登山研修所の概要

1 設置経緯

 昭和30年代後半の登山において遭難事故が続出したことを発端に、山岳事故を未然に防止し、安全な登山を全国的に普及するため、登山指導者の養成を行うことを目的に、国直轄の登山指導者研修施設として、昭和42年、富山県立山町に設置

2 事業内容

1 登山指導者養成のための研修

 大学山岳部等のリーダー、高等学校等の教職員、警察・消防関係者などを対象に、現在年間9本の研修会を主催
 また、全国の山岳関係者を一堂に集めての「全国山岳遭難対策協議会」、全国3箇所で「中高年安全登山指導者講習会」を共催

2 登山に関する調査研究

 登山に関する技術、運動生理学、医学、食糧、気象、遭難等の調査研究を実施し、毎年度「登山研修」という冊子を発行

3 組織

 所長、専門職2名、管理係長の計4名
 研修の講師(平成15年5月から「登山指導員」へと改称)は、基本的には、外部の者を任用

4 施設

 本館(トレーニング室など)、低酸素室、スポーツクライミング用人工壁、夏山前進基地、冬山前進基地、ロッククライミング訓練施設、スキー場

5 予算額

 平成19年度 75,831千円(うち施設整備費34,022千円)

【昭和30年代後半の主な遭難事故】

昭和35年 谷川岳で2名遭難。自衛隊が集中銃撃してザイルを切断し、遺体を収容。
昭和35年 富士山で雪崩のため早稲田大、東京理科大生ら11名死亡、30名重軽傷
昭和35年 赤谷山で富山大生が豪雪のため遭難、6名死亡
昭和37年 正月4日間の冬山事故で23名死亡、行方不明1名、負傷者32名
昭和38年 北海道旭岳で北海道学芸大生が遭難、10名死亡
昭和38年 薬師岳で愛知大生が遭難、13名死亡
昭和39年 岩木山で大館鳳鳴高校山岳部員が遭難、4名死亡

【登山研修所主催事業の概要】

名称 参加対象者
大学生登山リーダー研修会 夏山1 大学山岳部・ワンダーフォーゲル部等のリーダー及びリーダー候補の男女学生
夏山2
冬山 休止中
山岳遭難救助研修会 A 警察・消防・自衛隊等、職務で山岳救助に携わる者
B 民間救助組織の指導的立場にある者、山岳会(クラブ)の会長の推薦する者、大学山岳部等のリーダー及びリーダー候補の男女学生
高等学校・高等専門学校登山指導者研修会(夏山) 高等学校・高等専門学校における登山指導者
社会人登山リーダー研修会 1 都道府県山岳連盟(協会)の指導委員、山岳会(クラブ)の会長の推薦する者、大学の山岳関係クラブの指導者、都道府県・市区町村教育委員会事務局における登山担当者及び地域・職域における登山指導者、高等学校・高等専門学校等の登山指導教職員
2
冬山 休止中
登山指導員研修会 春山 登山研修所が主催する一般研修会の登山指導員及び登山指導員候補者
冬山

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