1. |
はじめに
茨城県金砂郷町では、平成12年4月から幼保合築施設である「こどもセンターうぐいす」において、施設の共用化により幼保の連携を図り、幼児同士のふれあいを促進してきた。しかし、少子化が進み幼児数全体が減少するなかで幼保合築施設でありながら、幼稚園、保育所がそれぞれ別々に年齢に応じたクラス編成を行っているため、1クラスの人数が少なくなり、集団のなかでたくましく子どもを育むうえで課題が生じてきていた。
そのため、「金砂郷町幼保一体的運営特区」を申請し、幼稚園児、保育所児の合同クラスを編成し、平成15年10月より5歳児を対象に開始した。
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2. |
経緯・経過
(1) |
「こどもセンターうぐいす」建設
・平成10年 |
3月 |
文部省・厚生省が「幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針」の策定 |
・平成10年度 |
老朽化が進んでいた町立金郷幼稚園の新園舎建設、また、同一敷地内にあった町立保育所の待機児童の解消に向けて施設の増築を検討 |
・平成11年 |
8月 |
「こどもセンターうぐいす」建築着工 |
・平成12年 |
4月 |
共用開始 |
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(2) |
「こどもセンターうぐいす」の概要
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認可 |
保育所 |
: |
0歳児から5歳児 |
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幼稚園 |
: |
3歳児から5歳児 |
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入所・入園区域 |
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保育所 |
: |
町内在住の0歳児から5歳児 |
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幼稚園 |
: |
町内在住の3歳児から5歳児 |
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定数及び幼児数(平成15年4月1日現在) |
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保育所 |
: |
定数 |
: |
0歳児から5歳児 90人 |
幼児数 |
: |
0〜2歳児34人、3歳児23人、4歳児25人、5歳児13人 |
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幼稚園 |
: |
定数 |
: |
3・4・5歳児 それぞれ35人以内 |
幼児数 |
: |
3歳児17人、4歳児13人、5歳児15人 |
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施設面積 |
保育所 |
: |
475.57 |
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幼稚園 |
: |
300.99 |
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共用 |
: |
483.45 (職員室、遊戯室等) |
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保育料 |
保育所・幼稚園それぞれの規定による料金 |
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※預かり保育料(平成16年度より)
1ヶ月 8,000円(通年利用)、1日 500円(一時利用) |
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3. |
「金砂郷町幼保一体的運営特区」の概要
(1) |
幼保一体的運営特区の目標
少子化が進み幼児数が減少するなかで「同じ地域の幼児を保育する」という認識のもとに、幼稚園児、保育所児の合同クラスを編成することにより、幼児期からできるだけ多くの人と接し、社会性や創造性を育む機会を提供していく。また、保護者の子育てへの不安の解消に努めるともに、保護者が利用しやすい制度を実施し、さらには、少子化に対応した保育環境を整備するものである。
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(2) |
幼保一体的運営特区に伴い実施する事業
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幼稚園における幼稚園児、保育所児等の合同活動事業
平成16年4月から小学校へ入学する5歳児を対象に平成15年10月より合同クラスを開始した。このことにより幼稚園児への指導内容には影響を与えることなく、幼稚園児、保育所児とも集団生活への適応力を高められるなど教育効果が得られると考えられる。なお、併せて幼稚園教諭及び保育士には併任発令を行っている。 |
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保育所における保育所児と幼稚園児の合同活動事業
平成16年度より実施する事業で平成15年10月より合同クラスを編成している5歳児及び3、4歳児についても合同クラスを編成する。なお、これに伴い幼稚園において、預かり保育を実施し、保護者の多様なニーズに応えることとした。 |
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幼稚園・保育所の同一給食
現在、幼稚園児と保育所児は異なる給食となっている。合同の保育活動とするには給食についても同一の内容とすることが望ましく、全幼稚園に提供している常陸太田市・金砂郷町学校給食共同調理場の給食を平成16年度より3歳児以上の保育所児に提供し、幼保の同一給食を実施する。 |
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入園・入所手続き一元化
幼稚園、保育所それぞれ異なっていた募集案内等を統一的に行うとともに、入園・入所申込書を幼稚園、保育所、教育委員会事務局のいずれの窓口でも受け取れるようにしたうえ、全幼稚園及び保育所の申し込み状況を「こどもセンター」で一元的に把握し、保護者からの相談等にも一括して対応できる体制を整える。 |
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