1 | 目 的 子どもたちが、自己の可能性や適性についての自覚を深め、自らの意志と責任で進路を選択できるようにすることは極めて重要である。今、学校においては、そのためのきめ細かな指導・援助を、一人一人に適切に行うことが求められている。 このため、教員一人一人が、キャリア教育の概念及びキャリア発達のための諸能力を理解し、児童生徒や保護者等とのコミュニケーションのスキル(技能や能力)等、カウンセリングの基礎的な能力・態度・技能を習得するための研修を実施する。 |
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2 | 対 象 各都道府県・政令指定都市等教育委員会指導主事 小・中・高等学校教員(原則として教員歴5年以上が望ましい。) |
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3 | 研修時間 15時間〜20時間 |
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4 | 研修内容
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「講義・演習」題目 | 目 的 | ||
1 | 講義 | 「キャリア・カウンセリング研修」の意義と参加の心構え | キャリア・カウンセリングとその研修の意義を理解することにより、参加者の研修への意識を高める。 |
2 | 講義 演習 |
キャリア教育についての理解 | キャリア教育の概念について理解するとともに、キャリア発達の中核となる能力についての理解を深め、日常生活での活動とつなげることができるようにする。 |
3 | 演習 | コミュニケーションスキルの基礎![]() (2の講義内容を材料として) |
言語的コミュニケーションの基礎である「話す能力」の体系的な実習を通して、その意味を理解するとともに、キャリア教育におけるその意味の理解を深める。 |
4 | 講義 演習 |
児童生徒の心理的・社会的発達の理解 | 児童生徒の心理的・社会的発達について学び、小・中・高等学校段階における児童生徒理解と、それをキャリア教育の実践に生かすことができるようにする。 |
5 | 演習 | コミュニケーションスキルの基礎![]() (4の講義内容を材料として) |
コミュニケーションの基礎である「話す能力」と「聞く能力」を体験し、それぞれの機能の意味を理解する。同時に児童生徒の指導におけるそれらの意味の理解を深める。 |
「講義・演習」題目 | 目 的 | ||
6 | 講義 演習 |
児童生徒の生きる社会環境(職業や産業)についての理解 | 高等学校卒業者等の進路の現状とそれらを取り巻く社会の環境の変化について理解するとともに、職業生活にかかわる制度や法規について理解する。 |
7 | 講義 演習 |
職業にかかわる体験的活動の意義と生かし方 | 職業にかかわる体験的活動の意義を理解するとともに、その活動と事前事後の取組を通してキャリア・カウンセリングの実際を学ぶ。 |
8 | 講義 演習 |
児童生徒を理解することの意味と方法 | キャリア教育、キャリア・カウンセリングにおける児童生徒理解の意味と方法について理解する。 |
「講義・演習」題目 | 目 的 | ||
9 | 演習 | コミュニケーションスキルの向上 | カウンセリングの基礎であるコミュニケーションの能力を向上させるため、これまでの演習で学んだ「話す能力」と「聞く能力」に加え、「観察する能力」の大切さを体験的に習得する。 |
10 | 講義 演習 |
キャリア・カウンセリングについての理解 | キャリア・カウンセリングについて、正確な知識を習得し、教員としてカウンセリング能力の必要性とその意義について理解を深める。 |
11 | 演習 | カウンセリングプロセス−相談関係づくりの大切さを知る− | カウンセリングにおいてはプロセス(過程)が重要である。ロールプレイングやビデオ教材を通して、面接を実施する際の相談関係づくりの大切さとその方法等について体験的に理解する。 |
12 | 講義 | 多様な相談場面の理解と研修のまとめ | 学校で行われる面接相談場面におけるカウンセリングの基本的スキルの応用について理解を深める。さらに、それぞれの面接の特徴を理解し、実践上の留意すべき事項を理解する。 |
1 | 目 的 今、学校においては、キャリア・カウンセリングの専門性を身に付け、キャリア教育を推進するための中心的な役割を果たす教員が求められている。 このため、カウンセリングの技法、キャリア発達、職業や産業社会等に関する専門的な知識や技能、また、カリキュラム開発、コーディネート、コミュニケーション、マネージメント能力等、この中核となる教員が身に付けておくべき能力・態度・技能を習得するための研修を実施する。 |
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2 | 対 象 各都道府県・政令指定都市等教育委員会指導主事、小・中・高等学校教員で、「キャリア・カウンセリング研修(基礎)」を修了した者。 なお、教員にあっては、進路指導主事等主任歴1年以上の経験を有することが望ましい。 |
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3 | 研修時間 15時間〜20時間 |
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4 | 研修内容
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「講義・演習」題目 | 目 的 | ||
1 | 講義 | 研修の趣旨と参加者の課題 | 本研修の趣旨を理解するとともに、各学校のキャリア教育の中核となる参加者の課題意識の顕在化を図り、研修効果を高める。 |
2 | 演習 | コミュニケーションスキルの基礎の復習 | キャリア・カウンセリング研修(基礎)で習得したコミュニケーションスキルの基礎の復習と、指導者としてコミュニケーションスキルの研修を行うときの留意事項を学習する。 |
3 | 演習 講義 |
グループダイナミックス(集団における力学)の基本 | ガイダンス活動や教育活動の多くは、小集団を通して行われる。そこで、集団で行うことのメリットとデメリット、及び集団の効果を高めるためのポイントを実践的に理解するとともに、集団活動と個別対応との組み合わせの意味を理解する。 |
4 | 演習 | プログラム開発・運営能力![]() −プログラム開発能力の向上− |
キャリア教育のプログラムを開発し、相互に評価しあう実習を通して、校内においてキャリア教育を推進していくために必要とする、コンサルタント、コーディネーターとしての役割を体得する。各校種ごとに小グループに分かれ、各自開発してきたプログラムを提案し、評価しあう。 |
「講義・演習」題目 | 目 的 | ||
5 | 演習 講義 |
プログラム開発・運営能力![]() −プログラム開発・評価能力の向上− |
4の演習で開発したプログラムを評価しあうことにより、プログラムの開発・運営・評価の各能力を高めていく。さらに、各校種におけるプログラムの理解を通し、各発達段階における諸能力の育成の重要性を理解する。 |
6 | 演習 講義 |
インストラクション能力の向上 −キャリア教育についての理解の深化− |
キャリア・カウンセリング研修(基礎)等での指導者としてキャリア教育の意義や考え方等を踏まえた指導内容・方法等の計画を立案・実施し、受講者に応じて効果的かつ明確に教授(インストラクション)する能力を育成する。 |
7 | 演習 | ヘルピングスキルの向上 −職業・進路情報の活用− |
職業・進路情報を活用することにより、カウンセリングの重要な部分である、課題の明確化と対応の過程に焦点を当て、ヘルピングスキル(援助する技能や能力)を向上させる。 |
「講義・演習」題目 | 目 的 | ||
8 | 演習 講義 |
カウンセリングプロセスの基本の実践 | カウンセリングを実践するための知識やスキル、およびそれらに内在する倫理について、ビデオや逐語録等を使ってその基本を習得する。 |
9 | 演習 講義 |
ケーススタディの基本 | カウンセリング能力を向上させるための方法としてのケーススタディ(事例研究)の意義、利点、効果的な生かし方、ケース会議の持ち方と留意点について理解を深め、指導する能力を身に付ける。 |
10 | 講義 | ポートフォリオの活用 | ポートフォリオは、児童生徒の諸能力・態度・技能の習得の履歴を把握し、児童生徒のキャリア発達を評価するものであること、そして、その活用によって児童生徒自身に自己の能力等やキャリア発達を自覚させ、自己の成長に気付かせ、将来への目標を持たせることができることを理解する。 |
11 | 講義 | コンサルテーション能力の基本 | キャリア教育の中核を担う教員には、個々の生徒への援助のみならず、その生徒の指導・援助にかかわる担任、保護者等に対しても援助する能力が求められる。この活動を「コンサルテーション」と呼ぶ。その留意点を理解するとともにコンサルテーションの基本能力を習得する。 |
12 | 演習 | コーディネーション能力の向上 | 学校等においては、組織内(例:校務分掌同士等)や組織外(例:求人先事業所、ハローワーク等)の活動や関係を目的に沿って効果的に働くよう調整(コーディネート)することが求められる。この活動を「コーディネーション」と呼ぶ。このコーディネーションの基本・留意点を理解するとともにコーディネーションの基本能力を習得する。 |