするために、計画的な校内研修の在り方や保護者の啓発の在り方について、具体的にどんなことが必要なのか明らかにしたい。 |
・ |
小学校では、幼稚園・保育園及び中学校との連携、中学校では、小学校及び高等学校との連携の在り方について明確にするとともに、移行支援計画を含めた個別の教育支援計画を作成したい。 |
|
|
|
4 |
|
自律(特別支援)教育コーディネーター
(1) |
自律(特別支援)教育コーディネーターの指名に関する対応
・ |
こうない組織や職員を動かせるという意味でコーデネイトできる力量をもつ職員がふさわしいという考えを伝えた上で、各校で判断していただいた。 |
|
(2) |
推進地域内の取組の概要
 |
コーディネーターの指名
・ |
同僚に信頼があり、自律(特殊)教育の知識がある者または養護学校の経験者が指名された。研究指定であったので、研究主任と二人三脚で事業を進め校内の組織や職員を効果的に動かすことができた。 |
|
 |
コーディネーターの役割
ア |
全校児童の実態把握
・ |
特に配慮を要する児童の調査、スクリーニングチェックリストめ実施とまとめ。 |
|
イ |
巡回相談員と対象児童生徒の保護者、学級担任との教育相談の日程調整と連絡
・ |
月に1回、巡回相談員との教育相談を設定し、実施する。 |
|
ウ |
特別支援だよりの発行
・ |
巡回相談の様子や支援の方法について、全職員の共通理解を図る。 |
|
エ |
個別の指導計画の作成・実施・評価へのサポート
・ |
支援グループがつくる個別の指導計画の作成をサポートする。 |
|
オ |
希望する保護者や職員との懇談
・ |
担任や保護者からの相談の窓口となり、児童の実態を見ながら助言をする。 |
|
カ |
突発的な事態への対処
・ |
担任だけでは対応できない突発的な事態が起きたときに、教室訪間をし、担任と連絡を取りながら支援を行う。 |
|
|
 |
コーディネーターの条件と配慮事項
ア |
教職経験や自律(特殊)教育経験に関すること
・ |
多くの職員との協力関係を培うための交渉力や円滑な人間関係を構築できる資質があること。 |
・ |
児童や保護者と相談する際には、様々な子どもを指導してきた経験や障害のある児童生徒の発達・障害全般に関する知識があることが望ましい。 |
・ |
具体的な支援においては、個別の指導計画の作成や実施、評価に関する知識・経験が必要となる。 |
|
イ |
他の校務分掌や持ち授業時間数に関する配慮
・ |
希望する保護者や職員との懇談、教室訪間などをする時間を確保することが必要になる。定期的に、継続相談を行うこともあり、他の校務分掌や持ち授業時間数等の配慮も要する。 |
|
|
 |
コーディネーター研修
・ |
研究指定校のコーディネーターは、国立特殊教育総合研究所主催の特別支援教育コーディネーター指導者研修会に参加した。 |
・ |
コーディネーターの任務に関する資料等を配付したり、専門家チーム会議で相談にのったりしながら支援した。 |
|
|
|
5 |
|
専門家チーム
(1) |
設置状況
・ |
県で設置したのは1チームであり、推進地域内のみでの活動であった。 |
|
(2) |
構成
氏名 |
所属・職名 |
備考 |
青沼架佐賜 |
長野市民病院小児科・科長 |
医師 |
上村惠津子 |
信州大学教育学部・助教授 |
臨床心理士 |
日詰正文 |
県精神保健福祉センター・主任 |
言語聴覚士
座長 |
鎌田栄子 |
元長野市教育センター指導主事 |
|
北澤早苗 |
長野市民病院小児科 |
臨床心理士 |
|
(3) |
実際に果たした役割
 |
LD・ADHD・高機能自閉症等を早期に発見するためのチェックリストの作成
・ |
指定校からの要請により、LD・ADHD・高機能自閉症等を早期に発見するためのチェックリスト及び簡易分析法を作成した。小学校では、全校児童に実施し、校内委員会で検討された24名について簡易分析をし、障害が疑われる児童について巡回相談を行い、専門家チームにかけるというシステムが確立できた。 |
|
 |
職員研修の実施(障害の理解と障害に応じた対処法) |
 |
保護者との教育相談方法の確立
・ |
保護者との教育相談が有意義なものとなるように、「家族の希望リスト」、「お子さんのスケジュール」、「お子さんの生活地図」等、課題が明確になる資料を使っての教育相談方法を確立することができた。 |
・ |
巡回相談員が保護者と面接する場にコーディネーターも同席し、保護者との教育相談の仕方について研修することができた。 |
|
|
(4) |
LD・ADHD等か否かを判断する際の方法及び手続き
[LD]
・ |
LDに関する判断及び専門的な意見は、「平成13・14年度学習障害児に対する充実事業」の研究成果に基づいて行った。 |
[ADHD・高機能自閉症等]
・ |
「今後の特別支援教育の在り方について」の最終報告の中で提案されているADHD及び高機能自閉症の定義及び判断基準に沿って判断した。判断基準の柱に沿って、教育相談・授業参観・検査等から該当する事実を把握して判断した。 |
(専門的な意見の内容の形式)
(A) |
判断等
判断:判断された障害名を記す。
判断基準:判断基準と情報源についても記述する。
特記事項:発達検査、観察、聞き取り等から記述する。 |
(B) |
望ましい教育対応
・ |
判断に伴って、専門家チーム会議からの助言のみでいいのか、医学的な支援が必要なのかも検討し、医学的な支援が必要な児童生徒については、その旨も学校に伝える。 |
|
|
(5) |
専門的意見を提示する際の方法及び手続き
・ |
専門家チーム会議からの専門的な意見は、文書のみでなく、学校の担当者の理解力に応じて説明しながら伝えた。
必要に応じて、心理学的検査の結果から導き出された指導方針を、学年に即した国語と算数(数学)の指導の方法や教材として具体化して示した。 |
|
(6) |
成果と課題
(その他の成果)
 |
専門家チームの委員が巡回相談員を兼ねることにより、実態把握が確実なものとなるとともに、必要な情報を収集することができた。 |
 |
医学・心理学・教育の専門家が集まり、役割分担をすることにより、的確な専門的意見を出すことができた。特に医師の参加により、より正確な判断をすることができた。 |
 |
相談の受付から専門的な意見を述べるまでの道筋をシステム化することができた。 |
(課題)
 |
学校の専門性が高まれば、具体的な指導法や教材の作成の仕方についてまで助言しなくてもよくなる。数多くの相談に対応するためには、学校の専門性の向上が是非とも必要となる。 |
 |
校内委員会に上がってきた事例について、専門家チーム会議に相談する内容なのか、就学指導委員会に相談する内容なのか、生徒指導上の課題なのかを選別できる力量も校内委員会に求められる。 |
|
|
6 |
|
巡回相談
(1) |
委嘱状況
・ |
県単位の委嘱のみであり、推進地域内の学校の要請に応じた。 |
|
(2) |
巡回相談員の構成
氏名 |
所属・職名 |
備考 |
日詰正文 |
県精神保健福祉センター・主任 |
言語聴覚士 |
北澤早苗 |
長野市民病院小児科 |
臨床心理士 |
|
(3) |
巡回相談の回数と内容(研究指定校) 巡回相談合計 12回
裾花小学校(6回)
・ |
職員研修1回 |
・ |
巡回相談対象児童3人 |
・ |
心理検査実施児童2人 |
|
裾花中学校(4回)
・ |
職員研修1回 |
・ |
巡回相談対象生徒8人 |
・ |
心理検査実施生徒1人 |
|
 |
8月12日(2時間)
|
 |
9月11日(2時間)
|
 |
9月12日(2時間)
|
 |
10月30日(2時間
|
 |
12月8日(4時間)
・ |
職員研修(講演) |
・ |
保護者面接、担任との懇談 |
|
 |
12月22日(2時間)
|
|
 |
8月5日(3時間)
|
 |
12月11日(2時間)
|
 |
1月22日(2時間)
|
 |
2月2日(2時間)
|
※協力校への巡回相談2回 |
|
(4) |
実際に果たした役割
 |
職員研修の講師 |
 |
事例研究会での助言 |
 |
保護者との教育相談 |
 |
実態把握及び心理検査の実施と解釈 |
 |
専門家チームによる支援の必要性や医療機関との連携の必要性を判断し、学校と専門機関をつなぐ |
|
(5) |
助言を行う際の方法及び手続
 |
教育委員会内に事務局を置き、学校からの要請により、巡回相談員と連絡を取り、学校訪間の日時を決める。それ以後はコーディネーターが巡回相談員と具体的な連絡を取り合い、巡回相談を実施した。 |
 |
巡回相談を受けた児童生徒の実態及び助言内容を専門家チームに報告するとともに、不明な点は、専門家チーム会議で検討し、次回の巡回相談のときに伝えた。 |
 |
心理検査に基づく助言は、報告書としてまとめ、専門家チームで検討した上で、当該校に渡した。 |
|
(6) |
成果と課題
(その他の成果)
 |
心理の専門家が訪間することで、教員の障害に対する理解が深まるとともに、指導の方向が導き出された。 |
 |
原因が分からずに混乱していた教員が、原因を知ることにより、余裕をもって対応することができるようになった。 |
 |
校内で考えた指導方針が果たして妥当なものなのか」という迷いが学校にはあるが、助言を受けることにより、指導の方向に自信をもったり修正したりすることができた。 |
 |
教育相談に長けている心理の専門家が中心になって保護者との懇談を行うことで、専門的な視点からみた児童生徒の実態を共通理解することができた。また、保護者の悩みを聞いたり助言したりすることもでき、個別の指導計画を立てたり実行したりすることがスムーズにできた。
教育相談の場にコーディネーターが同席することで、教育相談の在り方についての研修をすることができた。 |
(課題)
 |
障害の特性や心理検査の分析結果に基づき、教科学習や集団活動で具体的にどのように支援したらよいかを提案するために、心理の専門家と教育の専門家がペアで巡回相談することが望ましい。 |
 |
心理の専門家の絶対数が足りないので、今後モデル事業を拡大するときに、いかに心理の専門家を確保するかということが課題である。 |
 |
巡回相談を依頼した心理の専門家は、別に職業をもっている方であったので、緊急事態が起きたときに、すぐに駆けつけることが難しかった。 |
|
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7 |
|
推進地域における取組の普及方策
・ |
研究指定校の研究発表会(実践発表、研究協議、講演)を行い、モデル事業の成果を全県に向けて発信した(長野県下から200人余が参加)。 |
・ |
校内支援体制づくりに関する手引書を作成し、県下の全小・中学校、盲・ろう・養護学校、市町村教育委員会、関係機関に配付した。 |
|
8 |
|
LD・ADHD・高機能自閉症の定義、判断基準(試案)、学校における事態把握の観点(試案)の有効性の検証
(1) |
LD・ADHD・高機能自閉症の定義、判断基準について
・ |
定義と判断基準に沿って、心理検査、観察、聞き取りから実態把握をし、障害があるか否かを判断した。小児科医も参加しての判断であったが、定義及ぴ判断基準は有効なものであった。 |
|
(2) |
学校における実態把握の観点について
・ |
LD・ADHD・高機能自閉症の判断基準を網羅したスクリーニングチェックリストを独自に作成して実態把握を行った。学校における実態把握の観点(試案)は使用していない。 |
|
|
9 |
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効果的な指導方法の検討
(1) |
LD
 |
「聞く、話す、読む、書く、計算する・推論する」のどこにどのようなつまずきがあるのかを明らかにする。 |
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行動観察及び心理検査の分析等から、個人内における優性面・劣勢面を明らかにし、優勢な能力を生かした指導を行う(長所活用型指導)。 |
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(2) |
ADHD
 |
落ち着ける教室環境を用意する。席は前から2列目ぐらいにし、一斉指示が理解できているか逐次フォロー」する。 |
 |
情報を伝えたい時は、名前を呼び、注意をこちらに向けてから短く具体的に話す。
伝えたいメッセージを板書したり、話のポイントを絵図で示したりする。 |
 |
問題は小分けにし、素早く頻繁に評価して返す |
 |
活動の内容や方法を掲示し、必要に応じていつでも見返すことができるようにする。 |
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(3) |
高機能自閉症等
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コメントを求める時には選択肢の中から選べるような設定にする、正解となる答えや解き方の模倣を促す、ルールやスケジュールの事前予告を必ずする、抽象的な言葉は避け具体的な表現にするといった混乱を防ぐための配慮をする。 |
 |
何をどこまで、どのくらい、いつまでに、どのような段取りでやるかカードや手順表で示す。新しいことや苦手なことは、予告を頻繁にするとともにゴールを示す。 |
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複雑な指示は紙に書く、込み入ったことは文字や図、絵を描きながら伝える等、視覚的な支援を併用する。 |
 |
パニックになったり興奮したりしたときは、一人で静かにできる時間と場所を用意し、落ち着けるように配慮する。 |
|
|
10 |
|
推進地域の整備状況の概要
・ |
研究指定校の成果を生かして、16年度は、長野市及び隣接する豊野町の全小・中学校、長野市内の盲・ろう・養護学校を指定校として支援体制を整備する。 |
・ |
長野市及び豊野町71校の巡回相談を行うことのできる巡回相談チームをいかにつくるかが課題である。また、市内の盲・ろう・養護学校といかに連携していくかも課題である。 |
・ |
17年度以降は、長野市が独自性を発揮して推進できるように配慮したい。 |
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11 |
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都道府県内全体の整備状況の概要
(1) |
平成16年度は全小学校と盲・ろう・養護学校、17年度は全中学校に校内委員会を設置し、コーディネーターを指名し、校内支援体制の整備を図る。また、16年度は小学校及び盲・ろう・養護学校のコーディネーター養成研修、17年度は中学校のコーディネーター養成研修を実施する。よって、17年度のはじめには、長野県下の全小・中学校、盲・ろう・養護学校の校内支援体制の整備が完了する。 |
(2) |
各地域の実情に応じてどのようにサポートチーム(専門家チーム・巡回相談員)を設置すればよいかを明らかにするために、16年度は県下3地区を指定して研究する。研究成果の発表会などを通して、各地区の市町村がサポートチームを設置していくような働きがけをしたい。 |
(3) |
専門家チーム及び巡回相談員の未設置地域のために、教育相談を兼ねたLD・ADHD等サポート会議を、年2回県下4地区で実施している。 |
(4) |
すべての盲・ろう・養護学校では、地域の自律(特殊)教育のセンター的な機能を果たすために、授業を担当しない(または、担当授業を減らした)教員が中心になり、地域内の小・中学校を支援する活動を行えるようにする。 |
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