参考資料4
平成20年1月30日
それぞれ検討を行った。
なお、については、関係団体間の協議等による自主的な取組により解決が図れるのではないかとの指摘もあったが、他の手段で解決が図れるかどうかということと最終的な手段を用意しておく意義とは別の問題ではないかとの意見もあった。今後、諸外国の状況や国際条約との関係を精査しつつ、制度導入の可否について、検討を続ける。
また、同日の小委員会では、ヒアリング等において問題提起された、権利者が多数にのぼる場合で、一部の者の許諾が得られないときに対応できる利用円滑化方策を講ずべきではないかとの意見に対して、共有著作権に係る規定(権利行使については全員の合意が必要。ただし、正当な理由がない限り合意の成立を妨げることができない等)の活用範囲や運用の見直しが可能かどうか、また、特に「共同実演」により著作隣接権が共有となる場合の規定の適用範囲についての解釈の明確化について、検討を行った。
この点について、一部の実演家の許諾が得られなかったことによって過去に製作したコンテンツの二次利用が妨げられている事例は、実際にはほとんどなく、あっても特殊な事例であるとの指摘や、権利者の所在不明の場合の問題と重なる部分も多いのではないかとの指摘等もあったが、より実態等を踏まえて専門的な検討をすべきとの観点から、本小委員会の下に、ワーキングチームを設置し、これらの問題について法的な問題点の整理を行い、その上で改めて検討を行うこととした。
なお、この共有ワーキングチームについては、11月26日の小委員会において設置を定め、現在、実務関係者の参加の下、検討が続けられている。
この問題については、国民ができるだけ幅広く著作物へのアクセスができるような環境が整備されるべきとの基本的な観点はあるものの、具体に解決すべき課題となると、コンテンツ提供者が、自らのコンテンツを保存しつつ、その提供を行う場合と、市場に置かれたコンテンツを他者が収集・保存等する場合とでは、解決すべき課題の性質が大きく異なるのではないかと考えられる。また、デジタル情報の蓄積という観点からは、コンテンツ提供者側においても、音楽・動画の配信、書籍の電子出版等についてそれぞれ取組が進められていることもあり、異なる主体が重複するデジタルデータを保存・提供する場合には、互いの利害が衝突する場面が想定される。
このため、コンテンツ提供者側以外の立場でのアーカイブ機能について、その中核を担う可能性のある図書館を取り上げつつ、アーカイブされたデータ提供の範囲、その際の条件等について、コンテンツ提供者の取組の実態、図書館等の意義・役割等も踏まえながら、専門的に整理を行い、その上で改めて検討を行うこととした。
なお、このアーカイブワーキングチームについても、同日の小委員会において設置を定め、現在、実務関係者の参加の下、検討が続けられている。
引き続き、保護と利用のバランスについて、調和の取れた結論が得られるよう、検討を続けることが適当である。
今期の小委員会において報告書のとりまとめはできなかったが、来期も継続して検討する必要があると考えている。