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第3章 青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促すために−重視すべき視点と方策−

2.すべての青少年の生活に体験活動を根付かせ,体験を通じた試行錯誤や切磋琢磨(せっさたくま)を見守り支えよう

視点
  • ○多様な体験活動の機会を提供し,体験活動をすべての青少年の生活に根付かせる
  • ○体験を通じた青少年の試行錯誤や切磋琢磨(せっさたくま)を大人が見守り支援する
方策
  • ◎ 青少年の生活圏内に多様な体験を提供する場や機会をつくる
  • ◎ 青少年教育施設等を中核として,教育効果の高い体験活動を計画的に提供する

重視すべき視点

【多様な体験活動の機会を提供し,体験活動をすべての青少年の生活に根付かせる】

  •  これまで述べてきたとおり,青少年が学ぶことの価値を実感しにくい中で,意欲的に,かつ社会のルールやマナーにのっとった手段や方法によって行動できるようになるためには,体験を通じてこうした価値を知り,手段・方法を体得すること,すなわち自らのものとして定着させることが必要である。
     また,基礎的な体力は意欲の形成に不可欠であることや,自然体験は社会性を育成し,仲間と交流する体験は自己を客観的に見る力を培うとともに社会性を培う集団活動への意欲を高め,いずれも青少年が自立への意欲を持ち行動するために必要な資質能力を育成することがこれまでの知見から明らかになっている。
  •  このように,青少年の自立への意欲を高めるためには,運動・スポーツや自然体験活動,文化芸術体験活動,仲間と交流する活動等の多様な体験が必要不可欠である。しかし,現代の青少年はこれらの体験が少ない生活を送っており,日常生活の中で自らの力で多様な体験活動に取り組み,自立への意欲を高めることを期待するのは大変難しい状況にある。
  •  このため,運動・スポーツや自然体験活動,文化芸術体験活動,仲間と交流する活動をはじめとした多様な活動を青少年が体験できるよう,その機会を組織的・計画的に提供して,体験活動を通じた学習習慣を青少年の生活に根付かせることが必要である。

【体験を通じた青少年の試行錯誤や切磋琢磨(せっさたくま)を大人が見守り支援する】

  •  青少年が自立に向けて意欲を高め行動に当たっての手段・方法を身に付けるためには,机上の学習だけでは十分でなく,経験によって得られる技能や体感などの生きた知識,すなわち経験知(暗黙知)を体得することが欠かせない。経験知とは,失敗や苦労を重ねつつそれを乗り越え,挑戦を繰り返す中で体得できるものであり,また,このような試行錯誤を通じて,青少年は「自分にもできたのだ,がんばればできるのだ」と自らの成長を実感するとともに,判断力や選択能力等を培い主体性をはぐくむことができる。
     このため,青少年の成長過程にあっては,効率を追求して間違いや失敗のない必要最小限の経験を大人が選んで青少年に行わせることが必ずしも最善とは言えない。青少年自身が多様な体験を通じて試行錯誤する中で成長実感を得るとともにつまずきを乗り越える自信と力量を養い,経験知を獲得し,主体性をはぐくむことが必要である。
  •  また,仲間と共に行う活動では,対面コミュニケーションを通じて対人関係能力を培うことができる。また,それだけでなく,「仲間には負けないようがんばるぞ」と良きライバルとして互いを高め合ったり,「仲間と一緒にがんばろう」と協力して知恵を出し合ったり,励まされ慰められたりすることなどを通じて,一人きりでの経験では味わえない多くの物事を学ぶことができる。さらに,行動に踏み出すことを躊躇(ちゅうちょ)しているときにも,行動に踏み出した仲間の姿を見たり仲間に背中を押されたりすることによって,結果を恐れずに挑戦することができ,その結果,挑戦できた自信を得て新たな意欲を持てることもある。
     例えばスポーツは,体力を培うのみならず,同一のルールの下で仲間が互いに競うことを通じて,互いの能力を最大限に発揮してこれを伸ばすとともに,ルールを大切にして他人に対する思いやる気持ちを持つというフェアプレイの精神を培う活動である。青少年期には,このような仲間と切磋琢磨(せっさたくま)できる体験活動が欠かせない。
  •  このように,試行錯誤や切磋琢磨(せっさたくま)ができる体験活動は,経験知を体得し主体性をはぐくむ機会と成長実感を青少年に与え,新たな意欲を喚起し,青少年の自立への意欲を高め,行動を促すという高い教育効果をもたらす。このため,大人側には,青少年の体験を通じた試行錯誤や切磋琢磨(せっさたくま)を見守り支える許容力と忍耐力が求められる。

方策

◎ 青少年の生活圏内に多様な体験を提供する場や機会をつくる

 これまで,文部科学省では,放課後や週末等における青少年の様々な体験活動や地域住民等との交流活動などを進めるため,学校等に安全・安心して活動できる子どもの居場所を設ける「地域子ども教室」や,地域のスポーツ施設等を拠点として楽しみながらスポーツ活動を行う「総合型地域スポーツクラブ」といった活動拠点づくりを,地域の実態等を踏まえて積極的に進めるよう促してきた。
 また,心と体の相伴った成長を促すため,社会性や克己心,自立心の涵養(かんよう)に加え,文化芸術体験活動を通じた豊かな感性や創造性の育成や,ボランティア活動をはじめとする多様な体験活動を通じた公共心や道徳心の育成も求められている。
 文化芸術活動については,子どもたちが優れた芸術文化や歴史的な文化の所産に触れる文化活動に参加できるよう,学校の体育館等で本物の舞台芸術に触れる機会の確保,学校の文化活動の推進,文化体験プログラム,学校や文化施設等で伝統文化に関する活動を計画的・継続的に体験・修得できる「伝統文化こども教室」などの取組を行っている(事例5)。
 また,平成13年7月に学校教育法が改正され,学校においても社会奉仕体験活動や自然体験活動等の体験活動の充実に努めることとされたことを受け,各学校において,発達段階に応じて様々な体験を通じた学習が行われている。さらに,平成13年4月に創設された「子どもゆめ基金」(注14)を通じて,地域の草の根団体が行う子どもを対象とした様々な体験活動や読書活動に対して助成が行われている。
 その結果,子どもに多様な体験活動を提供する動きが全国各地に広がっている。
 しかしながら,データ(図34,35 P38,39)が示すように,青少年の直接体験はいまだに乏しいという現状もあり,今後は,青少年の生活に体験活動を根付かせるよう,環境や体制の整備を一層進めることが必要である。
 青少年の生活に体験活動を根付かせるためには,青少年の生活圏内に多様な体験活動を提供する場や機会が幅広く用意されることが必要である。このため,国や自治体等において引き続き上記のような青少年の活動拠点づくりを積極的に進めるとともに,各拠点での活動が地域に根付くよう,必要な支援を行うべきである。
 特に,安全・安心して活動できる子どもの居場所づくりに対応した取組については,厚生労働省の「放課後児童健全育成事業」(注15)と一体化あるいは連携した「放課後子どもプラン」の創設が平成19年度に予定されており,同プランの効率的かつ円滑な全国的実施が期待される(事例6)。また,「総合型地域スポーツクラブ」は,青少年に対して身近な地域でスポーツに親しむ機会を広く提供できるものであることから,すべての青少年がその機会を得られるよう全国の各市町村において少なくとも一つのクラブ創設が目指されるとともに,各クラブの活動が地域の青少年の実態等に応じてより一層充実されることを強く期待したい(事例7)。加えて,青少年がよりスポーツに親しむためには,発達段階や性別の違いなどに応じて多様な指導ができるスポーツ指導者の存在が不可欠であるため,自治体やスポーツ団体等が中心となって指導者養成,資質の向上にも取り組むことを期待したい(事例8)。
 学校においては,学校教育の機能を生かして計画的・体系的に体験活動を推進し,児童生徒の生活に体験を通じた学習を根付かせるよう努めるべきである。特に,児童生徒の運動に親しむ資質や能力の育成に当たっては,児童生徒が体を動かすことを楽しみ,スポーツや体力の向上に自ら積極的に取り組むようになることに留意しつつ,始業前や休み時間に体を動かす場や機会を確保するなど,体育の授業だけでなく学校教育活動全体を通じた工夫が期待される(事例9)。
 また,各地域において様々な青少年団体が活躍しており,青少年に様々な体験活動の機会を提供するとともに,地域での異年齢交流や異世代交流の機会を提供し,青少年がこれらの活動を通じて地域に愛着を感じ地域社会へ参画・貢献する意欲を高めるよう支援している。
 多様な人々との交流が自己を客観視できる力や社会性を培うことから,より多くの青少年が地域の青少年団体に参加するなどして多様な交流体験を積むことが大切である。一方,少子化等の影響もあり,各青少年団体においては会員数等の減少傾向が続き,その多くが将来に不安を抱えている。このため,青少年団体については,より多くの青少年が団体での活動を通じた成長の機会を得られるよう,青少年の参加を促すとともに,青少年の現代的課題に対応した魅力ある活動を提供したり,少人数でも行える教育効果の高い活動プログラムを開発するなど,各地域の現状に対応しつつ活動の充実を図ることが望まれる。また,各団体の活動の充実を図る上で組織基盤が安定していることは不可欠であり,「子どもゆめ基金」をはじめとした民間団体への助成事業の充実を図ることや,特定非営利活動法人(NPO法人)(注16)や公益法人に適用される税制上の優遇措置の活用を促すこと等を通じて,青少年団体の育成に向けた取組を推進する必要がある。
 家庭においては,地域で行われている体験活動の情報を学校や「子どもセンター」(注17)等を通じて積極的に入手し,特に週末や夏休み等に子どもが多様な体験活動に継続して参加できるよう,子どもと一緒に計画を立てることなどを通じて子どもの体験活動への参加を促すとともに,子どもの挑戦や体験の成果を積極的に評価し,愛情を持って励まし,体験を通じた心と体の成長を図っていただきたい。

事例5:山口地区伝統芸能保存教室(岐阜県中津川市)

 地元神社の氏子総代が中心となって設立された「山口地区伝統芸能保存会」が人口減少により存続の危機にあった神社祭礼を保存するため,学校の協力を得て山口地区伝統芸能保存教室を開催しています。

 小学校高学年から中学生を対象に6月から7月と2月から3月の間に週二回放課後に公民館を活用して神楽舞(かぐらまい)と囃子(はやし)の教授を行っています。運営に当たっては小中学校の全面的な協力を得て,学校行事の調整などにより生徒が参加しやすい環境を整えています。
 教室の成果を神社の祭礼に奉納したところ,見学者から過去の祭礼に劣らぬ出来栄えとの賞賛を受け,祭礼の見物者も増えるなど,神社はかつてのにぎわいを取り戻しました。

事例6:東京都豊島区「子どもスキップ」 (「放課後子どもプラン」の先行事例)


 小学校施設を活用して,全児童を対象とする育成事業と放課後児童クラブを総合的に展開しています。学校の教室,校庭,体育館などを活用し,小学生1年生から6年生までの児童を対象として,自主的な参加の下に遊びを通して,子どもたちが交流を広げる事業です。

事例7:NPO法人ソシオ成岩(ならわ)スポーツクラブ(愛知県半田市)

 地域の青少年健全育成組織「成岩地区少年をまもる会」が設立母体となり,中学校と連携した小中一環の総合的なクラブを立ち上げようとする「成岩スポーツタウン構想」の下に,平成8年に成岩スポーツクラブが設立されました。家族での入会を奨励するなど家庭がクラブにかかわる仕組みをつくり,地域全体でスポーツを通じた子どもの健全育成に取り組むための中心的役割を果たしています。平成14年には,成岩中学校体育館が地域住民と学校の共同使用施設として改築され,以来,クラブハウスとして運用されています。1,000人の小中学生を含む,地域住民の13パーセントにあたる2,600人の会員が,興味や能力に応じて参加できる18種目の定期活動や各種イベント,放課後の居場所づくりなど多彩な活動を展開しています。

事例8:財団法人日本体育協会 スポーツ指導者養成事業


 財団法人日本体育協会では,昭和52年に指導者の役割に応じた資格認定と指導体制の確立を目的として「公認スポーツ指導者制度」を創設し,指導者養成に取り組んでいます。平成17年度からは,国民の高度化・多様化するスポーツ実施状況と要望に,より的確に対応した指導を行うことができる資質の高い優れた指導者を養成するため,新たな指導者養成事業としています。その中では,発育発達期にある子どもの身体的・心理的特徴に関する専門的知識と指導ノウハウを身に付けた「ジュニアスポーツ指導員」の養成等を行っています。

事例9:子どもの体力向上実践事業:学校教育充実プログラム(広島県東広島市教育委員会)

 子どもたちの日常生活に運動・スポーツを定着させることを目指して,運動・スポーツの必要性・重要性に対する認識を改善し,学校・家庭・地域が一体となって,日々の生活の在り方について意識の向上を図る取組を実践しています。中でも,学校教育(体育学習,休憩時間,放課後,行事等)を充実させることにより,子どもたちに生涯にわたって運動やスポーツを実践する資質や能力を身に付けさせることを重視しています。その結果,体力に関する子どもたちや教職員,保護者の関心が高まり,学校生活だけでなく家庭においても体力向上に向けた取組が進められるようになりました。

■三ツ城タイムの実施(東広島市立三ツ城小学校)
 地域住民の参加も得て,始業前に全校児童が持久走,なわとび,鬼あそびなどの体育活動を実施し,体を動かす楽しさを味わわせながら,体力の向上を図っています。
■ふれあいサーキットの実施(東広島市立東西条小学校)
 第2校時と第3校時の業間に,学年横断の班構成で9種目の遊び,ゲームを週替わりで行っています。雨天時には,校内のウォーキングコーナーを活用し,体を動かしています。

◎青少年教育施設等を中核として,教育効果の高い体験活動を計画的に提供する

 次代を担う青少年が,健やかな体と豊かな心をはぐくみ,社会の責任ある一員として成長できるよう,青少年教育施設や学校等を中核として,教育効果の高い体験活動を計画的に提供することは,極めて大切なことである。
 これまでも,青少年教育施設は,集団で行う生活体験,社会体験,自然体験など様々な体験活動を提供してきているが,さらに教育効果の高い体験活動を積極的に提供することが求められている。
 体験活動の中でも,集団で行う自然体験活動には学習等への意欲や道徳観・正義感を高め,積極性や協調性,判断能力をはぐくむ効果の高いことが明らかとなっている。しかし,自然体験活動は変化の予測が難しい自然を題材として行うため,活動を企画し指導する者に教育者としての専門性に加え,安全管理等の専門性も要求されることもあり,自然体験活動の重要性は広く認識されているにもかかわらず,青少年の自然の中での活動は年々減少している。特に,学校や青少年教育施設,青少年団体の活動を通じた体験に比べ,家族や友人と自主的に行う活動を通じた体験の減少が著しい。青少年に教育効果の高い自然体験活動を行わせるには,学校や青少年教育施設,青少年団体による活動の提供の充実をより一層図り,青少年にそれらへの積極的な参加を促す必要がある。また,自然体験活動のみならず,生活体験,社会体験など様々な体験活動を体験させるためには,学校や青少年教育施設,民間団体による活動の機会や場の提供の充実を一層図るとともに,青少年に積極的な参加を促す必要がある。
 国公立の青年の家や少年自然の家等の青少年教育施設は,これまで青少年に集団で行う生活体験,社会体験,自然体験など様々な体験活動を提供する地域の中核的な施設として,学校等の関係機関と連携して体験活動プログラムを開発して提供し,指導者の育成を行っている(事例10,11)。また,民間団体においても,幅広い目的に対応した指導者を養成し,国公立の青少年教育施設や学校等とも連携・協力しつつ,青少年に様々な体験活動の機会を提供している。
 その一方で公立の青少年教育施設においては,近年,自治体の財政状況悪化等の理由により指導者数や事業数が削減されたり,施設の統廃合が進められたりしている例が見られる。また,指定管理者制度の導入に当たって,経済性・効率性の側面が強調される傾向があり,これまで施設が蓄積してきた指導ノウハウやプログラムが円滑に管理者に引き継げるか,施設における教育効果の高い体験活動の提供が維持できるかが課題であるとの指摘もある。
 国立の青少年教育施設については,青少年期全体を見渡して青少年をめぐる諸課題に総合的・実践的に対応するため,平成18年4月に独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター,独立行政法人国立青年の家及び独立行政法人国立少年自然の家が発展的に統合し,独立行政法人国立青少年教育振興機構(注18)が発足した。今後は,本機構が我が国の青少年教育の中核機関としての機能を果たし,公立施設等をめぐる状況の変化にも対応しつつ,公立施設等の事業の質や指導者の専門性を高めるよう,これまで以上にモデルとなる体験活動プログラムの開発や指導者育成事業に力を注ぐことが強く期待される。
 また,公立施設においては,地域の保護者等に青少年が体験活動を行うことの重要性を強く訴えるとともに,国立施設や民間施設・団体等とも連携・協力し,地域の青少年の実態や学校における教育課題等を的確にとらえた体験活動プログラムの開発と提供に努めることが期待される。
 特に指導者の専門性が要求される自然体験活動については,国公立や民間の青少年施設・団体等が連携・協力して,これまでの自然体験活動の効果等に関する知見も踏まえ,青少年の発達段階に応じた教育効果の高い,青少年の意欲をはぐくみ生活に根付くような自然体験活動プログラムの開発を進めるべきである。具体的には,例えば幼児を対象とした五感を存分に使い自然と触れ合う体験活動(事例12)や,小中学生を対象とした主体性をはぐくむ長期の自然体験活動(事例13),高校生・大学生等を対象とした自然体験活動のリーダー養成(事例14)等のプログラムを,サマーキャンプ(注19)等の諸外国の事例も参考としながら開発する必要がある。また,これらのプログラムの普及を担う指導者の育成を図るため,大学や青少年団体といった各種機関等における指導者養成事業等の充実が期待されるとともに,これら各種機関等と機構が連携を深め,指導者養成プログラム等を一層開発することが求められる。

事例10:「総合的な学習の時間」等共同研究開発事業 (国立諫早青少年自然の家)

 学社融合(学校教育と社会教育における機能の相互補完)の視点から,青少年自然の家の職員と教員が,青少年自然の家における自然体験活動や生活体験活動等を通じて,各学校の目的に沿った質の高いプログラムを企画・運営します。このような過程を通して得た問題解決的な学習の手法などを学校における日常の教育活動に生かすことをねらいとしています。

 具体的には,青少年自然の家の職員が研究協力校の担当教員と共同でプログラムを企画したり必要に応じてプログラムの提案を行います。この他,青少年自然の家の職員は研究協力校の宿泊学習までのスケジュールに合わせて,必要に応じ,事前指導,職員研修,保護者説明会へ参加します。さらに,プログラム終了後当該教育プログラムや学習手法が日常の教育活動に生かされているか,職員が学校訪問をし,学級経営等の相談を行います。

事例11:青少年教育指導者「基本研修」「専門研修」(独立行政法人国立青少年教育振興機構)

 青少年教育指導者に求められる共通の知識・技術である『企画力』『指導力』『運営力』について,体系的に向上を図るための研修です。

 「基本研修」は青少年教育指導者として必要な事業企画や指導・運営の基本的知識・技術を習得します。「専門研修」は,青少年教育指導者としての能力の向上を図るため,青少年教育にかかわる事業・職務に必要な企画力・指導力・運営力など専門的知識・技術等の一層の向上を図ります。

事例12:幼児低学年児童キャンプ1大自然に“い〜っぽ”, 2大自然に“に〜ほ”め(国立花山青少年自然の家)


 5歳〜小学2年生を対象とした異年齢での協同的な野外生活とともに,保護者を対象とした自然体験等の実習や,体験を経た子どもたちへのかかわり方等に関する講義を通して,自然体験活動の意義と効果への理解を促し,体験の効果を日常で更に深めることにつなげています。

事例13:キャンプとお手伝いの旅 (国立妙高青少年自然の家)


 小学4年生〜6年生を対象に,15日間にわたる体験活動を通して,主体性や社会性をはぐくむことを目的としています。第1ステージの3日間では野外生活を行い,異年齢集団の中での生活や社会奉仕体験,自然体験,野外スポーツ体験等の活動を通して,働くことへの関心や仲間とのかかわり方,役割や責任を果たすことの大切さを体験します。第2ステージの6日間では,自らの意思と責任によって活動を選択し,協力家庭に住み込みながら衣食住及び勤労を共にします。民泊先での生活を通して,働くことの意義や他者とのかかわり方,社会生活における役割や責任,自ら判断し主体的に行動する力等を養います。最後の第3ステージの6日間では,それまでの活動を振り返り,分かち合い,グループとしてできることを企画立案し,旅をしながら実施することを通してコミュニケーション能力や情報活用能力,意思決定能力等を培い,将来の自分の夢に向かって努力するなどの目標を持つことをねらいとしています。

事例14:キャンプボランティア実践講座 1基礎から学ぼう野外活動 2ボランティアと子どもたちのわくわくキャンプ(国立阿蘇青少年交流の家)


 組織キャンプの企画・運営・実施に主体的に参画することを通して,次代の青少年教育を担うリーダーとしての資質向上を図るため,高校生・大学生及び社会人ボランティアの育成を目指します。具体的には,1実行委員会での事業の企画立案を行う,2スタッフの共通理解と組織づくりを行う(2泊3日),3実際にキャンパーを募り,実践を行う(7泊8日),4講座を振り返り次につなげる,という企画立案から実践までの各段階にボランティアが参画する中でリーダーとしての資質能力を修得する事業です。

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