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3.外国法からのアプローチ

(1) ドイツ法

   ドイツ著作権法には,同法97条に差止及び停止請求権並びに損害賠償請求権に関する規定が定められている。
 同条1項の規定によれば,著作者の権利その他のドイツ著作権法上の権利を違法に侵害された者は,加害者に対して,侵害の排除を,反復のおそれがあるときは停止を請求することができるとともに,加害者に故意又は過失があるときは損害賠償を請求できるとされている。
 そして,著作権法上の権利侵害について責任を負うのは,権利侵害を自ら行う者か,又はこれに関与する者でその行為と権利侵害との間に相当因果関係が存在する場合であると解するのが一般的である。
 もっとも,こうした責任が第三者に過度に拡大しないように,同条に基づく責任が肯定されるためには一定の義務違反があったことが前提とされており,最近の判例においても,停止請求を否定して被告適格を限界づけたものが見受けられる。
 以下,概観する。

1 ドイツ著作権法

   ドイツの旧著作権法(注25)においては,そもそも差止請求権に関する明文の規定が存在しなかった(注26)。そのため,著作権に基づく差止請求は,ドイツ民法(BGB)1004条の類推適用によって根拠づけられていた(注27)。
 その後,1965年に全面改正された現行ドイツ著作権法においては,停止請求及び除去請求に関する明文の規定(97条)が設けられた。これは,それまで判例が認めてきたドイツ民法1004条の類推適用を明文化したものと説明されている(注28)。そのため,現行法の下においては,著作権侵害に対する差止請求の根拠条文としてドイツ民法1004条が類推適用されることは基本的にない。
 ドイツ著作権法97条1項1文は,「著作権又はこの法律によって保護を受けるその他の権利を違法に侵害する者に対して、被害者は、侵害の排除(Beseitigung)を、反復のおそれがあるときは停止(Unterlassung)を、加害者に故意または過失があるときは損害賠償をも、請求することができる」と規定されている(注29)。
 本条により,停止請求及び排除請求並びに損害賠償請求等が認められることになる。そして,損害賠償請求については故意又は過失が必要となるが,停止請求及び排除請求については故意又は過失が不要である。他方,予防請求(vorbeugende Unterlassungsanspruch)については明文の規定がないが,具体的に差し迫った侵害のおそれがあれば認められるものと解されている(注30)。
 この場合,被害者は,加害者の占有又は所有する,違法に製作・頒布等されたすべての複製物を廃棄すること(ドイツ著作権法98条1項),あるいは,相当なる報酬と引換えに自己に引き渡すことを求めることができる(同条2項)。
 この権利侵害が,企業の被用者等によって行われる場合,被害者は企業主に対しても,ドイツ著作権法97条から99条の規定に基づく請求権を有するものと規定されており(ドイツ著作権法100条),損害賠償請求以外の請求を行うことができる。
 ただ,例外として,権利侵害があるという場合であっても,ドイツ著作権法97条から99条によって責任を負う侵害者が,故意も過失もなく行為を行ったという場合であって,これらの請求権の行使によってこの者に著しく大きな損害の生ずるおそれがあり,かつ,被害者には金銭による満足が期待されるときは,侵害者は,被害者に金銭賠償することにより,これらの請求権を回避することができるものと定められている(ドイツ著作権法101条)。この限りでは,差止請求が否定され,損害賠償請求のみが肯定されることになろう。
 さて,ドイツ著作権法97条に基づく請求が認められるためには,著作権法に規定されている絶対権の侵害があることが前提となる。そうした権利侵害があるかどうかは,権利に関するそれぞれの規定によって決まる。また,権利制限規定に該当する場合や権利者が許諾を与えている場合も侵害とはならない。
 そして,同条の請求を受ける主体は,自ら権利侵害を行う者か,又はこれに関与する者で当該行為と権利侵害との間に相当因果関係(ein adäquater Kausalzusammenhang)が存在するような場合であるとするのが一般的である(注31)。そこでは,その者が複数の原因の一つをもたらしたというだけで足りるが,その因果関係が経験則上蓋然性を有しない(unwahrscheinlich)場合はこの限りでないとされる(注32)。
 例えば,著者が剽窃作品を出版者に送り,その出版社が印刷社にこれを印刷させた場合,複製権及び頒布権の侵害について責任を負うのは,出版社,印刷社,著者である。
 また,公演について組織的・財政的に責任を負う主催者が,権利管理団体から必要な許諾を得ることを怠った場合も侵害者とされる。
 その上で,違法に複製された楽譜がコンサートで用いられたという事案で(注33),その楽譜が演奏家自身によって持ち込まれたものであることを理由に,公演主催者の責任が否定されたものがある(BGH 16.6.1971, GRUR 1972,141,“Konzertveranstalter“)。
 他方,単にコンサートホールを貸与したにとどまらず,新聞に宣伝広告を掲載した上,会場の開閉,入場券の販売,客の携行品の保管,客への飲料の提供など,公演のためにさまざまな追加的給付を行ったことを理由に,違法な演奏について共同行為者とされたものがある(OLG München 21.9.1978, GRUR 1979,152,“Transvestiten-Show“)。
 このように,ドイツ著作権法97条の責任を負う者の範囲は広く,停止及び除去請求に関しては,単なる妨害者(Störer)――すなわち,何らかの方法で意図的に(willentlich)かつ相当因果関係をもって(adäquat kausal)著作権法上の権利侵害に関与し,その防止に法的な可能性を有している者――も含まれるとされる(注34)。
 もっとも,自ら権利侵害を行っているわけではない者の責任が過度に拡大することのないように,妨害者として責任を負うのは,競争法に関する判例(BGH 10.10.1996, GRUR 1997,313,“Architektenwettbewerb“)にしたがって,著作権法においても,「調査義務」(Prüfungspflicht)に違反した場合に限られるとされており,妨害者責任を問われた者は,他人による権利侵害について調査する義務に違反していなかったことを抗弁として主張できるとされている(BGH15.10.1998, GRUR1999, 418,”Möbel- klassiker” )(注35)。
 実際のところ,新聞広告に著作権を侵害する家具の宣伝広告が掲載されたという事案において,著作権法97条1項1文に基づく妨害者責任が肯定されるためには調査義務の違反が前提となるとした上で,新聞社の日常の仕事を過度に阻害しないために,新聞社には一般的ないし包括的な調査義務はなく,新聞社が責任を負うのは,重大で,かつ容易に認識可能な違反が存在する場合に限られるとした判例がある(BGH 15.10.1998, GRUR 1999,418,”Möbelklassiker”)(注36)。
 なお,ドイツ著作権法における刑事罰については,ドイツ著作権法106条1項において,「法律上許される場合のほか、権利者の同意を得ることなく、著作物または著作物の翻案物もしくは変形物を複製し、頒布し、または公に再生する者は、3年以下の自由刑または罰金刑に処する」と規定されている。
 ここで,正犯と共犯の区別についてはドイツ刑法25条以下の一般原則にしたがうものとされている。例えば,著作権侵害に当たる書籍出版においては,出版社,印刷者,製本屋が,複製について共同行為者(Mittäter)とされ,出版社,中間流通業者,本屋は,原則として頒布について共同行為者であるとされるが,逆に,単なる購入者は,必要とされる程度の関与をしているとは言えないため刑事罰の対象にならないとされる(注37)。
 なお,著作権法106条には故意要件が設けられていないが,ドイツ刑法15条により,故意犯のみが刑罰の対象となる。

(注25)  ドイツ旧著作権法とは、1901年の「文学的および音楽的著作物の著作権に関する法律」(LUG)、および1907年の「造形美術および写真著作物の著作権に関する法律」(KUG)を指す。
(注26)  もっとも、「違法に作成または頒布された物およびもっぱら違法な複製の用に供された装置の廃棄」については規定が存在した(LUG42、46条)。これは、現行ドイツ著作権法98条に相当するものといえよう。
(注27)   Erich Schulze, Kommentar zum LUG und KUG, 1961, S.6; BGH 18.5.1955, BGHZ 17,266,"Grundig-Reporter".
(注28)  Amtliche Begründung zum Regierungsentwurf, DB-Drs. IV/270, 1962, S.103
(注29)  なお、わが国において、ドイツ著作権法69f条が、いわゆる「間接侵害」に関する規定として参照されることもあるが、これには留保が必要である。たしかに、ドイツ著作権法98条[複製物の廃棄又は引渡を目的とする請求権]や99条[装置の廃棄又は引渡を目的とする講求権]においては、請求の相手方である所有者又は占有者が同時に加害者である場合に限られており、加害者ではない所有者又は占有者に対しては請求できないのに対して、69f条1項は、「所有者又は占有者に対して」と規定されており、所有者又は占有者が同時に「加害者」でない場合も含まれる点で大きな意味を持つといえよう。しかし、本条の規定は、ドイツ著作権法のうち「第8節コンピュータ・プログラムの特則」の中に設けられているのであり、あくまでコンピュータ・プログラムに関する規定であることに注意が必要であろう。
(注30)   Schricker-Wild, Urheberrecht Kommentar, 2 Aufl. 1999, セクション97 Rn.43.
(注31)   Schricker-Wild, Urheberrecht Kommentar, 2 Aufl. 1999, セクション97 Rn.35;
Wandtke-Bullinger-v.Wolff, Praxiskommentar zum Urheberrecht, 2 Aufl. 2006, セクション97 Rn.13;
Heimo Schack, Urheber- und Urhebervertragsrecht, 3 Aufl. 2005. Rn.682;
Dreier-Schulze-Dreier, Kommentar, 2004, セクション97 Rn.23.
(注32)   Schricker-Wild, Urheberrecht Kommentar, 2 Aufl. 1999, セクション97 Rn.35;
Wandtke-Bullinger-v.Wolff, Praxiskommentar zum Urheberrecht, 2 Aufl. 2006, セクション97 Rn.13.
すでに旧法下の判例において同旨(BGH 29.5.1964, BGHZ 42,118,“Personalausweise“)。
(注33)  ドイツ著作権法96条1項は、違法に作成された複製物は、頒布し、又は公の再生のために利用することができないと規定している。
(注34)   Schricker-Wild, Urheberrecht Kommentar, 2 Aufl. 1999, セクション97 Rn.36;
Wandtke-Bullinger-v.Wolff, Praxiskommentar zum Urheberrecht, 2 Aufl. 2006, セクション97 Rn.13.
(注35)  その後も商標権侵害に関する判例が続いている(BG平成17年5月2001日,GRUR2001,1038, ”ambiente.de“)。
(注36)  その後も議論がある(Maximilian Haedicke, Die Haftung für mittelbare Urheber- und Wettbewerbsrechtsverletzungen. –Zugleich eine Besprechung von BGH v. 15.10.1998-Möbelklasiker-, GRUR 1999,397, usw.)。
(注37)   Schricker-Haß, Urheberrecht Kommentar, 2 Aufl. 1999, セクション106 Rn.15.

2 テレサービス法(TDG)

   他方,ドイツにおいて,プロバイダの責任について大きな役割を果たしているのが,1997年7月22日の「テレサービスの利用に関する法律」(Gesetz über die Nutzung von Telediensten)略して「テレサービス法」(Teledienstgesetz: TDG)である(注38)。
 TDGにおいて,サービスプロバイダ(Diensteanbieter)は,利用に供している第三者の表現内容につき,当該内容を知っており,その利用を防止することが技術的に可能であり,かつ期待可能である場合に限って責任を負うと規定されている(改正前TDG5条2項)(注39)。
 もっとも,この規定は,著作権及び著作隣接権の侵害事件には適用されないとする裁判例が最近出されている(OLG München 8.3.2001, GRUR 2001,499, “MIDI-Files“; LG Hamburg 26.3.2001, CR 2001,477, “Napster“)。
 このTDGは,2001年12月14日に改正されて現在に至っている(2001年12月21日施行)(注40)。この改正によりTDGは,かつて6箇条であったものが12箇条に拡大するとともに,全体の構成も,第1章「総則」,第2章「アクセスの自由と情報義務」,第3章「責任」,第4章「科料規定」となるなど,形式的には大きく変化した。
 このうち,改正前TDG5条2項に相当する規定である改正後TDG11条によれば,いわゆるホスティングをするサービスプロバイダは,利用者のために蓄積している他人の情報について,1プロバイダが,違法な行為又は情報について知らないこと,かつ損害賠償請求については,当該違法な行為若しくは情報を推知させる事実又は状況を認識していないこと,2プロバイダが,かかる事情を知ったとき若しくは認識したときは,遅滞なく当該情報を削除し,又はそれへのアクセスを無効化することを条件として,責任を負わないものと定められている。
 また,改正後TDG8条は一般原則を定めており,サービスプロバイダには一般的な監視義務がなく(同条2項1文),情報の削除又は送信防止に関する一般の法律に基づく義務は,9条から11条までの規定に基づきサービスプロバイダの責任が否定される場合においても残ると規定されている(同項2文)。
 判例においても,一般に,11条1項の免責規定は停止請求(Unterlassungsanspruch)には及ばないとされている(BGH 11.3.2004, GRUR 2004,860, “Internet-Versteigerung”)。実際のところ,他人のMP3コンテンツにリンクを提供するプラットフォーム事業者が,リンクを削除することによって他人の権利侵害を阻止する可能性を有していることを理由に,妨害者として停止請求を受けるものとされた裁判例がある(LG Berlin, 14.6.2005, MMR 2005,718)。

(注38)   Gerald Spindler, TDG -Teledienstgesetz, Teledienstedatenschutzgesetz, Signaturgesetz-, 2004.
(注39)  鈴木秀美「ドイツ・マルチメディア法制におけるプロバイダーの責任―法的規制と自主規制―」広島法学23巻2号127頁(1999年)も参照。
(注40)  米丸恒治「情報サービスおよび通信サービスの大綱条件の規制のための法律―いわゆるマルチメディア法」『情報ネットワークの法律実務』(第一法規、加除式、2002年)7302頁以下参照。

3 ドイツ民法

   ドイツ民法においては,1004条が,妨害除去請求権及び停止請求権を規定している。これは,占有の侵奪・抑留以外の方法による所有権侵害に対して与えられる救済手段であり,所有権の消極的効果の貫徹に奉仕するための制度とされる。
 ここでは,妨害者の故意過失は要件でないという点で,不法行為における過失責任主義(ドイツ民法823条,826条)と対照的である。もっとも,1004条2項は,「前項の請求権は、所有者が受忍義務を負う場合には、排除される」と規定しており,受忍義務が肯定される場合には,いずれの請求権も排除される。
 その保護法益は,明文上定められている所有権にとどまらず,絶対権,一般的人格権,さらには不法行為法上保護される法益一般へと拡大的に解釈されている。
 ここにいう「侵害」(Beeinträchtigung)とは,「人間の行態」(menschliches Verhalten)に基づくものとされる(注41)。そのため,単なる自然力の作用によるものは原則として含まない(例:落石,突風による倒木,雨水の溢出,害虫被害)。例えば,隣接地の庭から飛来した害虫によって自己所有地上のからまつが被害を受けたとしても,庭の所有者に対して,害虫の進入を阻止する措置をとるよう請求することはできないとした判例がある(BGH 7.7.1995, NJW 1995,2633)。また,積極的な行為又は義務違反の不作為により妨害を惹起したことが必要となるものと解されている。例えば,境界線から一定の距離を保つように定める州法の規定に違反して木を生育させる所有者は,その木から落下した葉や花等による隣接地へのイミシオーンについて妨害者であるとされた判例がある(BGH 14.11.2003, BGHZ 157,33)。
 そして,請求の相手方である「妨害者」(Störer)としては,行為妨害者(Handlungsstörer)(自己の行態・意思活動によって所有権侵害を相当に惹起したことに基づく責任)と状態妨害者(Zustandsstörer)(妨害源である物につき所有権・占有権・処分権限を有することに基づく責任)の両者が含まれる(注42)。
 このうち,行為妨害者には,直接妨害者(自己の作為・不作為によって自ら侵害を惹起した者)(例:他人の私有地上の無断通行,家庭排水の隣接地への垂れ流し,投石による窓ガラス破壊)のみならず,間接妨害者(第三者の行為によって侵害を相当に惹起した者)が含まれ得る。ここで,間接妨害者(mittelbarer Störer)としては,例えば,賃借人の妨害行為に対する賃貸人又は被用者の行為に対する使用者の責任が問題となる。実際のところ,テニスコート設備を保有するスポーツクラブが,テニスのプレイ中に発生する騒音による隣接地所有者への被害に対する「妨害者」として,プレイの時間帯を曜日ごとに制限するように命じられた裁判例(OLG Celle 14.4.1987, NJW 1988,424),自社の宣伝を広告会社に委託した日用品販売業者は,広告会社が原告の意思に反してその郵便箱へ宣伝ビラを投入したことに関する「間接妨害者」として,広告会社に対して,将来の侵害を防止するために適当な措置を取る義務があるとされた判例(BGH 20.12.1988, BGHZ 106,229),あるいは,駅近辺の商用地区域内にある薬物中毒救援センターに隣接する土地の所有者が,自己の所有地上に麻薬中毒者や売人がたむろし,血液,汚物,使用済みの注射器などを土地に撒き散らし,居住者や訪問者の土地への立入りを実質的に妨害しているとして,センターとその敷地所有者(賃貸人)を「間接妨害者」として訴えた事例で,主位的請求であるセンターの営業停止は同センターが果たしている公共の利益に鑑みて棄却されたものの,公用徴収における損失補償の諸原則にしたがい,原告らの所有地の価値(賃貸可能性)の減少に対して,金銭による補償を請求することは認められた判例(BGH 7.4.2000, NJW 2000,2901)などがある。
 次に,状態妨害者は,例えば,木の根が越境して隣接地の所有権を侵害する場合の地盤の所有者をいう。もっとも,単に所有者,占有者,処分権限保有者であるというだけで責任を根拠付けることはできず,侵害が少なくとも間接的にその意思に帰せしめられなければならないとされている。例えば,危険な状態を自ら作出したという場合(例:家屋内に存在する電気配線及び電気設備の技術的な欠陥により発火し,隣接地に多大な損害を与えた家の所有者)や,第三者により作出された危険な状態を保持していることが問題となる。実際のところ,有害な液体が自分の知らない間に第三者によって被告の支配する空間内に持ちこまれ,そこから流出した場合,被告はこれと結びついた原告の土地所有権に対する危険を回避できる状態にはなく,「状態妨害者」としての責任を負わないとされた判例もある(BGH 4.2.2005, NJW 2005, 1366)。
 なお,ドイツ民法における不法行為の効果は,原則として原状回復義務とされている(ドイツ民法249条)。その上で,原状回復が可能でなく,または債権者に対する賠償として十分でない場合や,原状回復に過分の費用がかかる場合などにおいては,例外的に,金銭賠償が認められるものとされている(ドイツ民法251条)。

(注41)   Kurt Rebmann usw.(hrsg.)-Dieter Medicus, Münchener Kommentar zum BGB, Band 6, 4 Aufl. 2004, セクション1004 Rn 22.
(注42)   Kurt Rebmann usw.(hrsg.)-Dieter Medicus, Münchener Kommentar zum BGB, Band 6, 4 Aufl. 2004, セクション1004 Rn 38 ff.

4 ドイツ特許法

   ドイツ特許法においては,ドイツ著作権法に比べると明確な規定が見られる。すなわち,特許権の効力を定めた9条に加えて,10条が特許権のさらなる効力を規定しているのである。
 この規定が特許の間接侵害を定めているものということができる(詳しくは,本報告書5.に譲る)。

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