参考資料2

中間整理(案)に対する意見

平成19年9月19日
(民放連・大寺)

A.有料放送からの私的録画の対価徴収について

(14頁)「b レンタル店から借りた音楽CDからの私的録音、適法放送のうち有料放送からの私的録画」2つめのまる

 なお、現状において私的録音録画の対価が徴収されていることは確認できなかったが、ビジネスモデルの現状から、関係者は認識していないかもしれないが、現実には当該対価が事実上徴収されているのではないかという意見があった。

≪修正案≫

たとえば、以下のように修正することを要望します。

≪修正理由≫

 有料放送事業者は、中間整理案にあるとおり、総務大臣から認可を受けた契約約款に基づき視聴料を徴収していることから、これは“有料放送事業者が事実上約款に違反している”との指摘ともとられかねないため、表現を修正していただきたいと思います。

B.「タイムシフト」について

1(24頁)「C 権利者の受忍限度と補償の必要性」2つめのまる

 なお、この場合、購入した音楽CDからのプレイスシフトや放送番組のタイムシフトのための録音録画については、経済的不利益が相対的に低いということに異論は少なく、これらの点は、補償金の額の設定にあたって考慮事項とすることが考えられる。

2(45頁)2つめのまる

 契約に基づく私的録音録画や、プレイスシフト、タイムシフトなどの要素は補償金額の決定にあたって反映させるべきであるとすることについてもおおむね異論はなかった。

≪修正案≫

 この2箇所については、たとえば以下のような対立意見を明記することを要望します。

3(25頁)「(4)著作権保護技術により補償の必要性がなくなる場合の試案」アの1つめのまる

 具体的にいえば、(中略)この回数は、具体的に何回と特定しにくいが、例えば権利者に対する不利益の度合いが比較的少ないといわれる購入した音楽CDのプレイスシフトのための録音、又は放送番組のタイムシフトのための録画に必要とされる回数がひとつの目安となると思われる。

≪修正案≫

 「回数」だけに言及するのではなく、たとえば以下のとおり、「利用方法」にも言及していただきたいと思います。

13 修正理由≫

 23頁1つめのまるにある「映像作品はごく少数の録音録画でも権利者に与える不利益が大きいといわれていること、映画や放送番組の録画は二次利用に影響があると考えられている」という指摘の側に立てば、タイムシフト録画にも十分不利益があることは指摘されているので、席上で12の発言の際には確かに改めて異論を唱えておりませんが、これはそもそも立場が異なるため、聞き置いていたというのが実際のところです。
 また、前回の小委員会でも議論になったとおり、委員のなかで「タイムシフト」の定義が一致しておりません。「タイムシフト」を米国の判例を前提に議論する場合と、単に当初の録画目的のみを差す場合とはその影響が大きく異なります。録画目的がタイムシフトであっても、消去されることが前提でなければ、中間整理案でも指摘しているとおり、結果として番組は保存されることもあり、この場合、当初目的が「タイムシフト」でも「保存」でも不利益は同じです。
 さらに3については、「タイムシフト」の定義次第では、放送がコピーワンスであれば補償の必要性がなくなる条件を満たすとも解釈できます。しかしながら実際には大容量HDDが普及した現状で1回でもコピーできれば、コピーの総体は大きくなります。したがって利用方法による限定も必要と思われます。

C.その他

〔評価機関について〕(45頁)4つめのまる

 前回の小委員会の席上でNHK石井委員から意見がありました「評価機関は学識経験者のみで構成する」ことに賛成いたします。消費者を含めた利害関係者にはヒアリングを実施し、評価機関が対象機器等と補償金額を決定するという方法が、迅速でかつ透明性が確保される方策と考えます。中間整理にも記載していただくことを要望します。

〔補償金額の決定要素について〕(44頁)「2見直しの要点」1つめのまる、(45頁)2つめのまる

 録画機器や媒体の録画容量を補償金額に反映することを要望いたします。たとえば、HDDを例にとると、録画容量が少ない場合はすぐに容量が一杯になることから、その用途はまさにタイムシフト視聴である場合が多いと考えられますが、録画容量が膨大になれば、消去する必然性もなくなり、検索機能と組み合わせたライブラリーとしての活用が増えることが想定されます。また、フランスなどにおいても記録時間を補償金額に反映させる仕組みをとっていることからも妥当と考えられます。中間整理でも利用態様や著作権保護技術を反映させることは述べられていますが、そのほかにも反映させるべき項目があることを明記していただくことを要望します。

〔補償金管理協会の一本化について〕(46頁)「2見直しの要点」2つめのまる

 46頁にもあるとおり、管理協会を一本化する際には、場合によっては年度途中において両協会の業務・組織・予算等を新組織へ円滑に移行する必要があることから、法令等による手当てを含めた十分な対応を要望いたします。

以上