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創薬について、日本人は非常に発想が狭いと感じる。これは全体的な視点から考える教育をしてきてこなかったからである。この点はおそらく薬学の分野だけではなく、あらゆる分野において日本の課題となってくる。 |
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産学共同研究を視野に入れて創薬を考えていかないといけない。 |
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薬剤師については、医療事故に関する記事などを見ると、もっと権限を与えられてしかるべきと思うが、一方で医者と薬剤師の意見が衝突することがある。その整理についても同時に考えていかないといけない。病院に属さず、例えば第三者機関から派遣され、チェックすることも一つの方法だと思う。 |
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薬を買う際、成分を見てもわからないので相談したいが、普通のドラッグストアに薬剤師が不足している。 |
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調剤薬局にも子育てが終わった薬剤師資格者が新しい薬の知識がないままに復職する人がよくあるが、そのような薬剤師に研修をやっていかないと不安である。 |
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ジャーナリズムの中で医療の知識のある人が非常に少ない。薬学教育を受けた人がメディアに入れば、スペシャリストとして育っていくと思う。無知なジャーナリストの中に薬学を学んだ者がいれば、医療事故に関しても間違ったレポートを書くことはなくなるのではないか。
このような人材を育てることも薬学教育の中に必要であり、このように考えると一律に6年もかけて育てなくても、4年で薬剤師以外の道を選択をすることのできるようにする必要がある。 |
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EBMについて語る際に、エビデンスを「つくる」「つたえる」「つかう」という表現があるが、薬学を理解する上でも、くすりを「つくる」「つたえる」「つかう」という3つの視点から考えると分かりやすい。 |
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薬学教育を受けた者の進路はかなり幅広く、今後益々薬学の知識が実社会で広く必要とされる。 |
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特に薬をつくることに関しては、ライフサイエンスという広い捉え方が薬学教育の基盤としても重要。 |
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「つたえる」と「つかう」については、臨床現場の理解が不可欠であり、現場を知ることが重要。医療の現場は進歩が早く、大学での養成と同時に、生涯教育・継続教育も考えることが重要。 |
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生命科学という立場から見ると、薬学部のカリキュラムが一番よくできていると考えていたが、日本薬学会のモデル・コアカリキュラムを見ると量が膨大だという印象を持つ。 |
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一つの薬効を持った薬に多くの名前が付けられ、多くの会社から出るようになると、有能な薬剤師でも全てを把握するのは不可能。これからはITを外部メモリーとして使いこなせないと膨大な知識量には対応できない。使いこなすには生命科学として捉えることが重要。理学とは異なる薬学という立場から新しい見方・切り口で教育ができればいいと思う。 |
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薬剤師の教育としては、心理学の要素を取り入れ、患者が何の不安に怯えているかを的確に把握しそれに対応できる能力を身につけないといけない。 |