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資料


5. 社会的気運の醸成
  〜皆が参加したくなる雰囲気作りを〜

   国民一人一人が奉仕活動・体験活動の意義を理解し、奉仕活動・体験活動を身近なものとして捉え日常生活の一部として継続して取り組んでいくためには、社会全体で奉仕活動・体験活動を推進していく気運を醸成していくことが不可欠である。このた
   め、奉仕活動・体験活動に関する年次報告など奉仕活動・体験活動に関する積極的な広報・啓発、ボランティア活動推進月間など活動に気軽に参加できる雰囲気づくり、活動を継続して取り組む者に対する顕彰の工夫などに取り組む必要がある。
   また、奉仕活動・体験活動の推進の上で果たすべき役割が大きい企業等の取組を促す方策として、積極的に取り組む企業の社会的奨励や関係府省と経済団体等との協議の場の設置などについても検討する必要がある。

(1) 奉仕活動・体験活動に対する社会的気運の醸成
  1 奉仕活動・体験活動の魅力をアピールする取組の実施
       奉仕活動等に対する社会的気運を醸成するため、関係機関等が連携協力し、例えば、以下の取組について検討することが適当である。
    「ボランティア活動推進月間」などを設けて、関係府省、民間団体等が協力して奉仕活動等に対する国民的な啓発運動を実施
    奉仕活動・体験活動の全国的な概況をまとめた年次報告書等の作成
    国民の関心を惹きつける広報・啓発の実施
      ・奉仕活動等を自ら実践している各界の著名人が集まり、その意義を国民に対し働きかける活動等の実施、
      ・   テレビ等の媒体を通じ活動への参加が若者にふさわしいライフスタイルとしての印象を与えるような工夫
    地域の未経験者の参加者を促す工夫
      ・   例えば、地域でのボランティア活動経験者に「語りべ」となってもらい、地域で友人や仲間に参加の喜びや感動を伝えて一緒に活動に参加する
      ・   地域における行事などの身近な活動に家族一緒に参加するように呼びかけを行う
  2 活動の顕彰
    奉仕活動・体験活動に継続的に取り組む者を幅広く社会的に認知し、その取組を顕彰していくことも重要である。ボランティア活動等に関する表彰・顕彰については、既に国や地方公共団体、企業や民間団体等により様々なものがあるが、例えば、以下のような点について検討することが望ましい。
    活動に携わるあらゆる人や団体が対象となる工夫
      ・例えば、青少年の奉仕活動等に対する顕彰など既存の表彰・顕彰の対象となりにくい者に対する新たな制度の創設、既存の表彰・顕彰の実施の工夫による対象者の拡大
    国民の関心を集める顕彰の工夫
      ・積極的に活動を行っている個人や団体などが社会から脚光を浴びるような環境をつくり、関係者の意欲を鼓舞し、国民にその功績を広める顕彰の工夫(例:前述の推進月間に合わせて顕彰を実施(「ボランティア大賞」の創設など)、顕彰と合わせてイベントの開催など)
(2) 企業等の取組を促す方策
     奉仕活動・体験活動を社会的に定着させるためには、(a)青少年の体験活動への協力、(b)ボランティア団体等への支援、(c)社員のボランティア活動等への支援など企業等の取組が果たす役割が大きい。このため、以下のような方策についても検討する必要がある。
  1 積極的に取り組む企業の社会的奨励
    奉仕活動・体験活動を積極的に支援する企業を、例えば、「ボランティア活動支援企業(仮称)」のような形で広く公表する方策の検討
  2 関係府省と経済団体等との連携
    奉仕活動・体験活動の推進に関する官民を通じた共通認識の醸成、推進のための具体的な方策の検討のための関係府省と経済団体等による協議の場の設置

社会的気運を醸成する取組の例
文化ボランティアの呼びかけ〜文化ボランティア通信〜
  文化庁においては、平成14年2月から、「文化ボランティア通信」を発刊し、各地の活動を紹介して参加者を募るのと同時に、関係者の情報を発信し、文化ボランティアネットワークの形成を行いたいとしている。
アメリカ大統領の奉仕活動拡充の呼びかけ
  2002年2月、アメリカのブッシュ大統領は、一般教書演説で「全国民が一生のうち2年間、あるいは通算四千時間を奉仕活動に費やそう」と提唱し、地方遊説で市民に参加を求めている。そのため、既存の海外援助団体、地域の教育活動などを行う団体の大幅な拡充、医師、看護婦、警察官のOBなどを中心としたボランティア組織網の創設などを提唱している。

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