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資料4−2

1 廃止措置計画に係る技術的要件について
   廃止に係る新たな安全規制については、原子炉等の廃止に先立ち、原子炉設置者等が廃止措置に係る計画書を策定し、国が認可を行う制度となる。検討会報告書においては、今後の廃止措置に関し、整備すべき技術基準の基本的考え方としては、これまでの安全規制の経験等を踏まえ、今後詳細に検討する必要がある旨示されている。
 検討にあたっては、試験研究用原子炉施設と核燃料物質の使用施設を分け、それぞれの施設で必要な技術的要件を抽出した。

 
1. 試験研究用原子炉施設の廃止措置計画に係る技術的要件について
   廃止措置に係る技術的要件については、文部科学省がこれまでの解体・廃止に係る安全規制を通じて蓄積してきた経験や「原子炉施設の解体に係る安全確保の基本的考え方」(昭和60年12月19日原子力安全委員会決定、平成13年8月6日一部改訂)(以下「基本的考え方」という。)を元に作成した「原子炉施設の解体・廃止並びに核燃料物質及び核原料物質使用の廃止に関する手続きマニュアル」(以下「手続きマニュアル」という。)から抽出した。
 以下に、廃止措置計画書の内容として必要と考える事項を示す。
 なお、本資料は、廃止措置に係る全般的な技術的要件を示したものであり、今後、これらが改正法の枠組みの中で適切に反映される必要があると考える。

 
(1) 原子炉施設の解体
 
1   廃止措置対象施設が明確になっていること。
2   廃止措置の開始から完了までの全体計画が明確になっていること。
3   公衆及び放射線業務従事者の被ばくの低減を図る観点から、適切な解体撤去工法及び解体撤去手順であること。
4   解体撤去作業において、建家等は、遮へい及び汚染の拡大抑制に有効活用を図ること。
5   放射性廃棄物の発生量を合理的に可能な限り低減すること。

(2) 保有する核燃料物質の譲渡し
 
1   廃止措置開始時点の核燃料物質の保管場所と、数量の同定に関すること。
2   核燃料物質は、譲渡するか、譲渡するまでの期間、廃止措置を行う施設の貯蔵施設に一時保管すること。
3   核燃料物質を貯蔵施設で保管する期間にあっては、冷却、臨界管理等所要の性能を満足するよう当該貯蔵施設を維持管理すること。

(3) 核燃料物質による汚染の除去
 
1   核燃料物質による汚染の状況を評価すること。
2   核燃料物質による汚染の除去の方法等、汚染除去の計画について明確にすること。
3   放射線業務従事者の被ばく線量の低減に有効と判断される場合は、解体撤去前に核燃料物質による汚染の除去を行うこと。
4   系統内に残存する核燃料物質の除去及び当該施設内外への漏えい防止のため、系統の隔離、密封等の措置を講ずること。

(4) 核燃料物質によって汚染された物の廃棄
 
1   廃止措置開始時点の放射性廃棄物の保管場所と、数量の同定に関すること。
2   放射性廃棄物の発生量について適切な分類により評価しておくこと。
3   気体、液体、固体、それぞれの放射性廃棄物の処理の方法が明確になっていること。
4   解体中に発生する放射性固体廃棄物については、それらを適切に処理する能力又は保管する容量が確保されているか又は確保できる計画があること。
5   周辺環境へ放出される放射性物質の管理を適確に行うこと。

(5) 廃止措置に伴う施設の新増設
 
核燃料物質の撤去、核燃料物質による汚染の除去及び放射性廃棄物の処理に係わる施設、設備の新増設を行う場合、その具体的な構造及び性能について明確にすること。

(6) 廃止措置の管理
 
1   廃止措置に関する組織とその職務を明確にすること。
2   空間線量率、表面汚染密度等のレベルに応じて区分し適切な管理区域を設定し、放射線管理を行うこと。
3   廃止措置期間中に維持すべき設備及びその機能、性能について明確にすること。
4   廃止措置期間中に作成すべき記録、その保存期間について明確にすること。。
5   廃止措置に携わる者に対する教育項目及び教育頻度について明確にすること。
6   非常時の措置について明確にすること。

(7) 核燃料物質等による放射線の被ばく管理
 
1   核燃料物質等による周辺公衆の被ばく線量評価。
2   操作上の過失、機械又は装置の故障、地震、火災等があった場合に発生すると想定される事故の種類、程度、影響に関すること。

(8) 品質保証
 
廃止措置期間中の保安のために必要な措置を体系的に実施するため品質保証を適用すること。

(9) 廃止措置に要する資金の額及び調達計画
 
廃止措置のために必要な費用を見積もるとともに、それに要する資金確保の見込みがたっていること。

  注:下線部は、現行の解体・廃止に係る規制において要求されている事項


2. 核燃料物質の使用施設の廃止措置計画に係る技術的要件について
   核燃料物質の使用については、1グラム以上のプルトニウム(非密封)等核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下、「原子炉等規制法」という。)施行令第16条の2に定める核燃料物質を使用する施設と、それ未満の量の核燃料物質を使用する施設で、使用期間中に課せられる規制の内容も異なることから、それらを考慮した技術基準を適用することが望ましい旨、検討会報告書で示されている。
 この点を踏まえ、核燃料物質の使用施設の廃止措置計画に係る技術的要件の内容は、使用期間中の核燃料物質の種類や量を考慮し、1原子炉等規制法施行令第16条の2に定める核燃料物質を取り扱っていた施設(以下、「16条の2該当施設」という。)、2原子炉等規制法施行令第16条の2に定める核燃料物質以外の核燃料物質を取り扱っていた施設(以下、「16条の2非該当施設」という。)に対して、それぞれの施設で必要な技術的要件を抽出した。

 
16条の2該当施設における廃止措置計画に係る技術的要件
   技術的要件の検討にあたっては、試験研究用原子炉施設について抽出した事項を基本として、核燃料物質の使用施設の供用期間中に課せられている規制の内容を考慮し、廃止措置計画書の内容として必要な事項を抽出した。このため、核燃料物質の使用の許可を取得する際、「工事に要する資金の額及び調達計画」については法令上求められていないことから「廃止措置に要する資金の額及び調達計画」は、核燃料物質の使用施設についての技術的要件から除外した。
以下に、廃止措置計画書の内容として必要と考える事項を示す。
 なお、ここでは、廃止措置に係る全般的な技術的要件を示したものであり、今後、これらは、改正法の枠組みの中で適切に反映される必要があると考える。
 
(1) 使用施設等の解体
 
1   廃止措置対象施設が明確になっていること。
2   廃止措置の開始から完了までの全体計画が明確になっていること。
3   公衆及び放射線業務従事者の被ばくの低減を図る観点から、適切な解体撤去工法及び解体撤去手順であること。
4   解体撤去作業において、建家等は、遮へい及び汚染の拡大抑制に有効活用を図ること。
5   放射性廃棄物の発生量を合理的に可能な限り低減すること。

(2) 保有する核燃料物質の譲渡し
 
1   廃止措置開始時点の核燃料物質の保管場所と、数量の同定に関すること。
2   核燃料物質は、譲渡するか、譲渡するまでの期間、廃止措置を行う施設の貯蔵施設に一時保管すること。
3   核燃料物質を貯蔵施設で保管する期間にあっては、冷却、臨界管理等所要の性能を満足するよう当該貯蔵施設を維持管理すること。

(3) 核燃料物質による汚染の除去
 
1   核燃料物質による汚染の状況を評価すること。
2   核燃料物質による汚染の除去の方法等、汚染除去の計画について明確にすること。
3   放射線業務従事者の被ばく線量の低減に有効と判断される場合は、解体撤去前に核燃料物質による汚染の除去を行うこと。
4   系統内に残存する核燃料物質の除去及び当該施設内外への漏えい防止のため、系統の隔離、密封等の措置を講ずること。

(4) 核燃料物質によって汚染された物の廃棄
 
1   廃止措置開始時点の放射性廃棄物の保管場所と、数量の同定に関すること。
2   放射性廃棄物の発生量について適切な分類により評価しておくこと。
3   気体、液体、固体、それぞれの放射性廃棄物の処理の方法が明確になっていること。
4   解体中に発生する放射性固体廃棄物については、それらを適切に処理する能力又は保管する容量が確保されているか又は確保できる計画があること。
5   周辺環境へ放出される放射性物質の管理を適確に行うこと。

(5) 廃止措置に伴う施設の新増設
 
核燃料物質の撤去、核燃料物質による汚染の除去及び放射性廃棄物の処理に係わる施設、設備の新増設を行う場合、その具体的な構造及び性能について明確にすること。

(6) 廃止措置の管理
 
1   廃止措置に関する組織とその職務を明確にすること。
2   空間線量率、表面汚染密度等のレベルに応じて区分し適切な管理区域を設定し、放射線管理を行うこと。
3   廃止措置期間中に維持すべき設備及びその機能、性能について明確にすること。
4   廃止措置期間中に作成すべき記録、その保存期間について明確にすること。
5   廃止措置に携わる者に対する教育項目及び教育頻度について明確にすること。
6   非常時の措置について明確にすること。

(7) 核燃料物質等による放射線の被ばく管理
 
1   核燃料物質等による周辺公衆の被ばく線量評価。
2   操作上の過失、機械又は装置の故障、地震、火災等があった場合に発生すると想定される事故の種類、程度、影響に関すること。

(8) 品質保証
 
廃止措置期間中の保安のために必要な措置を体系的に実施するため品質保証を適用すること。

  注:下線部は、現行の解体・廃止に係る規制において要求されている事項

16条の2非該当施設における廃止措置計画に係る技術的要件
   技術的要件の検討にあたっては、試験研究用原子炉施設について抽出した事項を基本として、核燃料物質の使用施設の供用期間中に科せられている規制の内容を考慮し、廃止措置計画書の内容として必要な事項を抽出した。このため、核燃料物質の使用の許可を取得する際、「工事に要する資金の額及び調達計画」については法令上求められていないことから「廃止措置に要する資金の額及び調達計画」は、核燃料物質の使用施設における技術的要件から除外した。また、16条の2非該当施設においては、核燃料物質の使用の許可を取得する際、法令上、障害対策書注1及び安全対策書注2の添付が要求されていないこと、保安規定の作成についても要求されていないことから「非常時の措置」、「操作上の過失、機械又は装置の故障、地震、火災等があった場合に発生すると想定される事故の種類、程度、影響に関すること」及び「品質保証」について除外とした。
 以下に、廃止措置計画書の内容として必要と考える事項を示す。
 なお、ここでは、廃止措置に係る全般的な技術的要件を示したものであり、今後、これらは、改正法の枠組みの中で適切に反映される必要があると考える。
 
  注1  障害対策書: 核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物による放射線のしゃへい及び核燃料物質等で廃棄しようとするものの廃棄に関する説明書。
  注2  安全対策書: 操作上の過失、機械又は装置の故障、地震、火災等があつた場合に発生すると想定される事故の種類及び程度並びにこれらの原因又は事故に応ずる災害防止の措置に関する説明書。

 
(1) 使用施設等の解体
 
1   廃止措置対象施設が明確になっていること。
2   廃止措置の開始から完了までの全体計画が明確になっていること。
3   公衆及び放射線業務従事者の被ばくの低減を図る観点から、適切な解体撤去工法及び解体撤去手順であること。
4   解体撤去作業において、建家等は、遮へい及び汚染の拡大抑制に有効活用を図ること。
5   放射性廃棄物の発生量を合理的に可能な限り低減すること。

(2) 保有する核燃料物質の譲渡し
 
1   廃止措置開始時点の核燃料物質の保管場所と、数量の同定に関すること。
2   核燃料物質は、譲渡するか、譲渡するまでの期間、廃止措置を行う施設の貯蔵施設に一時保管すること。
3   核燃料物質を貯蔵施設で保管する期間にあっては、冷却、臨界管理等所要の性能を満足するよう当該貯蔵施設を維持管理すること。

(3) 核燃料物質による汚染の除去
 
1   核燃料物質による汚染の状況を評価すること。
2   核燃料物質による汚染の除去の方法等、汚染除去の計画について明確にすること。
3   放射線業務従事者の被ばく線量の低減に有効と判断される場合は、解体撤去前に核燃料物質による汚染の除去を行うこと。
4   系統内に残存する核燃料物質の除去及び当該施設内外への漏えい防止のため、系統の隔離、密封等の措置を講ずること。

(4) 核燃料物質によって汚染された物の廃棄
 
1   廃止措置開始時点の放射性廃棄物の保管場所と、数量の同定に関すること。
2   放射性廃棄物の発生量について適切な分類により評価しておくこと。
3   気体、液体、固体、それぞれの放射性廃棄物の処理の方法が明確になっていること。
4   解体中に発生する放射性固体廃棄物については、それらを適切に処理する能力又は保管する容量が確保されているか又は確保できる計画があること。
5   周辺環境へ放出される放射性物質の管理を適確に行うこと。

(5) 廃止措置に伴う施設の新増設
 
核燃料物質の撤去、核燃料物質による汚染の除去及び放射性廃棄物の処理に係わる施設、設備の新増設を行う場合、その具体的な構造及び性能について明確にすること。

(6) 廃止措置の管理
 
1   廃止措置に関する組織とその職務を明確にすること。
2   空間線量率、表面汚染密度等のレベルに応じて区分し適切な管理区域を設定し、放射線管理を行うこと。
3   廃止措置期間中に維持すべき設備及びその機能、性能について明確にすること。
4   廃止措置期間中に作成すべき記録、その保存期間について明確にすること。
5   廃止措置に携わる者に対する教育項目及び教育頻度について明確にすること。

(7) 核燃料物質等による放射線の被ばく管理
 
核燃料物質等による周辺公衆の被ばく線量評価。

  注:下線部は、現行の解体・廃止に係る規制において要求されている事項


3. 廃止措置の終了の確認について
   検討会報告書においては、廃止措置の終了に際して、原子炉設置者等は、核燃料物質を譲り渡し、核燃料物質による汚染を除去する等した後、それら講じた措置に関する報告を添えて主務大臣あて廃止措置の終了に係る確認のための申請を行うこと、主務大臣は、当該申請を受けた後、その内容について確認を行うこと、この確認にあたっては、予め確認の基準を明確にし、それを満足するものである場合に確認がなされたものとする必要がある旨示されている。
 試験研究用原子炉施設及び核燃料物質の使用施設等において廃止措置が終了したときに確認する内容としては、認可された廃止措置計画に従い以下の措置が終了していることが必要であると考える。
 
  1   原子炉施設又は核燃料物質の使用施設等の解体
  2   保有する核燃料物質の譲り渡し
  3   核燃料物質による汚染の除去
  4   核燃料物質によって汚染された物の廃棄
  5   放射線業務従事者の放射線管理記録の文部科学大臣の指定する機関への引き渡し

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