1 地方教育行政の在り方

(1)地方教育行政を取り巻く社会状況の変化

  • 我が国の社会が成熟し、国民の価値観も多様化する中、教育に対する国民のニーズが多様化している。
  • 「官から民へ」「国から地方へ」の方針のもと、政府全体で地方分権、規制改革が推進されている。
  • 地方分権の進展に伴い、その受け皿として市町村の体制強化が必要となっており、自治体の行政能力の向上や財政基盤の強化を図るため、市町村合併が急速に進展している。
  • このような社会状況の変化の中で、地方分権時代にふさわしい新たな地方教育行政の在り方を検討することが必要となっている。

(2)新しい地方教育行政の在り方

  • 地方教育行政の在り方については、今後、次のような考え方のもとに改革を行っていくことが必要と考える。

1.全国的な教育水準の確保と市町村や学校の自由度の拡大

  • 学校教育とりわけ義務教育については、国はナショナルスタンダードを示し、全国的な教育水準を確保していく必要がある。
  • また、それと同時に、住民のニーズに対応した多様な公教育が展開されることが必要である。このため、地域の実情に応じた教育行政が実現されるよう、制度をできる限り弾力化し、教育の直接の実施主体である市町村や学校の裁量を拡大することにより、市町村や学校が特色を出し、競って向上に努めるようにすることが必要である。
  • また、市町村や学校が裁量を活かして創意工夫しつつ、目標を明確に設定し、その実現に向けて努力するよう、市町村の行政体制や学校の組織運営体制を強化していくことが必要である。

2.説明責任の徹底

  • 市町村や学校の自由度を拡大するのと同時に、情報の公開と評価を徹底することが要請される。市町村や学校は、評価・公開を通じ、自らの教育行政や教育活動の内容とその結果について、地域住民や保護者に対し説明する責任を果たすとともに、教育の質を向上させることが必要である。
  • また、教育行政制度全体について、誰がどのような責任を負うのかが明確な制度とすることが必要である。

3.地域住民や保護者の参画の拡大

  • 教育は、地域住民の関心が高い地域に密着した行政分野であることから、地域住民の意向を十分に把握し、それを反映して行われる必要がある。
  • また、地域住民や保護者が、学校運営も含め一定の権限と責任を持って教育に積極的に関わっていくことで、学校教育の改善充実や地域全体の教育力の向上を図っていくことが必要である。

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