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平成17年4月28日
私的録音録画補償金の見直しについて
デジタル私的録画問題に関する権利者会議
録画用機器の普及、発達と多様化、および録画媒体の大容量化の現状を踏まえ、私的録画補償金制度が直面している課題に関し、以下のとおり見直すべきであると考えます。
1 ハードディスク内蔵型録画機器等の政令による追加指定について
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録画機器、録画媒体の内で同一機能と専用性を有し当然法規定に該当すると考えられるにも拘わらず、補償金対象のものと非対象のものが混在していることは、消費者、製造者、権利者いずれの立場から見ても、補償金制度への信頼を損ねる原因の大きな要素となっており、法遵守および法の実効性の見地から極めて重大な問題である。
そこで、既に発売されている製品の中で、以下の2技術に関連するものについては、現行制度の下でも政令指定が可能であると考えるので、至急調査のうえ指定すべきである。
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Blu-ray Disc用録画機器と録画用Blu-ray Disc |
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ハードディスク内蔵型録画機器 |
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このうち については、テレビ録画を目的として、通常チューナーを内蔵したDVD-R/RW録画機器と同一筐体に録画媒体であるハードディスクを内蔵し、DVD-R/RW、ハードディスクいずれの媒体へもデジタル録画が可能である製品を指す。このようなDVD-R/RW録画機器に内蔵されたハードディスクは、筐体から外へ取り出すことはできないが、録画機器を用いて録画することを目的としている録画用媒体であることは間違いない。従って、現行制度の下での政令指定は、ハードディスク内蔵型録画機を機器、ハードディスクを媒体としてそれぞれ可能であると考えている。
なお、今年末に発売が予定されているHD DVD用録画機器と録画用HD DVDについては、既に補償金支払いの対象になっている現行DVD-R/RW録画機器と互換性があるとされていることから、新たに政令指定をしなくても現行制度の下で著作権法施行令第1条2の三(ハ)に該当し、補償金支払いの対象になると考えている。 |
2 補償金制度の見直しについて
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拡大を続けるデジタル社会において、「使用」と「権利」の調整が最重要課題に浮上している。こうした状況下において補償金制度が健全に機能しない場合、著作権法30条1項に定める私的録画という権利制限概念自体が大きな動揺をきたし、無用の利害衝突により技術の発達を生かす道を閉ざしかねない。
補償金制度は、技術の発達を阻害するような制度ではもとよりないし、むしろ消費者、製造者の理解を得、それらと権利者間の利害調整を円滑に行うことができれば、技術の発達と共に、その時代に相応しい補償金制度の在り方が見出されるはずである。
その意味で、「使用」と「権利」のバランスを大きく欠いている現在では、以下に挙げる2点について、早急に法的な対処を行うことが必要であると考える。
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(1) |
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現在対象となっていない、パソコン内蔵・外付けのハードディスクドライブ、データ用DVD-R/RW等のいわゆる録画に供される汎用機器・記録媒体の取扱いについて
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昨今のパソコンは、多機能化に伴い、放送波の受信機能を備え、大容量のパソコン内蔵・外付けのハードディスクドライブ等にテレビ番組を録画することができる機能を標準装備とするものが増えてきている。また、いわゆる「ホームサーバ型」と呼ばれる機種においては、同時に複数チャンネルを録画し、膨大なテレビ番組を蓄積して、いつでも視聴することができたり、保存用に複製できるような機能をセールス・ポイントにした製品も競って販売されている。 これらパソコンは、機能又は効用として、専用の録画機器と少なくとも同等であるばかりでなく、製品によってはそれ以上のものを兼ね備えている。
このような現状がこのまま続けば、私的録画行為としては全く同じことが可能であるにも拘らず、補償金支払いの対象ではないパソコンに代表される汎用録画機器が流通することとなり、権利者のみならず、実際に補償金を支払っている消費者や協力義務を負う製造業者と負わないパソコン製造業者間の不公平感はますます拡大する一方である。
しかも、デジタル製品は総じて汎用化の方向に向かっており、このままこれらパソコンを補償金支払いの対象としないまま放置することは補償金制度の形骸化にも繋がりかねない。
私的複製行為に課金する技術的な手段が確立されればともかく、補償金制度は使用者と権利者間の著作物の使用について包括的に問題を解決し、円滑に使用できるようにするための仕組みとして、少なくとも現状では不可欠の重要な制度であり、録画に供される汎用機器および記録媒体についても、補償金の対象とするよう法改正すべきであると考える。
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(2) |
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現行の対象機器・記録媒体の政令による個別指定という方式について
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デジタル録画の機器や媒体の技術革新にはめざましいものがあり、新たな媒体の登場と共に、一媒体当たりで録画できる容量も増加の一途を辿っている。
このように多様化しつつ急速に発展を遂げていく技術を前提に考えると、現行制度のように、新しいものが生まれる都度技術を特定化し、政令に指定するという方法自体に限界があり、しかも時間をかけて政令指定したにも拘わらず技術によってはすぐに陳腐化してしまう(現にもはや存在しない技術が政令指定されている)という問題を抱えることになる。また、それら技術を特定するための政令における条文表現が、非常にわかりにくいものとなっていることも補償金制度への理解を妨げている一因である。
そこで、今後は従来のように個々の技術を指定するのではなく、機能又は効用とその要件を指定する等の方法を採ることとし、デジタル録画機器の持つ機能又は効用が補償金支払いの要件を満たす場合はおしなべて補償金支払いの対象となるような、すなわち、ある程度包括的に将来生まれ得る技術をもカバーできるような、弾力性に富んだ制度に改めるべきである。
また、これにより今後登場する新しい技術にもスムーズに対応できるものと考える。 |
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デジタル私的録画問題に関する権利者会議構成団体
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社団法人音楽出版社協会
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社団法人全日本テレビ番組製作社連盟
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協同組合日本映画製作者協会
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社団法人日本映画製作者連盟
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社団法人日本映像ソフト協会 社団法人日本音楽事業者協会
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社団法人日本音楽著作権協会
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協同組合日本脚本家連盟
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社団法人日本芸能実演家団体協議会
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協同組合日本シナリオ作家協会
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有限責任中間法人日本動画協会
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社団法人日本民間放送連盟
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社団法人日本レコード協会
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