第3章 青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促すために−重視すべき視点と方策−2.すべての青少年の生活に体験活動を根付かせ,体験を通じた試行錯誤や切磋琢磨(せっさたくま)を見守り支えよう
重視すべき視点【多様な体験活動の機会を提供し,体験活動をすべての青少年の生活に根付かせる】
【体験を通じた青少年の試行錯誤や切磋琢磨(せっさたくま)を大人が見守り支援する】
方策◎ 青少年の生活圏内に多様な体験を提供する場や機会をつくる これまで,文部科学省では,放課後や週末等における青少年の様々な体験活動や地域住民等との交流活動などを進めるため,学校等に安全・安心して活動できる子どもの居場所を設ける「地域子ども教室」や,地域のスポーツ施設等を拠点として楽しみながらスポーツ活動を行う「総合型地域スポーツクラブ」といった活動拠点づくりを,地域の実態等を踏まえて積極的に進めるよう促してきた。 事例5:山口地区伝統芸能保存教室(岐阜県中津川市) 地元神社の氏子総代が中心となって設立された「山口地区伝統芸能保存会」が人口減少により存続の危機にあった神社祭礼を保存するため,学校の協力を得て山口地区伝統芸能保存教室を開催しています。 事例7:NPO法人ソシオ成岩(ならわ)スポーツクラブ(愛知県半田市)地域の青少年健全育成組織「成岩地区少年をまもる会」が設立母体となり,中学校と連携した小中一環の総合的なクラブを立ち上げようとする「成岩スポーツタウン構想」の下に,平成8年に成岩スポーツクラブが設立されました。家族での入会を奨励するなど家庭がクラブにかかわる仕組みをつくり,地域全体でスポーツを通じた子どもの健全育成に取り組むための中心的役割を果たしています。平成14年には,成岩中学校体育館が地域住民と学校の共同使用施設として改築され,以来,クラブハウスとして運用されています。1,000人の小中学生を含む,地域住民の13パーセントにあたる2,600人の会員が,興味や能力に応じて参加できる18種目の定期活動や各種イベント,放課後の居場所づくりなど多彩な活動を展開しています。 事例9:子どもの体力向上実践事業:学校教育充実プログラム(広島県東広島市教育委員会)子どもたちの日常生活に運動・スポーツを定着させることを目指して,運動・スポーツの必要性・重要性に対する認識を改善し,学校・家庭・地域が一体となって,日々の生活の在り方について意識の向上を図る取組を実践しています。中でも,学校教育(体育学習,休憩時間,放課後,行事等)を充実させることにより,子どもたちに生涯にわたって運動やスポーツを実践する資質や能力を身に付けさせることを重視しています。その結果,体力に関する子どもたちや教職員,保護者の関心が高まり,学校生活だけでなく家庭においても体力向上に向けた取組が進められるようになりました。
◎青少年教育施設等を中核として,教育効果の高い体験活動を計画的に提供する 次代を担う青少年が,健やかな体と豊かな心をはぐくみ,社会の責任ある一員として成長できるよう,青少年教育施設や学校等を中核として,教育効果の高い体験活動を計画的に提供することは,極めて大切なことである。 事例10:「総合的な学習の時間」等共同研究開発事業 (国立諫早青少年自然の家) 学社融合(学校教育と社会教育における機能の相互補完)の視点から,青少年自然の家の職員と教員が,青少年自然の家における自然体験活動や生活体験活動等を通じて,各学校の目的に沿った質の高いプログラムを企画・運営します。このような過程を通して得た問題解決的な学習の手法などを学校における日常の教育活動に生かすことをねらいとしています。 事例13:キャンプとお手伝いの旅 (国立妙高青少年自然の家)
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