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資料3

初等中等教育における国際教育推進検討会報告(案)
−国際社会を生きる人材を育成するために−

はじめに

 今日の世界においては、人・財・資本が国境を越えて移動し、高度情報化の進展により瞬時につながる。地球環境問題の深刻化や人口減少・少子高齢化の進展など我が国を取り巻く環境も大きく変貌している。国際舞台で活躍する日本人が増える一方、日本に居住する外国人の増加など地域社会の国際化も進んでいる。日本の学校でも、海外で生活したことのある子どもや外国人の子どもなどが多数学ぶなど、多国籍化・多文化化が進んでいる。
 社会や生活のあらゆる面でグローバル化(地球規模化)が進んでいる中、例えば環境や人口に見られるように、地域の問題は地球全体の問題につながり、地球のどこかで起きている問題は自らの住む地域に影響する問題となる。
 このような社会においては、広い視野を持ち、異文化を理解するとともに、これを尊重する態度や異なる文化をもつ人々と共に協調して生きていく態度を育成することがますます重要となってきている。と同時に、自国の歴史や文化についての理解を深め、国際化した社会で主体的に生きる個人としての資質と能力を育成することが求められている。
 人類共通の課題として、「持続可能な開発」が重要な課題となっている。平成17(2005)年からの10年間が「国連持続可能な開発のための教育の10年」とされ、国際教育を推進してきたUNESCO(ユネスコ)[国際連合教育科学文化機関]がその主導的機関としての役割を担っている。「持続可能な開発」のためには、個人個人のレベルで地球上の資源の有限性を認識するとともに、自らの考えを持って、新しい社会秩序を作り上げていく、地球的な視野を持つ市民を育成することが求められており、教育に大きな期待が寄せられている。
 また、現代は、国際的な「知」の大競争時代である。我が国が競争力のある国家であり続けるためには、国づくりの基盤として優れた人材が不可欠である。切磋琢磨しながら、新しい時代を切り拓く、心豊かでたくましい日本人の育成を目指して、人間力向上のための教育改革が推進されている。国際教育を推進していくに当たっても、「画一と受け身から自立と創造へ」という理念の下、「挑戦する精神」をもった子どもたちをはぐくんでいくことが大切である。
 このような認識の下、本検討会では、国際化した社会の一員として、国際社会に貢献できる人材を育成するため、初等中等教育における国際教育の在り方について、その基本的な方向性を示すとともに、国際教育を取り巻く現状と課題を多面的に捉えた上で、今後の国際教育の充実のための方策について検討を行った。

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