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2 医学部の今後の定員の在り方

(2) 期間を付した定員増の具体的な要件
 
 検討会報告書にあるように、平成34年に医師の需要と供給が均衡すること等を踏まえると、入学定員増の期間は平成29年度(収容定員増の期間は平成34年度)までとすることが適当である。この場合、平成21年度以降からの入学定員増の申請等の場合も平成29年度までとし、対象大学が期間を付した定員増の申請等を行うにあたっては、その廃止時期も明記することが必要である。
 また、定員増に伴う教育環境の維持等を踏まえると、増員は入学定員当たり10名を限度とすることが適当である。
 期間を付した定員増は、対象県の医師不足の現状に鑑み容認すべきものである。また、「新医師確保総合対策」においては、対象県が奨学金の拡充等一定の措置を講じることが条件とされている。対象県の取組の審査は厚生労働省において行うこととされているが、対象大学の定員増の前提となっているため、対象大学の申請等にあたっては、文部科学省においても、対象県の取組について関係書類により審査(条件を満たしていることの確認)を行うことが必要である。
 なお、対象県においては、定員増の条件以外の取組も含め、医師の確保や地域定着に関する取組の充実・強化を図ることを期待したい。
 定員の扱いについては、医師の需給というマクロ的な数量調整の観点だけでなく、優れた資質能力を有する医師の育成・確保をいかに図っていくべきかという視点から検討することが必要である。期間を付した定員増が対象県の医師不足の現状に鑑み容認するものであることを踏まえれば、対象となる大学においては、学部教育の改善をはじめ、医師の育成・確保に資する取組について一層の改善・充実が求められる。
 このため、対象大学の定員増の申請等の審査に当たっては、教員組織や教育環境等の審査に加え、1地域枠の設定・拡大、推薦入学における工夫、地元高等学校との連携(アドバンスドプレイスメント)など、入学者選抜段階における取組の推進、2地域医療への関心と意欲を高めるためのカリキュラム開発、早期体験学習や臨床実習における地域医療と接する機会の提供など、学部教育における取組の推進、3学部教育の改善等に当たっての地域の医療機関との連携の推進など、学生(卒業生)を地域に定着させるための大学の取組を考慮することが必要である。
 なお、対象県の医師不足の現状や求められる医師の需要等を勘案すれば、地域に定着させるための取組は、増員分の学生のみならず学生全体に対して広く取り組むことが重要である。また、定員増の対象以外の大学においても、このような取組の充実が求められる。
 期間を付した定員増の取扱や審査を統一的に行うため、国立大学に係る期間を付した定員増の審査は、学部等の設置の際と同様、大学設置・学校法人審議会における「意見伺い」等の審査を行うことが望まれる。また、公立大学に係る定員増の届出にあたっても、対象県の取組や学生を地域に定着させるための対象大学の取組に関する資料の提出が求められる。

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