香川大学
実地視察大学の概要
1.課程認定を受けている学科等の概要
| 事項 |
記入欄 |
| 大学名 |
香川大学 |
設置者 |
国 |
| 学部・学科等の組織及び認定を受けている免許状の種類等の概要 |
学部・学科等の名称等 |
認定を受けている免許状の種類・認定年度 |
備考 |
| 学部 |
学科等 |
入学定員 |
設置年度 |
免許状の種類 |
認定年度 |
| 教育学部 |
学校教育教員 養成課程 |
130人 |
平成10年度 |
小一種免
中一種免
(国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育,技術,家庭,英語)
高一種免
(国語,地理歴史,公民,数学,理科,音楽,美術,工芸,書道,保健体育,家庭,工業,英語)
幼一種免 養学一種免 |
平成11年度 |
|
| 人間発達環境課程 |
70人 |
平成15年度 |
|
平成15年度 |
70人中20人は免許状を取得しないコース |
人間環境教育コース
社会コース 理科コース |
30人 |
中一種免(社会)
高一種免(地理歴史,公民)
中一種免(理科) 高一種免(理科) |
国際理解教育コース
国語コース 英語コース |
20人 |
中一種免(国語)
高一種免(国語)
中一種免(英語) 高一種免(英語) |
| 法学部 |
法学科
昼間コース 夜間主コース |
180人 20人 |
昭和56年度 平成7年度 |
中一種免(社会)
高一種免(地理歴史,公民)
中一種免(社会) 高一種免(地理歴史,公民) |
平成11年度 平成11年度 |
|
| 経済学部 |
経済学科
昼間コース 夜間主コース |
115人 15人 |
平成10年度 平成10年度 |
高一種免(商業) 高一種免(商業) |
平成11年度 平成11年度 |
|
経営システム学科
昼間コース 夜間主コース |
140人 20人 |
平成10年度 平成10年度 |
高一種免(商業) 高一種免(商業) |
平成11年度 平成11年度 |
地域社会システム学科
昼間コース 夜間主コース |
85人 15人 |
平成10年度 平成10年度 |
中一種免(社会)
高一種免(地理歴史,公民)
中一種免(社会) 高一種免(地理歴史,公民) |
平成11年度 平成11年度 |
| 工学部 |
安全システム建設工学科
理科コース 工業コース |
60人 |
平成9年度 |
高一種免(理科) 高一種免(工業) |
平成15年度 |
|
信頼性情報システム工学科
情報コース 工業コース |
80人 |
平成9年度 |
高一種免(情報) 高一種免(工業) |
平成15年度 |
知能機械システム工学科
情報コース 工業コース |
60人 |
平成9年度 |
高一種免(情報) 高一種免(工業) |
平成15年度 |
材料創造工学科
理科コース 工業コース |
60人 |
平成9年度 |
高一種免(情報) 高一種免(理科) |
平成15年度 |
| 農学部 |
生物生産学科
理科コース 農業コース |
48人 |
平成10年度 |
中一種免(理科)
高一種免(理科) 中一種免(農業) |
平成11年度 |
生物資源食糧化学科
理科コース 農業コース |
48人 |
平成10年度 |
中一種免(理科)
高一種免(理科) 高一種免(農業) |
平成11年度 |
生物機能科学科
理科コース 農業コース |
54人 |
平成10年度 |
中一種免(理科)
高一種免(理科) 高一種免(農業) |
平成11年度 |
| 入学定員合計 |
1,180人 |
|
2.教員組織(課程認定を受けている学科等の専任教員数)
(1)教科に関する科目
- 教育学部
- 学校教育教員養成課程
- 幼稚園教員養成 5人
- 小学校教員養成 7人
- 中等教育教員養成
- 中一種免 (国語)4人、(社会)6人、(数学)6人、(理科)7人、(音楽)5人、(美術)4人、(保健体育)3人、(技術)4人、(家庭)4人、(英語)4人
- 高一種免 (国語)4人、(地理歴史)3人、(公民)3人、(数学)6人、(理科)7人、(音楽)5人、(美術)3人、(工芸)3人、(書道)4人、(保健体育)3人、(家庭)4人、(工業)4人、(英語)4人
※ 高一種免(美術)と(工芸)、高一種免(国語)と(書道)の教員は一部重複している。
- 人間発達環境課程
- 人間環境教育コース
- 社会コース
- 中一種免(社会)7人
- 高一種免(地理歴史)3人、(公民)4人
- 理科コース
- 国際理解教育コース
- 法学部
- 法学科
- 昼間コース
- 中一種免(社会)7人
- 高一種免(地理歴史)3人、(公民)4人
- 夜間主コース
- 中一種免(社会)7人
- 高一種免(地理歴史)3人、(公民)4人
- 経済学部
- 経済学科
- 経営システム学科
- 地域社会システム学科
- 昼間コース
- 中一種免(社会)18人
- 高一種免(地理歴史)13人、(公民)5人
- 夜間主コース
- 中一種免(社会)4人
- 高一種免(地理歴史)2人、(公民)2人
- 工学部
- 工学部
- 農学部
(2)教職に関する科目
※ 初等教育教員養成の教職に関する科目の専任教員は、中等教育教員養成の教職に関する科目の専任教員を兼ねることができるため、教職に関する科目の専任教員は中等と初等で重複している場合がある。
(3)特殊教育に関する科目
3.教員免許状取得状況及び教員就職状況(平成15年3月卒業者)
| 学部・学科等の名称 |
卒業者数 |
免許状取得者数 |
教員就職者数 |
| 教育学部 |
学校教育教員養成課程 |
136人 |
136人 |
62人 |
| 人間発達環境課程 |
65人 |
12人 |
2人 |
| 法学部 |
法学科 |
202人 |
2人 |
1人 |
| 法学科
(夜間主コース) |
19人 |
1人 |
1人 |
| 経済学部 |
経済学科 |
127人 |
1人 |
0人 |
| 経営システム学科 |
152人 |
0人 |
0人 |
| 地域社会システム学科 |
93人 |
1人 |
0人 |
| 経済学科
(夜間主コース) |
2人 |
0人 |
0人 |
| 経営システム学科
(夜間主コース) |
8人 |
0人 |
0人 |
| 地域社会システム学科
(夜間主コース) |
4人 |
0人 |
0人 |
| 農学部 |
生物生産学科 |
53人 |
0人 |
0人 |
| 生物資源食糧化学科 |
44人 |
0人 |
0人 |
| 生命機能科学科 |
67人 |
0人 |
0人 |
| 合計 |
972人 |
153人 |
66人 |
(平成15年10月20日)香川大学 視察委員:横須賀委員、平出委員
| 視察事項 |
委員による評価、指導・助言 |
| 全般的事項 |
- 教育委員会との人事交流協定に基づいた現職教員の専任教員としての任用の他、大学教員の教育委員会への研修派遣も行われ、教員養成の充実のための教育委員会と大学の連携の取組が行われている。
|
- 学校や教育委員会との連携を、教育実習関係科目以外に、授業にも積極的に活用している。特に人事交流によって専任の教員として現職教員を受け入れ、学生の指導に充てていることは特色ある取組である。
|
- 教員委員会との連携を生かした実習を取り入れた科目や、学校教育と関連する領域の科目など、教員養成に資する特色ある科目が多く開設されている。
|
- 教育実習の他に、公立学校でのインターンシップや、フレンドシップ事業による野外教育活動への参加、社会体験のための研修科目を設定している。
- 教育学部として、教育課程全般に工夫を凝らし、特色ある教員養成を行っている。今後はこの優れた取組を他の教員養成課程を有する大学に発信していくことを期待すると同時に、個々の授業の質的充実にさらに努力していただきたい。
|
| 個別事項 |
教員組織 |
|
- 教員組織の中に香川県教育委員会から現職教員が派遣され、専任の助教授として任用されていることは、教員養成上の実践面での効果が期待される。
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| 教育課程 |
教職に関する科目等 |
- 「学校教育入門」は、授業計画と科目の主題の整合性に疑問がある。また、シラバスの記載が要点のみとなっている。
|
- シラバスを見直し、法令上含めることを求められている事項を明記されたい。
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- 「総合教育セミナー」を「総合的な学習の時間」の指導法的な傾向があり、また、テーマ設定も総合演習の趣旨に合致していないものが含まれている。
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- 教員を志す学生の幅広い視野の養成のためにも、幅広いテーマ設定をして、趣旨を踏まえ、内容、方法を工夫されたい。
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- 「学校教育心理学」のシラバスに「障害のある幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程」に関する内容が明記されていない。
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- 法令上求められている点を明確にするだけでなく、学生に対し内容が分かりやすくすることによって授業評価の基準となりうるので、包括的内容を扱っているということをシラバスに具体的に記載すること。
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- 各教科の指導法に相当する科目のシラバスの中に、教育学的な理念や概念を多く扱っているため、教科の指導力を養成する内容が不足しているものが見られる。
|
|
- 「算数教育法」は、大学の教員と教育委員会から派遣されている教員がティームティーチングで指導に当たっている。
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- 学生にとってだけでなく、大学の教員にとっても学校現場理解に資する、実践的な講義である。
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- 「教育の方法及び技術」に相当する科目は個別的な名称の科目で選択必修と設定されている。
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- 教職に関する科目の相当する事項の包括的内容を扱っていることが明確になるように再度検討していただきたい。
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| 教育実習 |
- 採用後の実践力の養成のために、選択科目の特別教育実習等だけでなく、本実習にも公立学校を活用するよう、香川県からの要望があった。
- 実践力の基礎を身につけさせるために附属学校は重要との考えから、教育実習の本実習は附属学校を中心としている。
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| 履修指導等 |
- 学生募集を教育学部で一括して行い、1年次の後期に履修コースごとに分けることとしている。
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- コース分けは、学生の希望などもあるのでかなり困難と思われるが、ガイダンス等を充実させ工夫している。
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- 校種間の連携を意識して、複数の校種の教員免許状を取得するようになっている。
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- 複数の免許状を取得するには多くの単位を修得する必要があるので工夫していただきたい。
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| 介護等体験の状況等 |
- 介護等体験に関しての事前事後指導を単位化している。
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| 免許取得状況及び教員就職状況 |
- 就職セミナーを3年次後期から実施し、そこで現職教員の大学院生を活用し、キャリアガイダンス、教員採用試験対策を行っている。
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- 積極的な就職指導の取組として評価できる。今後も充実に努めていただきたい。
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| 施設・設備の状況 |
- 書籍・資料を広く開架しており、また、史料的価値のあるものについても展示している。
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- 情報機器、図書館の書籍・資料の整備状況は良好である。
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(参考)香川大学の教員養成における取組
1.教育委員会との連携
「香川大学教育学部と香川県教育委員会との連携協力に関する覚書」を締結し、連絡協議会を設置し、以下の取組を行っている。
1.教員の人事交流
香川県教育委員会と人事交流協定を結び、香川県から派遣された現職教員を大学で専任教員として採用している。教員を講義に活用している事例は多くあるが、専任教員として採用している例は先進的と思われる。また、大学からも教員を教育委員会に研修という形での派遣も行っている。
2.学生の派遣
香川県教育委員会と教員養成について積極的に連携・協力し、学校に積極的に学生を派遣する取組を行っている。
【具体的取組】
- 「特別教育実習A、B」:本実習に加えて公立学校での教育実習(教職に関する科目)
- 「ボランティア活動」:香川県主催の「学生ボランティア派遣事業」や附属学校でもボランティア活動への参加(教科又は教職に関する科目)
- 「公立学校インターンシップ」:採用内定者の公立学校でのインターンシップ
- 「教育実践基礎演習」:子どもとのふれあいを通し、教育実践力の向上のために野外教育活動に参加(フレンドシップ事業、教科又は教職に関する科目)
2.教職に関する科目等における工夫
- 「学校教育入門」において大学院に在籍している現職教員等を活用し、学生の教職への意識の向上に努めている。
- 「総合的学習論」は、「総合的学習の時間」がどのように校現場で実施されているか学習し、実践的指導力を高める知識、指導方法の獲得を目指している。なお、当該科目は香川県教育委員との連携によって派遣された現職教員が担当している。
- 教員免許取得のために必修となる教育実習は基本的に附属学校で実施しているが、公立学校における「特別教育実習」(選択科目)を開講し、地域の現状理解や実践的指導力の養成に努めている。
- 単位認定はしていないが、香川県の教員採用試験に合格し、4月からの採用が内定した学生に対し、授業や学校教育活動や教員の職務の実際に触れ、児童・生徒の理解、職務の理解、教員としての意識の向上を目指す「公立学校インターンシップ」を実施している。