障害者の生涯学習の推進を担う人材育成の在り方検討会(第1回)議事要旨】

1.日時

(第1回)令和2年9月18日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省総合教育政策局会議室

3.議題

  1. 事務局挨拶及び出席者紹介
  2. 本検討会設置趣旨および今後のスケジュールについて
  3. 障害者の多様な学習活動を総合的に支援するための実践研究事業について
  4. 障害者の生涯学習推進のための事例集作成について
  5. その他意見交換

4.配付資料

5.議事要旨

(1)事務局挨拶及び出席者紹介
【出席者紹介の後、運営規則について確認(資料2)。全員了承。】
 
(2)本検討会設置趣旨および今後のスケジュールについて
【事務局から趣旨および今後のスケジュール等の説明(資料1・3・4)】
 
(3)障害者の多様な学習活動を総合的に支援するための実践研究事業について
【事務局から実践研究事業における人材育成に関するアンケート(案)の内容を説明(資料5・6)】
 
(青山委員)記述式のアンケートだと、回答者側の負担が大きいのではないか。質問によっては、選択肢があると良いと思う。
 
(大森委員)当事者本人の声や学びによる変化が反映できると良い。難しいかもしれないが、アンケート以外の方法での回答方法もあると良いのではないか。
 
(志々田委員)H30年度に実施した調査や有識者会議の報告との整合性があるものとし、事業の成果の検証につなげるべきである。また、主体的な学びが見えるように、当事者の声を拾い上げられるものとなると良い。
 
(梶野委員)このアンケート結果をどのように次の施策へつなげていくかが重要ではないか。
 
(事 務 局)中長期的な狙いであるが、地方自治体(市町村)での取組を増やしていきたいと考えている。このアンケートを通じ、各団体で開発されたプログラムを面的に展開していくための材料として検証していきたい。
 
(梶野委員)事業評価の質的な検証は必要であるが、到達点をどこにするのか、もう少し軸をはっきりしたほうが良い。また、期待される結果を引き出すためにも、回答者側にも、このアンケートの趣旨が伝わるように工夫できると良い。
 
(平井委員)障害者青年学級を担当する公民館職員の中には「福祉でやるべきことを、公民館が代わりにやっている」という感覚をもっている職員もいた。現場職員が、障害者の生涯学習の意義を再確認していくうえでも、当事者の変化や変
容が見えてくると意識が変わる。
 
(事 務 局)障害者の生涯学習に関する行政の窓口も、福祉の部局に移っているところが多い。
 
(津田委員)このアンケートは、事業途中で実施することになる。タイミングとしては、事業終了後では遅いか。
 
(大森委員)事業終了後に提出する成果報告書には、成果ばかりを載せがちで、課題が潜在化しやすい。事業の途中で感じる課題点も吸い上げていく必要がある。事業の中で、さまざまな主体との繋がりを作っていく役目がコーディネータ
ーであると思うので、その実際の意見が集められたら良い。
 
(津田委員)事業の推進担当者ではない人が重要な役割を担っているパターンも有り得る。
 
(梶野委員)事業の前後を比較し、その変容要因が探ることができると良い。例えば当事者の学びや言葉から何を学び取っていたかなど、事業推進担当者やコーディネーター自身の認識変容にも着目できると良いのではないか。
 
(青山委員)当事者はもちろんであるが、障害の有無に関わらず、関わる人すべてに学びがあることが見えるようなアンケートにできると、社会教育らしいものとなる。
 
(平井委員)実践研究団体が、どのような人を巻き込んで実践をしてきたか、リアルな声を拾い上げていきたい。当事者や支援者の属性、活動内容、変化等をチェック形式で吸い上げることができないか。
 
(津田委員)そろそろ議論をまとめていきたい。実践研究の中でも、サブコーディネーターや保護者の親など、本来のコーディネーター以外の人が、事業推進の中心となって、力を発揮していた事例がある。もともと専門性がなかった人も、活動を通じて力をつけていっていることもあるかもしれない。このアンケートには事業の効果測定までいれずに、人材育成や連携・ネットワークに焦点を絞って、後半の設問を中心にしてはどうか。
 
(事 務 局)各委員からの意見をもとに、事務局で第2案を作成したい。メール等で各委員に確認をしてもらった後、アンケート調査を実施する。
 
(4)障害者の生涯学習推進のための事例集作成について
【事務局から今後作成を進める事例集のイメージについて説明(資料7)】
 
(津田委員)どんな事例集にするか、イメージを話し合っていきたい。
 
(志々田委員)社会教育の現場で働く職員が、障害者の学びに関わることに積極的でない様子もよく見ている。社会教育に必要なことを考えると、公民館等は地域づくりの拠点として、多様な人が集う場とならなければならない。例えば、
公民館の事例としては、障害者の生涯学習に取り組んだ結果、施設がこれだけ魅力的なものになった、という事例があると良い。
また、読み手のターゲットをどこにするかにもよるが、特別支援学校のコミュニティスクール化について、学校の先生に知ってもらえるようなものになると良いのではないか。
 
(平井委員)特別支援学校は人材の宝庫であるが、学校の先生に余裕がない現状もある。しかし、地域コミュニティの中に特別支援学校がしっかり位置づくという考え方は重要である。
 
(志々田委員)特別支援学校のコミュニティスクールは、もともと社会福祉協議会や福祉施設とつながりがあるが、新しいネットワークが拡がりにくい。コミュニティスクールにも公民館などが関われば、さらに可能性が拡がると思う。
そのような事例があれば、紹介できると良い。
 
(青山委員)アンケートの議論にも関わるが、当事者が学びの場の運営に関わっているものや、一緒に創りあげている様子が伝わるものや、そのような視点が入っている事例があると良いのではないか。
 
(梶野委員)誰にこの事例集を読んでもらうのが効果的なのかを考えたい。高校の先生でも、コミュニティスクールにあまり関心のない人がいるのも事実である。社会教育の現場にずっといて、従来の社会教育の枠組みに囚われてしまっている人よりも、地域の中で、学校や行政などに対して様々な仕掛けをしている人に届くとよいのではないかとも思う。
 
(大森委員)固定化された考え方のバリアをどうしたら壊せるか、この事例集の見せ方にも工夫ができると良いと思う。写真をたくさん使うなども重要だと思う。読み手に「こんなこともあんなこともできるんだ!やってみたい!」と感じてもらえるような内容にできると良いと思う。
事例集のイメージがまだよく湧かないが、実践していて感じるのは「支援者が学んでほしい事と当事者の学びたいことは違う」ということである。学習プログラムを考える時、支援者の視点をベースに企画を進めてしまいがちであるが、当事者が主体的に活動していけるよう企画段階から当事者目線で考えていく視点は大切である。そうしたことが伝えられるような内容になると良いと思う。
 
(青山委員)ネガティブな言い方であるが、各自治体も障害者の生涯学習について、そろそろ何か取組を始めなければならないという雰囲気が出始めているのではないかと思う。最初は上から降ってきた施策という捉え方をされていたとしても、現場が動き始めると、そこから生まれてくるものも多い。そのような動きがあるのであれば、そこが読み手のターゲットとなり得るのではないか。
 
(津田委員)まずは社会教育・公民館をターゲットとし、内容としては当事者の参画や、当事者自身が見てもわかるようにする、そのようなエッセンスを大事にしていきたい。読んでもらうためにも、まずは目にとめてもらわないと意味がない。
 
(事 務 局)図書館や博物館、美術館など、社会教育施設の事例の範囲はどこまでとするべきかご意見をいただきたい。
 
(青山委員)1冊の中にたくさんの事例が載っていて読み手が分散してしまうよりは、公民館・生涯学習センターに絞ったほうが良いのではないかと思う。
 
【事務局より、過去の調査研究の事例等を紹介】
 
(津田委員)障害種別をどう考えるかもある。事例があるようであれば、掲載する方向で検討していったらどうか。
 
(事 務 局)本日いただいた意見をもとに事例集のイメージをもう少し具体化し、次回検討会でお示ししたい。
 
(5)その他意見交換
【事務局より次回会議日程について候補日を提案。協議の結果、11月18日(水曜日)16:00~18:00(会場未定)に実施することに決定。】
 

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室

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