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参考7

試験研究用原子炉施設に対して用いる重要放射性核種について


1. 原子炉施設(軽水炉、ガス炉、重水炉、高速炉)に対して行われた重要放射性核種の抽出の考え方

原子力安全委員会では、以下の観点で、評価対象核種20核種から重要放射性核種を選定している。

1  原子炉施設の廃止措置等に伴って種々の廃棄物が発生するが、原子炉冷却材による二次的な汚染及び放射化の汚染といった汚染経路を考慮した場合、それぞれの汚染経路ごとの放射性核種組成は大きく異ならないと考えられる。したがって、線量評価の観点から影響度の大きい限られた放射性核種の濃度を制限することによって、その他の放射性核種も自ずと制限されることになると考えられるので、これらのことを考慮に入れた上で、原子炉施設における重要放射性核種について定めることが実際的である。
2  具体的には、今回クリアランスの算出結果(C)と主な原子炉施設の廃止措置等に伴い発生する廃棄物等の推定濃度(D)との比(DわるC)を計算し、炉型、対象物及び汚染経路毎に最大となった放射性核種のDわるCを1にして、他の放射性核種のDわるCを規格化(相対重要度)する。その結果、規格化されたDわるCが0.01以上(2桁の範囲に入る)の放射性核種を重要放射性核種として抽出する。

原子力安全委員会「主な原子炉施設におけるクリアランスレベルについて」(平成11年3月)より引用】

原子炉冷却材による二次的な汚染については、燃料交換時の汚染(燃料被覆管からの放射化生成物によるもの)、燃料損傷時の汚染(燃料に起因するもの)等を考慮。

放射化の汚染については、炉内構造物や遮蔽材に原子炉から中性子が照射され、放射化されることを想定。放射化されるものとしては、発電炉においては、ステンレス、炭素鋼、コンクリートを想定。上記外の材料としては、軽水炉型試験研究用原子炉における、アルミニウム、重水炉における重晶石を含むコンクリート、高速炉における黒鉛が想定されている。

なお、半減期の短い核種は重要放射性核種から除外している(除外された核種のうち、最も長いものはAg-110mであり、半減期は約250日)。

2. 原子力安全委員会によって、具体的に重要放射性核種が評価された試験研究用原子炉施設

日本原子力研究所のJRR−2、JPDR、核燃料サイクル開発機構の高速炉「常陽」

3. 上記以外の試験研究用原子炉施設に対する重要放射性核種

日本原子力研究所のJRR−1、むつ、VHTRC、JMTRC、JRR−2,JPDR、東芝教育訓練用原子炉(TTR−1)、武蔵工業大学炉、立教大学炉、核燃料サイクル開発機構のDCAについては、それぞれ原子炉設置者が施設の解体届けを国に提出する際に、原子力安全委員会の報告書「主な原子炉施設におけるクリアランスレベルについて」(平成11年3月)、「重水炉、高速炉等におけるクリアランスレベルについて」(平成13年7月)を基に、解体廃棄物の総量のうち、放射性物質として扱う必要のない物の量を評価している。
 いずれの施設も原子力安全委員会の報告書で示された重要放射性核種を用いて評価が行われている。

添付資料に示すように、我が国の試験研究用原子炉施設については、炉型、燃料、炉内構造物、遮へい材は、おおむねこれまで検討が行われてきた発電炉及び軽水炉型試験研究用原子炉施設で用いられているものと同じであると考えられる。

(参考7添付資料)試験研究用原子炉で用いられている燃料及び各種構造材(PDF:25KB)

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