科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」アドバイザリー委員会(第16回) 議事録

1.日時

令和3年12月10日(金曜日)14時~16時

2.場所

オンラインにて開催

3.議題

  1. 関係機関における第3期中期計画の報告について
  2. 共進化実現プログラム(第2フェーズ)の進捗報告について【評価に関する議題のため非公開】
  3. その他

4.出席者

委員

   有信主査、伊地知委員、奥和田委員、狩野委員、小寺委員、小林委員、田辺委員、長岡委員

文部科学省

   塩田研究開発戦略課長、中田研究開発戦略課企画官

5.議事録

【有信主査】  
それでは、ただいまより、第16回科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」アドバイザリー委員会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
早速ですが、事務局より、資料の確認と出席者の紹介をお願いします。

【中田企画官】  
文部科学省政策科学推進室長の中田でございます。
資料の確認でございます。資料一式、事前にお送りしているかと思いますけれども、お手元の議事次第のほうに配付資料1から参考資料5まで記載してございます。こちらの一覧の資料の中で不足あるいは乱れ等々ございましたら、お知らせいただければと思います。オンラインでの接続ですので、お電話にて御連絡いただければ幸いでございます。
本日、所用により吉本委員が御欠席でございます。また、小寺委員は少し遅れての参加で、かつ15時頃の途中退席を予定されていると伺ってございます。それから小林委員ですけれども、所用により14時半頃から途中参加というふうに伺ってございます。

【有信主査】  
ありがとうございました。本日の委員会につきましては、議題2については評価に関するものなので、非公開議題とさせていただきます。よろしいでしょうか。
特に御異存ないようですので、議題2は非公開議題といたします。傍聴者の皆様は、議題1の終了後に事務局のアナウンスによって退室いただきます。
議題1の内容につきましては、委員会終了後に、委員の皆様に確認の上、議事録を公開いたします。
ここまでの説明で、何か御質問等ございますでしょうか。
特にないようなので、それでは、議題1の、関係機関における第3期中期計画の報告についてということで進めたいと思います。
昨年12月から今年の7月にかけて、事業開始から10年が経過していますSciREX事業の第2期中間評価が中間評価委員会で取りまとめられました。前回のアドバイザリー委員会では、この中間評価結果を基に、SciREX事業の基本方針の改定について委員の皆様に御議論いただいています。このたび改定されたSciREX事業の基本方針に基づきまして、各関係機関において第3期5年間の中期計画を策定いただきました。
それでは、事務局から、資料に基づいて、策定された中期計画の御報告をお願いします。

【中田企画官】  
かしこまりました。
それでは早速ですけれども、資料1に基づきまして、各拠点におけます3期中期計画の概要について御説明申し上げます。
参考資料3といたしまして、これまでの中期計画策定に至る経緯というのをお送りしてございます。先ほど主査からも御発言ありましたとおり、前回のアドバイザリー委員会で基本方針を御議論いただきまして、その改定を受けて、各機関において中期計画を策定いただいたということでございます。その途中の過程では、文部科学省とコミュニケーションも取っていただきながら策定いただいたというところでございます。
資料1でございますけれども、今回、最後の中期期間、5年間ということになりますので、我々として重視したのは、事業終了後を見据えてきちんと計画を策定してくださいということでございます。そういった観点から、本日の御説明でもその辺りを中心に御説明させていただければと思います。
なお、今回御説明するのは人材育成・基盤研究拠点ということで、5拠点6大学及びSciREXセンターの部分になります。NISTEPとRISTEXについては現在まだ策定途中ということで伺っておりますので、本日の御報告は省略させていただきまして、後日策定されましたら、皆様にはメールで御報告を差し上げたいと思ってございます。
資料1の1ポツ、事業終了後を見据えた計画でございますけれども、冒頭、学内的な位置付けというところでくくってございますが、こちらに京大とGRIPSを除く各機関それぞれ、学内的な位置付けについて記載をしてございます。詳細は省略いたしますけれども、これらについては学内的な位置付けが担保されているということで、事業終了後の事業継続に向けて大きな一歩であるというふうに事務局としては認識しているところでございます。
その他、京大、GRIPSの学内的な位置付けについては言及がないところでございますけれども、1ページ目の一番下の丸、必要な経費・教員の確保のところに行っていただきまして、まずSciREXセンターですけれども、最初のポツの中で、センターを維持するということで、必要な教職員の財源確保に向けた検討を行うということを書いていただいてございます。それから、2つ下の東大のポツですけれども、基幹となる教員を学内の承継教員として確保していくということでございます。それから2ページに行っていただきまして、最初のポツで、一橋大学も同じように専任教員について記載をいただいているところでございます。
少し飛びまして、上から4つ目のポツで、阪大のほうでも教員の確保ということを記載していただいてございます。それから、その次の2つが京大の記載でございまして、冒頭の学内的な位置付けについては京大の言及はございませんけれども、こちらのほうできちんと、専任教員の確保を目指す、そのために概算要求で教員定員の設置を求めるということ。それから、専任教員1人の確保に加えて、新たな教員の参画に関する呼びかけを行っていきますということを書いていただいているところでございます。
それから、少し飛びますけれども、一番下の丸の外部資金の獲得の2番目のポツ、GRIPSについて、いわゆるGiSTの部分になりますけれども、こちらについても外部資金の確保に努め、運営費交付金と併せて必要な担当職員の雇用財源の確保を図るということで、それぞれ学内事情がございますので、記載に濃淡あるところでございますけれども、事業終了後を見据えて、自立した運営に向けて教員確保、学内的な位置付け等に言及いただいているところでございます。
それから、少し戻りますけれども、その上の丸、他拠点、関係機関との連携で、少し特徴的な取組といたしまして、下の2つでございますけれども、例えば京大のほうでは京大オリジナル株式会社と連携ということで、一般向けの研修についても取り組んでいきたいというようなことが書かれてございます。それから、その下のポツの九大でございますけれども、オフィスの伊都から箱崎への移転ということで、社会連携、交流の拠点として機能を維持・拡大ということを書いていただいているところでございます。
3ページに進んでいただきまして、上から2つ目のポツですけれども、東大でございますが、外部資金獲得の手段も込めてということでございますけれども、専門性を高めたい実務家や企業役員等を対象とした教育研修プログラムというものも検討する予定ということでございます。
それから、ローマ数字2番目の基盤的研究・人材育成拠点としての個別目標の中で、人材育成でございますけれども、3ページのところで各拠点、基本的に修士・博士課程の人材の育成について一通り触れていただいているところでございます。
次に行きまして4ページでございますけれども、その他の人材育成としては、例えば、GRIPSは当然ながらのところがありますけれども、阪大のほうでもリカレント教育プログラムとして、社会技術共創研究センター等との協力によるプログラム開発等を記載していただいているところでございます。
それから、基盤研究のところに行っていただきまして、最初のポツにございますように、基本的には各拠点とも基盤的な研究の推進、あるいは外部資金の獲得というところを書いていただいているところでございます。
3ポツ、共進化でございますけれども、記載してありますとおり、共進化プログラムについては各拠点ともしっかりやっていきますということを記載いただいたところでございます。
それから、5ページですけれども、その他特徴的な記載というところで、その中の下から2つ目です。阪大・京大のポツでございますが、事業終了後もということで、行政と研究者をつなぐプラットフォームを協力して進めますということを書いていただいているところでございます。
4ポツのネットワーキングに進んでいただきまして、拠点間の連携というところで、これは各拠点と文科省の意見交換の中でも出ていますが、やはり今後自立を見据えたときには、全部自前というわけではなくて、やはりある程度の連携というものを視野に入れながらやっていくのが有効だろうというような議論がございます。そうした観点から、2番目のポツでございますけれども、総合拠点であるGRIPSにおいて、単位互換ですとか科目の共同開講、講師の派遣・招聘等の、他拠点との相互補完的・互恵的な協力関係に努めるということで、この辺りの調整ということについて記載をいただいているということでございます。
それから、シンポジウム、セミナー、それぞれやっていただくというところでございますが、6ページに行っていただきまして、人材の基盤ということでは各機関とも修了生のネットワークということで言及いただいておりまして、東大のOB・OG会に始まりまして、一橋、阪大、京大、九大、それぞれ修了生のネットワークの構築に取り組むということを書いていただいているところでございます。
最後、その他ですけれども、先ほどありましたように、阪大、京大では関西、中国地方、四国地方ということで、より幅広い交流・協力の試みを発展させるということでございます。それから、最後のポツ、京大ですけれども、海外の研究機関も関心があるということで、国内にとどまらないネットワークをやっていきたいという記載も頂戴しているところでございます。
少し駆け足になりましたけれども、当然各機関それぞれ、5年間、まだ5年先の人員確保等について書ける範囲に限りがあるというところで、各学内の事情を反映して濃淡ございますけれども、文部科学省といたしましては、こういう中期計画でそういう必要性を示していただいたというところがございますので、今後の進捗確認の中でこういった取組の進捗というものを丁寧に確認しながら、事業終了後に各機関がきちんと自立的な運営を行っていただけるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
ちょっと駆け足になりましたけれども、私の説明は以上でございます。

【有信主査】  
どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明に関して御質問等ありましたら、よろしくお願いします。
奥和田さん、どうぞ。

【奥和田委員】  
ありがとうございます。まだ5年先ということなので、すぐにということではないのかもしれませんけれども、一般的にどのプログラムでも、プログラムが終わると予算がなくなってしまって、もう終わってしまう。予算的に終わってしまったからという、そういう文句が出がちなのですけれども、もちろんそういうことがないようにしていただくために、こういう確認をしていただくのは大変よろしいと思います。これは懸念ですけれども、ほかのプログラムと違いまして、例えば何か開発したものが産業になるとか、そういうようなアウトプットが出てくるようなプログラムであれば、例えば産業界からの資金調達とか、何かいろいろ考えられることがありますが、今取り扱っているような中身というのは、どちらかというと、そういう外部資金をある意味集めにくい、基本的にそういうベースのものだと思います。そういった意味で、ちゃんと大学側がこういうプログラムを認めて、何かしらの形で大学側から資金を得ることができる、あるいはもちろん、プログラム自身が資金を直接調達できるというような見込みがある上での継続あるいは発展だと思います。発展というのはそういうことを意味しているんだよ、ということを、改めて各機関に確認しておいていただければありがたいかなと思います。引き続き補助金をよこせというような形には、なるべくならないようなことを企画していただきたい、ということを、いま一度、各PJに確認いただければいいかなと思います。

【有信主査】  
ありがとうございました。ほかに御質問、コメント等ありますでしょうか。

【狩野委員】  
狩野ですが、よろしいですか。

【有信主査】  
狩野先生、どうぞ。

【狩野委員】  
近い内容を2つ申し上げます。産学連携における自立化という場合は、産業側にニーズがあって、そのニーズを大学側が受け止められるので、お金が巡るという仕組みかと思います。その意味で、この政策のための科学というのは、ニーズは政策側から来るのではないかと思い、この意味での自立化というのは一体どういうことなのかというのが私に少し腑落ちがしないところがありました。自立化といったときにニーズを持っておられる行政側からの関わりというのは、この場合、どうなるのでしょうかというのが1つ目の質問です。
関連して、もう一つの質問です。せっかく今までの取組で、このプログラムに既に関わられている行政官の方々がおられるわけです。その方々は今後のその「自立化」したプログラムにどのように関わっていただけるのか。ぜひ経験を生かしていただいたほうがいいのではないかと思うわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
以上、2点です。

【有信主査】  
ありがとうございます。それでは、事務局サイド、よろしくお願いします。

【中田企画官】  
事務局でございます。まず奥和田先生から御指摘いただきました補助金頼りにならないようにというところについては、我々もまさにそうならないようにということで、時間をかけて、中期計画期間5年間をしっかり使いながら、コミュニケーションをしっかり取って進めていきたいというふうに思ってございます。
それから、狩野先生から御質問いただきました、行政がどう今後関わっていくのかというところですが、先ほどの奥和田先生の御指摘にも重なりますが、やはり拠点としての自立というのは、最終的にはこういった拠点を卒業した方々が社会で活躍いただけると、そうしたことで、こういう人材育成そのものに対するニーズがあるという状態をつくり出すということが、いわゆる自立の前提というか条件というか、自立をきちんと確からしくするための必要な環境だろうというふうに認識してございます。
そういう意味で、政策のための科学を勉強した、修了したからといって、必ずしも行政官だけが活躍のフィールドではないというのは、これまでの各機関の取組でも示されているところでございますが、他方、やはり我々といたしまして、きちんとこういった方々とのコミュニケーションというものを補助事業とは関係なくしっかり取っていくやり方というのは、やはり考えていく必要があるのだろうというふうに思ってございます。そういう意味で申し上げますと、今、共進化プログラムというのをやっておりますけれども、今後このようなプログラム、どうやって研究者と行政官が共に手を取り合って進めていくような取組というものを継続していくかということについては、事務局のほうでしっかり考えさせていただきたいというふうに思ってございます。
それから、こういうプログラムに関わってきた行政官をどう活用していくのかというところでございますが、1つ象徴的にやっておりますのは、SciREXセンターのほうで、政策リエゾンというものを発令いただいて、我々のSciREX事業の運営に御協力等々いただいているところでございますけれども、こういった形も活用しながら、我々として、当然そのリエゾンの中には、もともと私のポストにいたような者ですとか、あるいはその部下であったような者とかもございますので、そういったものも活用しながらやっていくと。それから、やはり我々の日々の取組の中で、それぞれそういう経験をしたことで持っている知見というものがあると思いますので、我々が行政を進めていく中で、部署を超えてそういった方々と連携を取りながら知恵を出し合うというようなことを心がけながらやっていければというふうに考えているところでございます。
以上、あまりお答えになっていない部分があるかもしれませんけれども、事務局からの回答でございます。

【狩野委員】  
ありがとうございました。自立化という言葉の解釈はいろいろあり得るということだったのですけれども、できればこのネットワークの広がりというのは、行政側の皆様の中でこういった「政策のための科学」の活動を活用できる方が増えていただくということもきっとあろうかと思うのです。そちら側に関する自立化というのでしょうか、背中をそこまで押さなくてもそういうことが自動的に回っていくような環境整備といいますか、そういうものをどういうふうに進めるかということも、ぜひこの機会に検討いただけるとよりよいのかなということを思いました。ということでよろしくお願いいたします。

【有信主査】  
ありがとうございます。重要なポイントだと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
ほかに御質問等ありますでしょうか。
特にないようでしたら、それでは、議題の2、共進化実現プログラムのフェーズ2の進捗報告についてということで、ここからは非公開ということになりますので、事務局は傍聴されている方々に退出をお願いしてください。よろしくお願いします。
 
<【議題2】非公開議題>
共進化実現プログラム(第2フェーズ)の進捗報告について意見交換を行った。

【有信主査】  
どうも活発な議論ありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。御退室ください。
 

 ――了 ――
 

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(科学技術・学術政策局研究開発戦略課)