科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」アドバイザリー委員会(第14回) 議事録

1.日時

令和3年4月27日(火曜日)10時~12時

2.場所

オンラインにて開催

3.議題

  1. 共進化実現プロジェクトのフォローアップについて
  2. 共進化実現プログラム(第IIフェーズ)の実施について
  3. 科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業 基本方針、重点課題について
  4. その他

4.議事録

科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」アドバイザリー委員会(第14回)

令和3年4月27日


【有信主査】
 それでは、ただいまより第14回の科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」アドバイザリー委員会、随分長い紹介になりますけれども、開催させていただきます。御多忙中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、早速ですが、事務局から資料の確認と出席者の紹介をお願いします。

【中澤室長】
 まず、資料の確認です。議事次第の後ろ、今、画面共有もさせていただいておりますが、こちらの資料の2ページ目のところに配付資料一覧がございますので、こちらを適宜見ながら資料等を確認いただければと思います。こちらの資料については、各委員の先生方に送付させていただいているメールのリンク先のところにございますので、よろしくお願いいたします。
  また、本日、アドバイザリー委員会の出席者でございますが、長岡委員のみ、所用によって10時45分頃からの途中参加になります。そのほかの皆様については、全員御出席という状況でございます。
 また、文部科学省からは、科学技術・学術政策局付の赤池が出席してございます。また、オブザーバーとして、科学技術・学術政策研究所の所長でございます菱山が出席している状況でございます。
 あと、最後になります。何人かのアドバイザリー委員の先生方、大変御無沙汰してございます。中澤でございますが、1年ちょっと内閣府のほうに出向して、第6期基本計画を担当しておりましたが、この3月末から文科省のほうに戻って、SciREXの担当をさせていただくことになってございますので、皆様、よろしくお願いいたします。
 では、有信先生、議事進行をこのままよろしくお願いいたします。

【有信主査】
 どうもありがとうございました。
 本日の委員会の議題の1に関しては、評価に関するということで、設置規定に基づいて、非公開とさせていただきます。それから、議題2以降については、従来どおり公開の会議となりますので、終了後に皆様に御確認の上、議事録を公開させていただくことになっています。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、特に今の非公開、公開の件について、特段御異論なければ、このまま議事に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

<【議題1】非公開議題>
令和元年度から令和2年度までの2年間で実施した共進化実現プロジェクトについて、個別プロジェクトの最終フォローアップを実施するとともに、プロジェクト全体を通して得られた成果や課題の整理及び次期の共進化実現プログラムに向けた示唆について意見交換を行った。

【有信主査】
 それでは、これからは公開議題ということで進めたいと思います。
 オブザーバーとして、NISTEPの所長の菱山様にも御出席いただいています。
 それでは、議題2ということで、今年度から開始する共進化実現プログラム(第2フェーズ)について、各プロジェクトの採択結果や今後のフォローアップの進め方などを、事務局から資料2に基づいて説明をお願いします。

【中澤室長】
 事務局でございます。資料2を御確認ください。まさに1つ前の議題において、2年間やってきた第1フェーズの共進化実現プロジェクト、プログラム全体の状況について御議論いただいたところでございます。
 そういった意味では、実は1つ目の議題とかなり連動する部分がございますが、1ページおめくりいただいた資料2の最初のところでございますが、これまでの状況をアドバイザリー委員会のほうで報告できていなかった部分があります。かつ、本来であれば、第1フェーズの報告、いろいろなものを一回まとめた上で、第2フェーズを始めることができればよかったんですけれども、時間的な問題の中から、同時並行で進めている部分がございますので、第1フェーズの教訓というのを第2フェーズの中に、段階的にこれを入れていければいいかなと思っております。そんな観点でちょっと御説明させていただければと思います。
 背景・概要、こちらについては既によく御案内のことと思われますので、割愛させていただきます。
 経緯についてでございます。今、結果的には14件のプロジェクトをこれから進めようという段階になってございます。経緯のところでございますが、まず、17件の政策課題、政策ニーズを提示した中で、研究者、それから行政官のマッチングを行って、幾つか、やるやらないという判断をさせていただいた上で、その後、ヒアリング審査といったものを別途開催させていただきました。その上で、最終的には14件の研究プロジェクトを実施することということでスタートする段階に来ております。この14件、中身は共進化実現ステージ、すなわち2年間しっかりやるという、原則2年間やるものと、それから共進化準備ステージ、FSと呼んでいますけれども、これが原則1年というもので、5件あることとなっております。資料の最後のページにプロジェクト一覧がありますが、後ほど少しそこは触れさせていただきたいと思います。
 この2年間のフォローアップの仕方でございますが、ガバナンス構造のところにもありますとおり、これまで同様、アドバイザリー委員会がSciREX事業全体のアドバイス、助言ということをするわけですけれども、図の一番下にあります各プロジェクト、この共進化プログラムでやっていく各プロジェクトについてもフォローアップを引き続きしていくという中で、プロジェクトごとにアドバイザリーを事前に選任して、〇〇先生についてはこのプロジェクトをということで、プロジェクトごとに二、三名程度、これを配置してフォローアップを行っていってはどうかということを考えてございます。
 ちなみに計算上、共進化実現ステージの9件、こちらについては、例えば、案件ごとに3人程度、先生に担当していただいて、FS、こちらの5件については、例えば2人程度、各先生に担当していただくというような形にすると、大体平均すると各先生1人あたり4件程度のイメージになりますが、そういう担当制度のようなものを明確に設けてはどうかということで考えております。
 また、さらにそのフォローアップ、次のページになりますけれども、見ていただくと、大体スケジュールを入れてございます。黒丸のところの中で、実際にアドバイザリー委員会でフォローアップをしていく、すなわちこういったようなアドバイザリー全体での会議体としてやっていくようなタイミングは、R3の12月、それからR4の5月、それからR4の11月、最終的にはその3月という感じで進めていければと思うのですが、先ほどの1つ目の議題でもありましたとおり、例えば夏の段階で、サイトビジット、座談会、セミナー、こういったものを不定期で開催していく際に、先ほどの担当の先生が入っていただくと考えています。あるいは先ほども議論ありましたが、第三者も一緒にした少人数のワークショップみたいなところも、こういった中に入れていければいいのかなということで考えてございます。サイトビジット、座談会、セミナー、あるいはワークショップ、こういったところに担当の先生にそれぞれ時間が許す限り入っていただくということで考えてございます。
 おめくりいただきまして、フォローアップの段階での視点ということでございます。①から④、こういったものをフォローアップの視点として進めていければどうかということで考えてございます。丸1は、プロジェクトの位置づけの観点、こういったものを考えてはどうかと思います。先ほどの議論にもありましたが、例としては、1個目のポツにありますように、政策課題が明確になっているかどうか、あるいは、必要に応じて政策課題をプロジェクトの途中で見直していける、こういった状況にあるかどうか。
 2番目としては、運営・活動状況ということでございますが、例としては、定期的な情報交換、それから、緊密な連携ができているかどうかというようなところです。
 3番目でございますが、目標達成の観点ということでございますが、これは例として、政策への意思決定に貢献した、あるいは貢献できるような研究成果が生まれているかどうかというようなところ。あるいは、2つ目として、専門分野に対する新しい視点が創出できているかどうかというようなところです。
 4番目については、SciREX事業全体への貢献、これがどの程度できているかということで、例の1つ目として、SciREX事業の研究領域の深化に貢献する知識・人材・データが生まれているか。あるいは、例のポツの3つ目でございますが、ネットワークだとかコミュニティの拡大、こういったところに貢献できているかというようなところを見ていってはどうかということでございます。
 さらに、すみません、戻るのですが、この資料の一番上でのところで、先ほど議題1でも、テーマの粒度というのは結構いろいろプロジェクトごとに違うのかなと。さらに言うと、プロジェクトごとに内容も違うという中で、一律の評価軸があるということだけではなくて、むしろ各プロジェクトにおいて評価してもらいたいポイント、マイルストーン、こういったものを事前に提示させて、こういったところを重視して見ていってはどうかということを考えてございます。
 四角の点線枠のところになりますが、共進化実現ステージの1年目の進捗状況、これは先ほどの線表でいくと今年の12月、そのタイミングでこういったところについて確認しながら、次年度の研究プロジェクトの継続の判断、これを行ってはどうかということで考えてございます。
 ページをおめくりいただきまして、ちょっと御紹介になりますが、5ページ目でございます。こちらがこれから2年間進めていく9件の案件でございまして、先ほど言いました共進化実現ステージ、原則2年間やるもので、途中の1年目のところでしっかりとgo、no-goの判断もしていくというものでございます。それから、次のページが5件、これが準備ステージというものでございます。
 5ページ目を見ていただいて、少し補足させていただきますと、このうち③番と④番、それから⑥番と⑧番、こちらは今回担当課と、それから担当者というのは、これまでというか、第1ステージ、過去2年間やってきたものが、比較的類似のテーマでそれを延長、さらには発展させる形でのものということになってございまして、正直、いい意味では非常にいい連携ができているという観点もありますし、プロジェクトのスタートの段階でネガティブなことを言うのもあれですけれども、一面においては、少し惰性で進んでしまうような部分というのもなきにしもあらずということは十分に気をつけなければいけないというのが、こういったところの案件かなということは感じております。
 もう一つ、準備ステージのほうを見ていただきますと、担当課室のところに大臣官房政策課というところが4件出ております。こちらは、ある種、まだ研究の成果を行政にどのように実装していくのかという観点で、必ずしも行政担当課が明確に存在しないような案件というものも含めてこのFSでやっていくということで、担当課室が大臣官房政策課のところで受けているというような状況でございます。
 全体といたしまして説明は以上になりますが、まさに先ほどの議論も踏まえて、フォローアップの仕方のところについて御議論いただければと思っております。なお、1つ目の議題については、アドバイザリー委員会での資料をまとめるという話でございますが、こちらの資料2については、何かアドバイザリー委員会で決定するというような類いのものではありませんので、こちらの御意見をいただいた上で、引き続きアドバイザリー委員会と相談しながら、行政のほうで、企画評価課のほうで、この事業全体を進めるに当たってのガイドライン、指針として、こういったところを取り組んでいければと思っております。
 ちょっと説明が長くなってしまいました。すみません。

【有信主査】
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明内容に関して、御意見、御質問等ありましたら、どうぞよろしくお願いします。

【長岡委員】
 すみません。長岡ですが。

【有信主査】
 どうぞ。長岡委員。

【長岡委員】
  先ほど委員会で議論した各前期のプロジェクトなんですけれども、ある意味でまだ終わっていないというか、着手をして、2年しかやっていないので、そういう意味で未完な状況になっているものが結構あると思います。
 もともと政策の科学というのは、政策の進歩とリサーチの進歩の両方のシナジーを出していくということだと思うんですけれども、であるがゆえにより時間がかかるところもあります。ですから、特に同じ担当者の方が全く新しいプロジェクトを新しく始めるということになると、前のプロジェクトが中途半端で終わってしまって、そのままになるというのがちょっと心配です。もちろんあまり成果が認められないものは当然やめるべきだと思うんですけれども、研究の面でも政策への反映という面でも、まだポテンシャルを残しているプロジェクトがかなりあるように思っており、にもかかわらずどんどん新しいプロジェクトにシフトしていくということが本当にいいのかどうかというのが、私が疑問に思った点です。

【有信主査】
 全体的な御意見、御質問だったと思いますが、事務局からどうぞ。

【中澤室長】
 長岡先生、大事な非常にある種根源的な御指摘だと思っておりまして、今、この御説明、先ほどさせていただいた中の4件については、繰り返しになるのですけれども、今までやってきたものをさらに延長して進めて、延長というか、発展してもう少し成果を引き続き進めていくと考えております。そんなような案件なのかなと思っておりまして、ほかの、例えば前の第1フェーズで9件やっていたものの、そういう意味では残り5件ということになりますけれども、残り5件の状況を見ていたりすると、個別の話なのでちょっと言いにくい部分があるのですが、ちょっとこれはもうこれ以上進められないかなという案件と、研究成果は一回出たけれども、やっぱり行政のほうはまだまだちょっと受け止め切れていないよねという案件と、大ざっぱにこの2種類ぐらいになっているのかと思います。
 もう一つは、研究も行政も含めて進めていくべきかというふうなものになっておりまして、前者の1点目については、ちょっとこれ以上厳しいかなということになるのですが、後者のまだもう少し役所と研究者、引き続き詰めていきたいなというものについては、引き続き事務局のほうでやり方についてフォローアップさせていただいて、個別案件は私もまだこの公開の場では言えませんけれども、役所のフォローアップが足りないというようなところは引き続き進めていきたいと思います。
 さらに研究もやっぱり進めていくべきだというところについては、一義的には第2フェーズで拾えているかなと。ただ、拾い切れていないところというところは、個別、御相談していくしかないのかなということで考えております。すみません。ちょっと答えに必ずしも正確になっていなかったかもしれませんが。

【有信主査】
 なかなか具体的な話ができないので、隔靴掻痒的な説明になってしまうかもしれませんが、長岡委員、どうでしょう、今の説明で。

【長岡委員】
 大体基本的にはもちろんおっしゃることも分かるんですけど、ただ、特に研究というのはやっぱり時間がかかるところもあって、拠点というのはそもそも研究をやることが義務づけられているせいか、最初のプロジェクトをやった成果というのを研究としてまとめるには、実際まだかなり時間がかかる。科研費でも最低3年ですよね。そういう状況の中で考えますと、やはりこのプログラム全体として成果を上げるためには、着手した研究プロジェクトできちんとした政策的なインプリケーションもあるような研究成果としてまとめるということを一つ、ちゃんと拠点には義務づけるというか、やっていただく。研究者のほうはそれをやる意思はあると思いますので、そういうことも奨励していくことが必要じゃないかなと。それはそれでプログラムのアウトプットとして、最終的に集計していく、収集していくこともすごく重要じゃないかなというふうにちょっと思いました。

【有信主査】
 ありがとうございました。

【中澤室長】
 ありがとうございます。

【有信主査】
 ほかに御意見、御質問等ありましたらどうぞ。

【小寺委員】
 1点、よろしいでしょうか。小寺ですけど。

【有信主査】
 どうぞ。

【小寺委員】
  先ほどちょっと議長も言われましたけれども、テーマの粒度という話がありますけど、どれとは言わないですけど、先ほどから出ていたテーマの候補の中で、研究テーマのタイトルがあまりにも、今の時代のキーワードを拾えばいいようなワーディングがされていて、プロジェクトの概要を見ると、全然そこには行っていない、違っているようなものもあると思うんですね。やはりこれ、テーマを進められる上できちんとフレームワークをしっかりしないと、2年間でゴールへ行かないと思うんですね。議論がかみ合わない、議論が進まないと思いますので、どこまでのフレームで何をするのかというのが、ちゃんと研究課題の題目に反映できるような調整をされたほうがいいのではないかと思いました。
 以上です。

【有信主査】
 ありがとうございました。確かにおっしゃるとおりのところはあるかもしれないですね。
 ここら辺は、事務局サイド、何か検討できるんだっけ。

【中澤室長】  
 タイトルのところは、ちょっとすみません、厳しいかもしれませんが、本質的な趣旨として、第1フェーズの先ほどの議論にもありましたが、具体的なゴール設定というか、出口というところをしっかりと最初の段階で共有できているのかということだと思います。共有というのは、一方通行でこれをやってくれということではなくて、しっかり意見交換して、やっぱりここを狙っていかなければ駄目だよねというのをまず両者で共有した上で、そこがスタートできているのかどうかということになると思いますので、それは先ほどの資料2の説明資料のフォローアップ視点のところで、4ページ目ですね。丸1のプロジェクトの位置づけの観点というのを改めて、これをフォローアップの期間も引き続き問い続ける。政策課題が明確になっているのか、あるいは政策課題自体、政策課題というか、研究も含めた出口の明確化ということでしょうかね。そのようなことをやり続けるのかなと思います。最初もやるし、後もやると。
 さらには、一番上のところに2つ書いておりますが、2点目のところで、各プロジェクトにおいて、それぞれのプロジェクトごとに評価してもらいたいポイント、これはちょっと書きにくかったのですけれども、いつまでにどういうことをするかというマイルストーン、あるいは評価軸として、ここを僕らは一生懸命やるんだというところを明確に事前に提示させて重視していくということをやっていければどうかなというふうに考えてございます。

【有信主査】
 最終的に評価のところできちんとやりましょうというお答えだったと思うんですけど、よろしいでしょうか。

【小寺委員】
 はい。結構です。よろしくお願いします。

【有信主査】
 ほかに御意見ありますでしょうか。

【狩野委員】
  狩野ですが、1点、よろしいでしょうか。

【有信主査】
 どうぞ。

【狩野委員】
 今、評価の件が出ました。我が国と別の文化圏では、そういう設定したマイルストーンを建設的に変えてもよいという事態が起きることを、かえって研究としては新しいことが出て面白かったね、良かったですね、高評価、という評価の在り方もあります。もしそうした計画外の事態の発生を褒めるということについて、この場が前向きであれば、そうした取組もされてはいかがかなということを思って、申し上げておきます。失礼しました。

【有信主査】
  ありがとうございます。それは当然その方向だろうという気がしますけども。
 ほかには。
 ありがとうございました。まだありますか。どうぞ。

【吉本委員】
 研究テーマそのものというより、プロジェクト概要において政策的な意図が分かりにくいものを感じているところがございまして、次回のミーティングというのが夏のサイトビジットになってしまうと思うので、その点は後ほど事務局のほうに個別にメールさせていただいてもよろしいでしょうか。

【中澤室長】
  はい。お願いします。

【吉本委員】
 よろしくお願いいたします。

【有信主査】
 じゃ、よろしくお願いします。
 ほかにはよろしいでしょうか。
 それでは、今様々いただいた御意見を踏まえつつ、今後、共進化実現プログラムの第2フェーズを進めていくことになると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 それでは、続いて次の議題に進ませていただきます。共進化実現プログラムの第2フェーズの開始に伴って、SciREX事業の基本方針の一部を改定し、当該プログラムで取り組む重点課題を新たに策定するということになりますので、事務局より資料3-1と3-2に基づいて説明をお願いします。

【中澤室長】
 資料3-1と3-2、御説明させていただきます。
 まず、実は大前提をお話しさせていただきます。大前提というのは、この資料の前の部分なのですが、今御案内のとおり、SciREX事業、15年間の事業でございますが、2021年度、こちら、本年度から11年目に今まさに突入しているということで、5年ごとに中間評価というのがありますが、大きな10年目の節目となる中間評価を今別途やっているところでございます。こちらについて、今日説明は割愛させていただきますが、参考資料の3-2と3-1というような辺りで、そういった資料を入れております。
 何故この話かといいますと、まさにこの中間評価が大体7月ぐらいにはまとまりますので、その10年目の評価を踏まえた上で、まさにSciREX事業の一番上位概念になるという政策文章の一つである基本方針、こちらについては7月に明確に改定するという予定になっております。
 ただ一方で、重点課題、まさにどういう研究プロジェクトを進めていくかというところは、文章の構成上はこの基本方針に基づいて資料3-2の重点課題というものを定めることになっております。今、資料3-2が出ておりますが、これは実は改定ではなくて、重点課題2019というものが、この前のバージョンとしてございますので、そちらをリセットして新たに重点課題2021ということで定めることになってございます。
 そういった意味では、既に別途、議題2でも御説明させていただきましたとおり、今年から始めるプロジェクトについては既に決定しているような状況ではございますので、そちらやっていくということをこの文章として書かせていただいているところでございますので、繰り返しになりますが、7月以降、大幅な改定自体は基本方針のほうでさせていただきますので、その前段階の事務的な変更ということで書かせていただきました。
 ただ一方で、伊地知先生のほうから、実は議題1の際にも、今年から始める共進化プロジェクトの、共進化プログラムの第2フェーズの特徴といいましょうか、その部分についてはしっかり書くべきではないかという御指摘もあったというふうに理解しております。その意味で、今年から始める2年間の取組の特徴というところもございますので、少しここだけ読ませていただきたいと思います。
 「このような取組を更に加速させる形で、令和3年度から、実施期間を2年間とした、新たな研究プロジェクトを開始する。新たなプロジェクトでは、既存の枠組みを超えてSciREXコミュニティの更なる拡大を図るとともに、社会的な要請の大きい政策課題にも取り組むことで、社会的ニーズに対応した政策立案に貢献する。また、研究プロジェクトの成果を最大化するため、各研究プロジェクトのマネジメント体制についても改善を図る」とあります。
 幾つかあるのですが、既存の枠組みを超えてSciREXコミュニティのさらなる拡大を図るという点については、これもちょっと案件ベースの話ではございますが、もともとこれまで行政課題のところは、いわゆる科学技術部分に閉じていたところがあるのですが、この第2フェーズからは、例えば、初等中等教育局の案件なんていうのも入っておりますし、あとは、研究プレーヤーとしては、SciREX事業の拠点大学だけではなくて、NISTEPも今年から入れているというところもございます。
 それから、先ほど各研究プロジェクトのマネジメント体制の改善のところについては、まさに議題2のところでさせていただいたように、担当制という形でアドバイザリー委員にも入っていただくというようなところ、それから、小まめなフォローアップとステージゲートをやっていくというようなところを進めていければというふうに考えてございます。
 すみません。拙速というか、簡単な説明になってしまいますが、こちらについては以上になります。
 1点、この資料自体は、クレジットがここにもありますとおり、基本方針、それから、重点課題については、科学技術・学術政策局のペーパーになりますので、そういった点についても御理解いただければと思います。
 先生、説明は以上になります。

【有信主査】
 ありがとうございます。
 ということで、3-1、3-2という資料を示されていますけれども、何か今の説明に関して御質問、御意見等ありますか。
 いずれにしても、基本方針(案)というのは、最終的には7月の中間評価結果を受けた後に、きちんとしたものを確定させると。ただし、2021のプロジェクトがスタートするに当たって、それの前提となる文章も必要だということで、こういう形に取りあえずなっていますという説明だったと思いますけど、よろしいでしょうか。

【伊地知委員】
  伊地知ですけれど、よろしいでしょうか。

【有信主査】
 どうぞ。

【伊地知委員】
 今、資料3-1について中澤さんのほうから説明していただいて、おそらく、私、伺っているところで理解が正しければ、そうだということで言っていただければと思うのですけれども。「既存の枠組みを超えてSciREXコミュニティのさらなる拡大を図る」というところで、この第2フェーズの特徴というのは、拠点に所属する研究者だけではなくて、その拠点が一つのハブになって、より広がって関係する、そういった研究者も糾合しているというところもあったかなというように思っているところです。

【中澤室長】
 すみません。おっしゃるとおりです。説明し切れなかった部分でございます。

【伊地知委員】
 そうであるからこそ、また「プロジェクトのマネジメント体制」、つまり、拠点だけにとどまらないというところがあって、より関心を持っていくべきところかなというように思っています。
  あと、すみません。非常に細かいところですけれども、大元のこの資料、「改訂」になっているのですが、本文中では「改定」とあるので、たぶん、どこか整合していただいたほうがいいかなと思った次第です。
 以上です。

【中澤室長】
 ありがとうございます。

【有信主査】
 ありがとうございます。
 ほかに特に御意見ありますでしょうか。
 特にないようでしたら、この件については、これでということにさせていただければと思います。
  本日の議事は以上となりますけれども、今後の予定など事務連絡があれば、よろしくお願いします。

【中澤室長】
 現時点ではお伝えできる状況ではございませんが、まさに先ほどの話で、中間評価を踏まえた上で基本方針を改定する際には、しっかりとこのアドバイザリー委員会でかなり時間を取って御議論させていただければと思っておりますので、それは夏の話になりますが、よろしくお願いいたします。

【有信主査】
 ということですが、何か言い残したこと等ありましたら、どうぞ。
 特にないようでしたら、本日の議題は全てこれで終了となります。
 それでは、これで第14回の科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」アドバイザリー委員会を終了させていただきたいと思います。皆さん、御多忙中のところ御出席いただきまして、本当にありがとうございました。
 それでは、これで閉会とさせていただきます。
 

 ――了 ――
 

お問合せ先

科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)