資料4 教員免許制度ワーキンググループにおける審議状況

1.審議経過

  • 第1回 3月17日(木曜日)
     「主な検討事項と検討の視点例」を踏まえて自由討議
  • 第2回 3月24日(木曜日)
     「主な検討事項と検討の視点例」や「改革の具体的方策(たたき台)」を踏まえて、全般的討議
  • 第3回 4月8日(金曜日)
     「検討の視点例」や「改革の具体的方策(議論のたたき台と検討の視点例)」を踏まえて、論点を絞って討議
  • 第4回 4月15日(金曜日)
    「検討の視点例」(別添1)「改革の具体的方策(議論のたたき台と検討の視点例)」(別添2)を踏まえて、論点を絞って討議

2.第3回、第4回ワーキンググループにおいて出された主な意見

1.教員免許制度の改革、とりわけ教員免許更新制の導入について

1.教員に求められる資質能力

  • 教職は社会から多大な信頼を寄せられ、尊敬される仕事であるという自覚を持つとともに、それに安住せず、常に向上する気持ちを持たなければならないことを明確にする必要がある。

2.教員を取り巻く状況と教員の現状

  • 現代社会の特色は、様々な変化のスピードが速いという点であり、この変化に対して教員が対応しきれていないという実態がある。
  • 近年、子どもや教育についての研究が進歩しており、LDやADHDなど新しい知見を学ぶことは教員として不可欠となっている。
  • 教職のキャリアの中で、学びのスピリットが必要という考え方は重要である。

3.教員養成の現状

  • これまで教員養成は様々な努力・工夫をし、改善もされてきているので、そのような積極面にも触れる必要がある。
  • 教員は現場で育つものであり、生涯を通じて資質を高めていかなければならないことは当然だが、少なくとも大学は教員として送り出していく時には、最小限必要な資質能力を持った学生を送り出さなければならない。
  • 修士課程の場合、教職に関する科目を取らずに、教育や子どもについての知見がなくても専修免許状を取得している事実がある。

4.教員養成・免許制度の改革の基本的な視点

  • 教員を取り巻く現状を考えると、適正な待遇や人的条件整備にも触れる必要がある。

5.教員免許更新制の導入の意義及び位置づけ

  • 更新制の導入が、教員の社会的ステータスや、信頼を高めることにつながるという方向で検討する必要がある。現在は社会の変化が激しいため、一定の時期に更新することで、専門性や適格性を保証していくことが重要ではないか。
  • 新任教員は完成された教員でないことを前提として、教職に就いてから自己努力により実践力を身に付けさせるため、更新制や評価が必要なのではないか。
  • 教員の専門性や適格性、基盤となる知識も、一定の時間、あるいは社会の変化の中で古くなるため、それをどのように手当てするかが、専門職に共通する重要なテーマなのではないか。

2.改革の具体的方策

1.教員免許状の授与の仕組みについて

  • 大学において教員養成を行う以上、専門性や実践力と同時に、教員としての使命感や子どもに対する愛情等を総合的に体現し得るような教育を大学において行うことは、当然要求される。
  • 大学の養成段階では、教科の知識は身につくが、児童生徒理解や実践的な授業力、学級経営の力等を身に付けることは難しいのではないか。
  • 現在の教育実習は評価が曖昧で、また出身校実習が多いため、教員としての適格性を適切に確認できるのか。
  • 教職課程では理論的なことは教えるが、実践力は身についていないため、とりあえず仮免許状を授与し、教職に就いた後に実践力を身につけたことを評価して、本免許状を授与するというのが自然ではないか。

2.教員免許更新制について

(1)教員免許更新制についての基本的な考え方
  • 一定期間経過後に特段の理由がなければ更新を認める制度とするのか、何らかの基準を設けて、それに合致しなければ更新を認めない制度とするのかにより、意義が違ってくる。現実的には前者を採るのが妥当ではないか。
  • 更新制について、現職研修や評価、資格認定、処遇等と関連付けていくべきである。これにより、更新制を、教員に意欲を与え続け、自己研鑽のきっかけとなるというポジティブな方向で打ち出せる。
  • 更新制について、任命権者や学校長、教員等の主体性を尊重すべきであり、あまりがんじがらめの制度にするのは良くない。
(2)教員免許更新制の制度設計
  • 更新制は研修等とリンクすると考えられるが、ある程度、受講者のニーズに応じて選択の余地がある内容とする必要がある。
  • 免許状の有効期限が仮に5年であれば、5年目に集中的に単位を取得するのではなく、5年間の期間の中で、単位を取得していくという考え方が良い。
  • 研修の提供者については、各県の研修センターや大学、民間等の様々な機会が考えられるため、提供者のプログラムが適当かどうかのチェックが必要となる。
  • 勤務実績の評価において、教員自身がキャリア(勤務実績)を申告できるようなシステムを入れても良い。
  • 長期間、非常勤講師をした後に正規採用されるケースもあり、更新制において、一定の勤務実績を求めることとの関係で、これらの者をどのように扱うのか。

3.教員免許状の種類の在り方について

  • 現実に、短大があり二種免許状しか取得しない学生がいる以上、しばらくは二種免許状はあっても良いという前提で検討すべきである。

4.教職課程の改善・充実について

  • 教育実習については、指導体制の確立、大学と実習校での適切な評価、受講要件や位置づけの明確化、人的支援等の条件整備などの面で、改善を図る必要がある。
  • 人間関係作りができるように、教職課程の中に、体験的な活動を位置付ける必要があるのではないか。
  • 例えば、課程認定委員会の下に常設の機関を置くなど、大学の教職課程を事後的にチェックする機能を強化すべきではないか。

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-- 登録:平成21年以前 --