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4 勤務時間の弾力化

(1)1年単位の変形労働時間制

  •  平成18年の「教員勤務実態調査」の結果によれば、夏季休業期間中の残業時間は、他の学期中の残業時間に比べて大幅に少ない現状にある。このような教員の業務の繁閑の差を踏まえて、1年単位の変形労働時間制を導入することは、教員の勤務時間にメリハリを付けることができ、夏季休業期間などの長期休業期間中に教員の自己研鑽や休養の時間を確保することができ、資質向上や健康管理に資するものと考えられる。
  •  しかし、長期休業期間中においても、研修や部活動指導、プール指導、保護者との面談などの業務があり、勤務時間を短くすることは困難ではないかという意見もある。
     仮に1年単位の変形労働時間制を導入するのであれば、長期休業期間中における業務の在り方を見直すことが必要となる。
     また、現在、地方公務員には1年単位の変形労働時間制に係る労働基準法の規定は適用除外となっているため、公立学校の教員への適用の可否について法制的な観点からの検討も必要である。
  •  長期休業期間中の勤務時間の在り方については、このような期間に学校としてどのような業務を行うべきなのか、その業務について学校の教職員がどのような役割分担を行うべきなのかなどの問題とも密接に関わるため、学校の在り方などの検討を踏まえて、1年単位の変形労働時間制の導入の可否について今後さらに検討すべきと考える。

(2)週休日の振替の促進

  •  学校では、週休日や休日に部活動指導や運動会などの学校行事が行われることが少なくない。
     夏季休業期間などの勤務時間に余裕のある期間の活用を可能とするため、週休日の振替や代休日の指定を弾力的に行うことを促進していく必要がある。
     特に、事前に計画されている週休日の部活動指導などについては週休日の振替を行い、勤務時間を割り振ることが必要であるが、実態としては十分に行われていない状況にある。そのため、今後は長期休業期間中を積極的に活用するなど、週休日の振替が可能となるような方策を検討する必要がある。
  •  その際、現在の長期休業期間中における業務の在り方を見直すことも必要である。
     また、週休日の振替などを弾力化することにより、教員の心身の負担が過度に増大しないよう、適切な期間を設定するなどの配慮が必要である。