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立地環境
キャンパス全体として,周辺地域との連携・調和を図り,地域に根ざしたキャンパスの形成を図る観点から,キャンパスが立地している環境,地域の特性等を把握する。
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キャンパスの位置付け
大学等として複数のキャンパスを有する場合,それぞれのキャンパスの施設の現状を各キャンパスの役割・機能,将来構想を踏まえて検証するとともに,教官や学生等の行き来の状況も含め,キャンパス相互の連携の状況について検証する。
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土地利用状況
キャンパス全体及びキャンパス計画上設定されている各ゾーン(エリア)を,キャンパスの良好な環境の維持,将来の進展へ対応の観点から検証する。その際,建ぺい率や容積率,高層化の状況などの算定値を評価の材料としつつ,土地の有効活用や,いわゆる建て詰まりを防ぐ観点から検証する。
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建物の配置(ゾーニング)の状況
キャンパス内の良好な環境,各施設の機能的連携を図る観点から,既存施設の配置状況を検証する。
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屋外環境の状況
キャンパスアメニティの形成の観点から,緑空間の状況(緑化率,保存緑地の状況),広場等コミュニケーションの場の整備状況,維持管理状況について,キャンパス内各施設との関係(ゾーニング)も含め,現状を検証する。
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インフラストラクチャーの状況
エネルギー供給の状況のほか,情報通信・処理システム(関連施設を含む)について,教育研究活動等の進展への対応の観点から,メンテナンス体制を含む現状を検証するとともに,将来のシステムの拡張,機器の更新等への対応について検証する。
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交通動線の状況
安全性,快適性の観点から人と車の構内動線の状況をキャンパス内各施設との関係(ゾーニング),屋外環境の現状を勘案の上,検証する。その際,構内における車に関する管理運営状況(規定・体制)も合わせて検証する。
更に構内の主要な駐車場の状況(規模設定の適否),駐車場以外の(路上)駐車などの状況を検証する。
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施設の利用状況
施設の有効活用の観点から施設の利用状況を把握し,活動内容に応じた検証を行う必要がある。例えば,講義室等ではカリキュラム,学生数等を勘案した利用状況,稼働率,研究室,実験室では教官,学生等の活動内容,実験機器等の状況を踏まえた利用状況等を検証する。
なお,施設の効率的な利用を図る観点から,各施設の利用時間(一日の利用時間帯や年間を通した利用頻度)についても検証する必要がある。
また,教育研究活動の展開により,当初想定されていた利用組織,利用内容と現状に差異が生じていることが考えられ,必要とされる施設機能の変化,利用形態の変化等について検証する必要がある。
その際,施設の機能に応じて集約化を図る,施設の共用化を図るなど,学部学科等の組織の枠にとらわれない利用について勘案する必要がある。
施設の利用は大学等の管理・運営に関係する事柄であり,実態の把握や利用形態の見直しを図る際には,学内のコンセンサスづくり,強いリーダーシップ,学内体制の確立が不可欠である。
(機器の設置状況,文献資料等の管理等)
施設の狭隘化は,教官や学生の活動状況だけでなく,実験室等の機器の設置状況が影響することも考えられることから,機器の利用状況を踏まえ,当面の活動に不要な機器の設置状況,管理状況等について検証する。
なお,汎用性の高い機器の集約化など機器の有効活用,設置場所の効率性を勘案した学内共同利用などの取組について検証する必要がある。
また,文献資料等の配置状況,管理状況についてもその利用状況を踏まえ検証する。その際,図書館における集約管理と各研究室等での分散管理の在り方等について検証する必要がある。
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施設の機能性
施設の備える機能について,現在及び今後の教育研究活動等への対応という観点から,機能上の老朽状況,機能水準等を検証する。
また,経年によって変化する施設の備えるべき機能の変化について検証する。
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維持管理状況
施設を長期間有効に活用する観点から,過去の改修歴(内容と経費)等の施設の維持管理(メンテナンス)の状況を検証する。また,計画的な維持管理実施のための計画の策定状況,その達成状況や必要な経費の確保等についても検証する必要がある。なお,老朽化を解消する方策(改修,改築)を検討する際,ライフサイクルコストを検証する必要がある。
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施設の狭隘状況
従来から組織・定員を基礎とした「基準面積※8」を施設調査単位毎に算定し,必要面積と保有面積との比較により,狭隘の度合いの判断材料として用いてきたが,単に組織・定員のみならず,個々の活動内容の実態を把握した上で,狭隘状況を検証する。
なお,基準面積は使用配分面積を算定するものでなく,施設調査単位全体で必要となる面積を算定するものであることに留意する必要がある。
教育研究関係施設については,今後,学際的・横断的な教育研究活動が展開されることも勘案し,学科・学部等組織の枠を越えたある程度まとまりのある範囲の中で利用状況も勘案し,その狭隘状況を検証する。
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快適性の観点からの状況
キャンパスは教育研究活動を展開する場であるとともに,教官,学生の生活の場であり,人間的な活動が行われる場である。このことから様々な活動が快適に展開できるよう,快適性の観点からキャンパス全体や屋外環境,各施設などについて検証する。
また,食堂,課外活動施設等の福利施設,運動施設,文化施設等の整備状況,利用状況等について検証する。
(室内環境)
教育研究活動等を快適な環境で展開できるよう,熱,空気,音,光等の室内環境の状況について検証する。
(リフレッシュ空間)
建物内外において,利用者に対してゆとりと潤いを与え,リラックスしたコミュニケーションを図ることのできるリフレッシュのための空間について,整備状況,利用状況や利用者の意識などの状況を検証する。
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文化性等の観点からの状況
(保存建物)
保存建物の設定については,キャンパスの歴史や伝統の継承の観点で,学内外の評価,建築的,歴史的価値等により判断するものであるが,これら大学等において設定された保存建物の保存状態(構造・意匠),活用状況等について検証する。
(周辺環境との調和等)
キャンパスにおける建物群の外観,緑空間が魅力ある景観を形成し,地域のシンボルとしてふさわしく風格あるものとして整備されているかを検証する。その際,キャンパス景観が,その規模から周辺地域の景観や環境に大きな影響を及ぼすことを勘案する必要がある。
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国際交流関係施設の状況
(教育研究)
留学生センターを含む各々の教育研究の場について,留学生,外国人研究者の受け入れ状況,活動状況を踏まえ,当該施設の狭隘状況,機能について検証する。
(生活・交流)
国際交流会館等の交流・生活を支援する施設について,留学生,外国人研究者の受け入れの現状及び今後の計画を踏まえ,施設の整備状況を検証する。その際,施設周辺の住宅事情等を勘案する必要がある。また,適切な施設水準を維持する観点から,施設の管理運営状況についても検証する。
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地域交流関係施設の状況
(地域開放)
地域住民に対する公開講座等の状況,図書館,体育館等の施設開放の状況を踏まえ,当該施設の機能,施設に至る構内動線(バリアフリーも含む)等について検証する。その際,安全性等の観点から管理運営状況についても検証する。
また,屋外環境の整備状況,維持管理状況等について検証する。
(研究交流)
地域を中心とした民間企業との共同研究の状況を踏まえ,当該施設の狭隘状況,機能について検証する。
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外部施設の状況
国立大学等における教育研究活動をはじめとする様々な活動を一層活発に展開させ,また地域との有機的な連携を図る観点から,周辺地域を含む大学等以外の施設の利用を図ることが考えられる。このために外部の施設の立地状況,施設の機能等について学内施設の状況,学内外の機能分担等の関係等を踏まえ,検証する。 |