戻る


  資料 3  




「個に応じた指導」の効果について

〜フロンティアスクールの実践から〜

児童生徒の変容
   平成14年度から始まった「学力向上フロンティア事業」においてフロンティアスクールに指定されている学校の昨年度末の中間報告書によると、個に応じた指導の効果として、主に次のような点が挙げられている。

[個に応じた指導の効果]
(1)   学習内容の理解度の向上
(2)   学習に対する興味・関心が高まるなど学習意欲の向上
(3)   授業への参加のしやすさの向上
   

【実践事例1=S県H中学校】
       第2学年数学の授業において、2学級80名を定着度調査をもとに、発展コース、習熟コース、補充コースの3つのコースに分けて指導にあたっている。

〈習熟度別学習実施前後の各コースにおける正答率の比較〉
習熟度別学習実施前後の各コースにおける正答率の比較

〈習熟度学習を行って、あなたの連立方程式における学力は向上したと思いますか。〉
グラフ、習熟度学習を行って、あなたの連立方程式における学力は向上したと思いますか。

「思う」または「やや思う」
と答えた理由
発展コース 習熟コース 補充コース
1方程式の解き方が
よくわかったから
32.1% 56.5% 37.5%
2方程式が以前より正確に
解けるようになったから
39.3% 69.5% 37.5%
3方程式が以前より早く
解けるようになったから
32.1% 34.7% 25.0%
4授業で学習した内容が
だいたい理解できたから
42.9% 52.0% 37.5%
5授業で扱った問題が
だいたい解けたから
35.7% 8.5% 12.5%
その他 10.7% 4.3% 0.0%
(複数回答可)

【実践事例2=T県K中学校】
       全学年の数学の授業において、習熟度に応じた学習を進めている。第1学年及び第3学年は、それぞれの学級ごとに習熟の程度に応じた3つのコースを、第2学年においては、学年3学級を4つのコースに分け授業を実施している。

〈習熟度別学習で、やる気をもって授業に取り組めましたか。〉
  1年 2年 3年
ア、やる気をもって取り組めた。 51.9% 18.2% 40.7%
イ、だいたいやる気をもって取り組めた。 40.5% 54.5% 56.0%
ウ、あまりやる気をもって取り組めなかった。 5.1% 22.7% 3.3%
エ、やる気をもって取り組めなかった。 2.5% 4.5% 0  %

〈習熟度別学習で、学習内容は理解できましたか。〉
  1年 2年 3年
ア、よくわかった。 57.0% 21.8% 39.6%
イ、だいたいわかった。 43.0% 60.9% 59.3%
ウ、あまりわからなかった。 0  % 12.7% 1.1%
エ、ほとんどわからなかった。 0  % 4.5% 0  %

〈習熟度別学習をどう思いますか。〉
  1年 2年 3年
ア、満足している。 46.8% 30.9% 50.5%
イ、だいたい満足している。 44.3% 54.5% 46.2%
ウ、やや不満である。 7.6% 9.1% 2.2%
エ、不満である。 1.3% 5.5% 1.1%

【実践事例3=T県N小学校】
       算数を中心に研究を進めている。中学年では、主にT.T指導と一斉指導を行い、学習内容の特質に応じて徐々に少人数指導を取り入れている。高学年においては、学習内容の特質に応じて、一斉指導、T.T指導、少人数指導を柔軟に取り入れながら授業を展開している。コース設定にあたっては、習熟の程度に応じ各学年4学級を6つのコースに分け指導にあたっている。

〈習熟度別学習は好きですか。〉
グラフ、習熟度別学習は好きですか。

〈習熟度別学習はどうですか。〉
グラフ、習熟度別学習はどうですか。


保護者の感想

【実践事例4=G県K小学校】
       2年生から6年生の算数で、単元ごとに学年3クラスを、「基礎・基本を重視するグループ」と「発展的な内容に取り組むグループ」の2グループに分けて指導にあたっている。

〈保護者へのアンケート調査の結果〉

〈子どもの学習意欲は高まったか〉
      ・はい   170名         いいえ   48名
〈子どもに学習内容はよく身に付いているか〉
      ・はい   182名         いいえ   31名
〈コース編成について〉
       子どもの学習ペースに合わせてコースを選択できてよい 166名
  さらにきめ細かくコースを分けた方がよい 42名
  優越感や劣等感を感じていると思うので、均質なコース編成がよい 6名



ページの先頭へ