平成14年5月
今後の国立大学等の施設管理に関する調査研究協力者会議
− 目次 −
はじめに | ||
第1章 | 「施設マネジメント」の導入とその推進 | |
1 | 国際水準の教育研究環境の創造 | |
2 | 法人化に向けた施設マネジメント | |
3 | 長期使用を前提とした施設管理 | |
第2章 | 現状の問題点 | |
1 | 施設管理と財源の問題 | |
2 | 学部単位による施設管理と画一的配分に起因する問題 | |
3 | 効率的な施設管理の意識の欠如 | |
4 | 法人化に伴う適用法令の変化 | |
第3章 | 法人化を踏まえた施設マネジメントの課題 | |
1 | 施設マネジメントを行うシステムの構築 | |
2 | 施設管理に係る財源確保 | |
3 | 国の責務 | |
第4章 | 戦略的な施設マネジメントの方策 | |
1 | 施設マネジメントの執行体制の確立 | |
2 | 施設マネジメントに必要な人材の確保 | |
3 | プリメンテナンスの導入 | |
4 | 施設の有効活用の徹底(スペースマネジメント) | |
5 | 安全と環境等に配慮したキャンパスづくりの推進 | |
参考1 | 今後の国立大学等の施設管理に関する調査研究について | |
参考2 | 今後の国立大学等の施設管理に関する調査研究協力者会議各協力者のプロフィール |
世界に通用する国立大学として発展を図る上で,その基盤である施設は極めて重要なものである。また,教育研究と施設は有機的連携を持って,始めて大学として持つ本来の機能が発揮できるものである。
かねてから国立大学の施設は老朽化・狭隘化が指摘されており,その早急な解消を図るため,現在,国立大学等施設緊急整備5か年計画が進められている。
国立大学が世界に伍して活発な教育研究を展開するためには,このような緊急な施設整備はもとより,保有する膨大な既存ストックの有効活用を図り,その機能向上を図ることが何よりも重要なことである。
現在,国立大学の法人化に関する制度が検討されており,この中では大学の裁量が拡大するといった法人化のメリットを大学改革に最大限に活用することが提言されている。
本調査研究は,法人化後の大学における施設管理の基本的な考え方と具体的方策を検討するため,平成13年8月に立ち上げたものである。会議には,大学経営,経済学,建物の維持管理,環境マネジメントなど様々な分野の学識経験者をはじめ,国立大学の教官及び事務局長,民間の総合デベロッパーやコンサルタント会社の専門家が参画した。
8カ月にわたって,それぞれの委員の専門知識や豊富な経験をベースに議論を進めた結果,我々は,法人化後の大学にこそ,新たな発想に基づく戦略的な施設マネジメントが必要と考えるに至った。この報告書は,これを実現するための課題と具体策をとりまとめたものである。
文部科学省においては,国立大学関係者に対し,大学運営における施設管理の重要性についての啓発を図るとともに,各国立大学法人が行う施設管理の実施状況の把握及び評価の方法などについて,更に具体的な検討が必要である。
国及び国立大学関係者の方々が,このメッセージを参考として,新しい時代の大学づくりを考えていただくことが,本調査研究にたずさわったメンバー共通の想いである。
第1章 「施設マネジメント」の導入とその推進
国立大学における教育研究の発展を図る上で,その諸活動と有機的な関連を持つ大学施設はその基盤となるものであり,その充実は不可欠である。 更に,国立大学の法人化について検討が進められているところであり,大学自らがこのような認識のもとに,総合的・長期的な視点に立った「施設マネジメント」を導入し,新たな施設整備を進めることはもとより,大学が所有する既存施設を効率的に管理し有効活用を図ることが重要である。 |
1 | 国際水準の教育研究環境の創造 1)知の拠点にふさわしい環境の創造
2)教育研究活動に求められる施設機能の向上
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2 | 法人化に向けた施設マネジメント 1)施設マネジメントの概念の導入
2)トップマネジメント※4の一環としての施設マネジメント
3)施設に係る事務体制の見直しと再構築
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3 | 長期使用を前提とした施設管理
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大学施設が教育研究活動の要請に十分に応えていない現状は,施設整備の遅れに起因するものであるが,同時に施設管理に関する意識の欠如とともに,修繕等の施設管理に係る予算不足によるところが少なくない。 |
1 | 施設管理と財源の問題 1)施設管理に関する不十分な対応
2)施設管理に要する予算不足
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2 | 学部単位による施設管理と画一的配分に起因する問題 1)学部単位による施設管理の弊害
2)画一的配分の慣習
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3 | 効率的な施設管理の意識の欠如 1)コスト意識の欠如
2)スペース管理意識の欠如
3)サービス意識の欠如
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4 | 法人化に伴う適用法令の変化
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1 | 施設マネジメントを行うシステムの構築 | ||||||||||||||||
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1)施設マネジメントのシステムづくり
2)施設マネジメントに関する中期計画の策定
3)施設に関する中期計画の評価と計画の見直し
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2 | 施設管理に係る財源確保 | ||||||||||||||||
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1)施設管理予算の拡充と明示
2)自己財源の確保
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3 | 国の責務 | ||||||||||||||||
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1)財源の確保
2)指針・基準等の整備
3)施設マネジメントの実施状況の把握と評価
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1 | 施設マネジメントの執行体制の確立 | ||||||||||||||||||||||||||||
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1)施設マネジメントにおける責任体制の確立
2)施設の効率的運用
3)大学運営の中核的機能の強化とアウトソーシング
4)情報開示と普及啓発
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2 | 施設マネジメントに必要な人材の確保 | ||||||||||||||||||||||||||||
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1)施設マネジメントに必要な人材
2)人材の養成
3)民間からの人材の確保
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3 | プリメンテナンスの導入 | ||||||||||||||||||||||||||||
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1)施設の劣化等の状況把握と安全性,信頼性を確保するための予防的修繕
2)施設管理にかかる需要額の把握
3)効果的な改修の実施
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4 | 施設の有効活用の徹底(スペースマネジメント) | ||||||||||||||||||||||||||||
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1)施設の使用状況の把握と有効活用
2)既存施設におけるスペース配分の適正化
3)経費負担制度の導入
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5 | 安全と環境等に配慮したキャンパスづくりの推進 | ||||||||||||||||||||||||||||
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1)施設の安全性・信頼性の確保
2)セキュリティ管理
3)ユニバーサルデザインの導入
4)高度な研究活動への配慮
5)環境への配慮
6)美しいキャンパスづくり
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本報告書は自由にコピーいただいて結構です。 是非,本報告書を基にこれからの大学キャンパスについて考えてみてください。 本報告書に関するお問い合わせは,下記までお願いします。 文部科学省大臣官房文教施設部技術課
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-- 登録:平成21年以前 --