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原子力安全委員会では、以下の観点で、評価対象核種20核種から重要放射性核種を選定している。
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原子炉施設の廃止措置等に伴って種々の廃棄物が発生するが、原子炉冷却材による二次的な汚染及び放射化の汚染といった汚染経路を考慮した場合、それぞれの汚染経路ごとの放射性核種組成は大きく異ならないと考えられる。したがって、線量評価の観点から影響度の大きい限られた放射性核種の濃度を制限することによって、その他の放射性核種も自ずと制限されることになると考えられるので、これらのことを考慮に入れた上で、原子炉施設における重要放射性核種について定めることが実際的である。 |
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具体的には、今回クリアランスの算出結果(C)と主な原子炉施設の廃止措置等に伴い発生する廃棄物等の推定濃度(D)との比(D C)を計算し、炉型、対象物及び汚染経路毎に最大となった放射性核種のD Cを1にして、他の放射性核種のD Cを規格化(相対重要度)する。その結果、規格化されたD Cが0.01以上(2桁の範囲に入る)の放射性核種を重要放射性核種として抽出する。 |
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原子力安全委員会「主な原子炉施設におけるクリアランスレベルについて」(平成11年3月)より引用】 |
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原子炉冷却材による二次的な汚染については、燃料交換時の汚染(燃料被覆管からの放射化生成物によるもの)、燃料損傷時の汚染(燃料に起因するもの)等を考慮。
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放射化の汚染については、炉内構造物や遮蔽材に原子炉から中性子が照射され、放射化されることを想定。放射化されるものとしては、発電炉においては、ステンレス、炭素鋼、コンクリートを想定。上記外の材料としては、軽水炉型試験研究用原子炉における、アルミニウム、重水炉における重晶石を含むコンクリート、高速炉における黒鉛が想定されている。
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なお、半減期の短い核種は重要放射性核種から除外している(除外された核種のうち、最も長いものはAg-110mであり、半減期は約250日)。 |