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はじめに
   平成13年12月に「文化芸術振興基本法」が公布・施行され,それを受けて翌年12月には「文化芸術の振興に関する基本的な方針」が閣議決定され,国として我が国の文化芸術の振興に関する施策の総合的な推進を目指す基本方針が定められた。
   一方,文化庁においては,平成13年1月に,文化行政における政策の企画立案機能の充実を図るため,文化の振興及び国際文化交流の振興に関する重要事項について,幅広い観点から調査審議を行う場として文化審議会が設置され,文化全般について審議する体制が整えられた。このような状況の中で文化審議会の下に文化の振興に関する基本的な政策の形成に係る重要事項について審議を行う場として平成15年2月に文化政策部会が設置されるに至った。
   この第一期の文化政策部会では,映画関係については文化庁において別途,懇談会を設けて振興策の検討が行われていたことも踏まえ,我が国文化芸術活動の大きな部分を占める舞台芸術創造活動について,近年,予算が拡充されてきた中で国としての今後の支援の在り方を検討の課題として取り上げることにした。その際,近年,政策評価が重要視されていることを踏まえ,支援の在り方の検討に当たっても,助成対象の選定など審査・評価の在り方を含めて検討を行うこととした。なお,検討の対象については舞台芸術創造活動全般とするが,歌舞伎,文楽,能などの伝統芸能の保存関係を対象外とし,また,独立行政法人日本芸術文化振興会に置かれる芸術文化振興基金については,検討に際して,その活動内容は充分考慮するが,提言の対象としては文化庁が直接行う支援事業のみとすることとした。
   本部会ではこのような検討内容の下,平成15年5月に第1回の会合を開いて以来,これまで7回の審議を行い,このたび,本提言を取りまとめたものである。
   従来より文化庁では,舞台芸術創造活動への支援策として,「アーツプラン21」を中心に,優れた文化芸術団体への支援,芸術家の養成等を行ってきており,平成14年度からはこれらの支援策を更に拡充し,推進していくため,「文化芸術創造プラン」を設け(平成15年度予算額191億円),我が国の優れた文化芸術の向上に資する活動に対して支援を行っている。
   本提言は,これらの支援策がより一層,我が国文化芸術の振興に資するものとなるよう,これら舞台芸術創造活動への支援と評価の在り方についての今後の方向性を示すものである。
   文化庁においては本提言を踏まえ,舞台芸術創造活動への支援の具体的な改善・充実に努めていくことを期待するものである。


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