戻る

(別紙2)

密封線源を永久的に挿入された患者が一定期間経過後、
死亡した場合の影響について



   一定期間内に患者が死亡した場合については、火葬に付す前に医師による線源回収が行われることとなっているが、なお念のため、一定期間経過後に患者が死亡した場合の線源からの影響について検討を行った。(なお、ここでいう一定期間は、日本放射線腫瘍学会、日本泌尿器科学会、日本医学放射線学会が定めるガイドライン(注1)において、定められている1年間とする。)
   永久挿入線源(ヨウ素125:1,300MBq(退出時))を挿入された患者が、挿入されてから1年後に死亡し、即日火葬される場合を考え、線源は火葬により燃えまた飛散することはなく、密封性を保ったままであるとの仮定の上、1骨あげを行う者、2火葬場作業者、3骨灰回収業者、4骨壷を抱いて帰宅する喪主、51年間家庭に骨壷を保管する家族に対して線量評価を行った。
   結果を以下の表にまとめるが、いずれの場合においても、永久挿入線源からの線量は1mSvを下回るものであり、放射線防護のための特別な措置は必要ないと考えられる。

[計算結果]

評価対象者 場所 線量 備考
骨あげを行う者 火葬場 0.457 μSv 生涯に1回遭遇すると仮定する
火葬場作業者 火葬場 1.83 μSv/年 1年間に1回遭遇すると仮定する
骨灰回収業者 回収業者の作業場 1.83 μSv/年 1年間に1回遭遇すると仮定する
喪主(火葬場から骨壺を抱いて帰宅) 車中等 5.66 μSv 生涯に1回遭遇すると仮定する
家族(1年間家庭に骨壺を保管) 自宅 58.1 μSv 生涯に1回遭遇すると仮定する


*注1:「シード線源による前立腺永久挿入密封小線源治療の安全管理に関するガイドライン」(日本放射線腫瘍学会、日本泌尿器科学会、日本医学放射線学会)
(抜粋)
2−6−3   死亡時の対応
   永久挿入密封小線源治療を受けて1年以内に患者が死亡した場合には、剖検にて(前立腺ごと)シード線源を取り出し、病院の貯蔵施設にて保管しておく必要があります。このことについて、あらかじめ患者や家族の方の同意を文書で得ておいてください。


 



ページの先頭へ