公正な研究活動の推進に関する有識者会議(第14回) 議事要旨

1.日時

令和2年5月18日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

web会議

3.議題

  1. 主査の選任等について
  2. 令和元年度の活動実績について
  3. 令和2年度の実施方針について
  4. 研究公正推進事業の令和元年度実績及び令和2年度事業計画について
  5. 不正行為が認定された事案について(令和元年度一覧化公開実施分)
  6. その他

4.出席者

委員

    相原委員、浅島委員、家委員、一井委員、市川委員、井野瀬委員、隠岐委員、國井委員、塩見委員、鷹野委員、中村委員、伏木委員、札野委員、三木委員

文部科学省

    菱山科学技術・学術政策局長、奥野人材政策課長、丸山研究公正推進室長、藤川研究公正推進室長補佐

オブザーバー

    粒來日本学術振興会監査・研究公正室長、平井科学技術振興機構監査・法務部研究公正課長、松澤日本医療研究開発機構研究公正・業務推進部長

5.議事要旨

○議題1
事務局より、資料1-1、1-2について説明ののち、資料1-2について原案どおり決定された。委員の互選により、主査に浅島委員が選任された。

○議題2
事務局より、資料2-1、2-2について報告が行われた。主な発言は以下とおり。
・現在のチェックリストの質問項目や内容を工夫し、研究公正に関する取組を進歩させる取組が重要。

○議題3
事務局より、資料3について説明ののち、原案どおり実施方針が了承された。主な発言は以下とおり。
・次の5年間で、より自分たちでアクティブな活動をしていこうというモチベーション、気運をどのように定着させていくかが重要。
・研究公正に関する人材育成や整備状況について調査し、それを動かす人をどうやって継続して育てていくかを考えていくことが必要。

○議題4
事務局及び各法人より、資料4について説明ののち、令和2年度の研究公正推進事業の事業計画について了承された。主な発言は以下のとおり。
・日本の場合、研究公正の取組は業績として評価されない 。そういうキャリアパスがない。研究費を与えるという形で、教育熱心な教員を大学で育てることが欠けている。
・(研究不正につながらなかった)ヒヤリハットの取組はよい。教育の中で活用することが重要。
・ハラスメント、アカデミックライティングの教授法、研究費獲得など研究公正とつながる分野等との連携の議論、研究者のマインドを成熟させるシステム作りが重要。
・指導教員と不正行為をしたと疑われる大学院生との間に、様々なハラスメントが介在しているケースが実際にたくさん発生していると思うが、なかなか表面化されない。研究不正とハラスメントの間を考えていくことが重要。また、そういう現状があることを研究者、大学に知らせることが重要。

○議題5
事務局より、資料5について報告が行われた。主な発言は以下のとおり。
・不正行為が認定された研究者は、職位の高い者が多い。研究倫理教育の内容も、若手とベテランで分けることが必要。
・シニアが研究不正に関して大きな役割を持っていたケースも聞く。PI向けの研究倫理教育プログラムについて検討が必要。

○議題6
事務局より、参考4及び参考5について説明が行われた。主な発言は以下のとおり。
・研究不正とその他の大学の問題(アカデミックハラスメント等)は複雑に絡んで問題化・表面化することがある。シニア研究者の研究不正は人文社会科学分野では以前から言われている。eラーニングの形式の見直しを検討することが考えられる。
・留学を希望する学生も増えており、留学した日本人学生が海外で研究不正を指摘されるケースも聞く。学部1年次から、コピペ問題についてしっかりと教育する必要がある。
・研究倫理教育を行う講師役を育てるための研修を行うことも、一つの方法として普及させていくことが考えられる。
・コロナの影響が、学位論文の取りまとめ時期や、若手研究者の有期雇用の期限まで影響が及ぶと、ストレスフルな状況が出てくることを懸念。最悪でもヒヤリハットにとどめるため、各大学でどういう取組が行われているかなど少しデータを集めてはどうか。
・ハラスメントに対する教員の関心は大変高く、そういう研修への参加率は比較的高い。参加型・WS形式で、いろいろ実際に体験するようなものであり、研究倫理教育と組み合わせて行うのが効果的と考える。

○まとめ
・研究公正を教える人材の育成、大学の中での立ち位置・きちっとしたキャリアパスを作ることが必要。
・捏造・改ざん・盗用だけでなく、アカデミックハラスメントを含めてトータルで公正研究倫理を進めていくことが必要。2014年のガイドライン策定時から社会も科学の状況も質的に変化しているので、研究公正をもう少し広範囲に捉えていくことが必要。
・研究倫理教育も、単に一方だけではなくて双方向なことが必要。ヒヤリハットも含めて、いろいろな事例集が重要。外郭だけでなくて質的にしていくことが重要。

以上

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