第1章 国際的に魅力ある大学院教育に向けて 第2節 基本的な考え方を支える諸条件について 4.知識基盤社会に相応しい大学院教育の規模の確保

 今後の大学院教育の量的規模の方向性については、社会人、留学生の入学者を含め、高度専門職業人養成に対する期待など進学需要の増加傾向に合わせ、全体として、着実な増加傾向になると予想される。この傾向は、今後の知識基盤社会の到来を展望すると、一般的には望ましいものと考えられる。

○ 今後の大学院教育の量的規模の方向性について展望すると、一部の専攻分野において学士課程の修了者等の大学院進学率の伸びの鈍化が起こっているが、社会人の入学者を含め、高度専門職業人養成に対する期待など進学需要の増加傾向に合わせ、全体としては、着実な増加傾向になると予想される。この傾向は、今後の知識基盤社会の到来を展望すると、一般的には望ましいものと考えられる。
○ 全体的な方向性のみならず、分野別の動向についても注視し把握することが必要であるが、その際、本審議会答申「我が国の高等教育の将来像」を踏まえ、主として18歳人口の増減に依拠して高等教育規模を想定しつつ需要調整を図るといった従来の政策手法をとることは適切ではない。
○ 今後ますます多様化・複雑化し、変化の速度を増していく人材需要に対しては、国が一元的に調整するのではなく、各大学院が、大学院教育に対する社会の諸要請を的確に踏まえつつ、競争的環境の下で自主的・自律的な検討に基づく機能別分化の流れの中で、自らの果たすべき役割を基に新たな専攻等の設置・改組の対応を柔軟かつ機動的に図ることが基本であると考えられる。
○ また、全体として、大学院の規模が拡大していく中で、各大学における大学院と学部の規模の関係については、18歳人口の動向やそれぞれの大学が社会の中で果たすべき役割を再認識し、各大学の自主的選択に基づく個性化、特色化により、大学の機能別分化が進んでいく状況の中で、各大学の責任において十分検討する必要がある。
○ 産業界等においても、それぞれの業種などに応じて、自らの大学院教育に対するニーズを明確かつ具体的に示すことや、年齢等にかかわらず、課題探求能力等の実力を適正に評価して人材の登用を行うなど、今後の知識基盤社会における国際的な競争に耐えられる職務体制・人材の配置などの構造改革に向けた努力が求められる。

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