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はじめに

 大学等は、「知の拠点」として、優れた人材の育成や独創的・先端的な研究成果の創出を通し社会の要請や国民の期待に応えていく責務があり、自らの理念に基づく教育研究を実践するため、運営上の重要な基盤である施設を整備し、適切に管理運営する必要がある。
 国立大学等(大学共同利用機関、高等専門学校を含む。以下同じ。)の施設整備の在り方については、「今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(主査:木村 孟大学評価・学位授与機構長)」において審議が進められており、本専門部会は、同会議のもとに施設の管理運営について専門的観点から検討することを目的として設置された。

 国立大学等施設の管理運営については、これまで平成14年5月と同15年8月に調査研究報告書が公表され、その中で「施設マネジメント」の必要性が提言されている。施設マネジメントとは、施設の整備、維持保全、管理運営を一体化し、戦略的かつ経営的視点に立って教育研究環境の質的向上をめざすもので、初めの報告書でその基本概念が提起され、続く報告書で施設マネジメントの3つの視点(クオリティ、スペース、コスト)に関する目標設定と実施方策が示された。今回はこのうちのコストマネジメントについて詳しい検討を行った。

 法人化後2年目に入った国立大学等では、運営費交付金の効率化係数への対応が差し迫った課題となっており、これに関連して施設運営コストのより一層の効率化が求められている。施設運営コストは、学生や教職員の安全確保や施設の劣化防止に必要欠くべからざる経費であり、いかに効率よく実施するかが課題である。さらに、省エネルギー対策や地球温暖化防止対策に対する国立大学等の社会的責務とも密接な関連がある。

 このような状況の中、我々は今こそ施設のコストマネジメントが必要と考え、アンケート調査や先進事例を交え、より実践的な提言を目指して審議を進めてきた。
 コストマネジメントはまだ始まったばかりであり、新たな取組の機会がたくさん眠っている。国立大学等では、法人化に伴って学内組織や業務の見直し機運が高まっており、この機会を好機と考え、各大学等の実状に応じたコストマネジメントの推進に取組んでいただきたい。

 また、国は、引き続き施設の管理運営に必要な財源の確保に努めるとともに、コストマネジメントの取組を支援するため、先進事例情報の提供、評価に関する手法や指標の提示、担当者のスキルアップへの支援等の方策を講じる必要がある。
 本報告書を契機として、大学等のコストマネジメントが進み、将来にわたって活力ある発展が続いていくことを期待するものである。

平成17年7月



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