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文化審議会

2002/12/12 議事録
文化審議会著作権分科会契約・流通小委員会(第7回)議事要旨


文化審議会著作権分科会契約・流通小委員会(第7回)議事要旨

  日時 平成14年12月12日(金)午後2時〜午後16時
     
場所 文部科学省別館5、6会議室
     
出席者 (委員)
紋谷主査、石井委員、今川委員、入江委員、上原委員、大森委員、金原委員、久保田委員、児玉委員、佐々木委員、寺島委員、生野委員、橋元委員
(文化庁)
銭谷文化庁次長、丸山長官官房審議官、岡本著作権課長、吉尾国際課長、その他の担当官
     
配付資料 
  議事次第
資料1 契約・流通小委員会(第6回)議事要旨
資料2 文化審議会著作権分科会契約・流通小委員会審議経過概要(案)について
     
概  要 (1)契約・流通小委員会審議経過の概要(案)について、事務局から説明が行われ、以下の質疑応答が行われた。
    (以下、委員:○、事務局:△)
     
  ○: 著作権等管理事業において、利用者の中には指定管理事業者と単に管理事業の登録を受けた事業者とを混同している者がおり、報告書に指定管理団体のことを触れた方が良いのかどうかわからないのだが、これだと管理事業は誰でもできることしか書かれていない。
             
  △: 管理事業法では、使用料額の水準に影響が大きい管理事業者を指定することとしているが、この報告書に法律の詳しい説明までは必要ないと考えている。
             
  ○: ライセンス契約におけるライセンサーとライセンシーの関係の問題において、著作権以外の契約の在り方にも影響を及ぼしうるが、これについてはどう考えているのか。
     
  △: 物権・債権の関係の問題であり、例えば不動産賃貸借のように債権者を保護する法制度を設ける特殊性が著作権ライセンス契約にあるか否かがポイントとなるが、この点について来年以降他法も参考にしつつ、引き続き検討していただきたい。
       
  (2) 来年以降の本小委員会で検討すべき事項等に関し、フリートーキングが行われた。
     
  ○: 第15条の法人著作の見直しについて、仮に廃止ということになると、従業者から著作権を譲り受けそれを確定するためには、登録をしなければいけないので現実的でない。
     
  ○: 法人著作の問題は第29条の映画の著作物の著作権の帰属にも影響し、著作権法全体に照らした検討が必要と考えられる。
     
  ○: シュリンクラップ契約について、今年は検討課題に入れたものの検討しなかったので、是非来年度に検討したい。
     
  ○: 多数の実演家が参加している映像コンテンツの利用許諾契約において、一人の実演家が不明等により許諾できないことにより、映像コンテンツが流通しない場合、他の実演家の利益とのバランスを考え何らかの対策を講ずる必要があるのではないか。
     
  ○: 著作権者不明等の場合における文化庁長官の裁定(第67条)制度的なものが考えられる。
     
  ○: ネット上の音楽利用について、最近、事業者で問題になっているのは、某著作権管理団体で管理されていた曲が、著作権等管理事業法により、幾つかの事業者で管理することができるようになったため、1曲に係る権利が分割管理されるようになったことである。そのことにより、某管理団体では8割分だけ許諾するというようなこともあり、特に外国曲において相当比率が高くなってきている実態がある。
     
  ○: 権利者を探して、権利者の権利をクリアにするビジネスモデルもあり、それらのノウハウも知的財産として保護すべきものと考える。
     
  ○: 権利者がどうしても見つからない場合、文化庁長官による裁定制度(第67条)以外の方法もあり得るのではないか、例えば、著作権使用料を預け、権利者が現われた場合にはそこから補償するシステムを構築し、著作物を利用することも考えられる。
     
閉会 本小委員会で取りまとめられた審議経過の概要は、1月16日に開催される著作権分科会に主査より報告されることを確認し、終了することになった。


(文化庁長官官房著作権課)

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