3.今後の検討における留意事項

 本専門部会においては,体育の分野において「初等中等教育修了の段階で,すべての子どもたちが身に付けているべきミニマムは何か?」ということを検討してきたが,6ページ等で述べたように,経験の位置付けをはじめ,これを具体的に特定できた部分とできなかった部分とがある。特定し切れなかった部分については,引き続き検討するに当たり,次の点に留意する必要がある。

  • (1)まず「初等中等教育修了の段階で,すべての子どもたちが身に付けているべきミニマム」の特定を行うこと(「一部の子どもたち」のみを対象とした目的の設定を妨げるものではないが,その場合には両者を明確に区別すること)
  • (2)目的の内容は,「身に付けるもの」を具体的に示したものでなければならず,「○○(まるまる)を養う」「○○(まるまる)を伸ばす」などといった方向性のみのものであってはならないこと
  • (3)目的の内容は,達成度や成果が専門家でない保護者等にも容易に判断できる(定量的又は定性的な評価を容易に行える)ものでなければならないこと

 なお,今後,特定された「目的」を達成するための「手段」(学習指導要領の具体的な内容)の検討が行われることになるが,その際には,保護者のニーズや社会全体としての必要性に留意しつつ,次の点に留意する必要がある。

  • (1)「すべての子どもたちが身に付けるべきこと」に関する部分と,「それ以外のこと」に関する部分を,明確に区別すること
  • (2)「手段」の検討においても,家庭・地域との関連に関する「空間的な広がり」や,卒業後の活動に関する「時間的な広がり」に配慮すること
  • (3)子どもたちの発達段階に応じ,初等中等教育修了段階及び義務教育修了段階に分けて,いつまでに何を達成するかを整理・明示すること

 また,学習指導要領の中で具体的な運動種目の指定や例示を行う場合には,その検討段階において次のことに留意する必要がある。

  1. その運動種目を行うことにより身に付けられる身体能力の各要素を各運動種目ごとに特定し,明示すること
  2. 成人後や高齢者になっても楽しむことができるよう,多くのスポーツに共通した要素を持つ運動種目を取り入れるなど,生涯を通じて運動やスポーツに親しむ基礎を培うことに配慮すること

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