資料2‐11 特別支援教育に係る教育課程の基準の改善について
学習指導要領全体の見直しについて、中央教育審議会等において、各学校種ごと、各教科ごとに議論が行われ、平成20年1月17日には「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(答申)がとりまとめられ、幼稚園教育要領、小学校学習指導要領、中学校学習指導要領については平成20年3月28日告示がなされた。
高等学校、特別支援学校の学習指導要領については、本年秋を目途に改訂を予定し、必要な検討を行っている。
特別支援教育に関する教育課程の改善に係る主な論点は以下のとおりである。
特別支援学校の教育課程に係る答申の概要(平成20年1月17日答申)
幼稚園、小・中・高等学校に準じた改善を図るとともに、障害の状態等に応じた指導の一層の充実を図る観点から、次のような改善を図る。
障害の重度・重複化、多様化への対応
- 障害の重度・重複化や発達障害を含む多様な障害に応じた指導を充実するため、他の人とのかかわりに関することなどを指導内容として示す。
(例:他者とのかかわり、他者の意図や感情の理解、集団への参加など)
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の専門家の一層の活用
一人一人の実態に応じた指導の充実
- 一人一人の子どもに応じた指導を行うための「個別の指導計画」を作成
- 学校、医療、福祉、労働等の関係機関が連携し、一人一人のニーズに応じた支援を行うための「個別の教育支援計画」の策定
自立と社会参加に向けた職業教育の充実
- 卒業後の就労状況等を踏まえ、高等部の専門教科「福祉」を新設
- 地域や産業界と連携し、現場実習の充実や企業関係者等の積極的活用
交流及び共同学習の推進
- 幼稚園、小・中・高等学校等の子どもたちとの交流及び共同学習を一層推進
幼、小、中学校における特別支援教育に係る改訂の要点(平成20年3月28日告示)
- 学校全体で特別支援教育に取り組むための校内支援体制の整備
- 一人一人の実態等に応じた指導の充実
- 交流及び共同学習の推進
幼稚園教育要領
第3章 指導計画及び教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項
第1 指導計画の作成に当たっての留意事項
2 特に留意する事項
- (2)障害のある幼児の指導に当たっては,集団の中で生活することを通して全体的な発達を促していくことに配慮し,特別支援学校などの助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉などの業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の幼児の障害の状態などに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
- (3)幼児の社会性や豊かな人間性をはぐくむため,地域や幼稚園の実態等により,特別支援学校などの障害のある幼児との活動を共にする機会を積極的に設けるよう配慮すること。
小学校学習指導要領
第1章 総則
第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
2 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。
- (7)障害のある児童などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。特に,特別支援学級又は通級による指導については,教師間の連携に努め,効果的な指導を行うこと。
- (12)学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,小学校間,幼稚園や保育所,中学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること。
中学校学習指導要領
第1章 総則
第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
2 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。
- (8)障害のある生徒などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。特に,特別支援学級又は通級による指導については,教師間の連携に努め,効果的な指導を行うこと。
- (14)学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,中学校間や小学校,高等学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること。
幼稚園教育要領(平成20年3月告示) |
保育所保育指針(平成20年3月告示) |
第3章 指導計画及び教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項
- 第1 指導計画の作成に当たっての留意事項
- 特に留意する事項
- (2)障害のある幼児の指導に当たっては、集団の中で生活することを通して全体的な発達を促していくことに配慮し、特別支援学校などの助言又は援助を活用しつつ、例えば指導についての計画又は家庭や医療、福祉などの業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより、個々の幼児の障害の状態などに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと。
- (3)幼児の社会性や豊かな人間性をはぐくむため、地域や幼稚園の実態等により、特別支援学校などの障害のある幼児との活動を共にする機会を積極的に設けるよう配慮すること。
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第4章 保育の計画及び評価
- 保育の計画
- (三)指導計画の作成上、特に留意すべき事項
- ウ 障害のある子どもの保育
- (ア)障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。
- (イ)保育の展開に当たっては、その子どもの発達の状況や日々の状態によっては、指導計画にとらわれず、柔軟に保育したり、職員の連携体制の中で個別の関わりが十分行えるようにすること。
- (ウ)家庭との連携を密にし、保護者との相互理解を図りながら、適切に対応すること。
- (エ)専門機関との連携を図り、必要に応じて助言等を得ること。
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