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高等教育

活用への取組を支援する環境の整備  
2  活用への取組を支援する環境の整備

【提言】
  基盤となるハードだけでなく、活用への取組を支援するための環境の整備が重要な課題である。そのため、教材の整備と教授方法の確立、教員に対する支援、学生の学習活動等に対する支援が必要である。


(1)教材の整備と教授方法の確立
  • 教材の整備 
    • ネットワークをはじめとするハードの整備は、各高等教育機関の情報基盤として共通に必要であるものの、その上で展開される教育内容や方法は、各高等教育機関により、また各教員により多様であることが予想される。したがって、各高等教育機関において、CAI等のコンピュータ・ソフトウエアや、教育の場で活用するための映像・音響資料、ビデオ教材等の整備とデータベース化への取組が期待される。 
  • マルチメディアを活用した教授方法の研究開発等 
    • 新しい高等教育システムにおける遠隔教育等の教授方法や教育評価方法については、まだ十分に確立していない。したがって、教員のプレゼンテーションや映像活用方法など、マルチメディアを活用した教授方法を研究開発することが必要である。 
    • また、各高等教育機関における情報処理教育の中核となる情報処理教育センター等の拡充・高度化を図る必要がある。 

(2)教員に対する支援
  • 教員研修の実施 
    • 教員がマルチメディアを十分に活用できる能力がなければ、マルチメディアを活用した取組は期待できない。そこで、効果的な画像映像の作成、情報表現など、教員の情報発信能力を高める研修、さらに、これらの前提となる情報通信機器、提示機器等の、各種メディアを利用する能力を高める研修が重要である。 
  • 評価の重要性 
    • 教員の教育活動におけるマルチメディアの活用や、マルチメディア教材の作成に対する意欲を向上させるためには、教員の業績の評価に当たって、通常のカリキュラム開発や教科書の作成等の業績に加えて、マルチメディアの活用に関する優れた業績についても、積極的に評価することが重要である。 

(3)学生の学習活動等に対する支援
  • 学生の学習活動における活用 
    • すべての学生が、入学当初から、マルチメディア活用能力を積極的に身に付けることが望ましい。そのため、各高等教育機関においては、すべての学生が24時間自由にコンピュータを使うことにより、情報を入手したり、レポートを作成して電子メールで提出できるような学習環境を整備することが重要である。 
    • また、学生のメディア利用に際しては、ティーチング・アシスタント(優秀な大学院学生に、教育的配慮の下に教育補助業務を行わせ、大学教育の充実と大学院生への教育トレ−ニングの機会提供を図るとともに、大学院学生の処遇改善の一助とする)による授業補助等の指導体制の充実も望まれる。なお、学部学生を指導の補助等に活用することにより、指導体制の充実を図るとともに、あわせて、指導する学生本人への教育に成果をあげている事例があり、各高等教育機関においては、こうした活用についての検討も望まれる。 
  • 図書館資料等の電子化への取組 
    • 情報処理・通信技術の急速な発達により、画像や音声等を含むマルチメディア情報等の電子的情報資料へのニーズが高まっているため、大学図書館に、従来の機能に加え、それらを収集し発信する電子図書館的機能を整備する必要がある。そのためには、大学図書館を中核としながら、学内情報処理関連施設との連携を図ることも重要である。 
    • また、国公私立の博物館・美術館等の情報資料を活用した学習活動の推進も望まれる。 

(高等教育局  企画課)

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