資料2‐9‐1 「発達障害早期総合支援モデル事業」平成19年度指定地域における主な取り組み
栃木県大田原市(人口:78,366人)
研究課題
就学前から就学に向けた発達障害の早期発見・早期支援体制の構築
-5歳児健診を核とした就学指導との連携を目指して-
1.組織形態
当事業における取り組みについて、5歳児健診以外は教育委員会の主導で進めているが、福祉部と連携協働の上実施している。
4つの専門部(発達相談部、健康診査部、就学指導部、調査研究部)を設けており、各々教育委員会、市部局、大学、特別支援学校、言語聴覚センター、児童相談所等の関係者で構成されている。(別添1 事業全体の概念図)
2.早期発見の取り組み
1.5歳児健診の実施
- 平成19年度は健康課と学校教育課との共催で実施。情報の共有化が図られ、就学指導に生かすことができた。
- 医師や保健師等が園へ出向く訪問健診方式の結果、受診率が96.0パーセントであった。
- 5歳児健診後のフォロー体制の充実を図る必要がある。

<5歳児健診(室内)での観察>
3.早期支援の取り組み
1.個別相談の実施や医療療育機関への紹介等
- 5歳児健診後に個別相談等を実施した。(心理相談員による発達検査、発達相談、言語聴覚士による言語相談等)
2.保護者向け講演会の実施
- 保護者が多く集まる就学時健康診断時に、発達障害を含む特別支援教育についての講話を実施した。
- 幼保小中の保護者、園・学校関係者、一般市民を対象にした発達障害セミナー(女優 五十嵐めぐみさんを講師に招いたトークショー)を実施した。

4.学校等への円滑な移行方法の工夫
1.2種類の個別の支援計画の策定
- 保護者と各教育機関・医療機関等をつなぐ「のびのびノート」(別添2)と、幼稚園・保育所から小学校へと支援内容を引き継ぐ「ぼく・わたしの成長ノート」(別添3)を作成。
- 今後は園や小学校の負担軽減のため、「ぼく・わたしの成長ノート」と就学指導委員会提出資料の一本化を検討。
2.幼保小連携協議会の設立
- 私立も含めた幼保小連携協議会を設立。これにより、保育所が教育委員会主導の取り組みに積極的に関わるようになった。また、園と小学校との情報交換の場を設けたり、入学してから学校への適応状況を1ヶ月後、夏休み前を目安に小学校から園へ伝えてもらうなどにより、連携や情報共有が進んだ。
5.その他
1.発達障害に関する幼保小中合同研修会の実施
- 幼保小中の教諭、保育士、学校支援員等の発達障害への理解啓発のため、年間6回の合同研修会を実施した。