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おわりに

  国立大学等における点検・評価は,これまでも大学審議会答申をはじめ様々な提言においてその必要性,重要性が指摘され,これに伴い,法的な整備も進められてきている。
  本調査研究においては,施設の整備・活用の目的は「平等化」でなく「個性化」「重点化」であるとの認識に立ち,施設の点検・評価に関する具体的な方策について検討を行った。
  その結果,施設の点検・評価について,その充実を図り,これに基づき,施設の整備だけでなく施設の利用に関する様々な取組を実施していくことの重要性が明確になった。すなわち,施設に関する点検・評価については,機能,構造など建物固有の点検・評価のみならず,施設の利用形態など施設の運営システムに係る事柄が重要な要素であり,このため,施設に関する点検・評価を実施するにあたって,各国立大学等の施設整備に関する担当組織のみならず,学長を中心として全学的に取り組むことが重要である。
  点検・評価はややもするとネガティブチェックになりがちであるが,各国立大学等においては,点検・評価を前向きに捉え,大学等の理念・目標を具現化するための手法として積極的に取り組むことを期待したい。
  なお,点検・評価に関する様々な視点を示したものの,具体的項目,その評価方法についてはまだ十分でない状況にあり,各大学等においても評価方法,判断基準を模索しているところである。このため,今後,大学等の個性化を踏まえた点検・評価をより積極的に進められるようなシステムの構築と評価方法に関する検討を文部科学省,国立大学等をはじめとする関係機関に促したい。
  また,国立大学等が行う施設に関する点検・評価については,本報告書に基づいて積極的に取り組むことを期待するものである。


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