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資料2−1   参考資料


アクセス権関係参考資料

2003.10.8.
朝日放送・上原伸一

1>アメリカ、EUの例
アメリカ・・・1998年デジタル・ミレニアム著作権法により保護
“アメリカ著作権法第1201条著作権保護システムの回避”
   ・ (a)(1)(A)何人も、本編に基づき保護される著作物へのアクセスを効果的にコントロールする技術的手段を回避してはならない。第1段に掲げる禁止は、本章の制定日に始まる2年間の終了時に発効する。
(a)(3)(A)「技術的手段を回避する」とは、著作権者の許諾なく、スクランブルがかかっている著作物のスクランブルを解除し、暗号化された著作物の暗号を解除し、またはその他技術的的手段を回避し、迂回し、除去し、無効にしもしくは損壊することをいう。
(a)(3)(B)技術的手段が「著作物へのアクセスを効果的にコントロールする」とは、当該技術的手段がその動作の通常の過程において著作物へのアクセスを行うには、著作権者の許諾を得て情報を入力し又は手続きもしくは修理を行うことを必要とする場合をいう。
アクセスコントロールのための技術的手段を回避する製品、サービス、部品等の製造、輸入、公衆への提供等の禁止等。

      *    以上、CRIC「外国著作権法令集(29)アメリカ編」山本隆史・増田雅子訳より 


EU・・・ディレクティブ2001/29/EC で保護
“第3章第6条技術的手段に関する義務”
   ・ 1.加盟国は、関係する者が、その目的のためであることを知り、または知るべき合理的な理由を有しながら行う、いずれかの効果のある技術的手段の回避に対して、適切な法的保護を与えるものとする。  
3.本ディレクティブの適用上、「技術的手段」という表現は、法律に規定されたいずれかの著作権もしくは著作権に関連する権利、またはディレクティブ96/9/EC第3章に規定されたsui generis 権の権利者により権限を与えられていない、著作物その他の目的物に関する行為を、その通常の稼働に応じて防止し又は禁止するよう意図されたいずれかの技術、装置または部品を意味する。技術的手段は、アクセス・コントロールもしくは暗号化、スクランブル掛けのような保護方法またはその他の保護の目的を達成する著作物その他の目的物の変形の応用によって、保護のある著作物その他の目的物の利用が権利者により制御される場合は、「効果がある」とみなされる。
技術的手段の回避を主たる目的とする装置、製品もしくは部品等の製造、輸入、頒布、販売、貸与等に対し適切な法的保護を与える。

      *    以上、CRIC「情報社会における著作権及び関連権の一定の側面のハーモナイゼ ーションに関する欧州議会およびEU理事会のディレクティブ2001/29/EC」
原田文夫訳より



2>WIPOにおける“暗号解除権”議論
○“ 放送機関の保護の新条約”・・・・・暗号解除権の問題
9政府提案中、スイス、アルゼンチン、ウルグアイは暗号解除権導入。
              日本は、技術的手段に関する義務で保護するかどうか更に検討。
(スイス、アルゼンチンは技術的手段に関する義務でも保護)
EUは導入せず。アメリカはWCT、WPPTでも読めるとの立場。

一昨年までは、放送の実情に理解を示しながらも、理論的な問題の指摘が中心

昨年5月SCCR7では、実情に鑑み、保護を与える方向に
1 差し止め請求も出来る排他的許諾権として暗号解除権を付与。
2 技術的手段に関する義務に、特に、「暗号化された放送信号を許諾なく暗号解除することに対する法的対応」を付け加える。
      *スイス提案    第6条    「放送機関は、  暗号化された放送の暗号解除を許諾する排他的権利を有する。」
  第14条       「締約国は、 構成部分やデータ処理プログラムが、暗号化された放送の詐欺的暗号解除に役立つ、またはそうした目的に使用される装置の製造、輸入、輸出、輸送、販売、取り付けを禁止し、これらに対し有効な法的救済手段を講じなければならない。」

今年6月SCCR9では、議長まとめの予備的理解で、認める権利・保護の一項目に。
      * “予備的理解”は最終的に、途上国の抵抗で“SCCR10で反映・討議されるべき要素”と言い換えられた。 

以上 

条約提案比較表(PDF:227KB)




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